卵膜剥離の陣痛促進効果と方法は?出血はおしるしと見分けられる?

妊娠40週を超えると、医師からそのまま陣痛を待つか、陣痛誘発をするか相談されることがあります。卵膜剥離(らんまくはくり)も分娩誘発法のひとつです。卵膜剥離を行えば、薬や器械を使わずに過期妊娠を防げるかもしれません。卵膜剥離はどのような処置でどういった痛みがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。

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記事監修

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目次

  1. 卵膜剥離の効果は?陣痛や破水を促進する?
  2. 卵膜剥離の方法は?痛い?
  3. 卵膜剥離後の出血はいつまで?おしるしとの見分け方は?
  4. 卵膜剥離後に腰痛や不規則な陣痛を訴える人も
  5. 卵膜剥離をしても陣痛がこない!他の陣痛誘発方法は?
  6. 陣痛誘発はあせらず、医師に相談しながら
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卵膜剥離の効果は?陣痛や破水を促進する?

いわゆる「内診ぐりぐり」で陣痛を誘発

卵膜は赤ちゃんを包みこんでいる薄い膜をさし、胎児を守り、羊水を保持する役割があります。卵膜が破れて羊水が流れ出るのが「破水」であり、一般的には陣痛の前後に起こるとされています。赤ちゃんが産まれると、卵膜も娩出されます。この卵膜を医師が人為的にはがすことを「卵膜剥離(らんまくはくり)」とよびます。

卵膜剥離は陣痛をうながすための分娩誘発法のひとつです。初産婦では妊娠40週~41週の妊婦健診時、経産婦では妊娠41週の妊婦健診時に、医師による説明とママの許可のあとで行われることが多いようです。

子宮の下部に医師が指を挿入し、ぐるりと円を描くようにして、子宮壁から卵膜を少しはがします。腟や子宮を探る感覚から「内診ぐりぐり」とよばれることもあります。

過期妊娠・過期産を防ぐ

出産予定日を過ぎても、妊娠41週6日までは「正期産」とよばれ、赤ちゃんにとっても母体にとってもリスクの少ないお産の時期とされます。妊娠42週を過ぎても分娩にいたらない場合は「過期妊娠」、妊娠42週以降の出産は「過期産」となり、羊水過少や巨大児、合併症などのリスクが高くなることもあります。

予定日を越えても陣痛がこない場合、医師とママのあいだで「陣痛の誘発をするか、そのまま待機するか」の話し合いが行われることが一般的です。誘発を希望した場合は、まずは卵膜剥離を提案されることが多いようですね。

卵膜剥離によって子宮の収縮を助けるホルモンの分泌が促され、妊娠42週を超える前に自然に陣痛が始まる可能性を高める可能性が出てきます。

薬や器械による分娩誘発を行わずに済む

卵膜剥離では薬や器具などは使わず、赤ちゃんや母体に害をおよぼすリスクはほとんどないといわれています。身体に大きな負担がかからないため、陣痛が始まるまで繰り返し処置を受けることも可能です。

妊婦健診の内診で行われることが多いので、入院の必要はなく、処置後は帰宅できることが一般的です。陣痛促進剤などはなるべく使いたくない、自然に陣痛が始まるのを待ちたいというママには、分娩誘発の可能性を高める方法のひとつになるかもしれません。

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卵膜剥離の方法は?痛い?

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卵膜剥離は薬や器具は使いませんが、デメリットがまったくないわけではありません。ママによっては、処置の最中に痛みを感じたり、不快に感じたりすることもあります。また、卵膜剥離をすれば必ず陣痛が促進されるわけではなく、ママによっては効果なしということもありえます。

卵膜剥離のやり方はシンプルです。ママは内診台で足を開き、医師は内診している指を子宮の壁と卵膜のあいだにそっと差し込んで、ぐるんと全周にわたって動かします。卵膜を刺激することで「プロスタグランジン」や「オキシトシン」といったホルモンが分泌され、陣痛を促進することがあるとされます。

ほとんど痛くないというママもいますが、子宮口が硬いときや、開き方が小さいときは強い痛みを感じることもあります。また、卵膜剥離をした後は腟から出血が見られたり、不規則なお腹の張りを感じたりすることもあります。不安を感じたら、遠慮せずに医師に相談してみましょう。

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卵膜剥離後の出血はいつまで?おしるしとの見分け方は?

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卵膜剥離のあとは、少量の出血がみられることもあります。これは、人為的に卵膜をはがした際の出血とみられています。また、内診のときに小さな傷がついた可能性もあります。どちらにしろ、数日以内におさまる可能性が高いようですね。

おしるしとは、分娩前に子宮口が開き始めたときに卵膜が子宮からはがれ、そのときににじみ出た血液と子宮口の分泌物が混じったおりもののことをさします。出産の兆候のひとつであり「産兆」ともよびます。おしるしの時期は個人差があり、分娩の数日前ということもありますし、本陣痛の後で起こることもあります。おしるしがないママもいます。

人為的か、自然かの差はありますが卵膜剥離による出血とおしるしはよく似ているため、見分けるのは難しいかもしれません。おしるしは、赤茶色のどろっとした出血であったり、鮮血のような色であったりします。下着に少量おりものがつく程度の場合がほとんどですが、生理時に近い出血量の場合もあります。

内診日直後の出血で、おりものが混ざっていないようであれば、内診時の出血である可能性があります。おしるしや卵膜剥離の影響であれば、陣痛が始まったり子宮が収縮したりする可能性があるので、しばらく安静にして様子を見ましょう。

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卵膜剥離後に腰痛や不規則な陣痛を訴える人も

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卵膜剥離を行うと、子宮収縮を促進する「プロスタグランジン」や「オキシトシン」というホルモンが分泌されることがあります。子宮収縮だけではなく、分娩の進行にも重要な役割があるホルモンです。そのため、卵膜剥離の後はお腹の張りや腰痛など分娩の始まりとよく似た痛みを感じるママもいるようです。

分娩に直接的にはつながらないお腹の張りや腹痛は「前駆陣痛」とよばれることがあります。前駆陣痛は間隔が不規則で、そのうち痛みが消えていくのが特徴です。痛みの種類はそれぞれですが、生理痛に似た痛みだったり、鈍痛だったり、下痢のような痛みだったりします。

本陣痛は、痛みが徐々に強くなり、間隔が狭くなっていくのが一般的です。卵膜剥離の後に陣痛のような痛みを感じた場合は、まずは痛みの間隔を測って記録しておきましょう。もし10分間隔で起こるようなら、病院に連絡してみると良いでしょう。

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卵膜剥離をしても陣痛がこない!他の陣痛誘発方法は?

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軽い運動

陣痛を促進したいとき、軽いストレッチや運動を助産師から勧められることもあります。ウォーキングやスクワット、四つん這いでの雑巾がけなども効果があるといわれています。

ウォーキングやスクワットは、身体を立てて揺らすことで、重力の力で赤ちゃんが下りやすくなる可能性があるとされます。四つん這いの雑巾がけは、子宮の周りの筋肉をほぐし、柔らかくして赤ちゃんが通りやすくなる可能性があります。

臨月になるとお腹も大きくなり、バランスが取りづらいこともあります。手すりや壁を使って、なるべく安全なところで運動を行うようにしましょう。パートナーがそばにいるときなら、さらに安心ですね。お腹が張ってきたら横になって休むなど、あせらず無理をしないことが大切です。

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ツボやアロマ

クラリセージというハーブの香りには子宮強壮や分娩促進作用があるといわれています。ハンカチなどに染み込ませて香りを楽しんでみると良いかもしれません。他にもアロマにはさまざまな効能があるとされるので、お気に入りの香りを探してみても良いですね。

陣痛促進の可能性があるツボを試してみても良いでしょう。足の内くるぶしの上側から、指4本分上に「三陰交」というツボがあります。三陰交は、血行の改善や、陣痛の促進・緩和に効果があるといわれています。親指で優しく指圧したり、カイロやタオルでじんわりと温めたりしても良いでしょう。

アロマオイルを用いたマッサージやツボの刺激は、妊娠中の身体に思いがけない影響を与える可能性もあります。安易に試さず、担当の医師に相談してから行ったほうが安心ですよ。

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バルーンを入れる

子宮口が1.5cm以上開大している状況では、バルーンを使った陣痛誘発法を取ることもあります。ゴムでできた風船型の子宮頸管拡張器(バルーン)を挿入し、生理食塩水や滅菌蒸留水を入れて膨らませます。

バルーンがふくらむと子宮が刺激され、卵膜剥離がすすみ、陣痛誘発につながる場合もあります。メリットもありますが、子宮頸管の裂傷や子宮内感染症などのリスクもあるので、医師と十分に話し合ってから決めると良いでしょう。

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陣痛促進剤を使う

分娩には、子宮の収縮と子宮頸管の熟化が大切になってきます。子宮頸管の熟化とは、子宮口が柔らかくなって開き、分娩の準備が整った状態をさします。子宮口が硬く閉じたままの状態で陣痛を促進するのはリスクがあるため、頸管熟化を待つか、熟化する薬を使います。

子宮の収縮と子宮頸管の熟化には、オキシトシンやプロスタグランジンといったホルモンが重要な役割を果たすため、分娩誘発の薬に用いられています。メリットやデメリットを説明してもらったうえで、医師の管理のもと、陣痛促進剤を服用したり、点滴したりします。

場合によっては、ママの血圧が上がったり、ホルモンの血中濃度が変化したりするため、陣痛促進剤を使用した後は病院で慎重にモニタリングしてもらう必要があります。

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陣痛誘発はあせらず、医師に相談しながら

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出産の予定日を過ぎても陣痛がこないと気持ちが落ち着かないママもいるかもしれません。卵膜剥離は陣痛誘発に効果があるとされていますが、痛みや出血などのリスクもあります。デメリットとメリットを知り、医師とよく相談して決めましょう。パートナーとゆっくり話したり、ストレス解消になることを試したりしながら、気持ちを落ち着かせながら、赤ちゃんに会える日をあせらずに待てると良いですね。

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