更新日:2018年10月30日

子宮の病気をチェックしよう!11種類の子宮の病気の症状・原因

女性にとって大切な身体の部位である「子宮」は、さまざまなトラブルが起こりうる器官です。子宮が腫れて痛くなったり、厚くなったり、大きくなったり、腫瘍ができたり。子宮の病気の種類は数多くあります。妊娠や出産、命にもかかわりうる子宮の病気の症状や原因、検査、治療・手術について知り、病気の兆候に敏感になりましょう。

監修 : ままのて 医師・専門家
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記事の監修

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産婦人科医
清水 なほみ

子宮の病気とは?

子宮の病気は種類が多く、原因も症状もさまざまなので、名前を聞いたことはあるけどよくわからない、どれも似ていて混同してしまう、という人も多いのではないでしょうか。子宮の病気には、子宮がんや子宮内膜が増殖して厚くなる病気、子宮内膜が別の場所にできる病気、子宮の炎症、良性の腫瘍などがあります。

病気が発生する場所は、腟から子宮へとつながる「子宮頸管」や子宮の入り口部分である「子宮頸部」、子宮の内部にある「子宮内膜」、子宮の筋肉部分である「子宮筋層」といった広い範囲に渡り、女性器の中でも特に婦人科系の疾患が起こりやすい器官であるといえるでしょう。子宮の病気の症状や原因について知ることで、子宮の異変に早く気づけるようにしたいですね。

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子宮の病気の症状は?

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子宮に異変があると、どのような症状があらわれるのでしょうか。子宮の病気の代表的な症状を確認しましょう。

不正出血や性交時出血

子宮の病気の症状でもっともよくある症状のひとつが、生理でないのに性器から出血してしまう「不正出血」や性交時に出血する「性交時出血」です。

女性ホルモンのはたらきによって厚くなった子宮内膜が剥がれて体外に出ることが生理(月経)ですが、子宮にある腫瘍や炎症が刺激を受けて出血したり、子宮内膜が厚くなりすぎて保たれなかったりすると、生理でないのに体外に血が出てくることがあります。子宮頸がん、子宮体がんや子宮内膜増殖症、子宮の炎症やポリープにおいて起こりうる症状です。

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おりものの変化

おりものの量が増えたり、おりものが膿のような状態になったりすることもあるでしょう。子宮内膜炎や子宮頸管炎といった細菌や原虫に感染することによって起こる炎症になると、おりものが黄色や黄緑に変色したり、においが強くなったりすることも考えられます。

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激しい生理痛や月経量の増加

生理痛(月経痛)が激しくなったり、月経量が多くなって貧血気味になったりする病気もあります。具体的には、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫では生理が重くなる傾向が強いといえるでしょう。

腹痛、腰痛、骨盤痛

子宮に異常が起こることで、下腹部や腰、骨盤といった子宮周辺に痛みが出ることがあります。子宮がんや子宮の炎症といった幅広い病気でみられる症状のひとつです。

性交痛、排尿・排便痛

性交や排尿、排便のときに痛みを感じることもあります。特に子宮内膜症や子宮頸管炎ではよくみられる症状です。子宮にできる良性のポリープでは、こうした痛みが出ることはないのが一般的です。

自覚症状がないこともある

子宮の病気にかかっていても、ほとんど、あるいはまったく症状が出ないこともあります。子宮のポリープや炎症、子宮頸がんでは症状が出ないことは決してまれではありません。

子宮頸管や子宮内膜にできる良性のポリープの場合には放っておいても問題ない場合もありますが、子宮の炎症の場合には放っておくと悪化して他の炎症を併発したり、妊娠・出産に悪影響を与えたりする可能性があります。また、子宮頸がんは初期症状がないことが多いため、症状が出る前に検査で見つけることが、早く治すことにつながります。

子宮の病気一覧 

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子宮の病気にはさまざまな種類がありますが、具体的にはどのような病気があるのでしょうか。11種類の病気について、それぞれの原因や主な症状、かかりやすい年代、治療について見ていきましょう。

子宮頸がん……子宮頸部(子宮の入り口部分)にできる悪性の腫瘍

原因:性交によるヒトパピローマウイルス(HPV)感染
症状:不正出血、性交後出血(初期では自覚症状がないことが多い。)
好発:30代~40代がピーク。近年では若年層の発症が増加している。
治療:初期では手術が中心。手術が困難な場合は放射線治療や抗がん剤治療が中心。

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子宮体がん……子宮内膜にできる悪性の腫瘍

原因:エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンによる子宮内膜への刺激
症状:不正出血、おりものの増加
好発:40代~60代。閉経前後の50代での発症がもっとも多い。
治療:原則は手術による子宮の全摘出。
   放射線治療や抗がん剤治療、ホルモン療法を組み合わせることもある。

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子宮内膜増殖症……子宮内膜が増殖してしまう病気

原因:エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンによる子宮内膜への長期的刺激
症状:不正出血
好発:40代
治療:がんに進行する可能性が低い場合はホルモン剤で治療
   がんに進行する可能性が高い場合は手術による子宮全摘出

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子宮肉腫……子宮の筋肉にできる悪性の腫瘍

原因:解明されていない。
症状:不正出血、下腹部痛、下腹部の違和感。初期症状がない場合がある。
好発:40代~60代
治療:中心は手術。放射線治療や抗がん剤治療、ホルモン療法を行うこともある。

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子宮内膜症……卵管や卵巣などに子宮内膜の組織ができてしまう病気

原因:解明されていない。エストロゲンの分泌との関連が指摘されている。
症状:強い月経痛、骨盤痛、性交痛、排便痛、不妊
好発:30代~40代
治療:ホルモン療法または手術

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子宮内膜症の原因と症状、治療法は?妊娠はできるの?

子宮腺筋症……子宮内膜の組織が子宮の筋肉の中にできる病気。子宮が大きくなる。

原因:解明されていない。
   分娩や人工妊娠中絶の際に子宮内膜の組織が筋肉に入り込むという説がある。
症状:強い月経痛、月経量の増加(過多月経)、月経期間の延長
好発:30代後半~40代で、出産経験のある人に多い。
治療:鎮痛剤やホルモン剤による治療。手術で病変や子宮全体を摘出することもある。

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子宮腺筋症とは?症状や原因、治療・手術方法は?妊娠できる?

子宮筋腫……子宮の筋肉の中にできる良性の腫瘍。子宮が大きくなる。

原因:解明されていない。エストロゲンの分泌の影響であるといわれている。
症状:過多月経、貧血、不正出血、下腹部痛、頻尿、腰痛、不妊、
   月経困難症(月経痛など月経時の症状がひどくて日常生活に支障をきたす状態)
好発:30代~40代。婦人科疾患の中でもっとも多い。
治療:ホルモン療法や手術。治療の必要がなく経過観察のこともある。

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子宮内膜炎……子宮内膜が細菌に感染して起こる炎症

原因:ブドウ球菌、大腸菌、連鎖球菌、淋菌、クラミジアなどへの感染。
   きっかけは分娩時の傷や性交、タンポンの長時間の装着、免疫力の低下など。
症状:下腹部痛、不正出血、おりものの異常、発熱
好発:年齢はさまざま。老人性のものは閉経前後に多い。
治療:抗生物質による治療。子宮に膿がたまっているときには排膿することも。

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子宮頸管炎……腟と子宮をつなぐ「子宮頸管」が細菌に感染することによる炎症

原因:淋菌、クラミジア、トリコモナスなどへの感染。
   近年ではクラミジアや淋菌への感染によるものが増加。
   性交が感染のきっかけとなる。

症状:おりものの増加、不正出血、性交痛
好発:年齢はさまざま。近年では若い年代にも増えている。
治療:抗生物質による治療。

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子宮内膜ポリープ……子宮内膜にできる良性の腫瘍

原因:解明されていない。エストロゲンの分泌や分娩が影響しているという説がある。
症状:不正出血や不妊。自覚症状がない場合もある。
好発:30代~40代
治療:経過観察または比較的簡単な手術。

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子宮頸管ポリープ……子宮頸管にできる良性の腫瘍

原因:解明されていない。ホルモンや慢性的な炎症、分娩などの影響が考えられる。
症状:不正出血。自覚症状がない場合もある。
好発:30代~40代
治療:経過観察することが多い。症状がある場合は切除する場合もある。比較的簡単な
   処置で、外来で行うことができる。

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子宮の病気を検査するには?

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婦人科を受診する

気になる症状が出たときにすぐに婦人科を受診して検査を受けることが、子宮の病気の治療のためにとても大切です。不正出血やおりものの変化、月経痛や月経量の変化など、子宮の病気の兆候にできるだけ早く気づき、病状が悪化する前に検査を受けたいですね。症状があれば、保険適用で検査を受けることができますよ。

子宮がん検診を受ける

子宮がん検診を定期的に受けておくと、子宮がん以外の病気の発見にもつながることがあるため、子宮の病気を早期に発見するために有効です。子宮がん検診は国や地方自治体によって2年に1度の受診がすすめられているため、自治体によっては無料やかなり割り引かれた金額で受診することができます。

ただし一般に「子宮がん検診」というと、「子宮頸がん」の検査である場合が多いため、腟や子宮の入り口部分を中心に検査することになります。子宮体がん検査や超音波検査はオプションになっているケースも多いので、検査を受ける病院で確認しておくとよいでしょう。

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婦人科ドックを受ける

病院によっては、「婦人科ドック」と呼ばれる婦人科の病気全般を検査するための人間ドックを行っているところもあります。また、通常の人間ドックのオプションプランで婦人科系の検査を受けることができる場合もあります。

こうしたドックは基本的には保険が適用されませんが、健康保険組合によっては補助や割引を行ってくれる場合もあるため、確認してみると良いでしょう。

子宮の病気に気づくための一歩は自分の身体を知ること

女性の生理や妊娠に大きくかかわる器官である「子宮」に異変があると、子どもが産めなくなるのではないか、あるいは女性として健康に生きていけるのだろうか、と心配になる人が多いのではないでしょうか。

子宮の病気には不妊につながるものや命にかかわるものがありますが、早期に気づいて治療を行えば治る可能性が高い病気がほとんどです。定期的に検査を受けること、常に自分の身体の状態をしっかりと把握することで、病気を予防し、あるいは病気になったとしても早期に発見して治療を開始し、健康な身体を維持していきたいですね。

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