紫斑病の症状・原因・治療法は?アレルギー性紫斑病とは?

子どもにも多い紫斑病(しはんびょう)とは、どのような病気なのでしょうか。紫斑とは、簡単に言うと痣(あざ)のことです。ここでは、紫斑病の中でも特に子どもに多い「アレルギー性紫斑病」と「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」の症状と原因、治療法について、医師監修の記事で解説します。

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この記事の監修

目次

  1. 紫斑病の種類
  2. 紫斑病の症状
  3. 紫斑病の原因
  4. 紫斑病の治療法
  5. 紫斑病の予防方法
  6. 紫斑病に関する本
  7. 紫斑病の症状はさまざま
  8. あわせて読みたい

紫斑病の種類

何らかの原因で出血しやすくなり、皮膚や粘膜に内出血が現れて紫色になったあざの部分を紫斑(しはん)と呼びます。この紫斑を主な症状とした病気全般を紫斑病と呼びます。

紫斑病には原因によりいくつかの病名がありますが、最も多いものがアレルギー性紫斑病で、一般的に紫斑病と言うとこの病気をさすことが多いようです。アレルギー性紫斑病は小児に多いのですが、成人が発症することもあります。

アレルギー性紫斑病

2〜8歳の男児に最も多く見られます。アレルギーが原因でおこる紫斑病です。別名「アナフィラクトイド紫斑病」「血管性紫斑病」「IgA血管炎」「症候性(しょうこうせい)血管性紫斑病」「シェーンライン・ヘノッホ紫斑病」などいろいろな名前で呼ばれています。

血小板減少性紫斑病(ITP)

血小板の数や質の異常が原因で起こります。

特発性血小板減少性紫斑病

血小板の数が減る病気の代表的なものとされています。

血栓性血小板減少性紫斑病

血小板が血管内で固まり、血栓が作られることが原因で起こる紫斑病です。成人に多く見られます。

溶血性尿毒症症候群

まれな病気ですが、血栓性血小板減少性紫斑病と同じように血管内に血栓を作り、腎臓に障害をきたす病気です。小児に発症しやすく、死亡例もあります。最近ではO157に感染後発症する患者が複数報告されています。

単純性紫斑病

20代の女性が中心にかかる紫斑病で、ふくらみやしこりがなく、痛みやかゆみもありません。

老人性紫斑病

老化にともなって起こります。老化により血管がもろくなって紫斑ができ、その後色素沈着が残ります。

紫斑病の症状

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アレルギー性紫斑病の場合

子どもに起こりやすい免疫の異常による全身の小血管炎で、微熱とだるさがあります。出血をともなったポッコリとした赤い点々の発疹や、痣のような紫斑が足やおしりに左右対称にでます。

手足が赤くむくんだり、頭や顔も同様にはれたりします。紫斑に加えて、約60%に膝や足の関節に関節痛を発症します。更に60%ぐらいの確率で、激しいお腹の痛みや嘔吐、血便なども起こることがあり、急性虫垂炎(もうちょう)などの疾患と間違えやすいので注意が必要です。

さらに、紫斑が現れてから4週間以内に50%の人が腎障害となり、重症の場合はネフローゼ症候群を合併してしまい、慢性腎炎に移行しやすくなります。数週間で、紫斑や関節痛・腹痛などは改善しますが、腎障害を起こしてしまうと長期的に治療し続ける必要があります。

他にも、頭痛・けいれんを起こす子どももいて、敗血症を合併することもあります。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の場合

「血小板」という、出血を止める細胞の数が減ってしまい出血しやすくなります。一度出血してしまうと、血が止まりにくくなるのが特徴です。点状の紫斑・歯茎からの出血・口腔粘膜出血・鼻血・血便、女性だと月経過多・生理が終わらないなどの症状が起こります。重症な場合は脳出血をおこすこともあります。ただし、脳出血は脳に原因がある可能性もあるので、注意が必要です。

子どもの特発性血小板減少性紫斑病(ITP)では、急性型が75%〜80%を占めています。急性型の場合には、6ヶ月以内に血小板数が正常に回復し治ることが多いようです。しかし、まれに慢性化することもあります。

紫斑病の原因

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アレルギー性紫斑病の原因

アレルギー性紫斑病は、はっきりとした原因は不明とされています。上気道感染やA群溶連菌(ようれんきん)による扁桃炎(へんとうえん)、ブドウ球菌、ウイルス(水痘、肝炎、麻疹、風疹など)、マイコプラズマ感染などに続いて発症することが多ようです。

感染症・薬剤・食べ物などを引き金として、体内で抗体に対する免疫反応が起こることが原因とされています。IgAという抗体と関連がある疾患と考えられているので、IgA血管炎などと呼ばれることもあります。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の原因

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)はいまだにはっきりとした原因がわかっていません。血小板に対して自己抗体ができてしまうことが原因とされています。自己抗体というのは、本来自分の体に対してできるはずのない抗体のことです。自己抗体は脾臓で自分の血小板を破壊し、血小板の数を減らしてしまうとされています。

通常の抗体は、体の中にウイルスなどの異物が侵入し、異物に対応するために作られます。抗体は異物と結合することにより、異物を除去する働きを持っています。


紫斑病の治療法

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アレルギー性紫斑病の治療の場合

急性型の場合、紫斑病のかかりはじめは安静にすることが大切です。腹痛などが酷い場合は、入院になることもあります。まずは、紫斑病が発症するきっかけになった溶連菌などの感染症を治します。関節痛にはアセトアミノフェンや湿布などを使いますが、症状が重い場合はステロイドを使用することが多いようです。

腸管に潰瘍が確認された場合には、抗潰瘍薬が処方されます。重症の場合には、免疫抑制剤や抗癌剤を使用したとの報告もあります。紫斑病性腎炎を発症した場合には、長期に続き特定の薬による治療が必要なこともあり、「小児慢性特定疾患」として医療費の補助を受けることができます。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の場合

風邪などの後に出血紫斑が現れた時は、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を疑い、末梢血液検査をします。血小板の数が減少する疾患がある場合には、骨髄検査をする場合もあります。

血小板が1万μL未満の場合には、3万μL以上まで血小板の数を増やす必要があります。血小板が減りすぎると血が止まらなくなるため、止血ができるように免疫グロブリンを大量投与します。また、ステロイド薬を投与することもあります。慢性化すると脾臓の提出をした例も報告されています。

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、公費負担の対象疾患です。平成27年1月1日からは指定難病となり、医療費助成対象疾病となりました。

紫斑病の予防方法

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残念ながら、紫斑病には特に予防方法はありません。日頃からかかりつけ医を持ち、健康に気を付けながら免疫力をあげる生活をすることが大切です。体温を高く保つことが免疫力アップには有効です。筋肉量を増やすと体温が上がりやすくなるようです。適度な運動も大事ですよ。

紫斑病に関する本

患者と家族のためのしおり (10) 再生不良性貧血特発性血小板減少性紫斑病
¥325〜(2018/10/29 時点)

20ページ程の短い本ですが、特発性血小板減少性紫斑病についての原因、
症状、治療、服薬、基本的な日常生活への注意や工夫が簡単に書かれています。

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■この本に関する口コミ
写真や絵が豊富に記載されて、初めてみた人でもイメージがわき、わかりやすかったです。まだ子どもは生まれたばかりですが、この一冊で様々なトラブルに対応できそうで良かったです。

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紫斑病の症状はさまざま

紫斑病といっても、その原因や症状はさまざま。見た目にも気になってしまうので、早く治してあげたいと、パパやママはとても心配になってしまいますよね。 子どものアレルギー性の紫斑病は決して珍しい病気ではありません。病院で適切な治療を受け、あまり心配しすぎないようにしてくださいね。

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