淋病(淋菌感染症)とは?症状や原因、検査法、治療法を解説

淋病(淋菌感染症)に感染すると、どのような症状があらわれるのでしょうか。症状が進むと不妊症や全身の炎症にもつながる淋病の、原因や治療法を探ります。新生児への産道感染、パートナーとのピンポン感染を防ぐためにもしっかり対策をしていきましょう。

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目次

  1. 淋病(淋菌感染症)とは?原因は?
  2. 淋病(淋菌感染症)の症状は?女性と男性でどう違う?
  3. 淋菌感染症の検査方法は?
  4. 淋病(淋菌感染症)の治療法は?
  5. 淋病(淋菌感染症)の予防法は?
  6. 感染を広げない、感染をしないことを念頭におこう
  7. あわせて読みたい

淋病(淋菌感染症)とは?原因は?

淋病は正式には「淋菌感染症」という性感染症で、細菌の一種である淋菌に感染して発症します。感染経路は主に性交によるもので、日本では20代前半に多く見られます。

男女ともに感染する可能性がありますが患者数は男性の割合が圧倒的に多く、平成28年に定点医療機関(指定届出機関)から報告された患者総数8,298人のうち、男性の患者数は女性のおよそ4倍でした。女性では主に子宮頚管や子宮、卵管に感染し、男性の発症部位は尿管感染がほとんどです。

淋病はオーラルセックスやアナルセックスにより、咽頭や結膜、肛門にも感染します。また妊娠時に感染していると、母から新生児に感染する産道感染も起こります。近年では性交を介さない感染例も報告されました。

淋菌はもともと弱い菌で、人の身体から離れた環境では長く生きられません。しかし、治療に用いられる抗生物質への耐性化が進んでいたり、淋菌に感染するとHIVへ感染しやすくなったりと看過できない状況となっています。

淋菌は一度感染したからといって、免疫ができるものではありません。何度も繰り返し感染します。正しい知識をもとに、感染しない対策をとることが大切です。

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淋病(淋菌感染症)の症状は?女性と男性でどう違う?

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女性は自覚症状がない場合が多い

女性の淋病感染者数は、男性に比べ圧倒的に少数です。しかし、数が少ないのは感染している人の数を正しく反映しているのではなく、女性の場合は感染していても自覚症状がほとんどないからだと考えられます。

自覚症状に乏しいため感染していることに気付かず、性交により自分が感染源になっているケースもあると考えられています。

おりものの異常や不正出血があることも

女性が淋菌に感染した場合、はじめに淋菌性子宮頚管炎の症状がみられます。おりものが変化したり、不正出血があったりして感染に気づきます。とはいえ感染の初期は症状があらわれないことが多く、いつから潜伏していたのかはさだかではありません。

淋菌に感染したおりものは黄緑色っぽい膿性を示し、悪臭や粘り気を帯びています。子宮頚管炎が進行すると性交痛や下腹部痛を感じることがあります。さらに炎症がひどくなると、発熱や頻尿を訴える人もいますが、ケースとしてはまれな症状です。

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卵管炎や子宮外妊娠の原因になる

女性器に炎症が起こると、炎症が慢性化し、腟から子宮、卵管、卵巣へと上行感染が生じます。卵管や卵巣は子宮の奥にある臓器のため、卵管炎、卵巣炎まで症状が進むと治療が難しくなります。症状がさらに進行した場合、骨盤腹膜炎や肝周囲炎から敗血症にいたり命の危険にさらされたりする事例もあり、症状があらわれたら早い段階で対処することが必要です。

とくに淋菌性卵管炎を放置すると、卵管が癒着して不妊症や子宮外妊娠を引き起こす原因となります。妊婦の感染により出産時に産道感染を引き起こし、新生児が結膜炎を発症するおそれもあります。将来的な妊娠・出産への影響を考えて、感染が疑われる場合は確実に治療していきましょう。

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クラミジアと併発することも

性器クラミジア感染症は、日本で一番感染者数が多い性感染症です。淋病と同じく女性が感染していても、症状に乏しいのが特徴です。淋病に感染している人の20~50%の割合で、クラミジアとの合併がみられます。

淋菌は感染すると、女性よりも男性の方に症状が出やすいものです。性交後、パートナーに淋病やクラミジア感染症が疑われるような症状があらわれたときは、カップルで医療機関を受診することをおすすめします。

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男性は尿道炎になることが多い

男性は女性よりも早期に症状があらわれます。性交後、2~7日の潜伏期間ののち、陰茎の先端にある尿道口から膿性の分泌物が排出されます。

分泌液は濃い黄白色で、多量です。一度ぬぐっても、あとからしたたり落ちるように出るのが特徴で、排尿時に痛みをともなうこともあります。しかし近年では、膿性の分泌物がみられない感染例の報告もでてきています。

淋菌性の尿道炎を放置しておくと、炎症が陰茎内を進み精巣上体炎を引き起こすことがあります。陰嚢が腫れたり、そけい部に歩けないほどの痛みを感じたりと症状が強くあらわれるので、症状があらわれたら早めに対処しましょう。

淋菌感染症の検査方法は?

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おりものや尿の検査

淋菌感染症の検査方法は、女性と男性で異なります。女性ではスワブという綿棒状の検体採取キットを使い、子宮頚管からおりものを採取して判定を行います。男性は尿からの検査が行われるのが一般的です。

女性の場合は産婦人科、男性の場合は泌尿器科や性病外来などで診察が受けられます。自治体にある保健所でも検査を行っていることがありますので、地域の保健所・保健センターのホームページから検索してみましょう。

喉に感染しているときは喉の検査

性器が淋菌に感染していると、10~30%の割合で咽頭への感染がみとめられます。咽頭に感染していても自覚がないことが多いのですが、ディープキスで感染が広がる可能性や、オーラルセックスにより咽頭から性器へと感染が広がるケースも考えられるため、性器感染症がある場合は咽頭への感染も考慮したほうが良いでしょう。

咽頭感染はスワブを使って喉の奥をぬぐい検体を採取するか、うがいをした液から採取するかの、いずれかの方法で行われます。

市販の検査キットを使う

淋病は男女ともに、検査キットが市販されています。女性は腟からの分泌液とうがい液を、男性は尿とうがい液を検体として郵送して検査を依頼します。検査可能な時期は感染の可能性があった日から2~3日、検査結果が出るまでは1~2週間ほどかかるのが一般的です。

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淋病(淋菌感染症)の治療法は?

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検査の結果、淋菌に感染していると判定されたときは抗菌薬(抗生物質)による治療が必要です。淋菌は徐々に抗菌薬への耐性菌がでてきていることから、場合によっては2剤を併用した治療がすすめられます。

ニューキノロン系、テトラサイクリン系の抗菌薬は耐性率が80%と高く、使用すべきではないとされています。第三世代経口セフェム系薬も耐性率が30~50%と考えられているため、効果が認められていません。処方内容についてしっかりと確認するようにしましょう。

現在効果が高く、保険が適用されている薬剤はセフトリアキソン、セフォジジム、スペクチノマイシンの3剤です。セフトリアキソン、セフォジジムは静脈注射、スペクチノマイシンは筋肉注射によって投与されます。セフィキシムもしくはアジスロマイシンの内服薬が処方されることもあります。

抗菌薬は処方量、処方の日数が厳密に決められています。定められた容量で使用しないと、効果がみとめられません。薬の服用を勝手にやめた場合、せっかく減ったり弱っていたりした菌が盛り返してしまうケースもあります。

治療は医師の指導のもと確実に行い、薬剤を投与した後は再検査をして淋菌が消失しているか調べるようにしましょう。

淋病(淋菌感染症)の予防法は?

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性交時はコンドームをつける

淋病は1回の性交で感染する確率が約30%です。しかも1度感染しても耐性はできず、何度も繰り返し感染してしまいます。パートナーとのあいだで感染が繰り返される「ピンポン感染」を避けるためにも、しっかりと感染予防対策をしていきたいものです。

性交のときはコンドームを使用し、粘膜の接触を避けましょう。咽頭感染を防ぐため、性器への挿入時だけではなくオーラルセックスの際もコンドームを使用してください。

感染している人と性交しない

淋菌に感染した状態で性交をすると、パートナーに感染を広げる可能性があります。不特定多数の人と触がある人物とは性交を避けましょう。

また、付き合いが浅く2~3ヶ月以内にふたり以上と性交している人とは、信頼関係が築けるまで性交しないか、コンドームを着用するよう心がけることも大切です。

感染を広げない、感染をしないことを念頭におこう

淋菌は症状があらわれないケースも多く、感染者数は年々拡大傾向にあります。また、重篤な合併症に発展するケースもゼロではありません。

治療薬に対する耐性菌もみられることから、性交時にはつねに感染のリスクを考えて行動したいものです。感染を広げない、感染をしないことを念頭において、感染が疑われる場合は、パートナーと一緒に検査や治療を受けるようにしましょう。

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