妊娠初期のつわりの症状と対策!つわり中の食べ物や仕事は?つわりがない人もいる?

妊娠初期のつわりは、多くの妊婦を悩ませています。あらわれる症状や程度は人によって違うため、自分のケースにあわせた対策が必要です。食事や外出時の対応、つらい時期の乗り越え方についてみていきましょう。つわりはいつになったら終わるのか、どのようなものを食べたら良いのか、つわりについて気になることも解説します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠初期のつわりとは?
  2. 妊娠初期のつわりの症状は?
  3. 妊娠初期のつわりはいつまで?
  4. 妊娠初期につわりがない人もいる?
  5. 妊娠初期のつわり対策は?
  6. 妊娠初期のつわりの体験談
  7. 妊娠初期のつわりと上手に付き合おう
  8. あわせて読みたい

妊娠初期のつわりとは?

消化器系の症状を中心とするさまざまな症状

吐き気や嘔吐、胃のむかつきや食欲不振など、妊娠初期に消化器系にあらわれるさまざまな症状をつわりと言います。なかには食べ物の好みが変わったり、ひとつの食べ物しか受けつけなくなったりといったケースもみられます。

さまざまな症状があらわれるつわりですが、どうして起こるのかその原因ははまだ解明されていません。いくつか考えられている理由として、ストレスや受精卵が着床したころから分泌が増えるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンの影響などが考えられています。

妊娠5~6週目からあらわれる 

つわりがあらわれる時期は、早い人で妊娠週数の5~6週頃からです。妊娠初期に着床が完了したころは、すでに妊娠3週目に入っています。5~6週は生理予定日から1~2週間が経過し、妊娠に気づきはじめる人も多くなる時期です。

子宮の中には胎嚢(たいのう)ができはじめ、心拍や胎芽が確認されるようになるのもこのころです。赤ちゃんの身体の組織をつくるとても重要な時期のため、つわりでつらいなと感じたら、無理せず休むことが赤ちゃんとママの身体を守ることにつながりますよ。

50~80%の妊婦が経験する

つわりは吐き気や嘔吐をともない、毎日船に揺られているような感覚ともいわれます。調子が悪いと異常なのではないかと不安になるものですが、妊婦の50~80%が何らかの症状を経験しているため、心配しすぎる必要はありません。

あまりナーバスになりすぎると、その不安やイライラがさらなるストレスを生んで症状の悪化を招く可能性もあるかもしれません。自分なりの乗り切り方をみつけて、この時期を過ごしていきましょう。

朝の空腹時に症状が出やすい

つわりの症状は人によってさまざまですが、朝目覚めたときに、吐き気におそわれることもあります。通称「朝つわり(Morning sickness)」と呼ばれるものです。朝つわりは、お腹がすいていると症状が強くなる傾向があります。

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妊娠初期のつわりの症状は?

吐き気や嘔吐(おうと)

つわりがつらいと感じる一因としてあげられるのが、日中何度もおそってくる吐き気や嘔吐です。吐きたいと感じるきっかけは人によってさまざまですが、一例として空腹や強い疲れ、苦手なにおいを感じたり、食べ物を口にしたりして吐き気を感じるケースがあります。

つわりの時期はにおいに敏感になりやすく、普段気に留めていなかったにおいもキャッチしてしまいます。悪臭はもちろんのこと、好ましいと思っていたにおいでさえ、吐き気をもよおすきっかけとなることもあるのです。

唾液量の増加

唾液量が増えるのも、つわりの症状の一種です。口から飲み込めないほどのよだれが出て、つねにタオルやティッシュを口元にあてていないといけない人もいます。よだれが出続けて日常的な生活が困難な場合は、医師や助産師に相談してみましょう。

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眠気やだるさ

一般的なつわりは妊娠初期にあらわれる消化器症状を指しますが、眠気やだるさを訴える人が多いことから、「眠りつわり」と表現することがあります。眠りつわりは、どれだけ寝ても足りない感覚がつきまといます。

いつでも眠い状態が続くときは、昼間に15分程度仮眠をしたり、目を閉じて休息をとったりするだけでも身体が回復します。ぼうっとしやすいので、事故やアクシデントに気を付けてください。

頭痛

もともと片頭痛に悩まされている人は、妊娠すると痛みが減少する傾向があります。その一方で、つわり時期に頭痛に悩まされる人は多くいます。頭痛のほかにも目の痛みや肩こりなどの症状もみられます。

市販されている温熱ピローやホットマスクを首や肩、目元にあてると、痛みがほぐれます。痛みが強いときは薬が処方されることもあるので、医師や助産師に相談してみましょう。

食欲不振

つわり時期は胃のむかつきや食欲不振に見舞われがちです。なかなか食べる気が起こらないときは無理する必要はありません。食べられるものを少量ずつ口にするようにしましょう。こまめな水分補給は忘れないようにしてください。

逆に、食欲が増していつも何かを食べていたい欲求にかられることもあります。一度に大量に食べるのではなく、小分けにして食べるなどの工夫が体重管理に役立ちます。

食べ物の好みの変化

妊娠初期に食べ物の好みがガラッと変わることも、つわりの症状のひとつです。これまで好んで食べていたものを受け付けなくなったり、苦手だと思っていたものが食べられるようになったりします。ひとつのものだけ無性に食べたいという気持ちが強くなることもあります。

妊娠初期のつわりはいつまで?

多くのつわりは12~16週で自然となくなる

5~6週頃からはじまったつわりは、12~16週頃に次第におさまってきます。しかし、一部の症状が残ったり、出産するまでつわりが続いたりする人もいます。つわりの期間はあくまで目安と考えておきましょう。

12~13週は妊娠初期の後半から中期に入る時期で、高温期が続いていた基礎体温が徐々に低温期に戻りはじめます。15~16週頃には胎盤も完成し、気持ちが落ち着く時間が増えてくるでしょう。

重いつわりや長期化するつわりは妊娠悪阻かも

16週を過ぎてもつわりの症状が治まらなかったり、食べ物ばかりか飲み物も受け付けなくなったりしたら妊娠悪阻の可能性があります。脱水症状や栄養失調がみられますが、ひどい場合は肝機能障害や脳神経障害が起こることもあるので早急な処置が必要です。

妊娠悪阻になっているかどうかは、尿検査や血液検査で調べることができます。入院しながら点滴治療や食事指導を行い、症状の改善を目指します。症状が長引くとき、水分がとれないときは妊婦健診を待たずに早めに医師に相談するようにしてください。

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妊娠初期につわりがない人もいる?

妊娠初期につわりが起こる人が大半とはいえ、つわりがほとんどない人もいます。つわりがないと、胎児が育っているのか不安を感じることもあるでしょう。しかし、つわりの症状や程度には個人差があります。妊婦健診で胎児がしっかり育っているなら、過度に心配することはありません。

一方でつわりがないからといって、妊娠初期に激しく動き回るのは避けたいものです。なるべく休息をとるようにして、穏やかな時間を過ごすように心がけましょう。

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妊娠初期のつわり対策は?

起床時につまめる食べ物を枕元に用意

朝つわりは、お腹に食べ物を入れると症状がやわらぐこともあります。キャンディや経口補水液など、朝起きてすぐに口にできる食べ物や飲み物を枕元に用意しておくと良いでしょう。

起き上がると吐き気がこみ上げることもあるため、横になりながら食べられる飲むタイプのゼリーやペットボトルにつけられるストローがあると便利です。

食べたいものを好きなときに食べる

妊娠中は赤ちゃんに栄養を届けるため、バランスの良い食事を心がけたいものですね。しかしつわりの時期は胎児がまだ小さく、毎食十分に食事ができなくても母体からの栄養で成長できます。

吐き気が強いときは食べられるものを少量ずつ、何回かに分けて食べるようにすると食べられることもあります。野菜ジュースにしたり、具材をやわらかく煮込んだスープにしたりと調理方法を変えてみるのも良いでしょう。温かいものより冷たいものの方が食べやすい場合もありますよ。

食べられないということが、新たなストレスを生むことがあります。調子が悪いときは栄養バランスをあまり気にせず、食べたいと思うものを食べるようにしてつわりの時期を乗り切りましょう。

外出時に食べ物を携帯する

つわりがあるときに外出するのは、とても緊張するものですよね。外出先で空腹を感じると、つわり症状が強く出ることがあります。手軽に口にできる食べ物を携帯しておくと安心です。

食べ物のほかに、気分が悪くなったときに使える小さなビニール袋を持ち歩くと気持ちに余裕が生まれます。ベビー用品やペット用品として売られている消臭袋や、外出先で使えるエチケット袋が役立ちますよ。

趣味に没頭する

つわりのことを意識すると、よけいに症状が強くなってしまいます。趣味や好きなことに没頭する時間が、つわりから解放してくれるかもしれませんよ。ただし集中するあまり、疲れをためてしまうと逆効果になりかねません。どんなに好きなことでも、適度な加減に抑えてくださいね。

マスクやタオルを持ち歩く

においに敏感なつわり時期は、ふとした瞬間に漂ってくるにおいに反応してしまうことがあります。これまで気にならなかったにおいも、悪臭と感じてしまうことがあるので、外出時にはマスクやタオルでにおいをシャットアウトしましょう。

家事や仕事はほどほどに

家事は思いのほか重労働です。立ち仕事も多く、妊娠初期の身体には負担が大きくなります。あれもこれもと詰め込みすぎず、毎日やる家事と休んでも良い家事とを分けるのもひとつの手段です。パートナーと家事を分担するのも良いですね。

妊娠中はリラックスして過ごせるのが一番ですが、仕事に集中するのも気持ちが引き締まって症状の緩和に効果的な場合があります。疲れをためすぎないようにしながら、仕事に取り組んでください。

妊娠初期のつわりの体験談

筆者はひとり目の妊娠時、ふたり目の妊娠時ともにつわりがあり、どちらも食べづわりと吐きづわりでした。食事のにおいが受け付けられず、ご飯の支度も一苦労。夫が帰宅したときに、外から持ち込むにおいも耐えられず、吐きながら孤独感を味わっていました。

つわりでつらいときはとにかく気持ちが落ち込みがちです。パートナーに気持ちを打ち明けたり、友人や産婦人科でカウンセリングを受けたりして、精神的に落ち着くことが必要だなと感じます。

食事面では、症状が軽いときに根菜スープや野菜のおひたしなどのおかずを作りだめしたことが役立ちました。作りだめしたものが受け付けられないときは、食べたいと感じたものをひたすら食べて乗り切ったものです。当時、食べたくなったのは、ポテトチップスとコーラです。かなりジャンキーではありますが、極端な体重増加はなく、胎児の成長も順調でした。

ひとり目のときは、なぜだかトイレットペーパーのにおいに癒しを感じ、ひたすらトイレットペーパーを抱きしめていたこともあります。今はまったく魅力を感じません。症状の出方は妊娠ごとに違うことを実感します。筆者の周りには、つわりがほとんどない友人もいれば、妊娠悪阻で入院し堕胎をすすめられた友人もいました。

妊娠初期のつわりと上手に付き合おう

妊娠初期は身体が大きく変化する時期です。つわり以外のマイナートラブルも多く、行動が制限されることから、精神的な面でも不調を感じることが増えてきます。つわりがあらわれるのは、胎児や妊婦の身体を守るためだという説もあることから、安定期に入るまではゆったり穏やかに過ごすことが大切です。

つわりにあまりとらわれすぎず、そのときにできることや、やりたいことをみつけて気持ちを切り替えていきましょう。

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