更新日:2017年11月13日

母乳性黄疸と新生児黄疸の違いは?原因と症状は、治療は必要?

母乳性黄疸や新生児黄疸など、黄疸にはいくつかの種類があってその原因や危険性の有無もさまざまです。ここでは母乳性黄疸と新生児黄疸の違いやそれぞれの黄疸の原因や症状、治療法などについてご紹介します。ほとんどの赤ちゃんに見られる問題のない黄疸もあれば、重篤な病気につながるものもあるので、きちんと知識を持つことが大切です。

監修 : mamanoko 医師・専門家
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新生児黄疸(生理的黄疸)とは?いつまで続くの?

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新生児黄疸とは、出生時から生後2週間ころに、肌や白目が黄色っぽくなる症状のことです。約9割の赤ちゃんに見られる症状で、生理的に起こって当たり前のことなので心配ありません。

赤ちゃんはお腹の中にいた時に多血状態ですが、産まれて呼吸を始めた時に多くの赤血球が分解されます。赤血球が分解される時に黄色い色素を持ったビリルビンという成分が出るのですが、生後すぐの赤ちゃんの肝臓は未発達のために分解されずビリルビンが多くなり、肌や白目が黄色くなってしまうという状態です。

肝臓の発達に伴って、だいたい生後2週ころには治まるのが通常で、その場合は特に問題はありません。

新生児溶血性黄疸に注意

新生児黄疸の中でも注意しなくてはならないのは、新生児溶血性黄疸という、赤ちゃんの血液中の赤血球が急激に壊れてしまい赤ちゃんが貧血とともに生後すぐに強い黄疸が現れる場合です。

原因は赤ちゃんとお母さんの血液型不適合、赤ちゃんの赤血球の先天的異常、感染や薬によるものなどがあります。血液型不適合は、お母さんの血液がRh陰性で赤ちゃんがRh陽性という場合のRh型不適合と、お母さんがO型で赤ちゃんがA型かB型という組み合わせで起きるABO型不適合があります。

血液検査によってビリルビン値を測定する時に、2種類のビリルビン値を測定することができます。肝臓でタンパク質と結合する前の段階を「間接ビリルビン」、肝臓でタンパク質と合成したあとのビリルビンを「直接ビリルリン」といいます。2つのビリルビンを合わせて「総ビリルビン」と呼びます。

間接ビリルビンとビリルリンは1対1のバランスになるのが基本ですが、総ビリルリンの値が高く間接ビリルビンの方が多い場合は赤血球の破壊による溶血性貧血の疑い、直接ビリルビンの方が多い場合は肝臓でうまく排出できていないため、または胆道が閉鎖している可能性が考えられます。

治療はビリルリンの値によって、光線療法、輸液、重度の場合は交換輸血などが行われます。

母乳性黄疸の原因と症状は?

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母乳性黄疸の原因

母乳性黄疸は母乳主体育児をしている場合に、生後1ヶ月~3ヶ月まで黄疸が続く状態です。母乳に含まれる成分に赤ちゃんの肝臓の働きを抑える作用があってビリルビンが分解されない状態が続くことで起こるといわれていますが、原因ははっきりしていません。

母乳をたっぷり飲んでいる赤ちゃんにまれに見られる母乳性黄疸ですが、逆に母乳をしっかり飲むことが出来ず栄養不足や水分不足になりビリルビンが上手く排出されないことが原因で黄疸が起こることもあります。

黄疸が出るからといって母乳を制限する必要はなく、むしろたっぷり飲ませてどんどんビリルビンを排出するよう促すようにすることです。ただ母乳の出が悪いというような場合は助産師さんに相談してマッサージやミルクの追加などで改善していくようにしましょう。

ただ黄疸が続く時、母乳性黄疸なら問題ない場合が多いのですが、病気などその他の問題があって黄疸が起こっている場合もあるので早めに医師の診断を受けるようにしましょう。

母乳性黄疸の症状

母乳性黄疸の主な症状

・肌が黄色っぽくなる
・白目部分が黄色がかった色になる

しかし黄疸に加えて以下の症状が出現する場合は自己判断で母乳性黄疸だと決めつけずに医師の診断を受けましょう。

・ぐったりと眠たそうな状態になる
・体重がなかなか増えない
・泣き声がキーキーと高い声になる

母乳性黄疸の治療は必要?どう検査する?

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母乳性黄疸の検査方法

経皮的ビリルビン計測機器という機器の先端を赤ちゃんの肌に当てて、高ビリルビン状態かどうか検査します。(ミノルタ黄疸計という機器を使うことが多いようです。)高ビリルビンが疑われる場合は血液検査を行い、ビリルビンの値を測定します。採血することなく検査することが出来るので、赤ちゃんへの負担も少なく安心です。

母乳性黄疸の治療

母乳性黄疸であることが確かであれば、特に治療する必要はありません。赤ちゃんの肝機能の発達とともに黄疸は治まるからです。

強い黄疸の場合は、医療機関で光線療法を行います。目隠しをして太陽光や人工的な青や緑色の光を当てます。光線療法を行うことによってビリルビンの構造が変化し分解されるため、尿や便と一緒に排泄されるようになり、黄疸が治まります。

母乳性黄疸以外の場合の治療

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肝機能の発達とともに徐々に治まるのが通常ですが、他の原因があって黄疸が長引いているという場合もあります。長引く注意すべきなのは、胆道閉鎖症と核黄疸の2つです。

どちらも速やかに治療を受ける必要があるので、生後2週を超えて黄疸が長引く場合や、様子がおかしいというような場合はすみやかに医師の診察を受けるようにしましょう。

胆道閉鎖症の治療

胆道閉鎖症は肝臓と十二指腸を繋ぐ胆管が閉鎖している難治性の病気で、女の子に多く起こります。肝臓で作られ分泌される胆汁が排出されず黄疸を起こします。のちに肝硬変を起こす可能性が高く、命に関わる危険性もあるため速やかな治療が必要です。

便の色が白っぽくなったり、尿の色が濃くなったりするという特徴があります。母子手帳に便の色をチェックできる表がついていますので、新生児の便や尿の色は常に注意して見るようにします。

胆道閉鎖症と診断され、行われる治療は肝臓と腸管を直接つなぐ手術です。小児科医の葛西森夫医師が考案したため葛西手術と呼ばれています。葛西手術を行っても再び黄疸が改善しない場合には、肝移植が行われます。

核黄疸の治療

何らかの理由によって、ビリルビンの値が異常に上がり、脳にビリルビンが蓄積されてしまった結果、核黄疸という脳障害を起こすことがあります。生後10日ころまでは、脳にビリルビンが侵入しないための関門がまだ完成していないことで起こると考えられています。

脳性まひや聴覚障害の後遺症が残ることもあるため、核黄疸になる前に予防的に治療することが重要です。

兆候としては、母乳をあまり飲まない、手足がぶらぶらする、いつもよりぐったりしているなどがあります。さらに悪化してけいれんを起こしたり、目つきがおかしかったりなどの状態が現れてくると後遺症が残ることがあります。

光線療法によってビリルビン値を下げる治療や、それでも改善されない場合は交換輸血を行い、黄疸を治療します。

赤ちゃんの黄疸は自己判断せずに医師に相談を

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新生児黄疸をはじめ、いくつかの黄疸についてお伝えしました。新生児によくある問題のない一時的な黄疸もあれば、肝臓の疾患や急激なビリルリン値の上昇による危険な黄疸もあります。黄疸が一度消えても、徐々に肝硬変が進行していくという場合もあるようです。

産後、入院中に起こる黄疸は医師の診察をすぐに受けられますが、退院後も長く続く黄疸は健診を待たずに医師に相談したほうが良いでしょう。

筆者の次男も黄疸が少し強めに出たため注意して観察するように言われました。自宅出産だったため、なるべく窓側に寝かせて太陽光を当てるようにという助産師さんの指示のもと、生後1~2週間ほど継続して治まりました。

助産師さんは強めの黄疸だと言うけれど、私の目で見ても、黄色いだろうか…うーん。というかんじで判断は出来ませんでした。

心配しすぎる必要はありませんが、これからどんどん発達し成長していく赤ちゃんの健康を、しっかり見守っていきましょう。

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