性病検査とは?病院や保健所での検査費用は?検査キットもある?

「性病」というと、めずらしい病気というイメージを持つ人がいるのではないでしょうか。しかし性病は、近年10代~20代の若い女性に増えており、不妊原因としてもよくあげられる病気です。検査を受けに行くのは気が引ける人もいるかもしれませんが、早めに検査を受けて自分と周囲の人を守りましょう。検査場所や費用について解説します。

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この記事の監修

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産婦人科医
清水 なほみ

目次

  1. 性病とは?
  2. 性病検査を受けるタイミングは?
  3. 性病検査はどこでできる?
  4. 性病検査の方法は? 
  5. 性病検査にかかる費用は?
  6. 性病検査の結果が出るまでの期間は?
  7. 性病はどう治療する?
  8. 性病検査はパートナーと一緒に
  9. あわせて読みたい

性病とは?

性病は性行為によって感染する病気で、正式には「性感染症」と言います。英語では「Sexually Transmitted Disease(Infection)」と呼ばれるため、「STD」や「STI」という略称であらわされることもあります。

性病の感染経路

性病に感染している人と性交することで感染します。腟性交だけでなく、オーラルセックスや同性間での性交によっても感染することがあります。感染しているのに治療を受けていない人、適切な治療を受けていないため完治していない人など、性感染症の疑いがある人と性行為があれば感染するリスクになりますが、誰が「感染リスクが高い人」なのかは判別できません。性行為を行うということは、常に性感染症に感染するリスクはあると考えたほうがよいでしょう。また、性行為をするときには最初から最後まで正しくコンドームをつけることが大切です。

性病の女性の自覚症状

性病は男性も女性も感染する病気ですが、女性のほうが自覚症状が少ない傾向があるため、知らぬ間に炎症がひどくなったり、感染を拡大させてしまったりするリスクが高いといえます。また、性病は不妊の原因となることもあるため、ちょっとした兆候を見逃さずに検査を受け、早期に治療を始めることがとても重要です。

性病の種類

性病は細菌やウイルス、原虫に感染することによって発病します。性病の種類はさまざまで、原因菌によって以下のように分けることができます。検査によって原因菌を特定し、原因菌に適した薬を用いて治療を行いましょう。

 細菌感染:性器クラミジア感染症、淋病(淋菌感染症)、梅毒
 ウイルス感染:性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、B型・C型ウイルス性肝炎、HIV感染症

 原虫感染:トリコモナス腟炎(腟トリコモナス症)

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性病検査を受けるタイミングは?

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性病検査は、少しでも気になる症状があればすぐに受けるようにしましょう。早めの検査によって炎症の進行と感染の拡大を防ぐことができる可能性が高まります。以下のような症状があるときには、すぐに検査を受けてくださいね。

不正出血

生理でないのに性器から出血することを「不正出血」と言います。性病に感染すると腟や子宮頸管(腟と子宮をつなぐ管)などに炎症が起こり、不正出血が起こることがあるでしょう。

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おりものの異常

性病に感染すると、おりものの量が増える、悪臭がする、白や黄色・黄緑になる、膿状や泡状になるといった変化があらわれることがあります。おりものの状態に敏感になり、いつもと違うおりものが出たときには何らかの異常を疑いましょう。

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外陰部のかゆみ・痛み

外陰部にかゆみや痛みが出ることもあるでしょう。特にトリコモナス腟炎では強いかゆみが出る傾向があります。また性器ヘルペスでは、歩くことや排尿が難しくなるほどの痛みを感じる人もいます。

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下腹部痛・発熱

性病が進行すると、腟や子宮頸管の炎症だけでなく、卵管炎、骨盤腹膜炎、肝周囲炎などにつながることもあります。その場合には下腹部痛や発熱を伴うことがあるでしょう。また、性器ヘルペスに初めて感染する人は症状が激しく、38℃以上の発熱がみられることがあります。HIVに感染している場合も、発熱など風邪のような症状が出るかもしれません。

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自覚症状がなくても病院へ

性病に感染していても自覚症状がないケースはめずらしくありません。自覚症状がないとしても、パートナーが変わったらその都度、検査を受けておくと安心です。ただ性行為をした直後では正しい結果が出ない可能性があります。病気の種類にもよりますが、原因となる性行為から数週間経過してから検査を受けると良いでしょう。

性病検査はどこでできる?

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病院で検査を受ける

性病の検査は、婦人科や産婦人科、泌尿器科、性病科で受けることができます。症状や目的に応じて病院を選ぶと良いでしょう。婦人科や産婦人科では主に子宮や腟、泌尿器科では尿管や尿道、膀胱(ぼうこう)、性病科では性病全般を診てもらうことができます。性病科は単体で設置されることは少なく、婦人科や泌尿器科に併設されていることが多いでしょう。また、尖圭コンジローマの治療では皮膚科を紹介されることもあります。

保健所で検査を受ける

保健所や保健センターでも性病検査を受けることができます。匿名・無料で受けることができるケースが多いため、できるだけ他人に知られたくない人や費用面が気になる人におすすめです。検査項目・内容は保健所によって異なるため、事前に確認しておきましょう。なお、保健所では治療を行っているわけではないため、治療が必要なときには病院に行く必要があります。

自宅で性病検査キットを使う

 
他人の目が気になって病院に行きづらい人や、忙しくてなかなか病院に行けない人、性病かどうか半信半疑で病院に行くことに抵抗がある人もいるかもしれません。そんな人は自分で検査できる「性病検査キット」を使っても良いでしょう。


性病検査キットはインターネット上の通販で手に入れることができます。ひとつの病気に特化したものからいくつかの病気がセットになったものまでさまざまで、検査したい項目にあわせて血液や腟からの分泌物を採取して検査機関に送付します。

性病検査の方法は? 

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性病の疑いがある場合、どのような検査を行うのでしょうか。

問診

最初は医師による問診で、性行為の時期や症状の確認を行います。症状によってどの検査をするかを医師が判断し、検査に移ります。また尖圭コンジローマは詳しい検査をしなくても肉眼で判断できることが多いため、問診の時点で診断が確定する場合もあるでしょう。

血液検査

HIV感染症や梅毒、性器ヘルペス、B型肝炎の検査では、血液検査を行うのが一般的です。採取する血液の量は通常の血液検査よりも少量です。

腟の分泌物の検査

性器クラミジア感染症や淋病(淋菌感染症)、トリコモナス腟炎(腟トリコモナス症)の検査では、子宮の入り口部分や腟を拭って分泌物を採取し、菌に感染しているかどうかを調べます。痛みはほとんどありませんが、腟から指や検査器具を入れる場合があるため、慣れていない人にとっては少し違和感があるかもしれません。

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うがい液の検査

クラミジアや淋病は、性器だけでなく喉に感染することもあります。こうした咽頭クラミジア・咽頭淋病を検査するために、生理食塩水でうがいをしてうがい液を提出する場合もあるでしょう。

性病検査にかかる費用は?

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性病検査にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。保険診療か自由診療かも気になりますよね。

保険診療

症状がある場合には保険診療で検査を受けることができます。料金は病院や検査の種類、検査項目の数によって大きく変わりますが、1項目だけであれば3割負担で1,000円~2,000円程度で収まる場合もあるでしょう。

ただ健康保険組合によっては家族や会社に知られてしまう可能性があるため、多少費用がかさんでも誰にも知られずに検査を受けたいという人には自由診療での検査がおすすめです。性病専門の病院の中には、匿名かつ自由診療を基本としている病院もみられます。

自由診療

症状はないけれどとりあえず検査したい場合や、家族や会社に知られないように保険証なしで検査したい場合には、自由診療で全額負担となります。検査キットを購入する場合も保険は適用されません。

検査費用の相場は3,000~9,000円程度と幅広く、病院や検査の種類、検査項目の数などによって変わってきます。いくつかの性病検査をセットにして10,000円程度で実施している病院もありますよ。個々の事情や目的にあわせて選択しましょう。

保健所での無料検査

多くの保健所や保健センターでは、HIVをはじめとする性病の検査を匿名かつ無料で受けることができます。あつかっている性病や検査の種類は機関によって異なります。人数制限があったり、予約が必要だったりする場合もあるため、近くの保健所・保健センターのHPなどで確認してみましょう。

性病検査の結果が出るまでの期間は?

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即日検査では15分~30分

病院によってはその日のうちに結果が出る「即日検査」や「クイック検査」と呼ばれる検査を行っている場合もあります。即日検査では15分~30分程度で検査結果がわかります。

即日でなければ2、3日~1週間

即日検査でない場合には、2、3日~1週間程度経ってから結果がわかるのが一般的です。結果が出るまでの期間は検査の種類や病院によって異なります。

検査キットの場合は1週間前後

自分で検査キットを購入して検査した場合には、検査機関にキットが届いてから数日~1週間程度で結果が送付されることになるでしょう。具体的な期間は検査内容や検査機関によって異なるため、気になる人は確認しておきましょう。

性病はどう治療する?

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検査で性病であると判断された場合は治療を行うことになります。性病であることが確定しているため、保険診療となる場合がほとんどですが、自由診療に特化した病院である場合や本人の希望がある場合には、自由診療で治療を行うこともあるでしょう。

性病の治療の中心となるのは、原因菌に応じた抗生物質や抗ウイルス剤の服用・点滴です。数日間~2週間程度、薬を服用し続けることが多いでしょう。なお、尖圭コンジローマではイボができるため、クリームを塗ったり冷凍したり、電気焼灼(しょうしゃく)を行ったりして治療します。

性病の治療を行った後は、完治しているかどうかを確かめるために再度検査を受け、そこで異常がみられなければ通院が終了します。

性病検査はパートナーと一緒に

自分の病気を悪化させないために、そして周囲の人への感染拡大を防ぐために、定期検査は重要な役割を果たします。自覚症状がなくても心当たりのある人は早めに検査を受けに行きましょう。

また性病に感染しているということは、自分のセックスパートナーも感染している可能性が高いということになります。パートナーも一緒に検査を受けて治療し、性病の再発や感染の広がりを防ぎましょう。性病検査で性病であることが確定したら、両方が治療を終えて完治するまでは性行為を控えてくださいね。

そして完治した後も、感染している人と性行為をしない、性行為をするときにはコンドームをつけるといったことを心がけ、予防に努めましょう。

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