二人目不妊の原因と治療法は?つらい不妊を克服したい!

二人目不妊はどうして起こるのでしょうか。原因や治療法について詳しくみていきましょう。子育てと両立しながら取り組む治療は困難がつきものです。つらい二人目不妊に適した病院の選び方や心がまえについても解説します。

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目次

  1. 二人目不妊とは?
  2. 二人目不妊の原因は?
  3. 二人目不妊の検査とは?卵管造影は効果がある?
  4. 二人目不妊の治療はいつから?
  5. 二人目不妊の治療法は?体外受精の成功率は?
  6. 二人目不妊の通院はつらい?
  7. 二人目不妊の病院選びのコツは?
  8. 二人目不妊の助成制度とは?
  9. 二人目不妊のストレスは夫婦で解消しよう
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二人目不妊とは?

一人目を授かったのに二人目を妊娠できないこと

二人目不妊とは、第一子は授かったのに、避妊せずに性交していても2~3年以上第二子の妊娠にいたらない状態のことです。一度も妊娠にいたらない不妊症を「原発性不妊」と言いますが、二人目不妊は、一度は妊娠したことがある不妊症を指す「続発性不妊」に含まれます。

二人目不妊では第一子を妊娠した経緯について、とくに規定していません。自然妊娠で授かった人もいれば、一人目から不妊治療を行っていた人もいます。

一人目を自然妊娠で授かっていると、不妊という言葉になかなか結び付かないかもしれません。しかし、日本産科婦人科学会では「不妊症」を「妊娠を望んで避妊せずに性交していても、1年以上妊娠しないこと」と定義しています。

35歳以上の人はとくに早めに治療を

女性は35歳を過ぎるととくに妊娠する可能性が低下していくため、妊娠しない期間が半年以上あれば、不妊を考慮した検査や診察を受けることを推奨しています。2005年に行われた出生動向基本調査の統計によると、二人目不妊に悩んでいる女性は5万人にのぼるという報告もあり、二人目が欲しいと感じたら早めに対処していくことが望まれます。

二人目不妊の原因は?

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高齢で卵子・精子の質が低下

一人目を出産したときから、二人目が欲しいと妊活に取り組み始めるまでのあいだも、時間はどんどん進んでいます。第一子出産時は若かったとしても、第二子を希望するときの年齢が上がれば上がるほど、卵子や精子の老化が進み妊娠しづらくなってしまうのです。

卵子が老化すると、排卵するための成熟卵胞が減ったり遺伝子の異常が起こったりしやすくなります。精子の老化では、一度の射精で射出される精子数の減少や、運動率の低下、形態不良などがみられます。老化した卵子や精子では受精がそもそも起こりづらく、たとえ受精したとしても、遺伝子異常などが増加するため、流産にいたるケースが増えるのです。

性交渉の回数の減少

産後や授乳期間中は、夫婦間の営みに対してどうしても積極的になれないこともあるでしょう。二人目不妊は、性交渉の回数が減少することも一因にあげられます。とはいえ「兄弟姉妹が欲しい」「子どもはふたり以上で」といった希望があるなら、年齢を考慮して夫婦間で話しあうことが大切です。

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アッシャーマン症候群

二人目不妊には、以前の妊娠や出産の経験が影響することもあります。事例として多いのは、子宮内膜の組織が癒着してしまうアッシャーマン症候群(子宮内腔癒着)です。

アッシャーマン症候群は、流産や中絶、帝王切開などにより子宮を手術した際に、子宮内膜が傷ついて炎症を起こしてしまうことが原因で起こります。また、子宮内膜の癒着は子宮内膜症でもよくみられる症状です。

子宮内膜は癒着があると着床に必要な厚さに育ちにくく、着床障害や流産を起こしやすくなります。生理の経血量が減ったり無月経といった症状があらわれますが、無自覚なことが多いのも特徴です。

卵管狭窄・卵管閉塞

二人目不妊では、卵管の癒着が起きた状態の卵管狭窄(らんかんきょうさく)や卵管閉塞(らんかんへいそく)がみとめられる人もいます。卵巣や卵管は左右にふたつあり、どちらか一方が閉塞していても妊娠は可能です。そのため、癒着がいつから起こっているか、原因がなにによるものかは明確にするのが難しいものです。

卵管狭窄・閉塞はアッシャーマン症候群と同様に自覚症状に乏しいため、医療機関で不妊の原因を探る検査を受けてはじめて子宮や卵管の癒着が指摘されるケースもあります。妊娠を意識したら普段から生理の状態に注意を払い、少しでも気になることがあれば産婦人科で相談するようにしましょう。

感染症

腟からウイルスや細菌が侵入すると、適切な処置をしなかった場合、子宮頚管から子宮、卵管・卵巣へと上行感染を引き起こします。感染による子宮頚管炎や卵管炎などを発症し、慢性化すると卵管やその他の臓器の癒着を引き起こすので注意が必要です。


近年感染例が多く報告されているのは、性感染症のクラミジア感染症や淋菌感染症です。また、過労や睡眠不足など身体の抵抗力が低下しているときに、常在菌が悪さをする細菌性腟症も見過ごすことのできない病気です。

感染症を防ぐためにも特定のパートナー以外とは性交しないのはもちろんのこと、下着やタオル、浴槽などは清潔を心がけ、規則正しい生活を送るようにしましょう。

子育てなどによるストレス

妊娠には排卵と規則的な生理が欠かせませんが、いわゆる育児疲れでストレスや疲労が蓄積していると、ホルモンバランスが崩れてしまいがちです。生理周期はエストロゲンとプロゲステロンの分泌量と分泌のタイミングが大きくかかわっており、ホルモンバランスが崩れると妊娠プロセスに大きな影響がでてしまいます。

視床下部がストレスの影響を受けると、排卵を引き起こす性腺刺激ホルモンが分泌されにくくなり、無排卵月経となることもあります。黄体ホルモンの分泌が抑えられれば、黄体機能不全となり子宮内膜が育たず着床障害が起こりやすくなります。

ストレスは自律神経を乱し、睡眠の質や血流の低下も招くものです。血流が滞ると、視床下部から分泌されたホルモンが卵巣に届きづらくなります。しかもストレスによって増える活性酸素は、卵子の質の低下を招くという報告もあります。ストレスは妊活の大敵です。子育て中も、リラックスできる時間を設けたいものですね。

機能性不妊

不妊症は子宮や卵巣に異常があったり、男性側に原因があったりするものですが、なかには排卵も生理も正常に行われており、男性側の精子に問題がなくても不妊となってしまうこともあります。

検査では原因がみつからないのに、妊娠にいたらないケースは「機能性不妊」と言います。不妊症全体のおよそ10~20%が該当します。しかし、なにも問題がないのかというと、そうではありません。検査に引っかからないような理由が潜んでいることがあります。

たとえば排卵した卵子をうまく卵管に取り込むことができない「ピックアップ障害」も検査ではみつけられない異常のひとつです。通常、排卵した卵子は卵巣の先にある卵管采(らんかんさい)が吸い上げますが、卵管采が正常に機能しないことがあるのです。これにも、前述の卵管癒着などが関連することがあります。

生活習慣や体質

ストレスや運動不足、食事の偏りなどによる血行不順が、ホルモンの運搬に影響するといった報告もあります。冷え性体質だったり、偏食による肥満傾向があったりする場合は、規則正しい生活習慣を心がけて妊娠しやすい体質に改善していきましょう。

二人目不妊の検査とは?卵管造影は効果がある?

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不妊症の診断で行われる主な検査

二人目不妊においても、一般的な不妊症の検査と大きな違いはありません。検査は生理周期のなかで排卵のタイミングをうかがいながら行うため、すべての検査に2~3ヶ月以上かかることがあります。

検査で行われるのは、排卵の有無を確認する基礎体温のチェック、感染症を確認するための粘液検査、卵巣の状態をみる経腟超音波検査、卵巣機能や下垂体機能を判断するホルモン検査などです。




フーナーテスト


男女で行う検査に排卵にタイミングをあわせて行うフーナーテストを行うこともあります。フーナーテストは排卵日に性交を行い、腟の中で精子がどのように動いているか、数はどれくらいあるかを確認する検査です。

性交後12時間以内に診察を受け、腟から分泌物を採取して検査を実施します。おりものの中に元気な精子が見当たらなければ、おりものと精子の相性が悪いのかもしれません。不妊の時期とフーナー検査の結果から、今後の検査や治療の内容を決めていきます。

卵管のつまりを調べる卵管造影検査

卵管の狭窄や閉塞がないかを調べるために、卵管造影検査が行われることもあります。子宮口から造影剤を注入し、その広がり具合で卵管が通じているかどうかを確認する検査です。卵管が塞がっていると、造影剤はその先へ進めません。卵管内から腹腔内にかけて造影剤が両側に広がっていることを確認できれば、両側の卵管が通じていることがわかります。

卵管造影検査では、造影剤を注入することで卵管が通じたという体験談が寄せられています。また癒着をとるために腹腔鏡手術を行ったところ、実際には癒着が起こっていなかったケースも約20%報告されています。卵管や卵巣は子宮の奥にありサイズも小さいため、診断が難しい場所です。

男性側の不妊検査

不妊検査では女性の検査と一緒に、精液検査や感染症検査を通じ男性にも原因がないか探ります。採取した精液中に含まれる精子の量や運動率、形態不良の状態を確認し、異常が認められれば男性不妊の治療が行われます。

既往歴の確認

二人目不妊で行う検査は、今後の治療の方針を決めていくために必要なものです。既往症や以前の妊娠、出産の経過も大切な情報となるので、過去に妊娠、出産によるトラブルがあったときや、卵巣・子宮に既往症がある場合は、診察を受けていた産婦人科から紹介状を書いてもらうと安心です。

二人目不妊の治療はいつから?

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母乳育児による授乳期間中は、母乳を作るために分泌されるホルモン「プロラクチン」のはたらきで、基本的には排卵や生理が抑制されます。そのため二人目不妊の治療に取り掛かる目安となるのは、卒乳後、生理が再開してから1年程度です。

授乳を終えると、プロラクチンの分泌量は正常値に戻り、排卵や生理も再開します。生理が再開したのにもかかわらず、避妊せずに性交しても一年以上妊娠しないときは、不妊を疑い検査を受けたほうが良いでしょう。

まれに授乳や妊娠とは無関係に、無月経だったり無排卵となったりすることがあります。ホルモン異常によって起こる高プロラクチン血症や、多嚢胞性卵巣症候群などの可能性があり、治療を要します。卒乳後に生理が再開しない、基礎体温が2相性を示さないなどの兆候があれば早めに医療機関を受診するようにしましょう。

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二人目不妊の治療法は?体外受精の成功率は?

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一人目の不妊治療から継続

一人目の妊娠から不妊治療に取り組んでいたときは、それまでの検査や治療の内容が参考になります。体外受精により卵子や受精卵を凍結しているなら、それをもとに治療を進めていく方法もあります。

体外受精によって胚移植から出生にいたる確率を示した平成22年のデータでは、新鮮な胚を移植したうち妊娠にいたるのは15.9%、凍結胚で妊娠にいたったのは22.4%と報告されています。顕微授精では13.5%でした。

一人目のときとは年齢や身体の状態は変化しているため、治療の内容はそれにあわせる必要があります。医師やパートナーと相談のうえ、納得のいく治療法を選択していきましょう。

検査結果によって判断

一人目を自然妊娠で授かり、二人目不妊で治療をはじめるケースでは、検査結果と年齢などの環境をもとに治療の内容を決めていきます。検査の結果、感染症がみつかったときはそちらの治療を優先します。

子宮や卵巣に子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的な疾患があれば、治療をするか経過を観察するか状態によって判断します。

選択肢としてあげられる治療の内容は、排卵誘発剤を使って排卵時期を管理しながら性交の時期を指導するタイミング法、排卵するタイミングで状態の良い精子を子宮に注入する人工授精、卵巣から取り出した卵子と採取した健康な精子を受精させ、胚の状態で子宮に戻す体外受精です。

不妊期間が短く年齢が若い場合は、タイミング法からはじめてステップアップすることも考えられます。

二人目不妊の通院はつらい?

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子育てが通院の負担になることがある

二人目不妊で病院にかかるときに、悩みの種となるのが第一子のことです。子どもが未就園の場合は一緒に連れて行かなければならず、検査や診察で通院が頻繁になると、子どもが駄々をこねたり騒いだりする回数も増え、病院に向かうだけで一苦労です。

たとえ就園年齢に達していても、子どもの体調不良などで思うように通院できないこともしばしば起こります。数日病院に行けずに排卵のタイミングを逃してしまうことがあるでしょう。


子どもを連れて行くのは気が引ける場合も


不妊治療を専門に行うクリニックでは、一人目不妊の方も通院しているため、子どもを連れて行って良いのかも悩ましいところです。一人目不妊の方への配慮から、診察の待ち時間は人目につかない階段の踊り場で待機をしていたなどという声もみられ、第一子を連れていくこと自体がママのストレスになっていることがうかがえます。

第一子を連れて行くのがつらいと感じるときには、自治体で提供している一時保育や、ファミリーサポートセンターなどを利用するという方法もあります。小学生以上であれば、民間の学童で一時的な預かりを実施している施設を探してみましょう。環境が許せば、親や兄弟姉妹に協力を頼むのも良いですね。

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二人目不妊の病院選びのコツは?

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二人目不妊用のフロアを活用する

子どもを連れて通院しづらいという気持ちに配慮して、キッズスペースやイートインコーナーがある「二人目不妊専用フロア」を用意しているクリニックが登場しています。

専用フロアまでいかなくても、病院によっては子連れの通院時間を通常外来時間と分けていたり、個室の待合室を設けていたりすることもあります。二人目不妊で治療を希望する際には、事前にサイトや電話で子連れ通院について確認しておくと安心です。

一人目と同じ病院だとスムーズ

第一子を不妊治療で授かっているなら、二人目不妊でも同じ病院にかかると良いでしょう。検査や治療がスムーズに進み、勝手を知っている安心感が得られます。信頼のおける医師や看護師、助産師が在籍している可能性もあり、治療に対してネガティブな要素を和らげることができます。

二人目不妊は一人目の治療よりも、長期間におよぶことがあります。医師との信頼関係のもと、納得のいく治療が受けられる環境を整えましょう。

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二人目不妊の助成制度とは?

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1周期あたりの費用が高額となる不妊治療においては、多くの自治体で費用を助成する制度が設けられています。ところが制度の利用には妻の年齢や世帯収入、助成を受けられる回数について細かな規定があり、これまでの制度では二人目不妊の治療に対する支援が十分とは言えない状況でした。

しかし最近では「二人目以降特定不妊医療費助成事業」を実施し、第二子以降の不妊治療に特化した助成を行う自治体が増えています。お住いの地域で二人目以降の不妊治療への助成があるかを確認し、助成対象にあてはまれば制度を利用して費用面の心配を減らしていきましょう。

二人目不妊のストレスは夫婦で解消しよう

子育てと両立しながらの二人目不妊の治療は、忍耐がつきものです。子育てか妊娠かを天秤にかけることは難しいものの、先のわからない未来に二人目をあきらめたくなってしまうこともあるでしょう。

不妊治療は結果がすぐに出るものではないということを肝に銘じ、ストレスとじょうずに向きあいながら治療に取り組んでいくことが大切です。

一人目不妊でもいえることですが、不妊治療はパートナーと二人三脚で取り組むものです。相手への思いやりや理解が、前向きな気持ちにつながります。特に妊娠の可能性が低下してくる35歳以上では、不妊治療を続けるか、引き際を見極めるかといったことも含め、お互いによく話し合って治療を進めていきましょう。

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