性病(性感染症)の種類と症状は?検査キットや潜伏期間についても解説

性交を介して感染する性病(性感染症)は、近年では若い女性の感染者が増加している病気で、不妊原因のひとつです。性病にはさまざまな種類があり、原因や症状は病気によって異なります。性病の種類ごとの原因や症状、潜伏期間、検査場所・方法、治療法や予防法について知識をつけ、自分の性生活や生活習慣を見直してみませんか。

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この記事の監修

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産婦人科医
清水 なほみ

目次

  1. 性病(性感染症)とは?
  2. 性病の種類・原因・症状・潜伏期間一覧 
  3. 性病検査はどこでできる? 
  4. 性病(性感染症)の治療法・治療薬は? 
  5. 性病(性感染症)を予防するには?
  6. 性病(性感染症)予防と早期の検査を大切に
  7. あわせて読みたい

性病(性感染症)とは?

性病(性感染症)は性行為を通して細菌やウイルスや原虫が感染する病気の総称です。英語表記の「Sexually Transmitted Disease(Infection)」を略して「STD」や「STI」と呼ばれることもあります。

性病の感染経路

性病は主にコンドームを使用しない性行為によって感染します。細菌は膣からだけでなく口や肛門から感染することもあり、異性間でも同性間でも感染するリスクがあります。

20代の女性の感染者がもっとも多く、性行為の低年齢化や性風俗の影響で若年層での感染が増加しています。特にクラミジア(性器クラミジア感染症)は若い女性中心に感染者数が増えており、女性がかかる性感染症の約60%を占めています。

性病の女性の自覚症状

性病は女性も男性も感染する病気ですが、女性のほうが男性よりも症状が出にくいという特徴があります。初期症状がわかりにくいため、他の病気の検査でたまたま発見されたり、不妊に悩んだときに病院で検査を受けて見つかったりする例もあるようです。

知らぬ間に病状が進行して治療に時間がかかったり、他の人に感染させてしまったり、不妊症になったりする可能性があるため、少しでも性病に感染している疑いのある人はすみやかに検査を受けに行きましょう。

性病の種類・原因・症状・潜伏期間一覧 

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性病にはさまざまな種類があり、原因・症状・潜伏期間が異なります。それぞれの性病の特徴を知り、あてはまる症状がないか確認しましょう。

クラミジア(性器クラミジア感染症)

【原因】クラミジア・トラコマティス(細菌)
【症状】初期症状がない場合が多い。おりものの増加、不正出血、腹痛を伴うこともある。
【潜伏期間】1~3週間

淋病(淋菌感染症)

【原因】淋菌(細菌)
【症状】自覚症状が出ない場合も多い。膿状のおりものの増加、不正出血下腹部痛を伴うこともある。
【潜伏期間】2日間~数日間

梅毒

【原因】梅毒トレポネ−マ(細菌)
【症状】外陰部の痛み、水ぶくれや粘膜のただれのようなできもの、足の付け根のリンパの腫れ
【潜伏期間】3週間~6週間

性器ヘルペス

【原因】単純ヘルペスウイルス
【症状】外陰部の痛み、水ぶくれや粘膜のただれのようなできもの
【潜伏期間】2日間~10日間

尖圭コンジローマ

【原因】ヒトパピローマウイルス
【症状】カリフラワーのような形のイボ、外陰部のかゆみ(軽度)
【潜伏期間】3週間~8ヶ月(平均は3ヶ月程度)

B型ウイルス性肝炎

【原因】HBV(Hepatitis B virus)
【症状】微熱、食欲不振、倦怠感、吐き気・嘔吐(おうと)、腹部圧迫感、黄だん
【潜伏期間】1ヶ月~半年

HIV感染症

【原因】HIV(Human immunodeficiency virus)
【症状】感染初期の症状:インフルエンザのような発熱や倦怠感、筋肉痛
    ウイルス増殖期:無症状
    AIDS発症期:免疫不全によるさまざまな感染症や悪性腫瘍、脳症など
【潜伏期間】AIDSを発症するまでは数年~10年

トリコモナス腟炎(腟トリコモナス症)

【原因】トリコモナス・バジナリス(性交以外に衣類や便器、浴槽からも感染)
【症状】黄色・黄緑で泡状のおりもの、外陰部のかゆみ
【潜伏期間】5日間~1ヶ月間

性病検査はどこでできる? 

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性病の症状にあてはまる人は、早めに検査を受けに行くことで重傷化や感染の拡大を防ぎましょう。検査方法は性病の種類によって異なりますが、血液や子宮・腟の分泌物を採取して原因菌を調べるのが一般的です。性病検査はどこで行うことができるのでしょうか。

病院で検査する

性病検査は病院の婦人科・産婦人科、泌尿器科、性病科で受診できます。診察の対象は、婦人科・産婦人科では子宮や腟の症状、泌尿器科では尿管や尿道、膀胱(ぼうこう)の症状が中心となります。最初から性病の疑いが強いのであれば、性病科を受診しても良いですね。

自覚症状がある場合には保険適用となるのが一般的ですが、念のため診てもらいたい場合には自由診療となることが多いでしょう。保険適用だと家族や会社に知られる恐れがあるため、自らの意思で自由診療を選ぶ人もいます。各自の事情にあわせて選択しましょう。

保健所・保健センターで検査する

ほとんどの保健所や保健センターでは、匿名かつ無料で性病検査を行っています。検査の種類や項目は機関によって異なります。また、検査できる病気の種類が限定されていたり、定員制限があったり、予約制だったりする場合もあるため、お住まいの地域の保健所・保健センターのHPなどで確認してみましょう。

自宅で検査キットを使う

忙しくて病院に行く時間がとれない人や、性病の検査を受けに行くのは気が引けるという人もいるのではないでしょうか。病院や保健所に行きにくい場合には、自宅で簡単に検査できる検査キットを使用するのも良いでしょう。検査項目に応じて血液や腟からの分泌物を採取し、検査機関に送付すると、1週間前後で結果が送られてきます。

性病(性感染症)の治療法・治療薬は? 

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抗生物質を服用・点滴

ほとんどの性病の治療では、原因に応じた抗生物質、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗虫薬を使用して治療を行うのが一般的です。飲み薬や腟から入れる座薬(腟剤)がほとんどですが、点滴で薬を体内に取り込むこともあります。

患部の冷凍・焼灼やクリーム

尖圭コンジローマの治療では、イボにクリームを塗ったり、冷凍・電気焼灼を行ったりします。症状が進むとレーザーなどによる手術を行う場合もあります。

腟の洗浄

カンジダ腟炎の治療では、腟を洗浄して原因菌を除去することもあるでしょう。腟洗浄によっておりものを必要以上に除去してしまう可能性があるため、おりものがあまりにも多い場合のみに限定する方針をとっている病院もあるようです。

性病(性感染症)を予防するには?

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性交はコンドームをつけて

コンドームをつけて性交することは、避妊だけでなく性病の予防にとって非常に効果的です。性交時には最初から最後までしっかりとコンドームを着用しましょう。また、性交が終わった後はすみやかにコンドームを外してシャワーで陰部を洗い流すようにし、細菌の繁殖を抑えましょう。

感染している人とは性交しない

性病に感染している疑いのある人との性交は避けましょう。性交の機会が多い人、複数のセックスパートナーがいる人は特に性病に感染するリスクが高いといえます。性交は信頼できる特定の相手とのみ行うようにするのが無難です。ただし、信頼できる特定のパートナーとしか性行為を行っていなくても感染することはあります。リスクの高さは関係なく、パートナ―が変わったら定期検査が必要です。

身の回りを清潔に保つ

汚れた下着や生理用ナプキン・おりものシートはすぐに取り換えるなど、デリケートゾーンを清潔に保って菌が繁殖しにくくすることも大切です。タンポンを長時間挿入し続けることも控えましょう。

また、トリコモナス腟炎の場合には便器や浴槽、タオル、衣類から感染する場合があるため、毎日使うものをしっかりと洗濯・掃除するように心がけてくださいね。

体調を整えて免疫力を高める

風邪を引いているときや生理前、妊娠中など免疫力が低下しやすい時期には、性器への細菌の繁殖を防ぐ能力(自浄作用)が弱まってしまうことが考えられます。

特にカンジダ腟炎は、免疫力の低下によってもともと体内にある菌(常在菌)が繁殖してしまうことが原因で起こる場合があり、身体の調子に左右されやすい病気です。普段から質の良い睡眠とバランスの良い食事をとり、体調を良好な状態に保ちましょう。

性病(性感染症)予防と早期の検査を大切に

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女性の性病は自覚症状がないままに他の人に移してしまうことが多いため、少しでも気にかかる行為や症状があるときには躊躇(ちゅうちょ)せずに検査を受けに行くことが大切です。他人の目が気になる人は、匿名で受診できる保健所に行く、自由診療で検査を受ける、自宅で検査キットを使うといった方法をとると安心ですよ。パートナーも感染している可能性があるため、受診をすすめると良いでしょう。

また、性病を早く発見して治すべきであるのはもちろんのこと、そもそも性病にかからないようにすることも大切です。コンドームをつけて性交すること、性交の相手は慎重に選ぶこと、身の回りの環境や体調を整えることを心がけ、性病に感染しないように注意を払ってくださいね。

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