サンタさんは今どこ？サンタクロース追跡サイトNORADとは？

クリスマスが近づくと「サンタさんは本当にいるの」「今どこにいるの」と子どもに質問をされて、困るママも多いでしょう。サンタクロースは実際どこにいるのでしょうか。

サンタクロースが住んでいる場所や住所については、国や地域でさまざまな解釈がされていてはっきりとした所在地は不明です。代表的な地域として、北欧のフィンランドやスエーデン・デンマークが有名です。なかには、北極のノースポールがサンタクロースの住所だと信じて、毎年クリスマスの手紙を届けるという人もいるようですね。

他にも、サンタクロースは妖精という説やさまざまな地域へ移住しているという説がありますが、どれも言い伝えの域を超えません。しかし、所在が不明だからこそ、子どもたちの夢がさらに広がりますね。

サンタクロースのモデルは、4世紀ごろ、現在のトルコのミュラという古代都市に実在した「聖ニコラウス」という司教さんです。聖ニコラウスは、貧しい子どもや困っている人を助けていたという言い伝えがたくさんあり、その中のひとつがサンタクロースの由来です。

聖ニコラウスの近所に住む三人の貧しい家に育った娘たちは、その貧しさから永遠を誓いあった男性と結婚することも許されず、売り飛ばされるしか道はない状況でした。しかし、ふびんに思った聖ニコラウスは、娘たちのために隣の家の煙突から金貨を投げ入れて、娘たちの身を守ろうとしたのです。

聖ニコラウスの投げた金貨は、暖炉のそばに干してあった靴下に入りました。そして、二人目・三人目の娘の結婚ときも、同じように煙突から金貨を投げ入れ、金貨は靴下に入りました。そして、三人の娘は聖ニコラウスのおかげで、幸せな結婚生活を過ごすことができました。

これが、サンタクロースの由来です。

サンタクロースがどこに住んでいるのか定かでないだけに、サンタクロースが今どこにいるかわかると、子どもたちはプレゼントがもらえるまで待ち遠しくなりますよね。そんな「サンタさんは今どこにいるの」という子どもたちの夢を叶えた追跡サイトが、「NORAD Tracks Santa（ノーラッド・トラック・サンタ）」です。

NORAD（ノーラッド）とは、アメリカ軍・カナダ軍が共同運営する、「北アメリカ航空宇宙防衛司令部」のこと。NORAD（ノーラッド）では、60年以上も毎年サンタクロースの追跡を行っています。

NORADのサイトを見ると、何十、何百億個のプレゼントがどのように配られているか、サンタクロースが世界中をどのように移動しているか、そして、次にどの国に、どの町に向かうのかを知ることができます。これが「NORAD Tracks Santa」です。

NORADは、コードネーム「BIG RED ONE」という信号をキャッチしてサンタクロースを追跡します。BIG RED ONEとは、サンタクロースを先導するトナカイ集団の、先頭を走る真っ赤な鼻の「ルドルフ」の鼻から発信されるビーコン信号のことで、NORADが独自に信号を受け取り、世界に配信します。

これが、宇宙・空・地上とさまざまな場所からサンタクロースの行方を見守るシステムです。

毎年12月1日ごろからNORAD Tracks Santaの特設サイトが再開されます。サンタクロースの追跡が開始されるのは、12月24日の夕方ごろ（午後5時ごろ）からが多いようです。

子どもたちとクリスマスイブのお祝いにいろどりを添えるためにも、クリスマスイブには親子でサンタクロースを追跡したいですね。

【NORAD Tracks Santa 公式サイト】

1955年、コロラド・スプリングスに拠点を置く、アメリカにある大手小売企業「シアーズ・ローバック社」は、子ども向けに「サンタへの直通電話番号」を開設しました。

このとき、シアーズ・ローバック社は、リーフレットに誤ってNORADの前身であるCONAD（コナド・中央防衛航空軍基地）の司令長官、ハリー・シャウプ大佐への直通の番号を「サンタへの直通電話番号」と記載してしまいました。

シアーズ・ローバック社が誤って記載した番号は、当時、冷戦が続いていた旧ソ連からの攻撃などがあった場合のみに鳴る、極秘ホットラインでした。記載された電話番号が鳴れば、アメリカだけでなく、世界が非常に緊迫した状態になるのは言うまでもありません。

誤って極秘ホットラインが記載されたとはいえ、リーフレットを見たひとりの少女は「サンタと電話ができる」と大喜びです。早速サンタクロースへ電話をかけました。

しかし、電話に出た人物はサンタクロースとはほど遠い、非常に緊迫した大佐の声で、少女は恐怖から泣き出してしまいました。

「なんでサンタさんじゃないの」と言われて瞬時に事態を把握できなかったシャウプ大佐でしたが、少女が泣きだしたのをきっかけに電話が混線したと考え、機転を利かせてサンタのふりをしました。

その後もサンタへの電話は鳴りやまず、シャウプ大佐は部下たちにもサンタのふりをするよう命じて対応したそうです。

シャウプ大佐は少女の間違い電話をきっかけに、サンタが南に向かった形跡がないか部下にレーダーで確認させたといいます。そして、子どもたちからかかってきた電話に対し、自分はサンタではないもののサンタやトナカイがどこにいるかレーダーで追跡していると答えたという話も。

それからしばらく、CONADには世界中から「サンタさんですか」と子どもたちから電話がかかってくるようになりました。そこで、シャウプ大佐は家族や友人・ボランティアを集い、世界中の子どもたちの夢を壊さないよう、電話をかけてきた子どもたちに対応したそうです。

これが伝統となって「NORAD Tracks Santa」が始まりました。

この夢のようなエピソードが、NORADが60年以上サンタクロースの追跡をしている由来です。

NORADでサンタクロースを追跡すると、もちろん日本の上空にもやって来ます。サンタクロースの追跡が日本上空を追加するのは、毎年、日本時間でいうと子どもたちが寝静まった夜遅くだそうです。

しかし、NORADのサンタクロース追跡は日本時間の夕方ごろから開始されるので、クリスマスパーティーのご馳走を準備をしているあいだに、子どもたちも追跡が楽しめますよ。

まだ知らない国の上空を飛ぶサンタクロースに、子どもたちはさらに夢がふくらむのではないでしょうか。

クリスマスシーズンにNORAD Tracks Santaでサンタクロースを追跡すると、子どもはさらにサンタに興味を示すでしょう。

「サンタさんは本当はどこにいるの」「僕も（わたしも）あえるの」さまざまな空想がふくらんで、ママは子どもたちの質問の回答に困ってしまいますよね。そんなときは、サンタをモチーフにした絵本を読み聞かせてあげると良いですよ。

ここでは、サンタクロースについて描かれた絵本を紹介します。

「サンタさん　どこにいるの？」は、0歳の赤ちゃんから読み聞かせができるしかけ絵本です。赤ちゃんの小さな指でもページがめくれたり、サンタさんを探したりして楽しめるので、クリスマスのプレゼントとして送りたい一冊です。

0歳にプレゼントされて、2歳～3歳ごろまで大切に読んでいる子どもも多いようですよ。

「サンタさんとこいぬ」は、ちょっと切なくて心温まるストーリーが刺しゅうで描かれた珍しい絵本です。トナカイが風邪をひいて、ひとりでプレゼントを届けることになったサンタさんの心情に引き込まれる一冊です。

サンタさんが弱音を言ったり元気を出したりと、躍動感のある演出は子どもを飽きさせない魅力がありますよ。

「サンタさんて本当は何者か」「本当はいないんでしょ」と思い始めた子どもにおすすめの絵本です。物語は小学生くらいの子どもが自分で読んで楽しめる内容ですが、絵本は見開きでひと段落するレイアウトになっているので、幼稚園や保育園の子どもが読んでも飽きにくい一冊です。

ママの方が「なるほど」と感心してしまうシーンは、見ごたえがありますよ。

クリスマスシーズンになると、「サンタさんは本当に来るのかな」「プレゼントは何をたのもう」とそわそわする子どもが増えてきます。ママやパパは、子どもの様子を見て微笑ましくなったり回答に困ったり、良い意味で振り回される季節です。

サンタクロースがクリスマスイブにどこにいるのか知りたいときは、「NORAD Tracks Santa」がおすすめです。世界中を駆けめぐるサンタに、子どもも大人もくぎ付けになるはずです。NORADで追跡することで、もっとサンタクロースのことを知りたくなった子どもたちには、サンタをモチーフにした絵本の読み聞かせがおすすめですよ。