子宮内膜ポリープは手術で切除する?原因や症状、手術後の生理や子作りを解説

子宮内膜の表面にできる「子宮内膜ポリープ」は、まれに悪性のことがあり、また不妊の原因になりうる腫瘍です。子宮内膜ポリープができた場合、手術は必要なのでしょうか。妊娠できるのでしょうか。子宮内膜ポリープの原因と症状、手術方法・費用、手術後の再発や妊娠の可能性について知り、落ち着いて対応できるようにしておきましょう。

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この記事の監修

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産婦人科医
清水 なほみ

目次

  1. 子宮内膜ポリープとは?
  2. 子宮内膜ポリープの原因は?
  3. 子宮内膜ポリープの症状は?
  4. 子宮内膜ポリープが悪性のことはあるの?
  5. 子宮内膜ポリープの検査とは?
  6. 子宮内膜ポリープの手術方法と費用は?
  7. 子宮内膜ポリープの手術後の生理や妊娠、子作りは?
  8. 子宮内膜ポリープは再発するの?
  9. 子宮内膜ポリープの手術は不妊の解決につながるかも
  10. あわせて読みたい

子宮内膜ポリープとは?

子宮内膜ポリープは子宮内膜の表面からキノコのように突出した結節のことを指し、20代~40代の幅広い年代で見受けられる疾患です。良性の場合がほとんどですが、まれに子宮体がんがポリープ状に発生することもあるため疑わしいものは詳しく検査する必要があります。

自覚症状が少なく、また検査しても見つからないことがあるため見落としやすい病気ですが、着床を妨げて不妊の原因となることがあります。原因不明の不妊症に悩んでいる人は、実は子宮内膜ポリープによって妊娠を阻害されているのかもしれません。

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子宮内膜ポリープの原因は?

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子宮内膜ポリープの原因は、まだはっきりとは明らかにされていませんが、エストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの刺激による子宮内膜の過剰な増殖が原因であるという説があります。子宮内の炎症や月経不順に伴うホルモンのアンバランスが原因で子宮内膜の状態が変化することで発生しやすくなるとも指摘されています。

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子宮内膜ポリープの症状は?

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自覚症状がない場合が多い

子宮内膜ポリープは自覚症状がない場合が多いといわれています。そのため別の目的で受けた検査の中でたまたま発見されるケースが多いようです。

不正出血(生理以外の出血)が起こる

自覚症状がある場合には、不正出血(生理でないのに性器から出血すること)や褐色~ピンク色の織物が増える・月経開始前に少量の出血が出る・月経が長引く・月経量が増えるなどの症状がみられる場合があります。症状がある人のほうが、症状がない人よりもポリープが悪性と診断される可能性が高いとされているため、不正出血が起こったときにはすぐに病院で診てもらうことが大切です。自分の生理周期を把握し、異常な出血があるときには早めに気づけるようにしておきましょう。

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不妊につながりやすい

子宮内膜ポリープができると受精卵の着床の妨げとなり、不妊につながることがあります。不妊症に悩んで検査を受けたところ、そこで初めて子宮内膜ポリープが見つかったというケースもあります。子宮内膜ポリープが原因で妊娠できない場合には、ポリープを手術で切除して原因を取り除くことになるでしょう。

子宮内膜ポリープが悪性のことはあるの?

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子宮内膜ポリープはほとんどが良性ですが、まれに悪性のこともあります。子宮内膜ポリープの症例のうち、約7割が良性で、それ以外は悪性か良性か判別のつかないものや悪性の疑いのあるものだったというデータがあります。そのとき悪性と断定されたものは、全体の0.8%程度でした。

このように悪性である頻度は非常に低いのですが完全に良性であるとは言い切れないため、子宮内膜ポリープが疑われるときはしっかり検査をして悪性かどうかを確認する必要があるのです。閉経後に不正出血が見られた人は、悪性のリスクが高くなると考えられているため特に注意が必要です。また、自覚症状がない人よりもある人のほうがリスクが高い傾向にあるとも指摘されています。

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子宮内膜ポリープの検査とは?

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子宮内膜ポリープはどのような検査で見つかるのでしょうか。

経腟超音波検査

子宮内膜ポリープは自覚症状がほとんどない場合が多いため、最初はほかの病気の検査や不妊検査における経腟超音波検査で見つかることもあります。経腟超音波検査では、超音波を出す器具を腟から入れて子宮の状態を画面上で観察します。子宮内膜ポリープが疑われる場合には、子宮鏡検査で診断を確定します。

子宮鏡検査

子宮の中を直接観察し、子宮内膜ポリープであるかどうかの診断やポリープの位置、大きさ、個数の確認を行うために「子宮鏡」という器具を用いることがあります。この検査をすることで診断を確定させると同時に、さらなる検査や手術の必要性を判断することができます。

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子宮内膜細胞診

子宮内膜ポリープが悪性でないかどうかを確かめるため、専用のチューブやブラシで子宮内膜の細胞を採取し、染色液をつけて顕微鏡で観察する検査を行います。悪性のものは早期に発見できなければ命にかかわりうるため、細胞診は非常に大切な検査であるといえます。

手術によるポリープの摘出

良性か悪性かの診断と治療を同時に行うために、手術を行って子宮内膜ポリープを摘出することもあります。子宮鏡下手術と子宮内膜全面掻爬(そうは)術の2種類があります。

子宮内膜ポリープの手術方法と費用は?

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子宮内膜ポリープが発見されても悪性の疑いが薄い場合には、経過観察で様子を見る場合が多いですが、症状がある場合、症状がなくても悪性が疑われる場合、そして不妊の場合には、子宮内膜ポリープを摘出する手術が必要であると判断されます。子宮鏡下手術と子宮内膜全面掻爬術の両方について、手術の概要と費用、入院の必要性や麻酔について確認しましょう。

子宮鏡下手術

子宮経管を拡げる処置を行ってから腟から子宮鏡を入れ、子宮の中の状態を観察しながら子宮内膜ポリープを電気メスで取り除く手術です。静脈から痛み止めを注入する静脈麻酔や全身麻酔をしてから行います。日帰り~数日の入院をして手術を行います。

入院期間や病院によりますが、保険適用で5万~10万円程度の費用がかかります。任意保険の給付金の対象になる場合もあるため、確認すると良いでしょう。

子宮内膜全面掻爬術

胎盤鉗子(かんし)やキュレットと呼ばれる器具で子宮内膜全体をかき出す手術です。痛みを伴うため、麻酔をしてから手術します。子宮鏡下手術と同様に日帰り~数日の入院となる場合が多いでしょう。

費用は入院期間や病院によって異なりますが、1万~3万円前後が相場のようです。掻爬術の場合も任意保険の給付金の対象になる場合があるため、確認してみましょう。

子宮内膜ポリープの手術後の生理や妊娠、子作りは?

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子宮内膜ポリープの手術をすると、生理や妊娠にどのような影響があるのでしょうか。子作りはいつから再開できるのでしょうか。

手術後の生理は遅れても焦らずに

手術で子宮内膜ポリープを除去した後は、子宮内膜が薄くなったことで生理がなかなか来なかったり、生理の経血が少なくなったりする場合があるようです。手術によって子宮の状態が変化しているため、手術直後や1~2サイクルの生理周期や経血量に多少の変化があってもおかしくはありません。過度に心配せずに普段通りの生活を送りましょう。

手術後に妊娠率が高まることも

子宮内膜ポリープが不妊の原因となっていた場合には、手術で切除することによって受精卵が子宮内膜に着床しやすくなり、手術後に妊娠しやすくなる可能性があるでしょう。

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手術後の子作り・不妊治療は医師に相談

子宮内膜ポリープを切除した後、いつごろから子作りができるのか、不妊治療を再開できるのか気になりますよね。子宮鏡下手術や子宮内膜全面掻爬術を行った後は、子宮内膜が正常な状態に戻るまでは子作りや不妊治療を再開しないほうが賢明です。手術後いつから再開するかは自己判断せずに医師に相談しましょう。

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子宮内膜ポリープは再発するの?

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子宮内膜ポリープは、切除しても再発するリスクがあります。原因としては、切除後もポリープの根っこの部分がわずかに残っている場合にそれが大きくなってしまうこと、もともとポリープができやすい体質であることが考えられるでしょう。

手術後すぐに再発することはめったにありませんが、数年経って再びポリープができてしまったという例がみられるようです。手術後は定期的に病院で検査を受け、経過観察をしましょう。

子宮内膜ポリープの手術は不妊の解決につながるかも


子宮内膜ポリープは症状がなく良性であれば放っておいて問題ありませんが、まれに悪性の場合があったり、不妊の原因になったりすることのある病気です。生理とは異なるタイミングで出血があるときには、病院でしっかり検査してもらうと安心です。たとえ子宮内膜ポリープでなかったとしても、何らかの婦人科系の病気が見つかるかもしれません。

また、不妊で悩んでいる人も、子宮内膜ポリープが原因となっている可能性が考えられるため、子宮の状態をチェックしてもらいましょう。手術で取り除くことができれば、不妊原因をひとつ取り除くことができます。

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