葉酸とは?天然・合成葉酸やモノグルタミン酸・ポリグルタミン酸型の葉酸の違いは?

妊娠を考えている女性や妊娠中の女性は、葉酸を摂らなければならないと聞いたことがある人は少なくないでしょう。葉酸には種類があり、摂り方には注意が必要です。ここでは、葉酸の働き、種類、摂り方など、葉酸についてご紹介します。どのタイミングでどのように摂れば良いか、参考にしてくださいね。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 葉酸とは?
  2. 天然葉酸と合成葉酸の違いは?
  3. 妊娠前・妊娠中の葉酸の推奨摂取量は?
  4. 葉酸の一般的な働きは?
  5. 葉酸の過剰摂取や不足には注意しましょう
  6. 葉酸を含有している食品
  7. 妊活中・妊娠初期のママにおすすめの葉酸サプリ
  8. 葉酸は必要な量を意識しながら摂ろう
  9. あわせて読みたい

葉酸とは?

葉酸(ようさん)はビタミンBの一種

葉酸は妊娠前や妊娠中の女性に欠かせない栄養素のひとつで、水溶性のビタミンB群に属しています。大きく分けてプテロイルモノグルタミン酸型の葉酸(約してモノグルタミン酸型の葉酸)と、プテロイルポリグルタミン酸型の葉酸(約してポリグルタミン酸型の葉酸)の2種類があります。

葉酸は赤血球の形成や胎児の正常な発育に必要なビタミンです。厚生労働省は、2002年から栄養補助食品などの利用も含めた効果的な摂り方を母子手帳に記載し、十分な摂取を呼びかけています。

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プテロイルポリグルタミン酸型の葉酸(約してポリグルタミン酸型の葉酸)

プテロイルポリグルタミン酸型の葉酸(約してポリグルタミン酸型の葉酸)とは、ほうれん草やイチゴなどの植物性食品、レバーなどの動物性食品などの食べ物に含まれている葉酸のことです。一般的に食事から摂れることから「食事性葉酸」と呼ぶこともあります。

プテロイルモノグルタミン酸型の葉酸(約してモノグルタミン酸型の葉酸)

ポリグルタミン酸型の葉酸(食事性葉酸)は、体内に入ると消化管の酵素によってプテロイルモノグルタミン酸型の葉酸(約してモノグルタミン酸型の葉酸)へと分解されます。モノグルタミン酸型の葉酸は、ポリグルタミン酸型(食事性葉酸)よりも体内での利用効率が良いことから、一般的にサプリメントなどの加工食品に使われることが多いです。

神経管閉鎖障害のリスクが低減できる

葉酸を摂取することで、新生児障害のひとつである神経管閉鎖障害の50~70%の発症リスクの低減が期待できます。神経管閉鎖障害とは、胎児の脳や脊髄の元となる神経管に異常が起こる障害で、妊娠4~5週の初期に起こりやすいといわれています。神経管閉鎖障害の発症リスクの低減のために、葉酸は妊娠を計画している女性や妊娠中の女性に欠かせないビタミンです。

モノグルタミン酸型の葉酸とポリグルタミン酸型の葉酸は吸収率が違う

モノグルタミン酸型の葉酸は、ポリグルタミン酸型の葉酸が体内の消化酵素で分解された状態のものなので、体内での吸収率が高いといえます。食品や商品によって差がありますが、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2010年版)」では、ポリグルタミン酸型の葉酸の体内での利用効率は、モノグルタミン酸型の葉酸の50%としています。(※1)

つまり、食事などで摂る200µgのポリグルタミン酸型の葉酸は、サプリメントなどで摂る100µgのモノグルタミン酸型の葉酸に相当します。

天然葉酸と合成葉酸の違いは?

天然葉酸や合成葉酸と表現されることがありますが、明確な定義はありません。一般的に天然由来の原料を使ったという意味で「天然」という言葉が使われていたり、化学的に合成したという意味で「合成」という言葉が使われていたりします。

自分が摂取しようとしている葉酸が、天然か合成かという言葉で判断するよりも、どのような原料を使ってどのように製造しているかということや、ポリグルタミン酸型の葉酸(食事性葉酸)なのかモノグルタミン酸型の葉酸なのかという葉酸の種類を意識すると良いでしょう。

妊娠前・妊娠中の葉酸の推奨摂取量は?

厚生労働省は、2010年4月から適用された「日本人の食事摂取基準(2010年版)」において、国民の健康の保持や増進のためにエネルギーと栄養素の摂取量の基準を示しています。18~49歳の一般女性は、1日あたり240μgのポリグルタミン酸型の葉酸(食事性葉酸)を摂るように推奨されています。

妊娠の可能性がある女性や妊娠・授乳中の女性に対しての、葉酸の食事摂取基準は以下のとおりです。

妊娠の1ヶ月以上前から、妊娠3ヶ月までのあいだ

妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠3ヶ月までの女性は、18~49歳の一般女性の葉酸の推奨量240μg にプラスし、1日あたり400μgのモノグルタミン酸型の葉酸を摂るよう推奨されています。食品で摂れる葉酸(ポリグルタミン酸型の葉酸)で摂ると800μgに相当します。食事で摂ることは難しいと感じたら、サプリメントなどを上手に利用したいですね。

妊娠中

妊娠4ヶ月以降の妊娠中の女性は、一般女性の葉酸の推奨量240μgの葉酸にプラスし、1日あたり240μgのポリグルタミン酸型の葉酸を摂るよう推奨されています。240μgのポリグルタミン酸型の葉酸であれば食事で摂ることが可能ですが、毎日の継続が難しいときは、不足分をサプリメントなどで摂取したいですね。

授乳中

授乳中の女性は、一般女性の葉酸の推奨量240μgの葉酸にプラスし、1日あたり100μgのポリグルタミン酸型の葉酸を摂るよう推奨されています。産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、食事のことをゆっくり考えられないこともあります。食事で葉酸を摂れないときは、不足分をサプリメントで摂取するなどの工夫が必要です。

ポリグルタミン酸型の葉酸(食事性葉酸)
モノグルタミン酸型の葉酸
一般女性(18~49歳)240μg
妊娠の1ヶ月以上前から、妊娠3ヶ月240μg400μg(一般女性の葉酸に付加)
妊娠中480μg
授乳中340μg

葉酸の一般的な働きは?

胎児の正常な発育に必要なビタミンである葉酸は、一般的にはどのような働きをするのでしょう。葉酸は、たんぱく質や細胞を作るときに必要なDNAなどの核酸を合成し、赤血球の細胞形成に大きく関わります。赤血球の合成に深く関わることから、造血のビタミンとも呼ばれます。

葉酸の過剰摂取や不足には注意しましょう

身体に必要なビタミンでも、摂り過ぎや不足は人体に影響を与えます。主な影響は以下のとおりです。

葉酸を過剰摂取した場合

通常の食生活では、極端な食べ方をしない限り、葉酸の過剰摂取は考えにくいといわれています。しかし、吸収率の高いモノグルタミン酸型の葉酸が配合されたサプリメントや栄養機能食品を大量摂取すると、発熱やじんましん、神経障害などの過剰症を引き起こす原因になることもあるので、注意が必要です。

葉酸欠乏症になった場合

葉酸はビタミンB12と協力して血液を造る働きがあります。そのため、葉酸が欠乏すると巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)を引き起こすことがあります。また、葉酸が不足すると、血液中のホモシステインの量が増え、動脈硬化の原因となったり、口内や舌に炎症が起こりやすくなったりします。

葉酸を含有している食品

葉酸を含有している食品・飲料については以下のとおりです。

ほうれん草

葉酸を多く含み、鉄分も同時に摂取できるほうれん草は、調理がしやすくい食材です。ゆでたほうれん草1/2把(100g)あたり110µgの葉酸が含まれています。しかし、葉酸は熱に弱いので、ゆで時間を短くするなどの工夫が必要です。

イチゴ

イチゴ1個(15g)あたり14µgの葉酸が含まれています。葉酸は水に溶けやすいので、イチゴを洗うとき、水に浸したりヘタを取ってから洗ったりすると、ビタミンが流れてしまいます。イチゴを洗うときは、食べる直前に、ヘタをつけたまま水でさっと洗い流す程度にしましょう。

レバー

牛、豚、鶏のレバーは、多くの葉酸を含んでいます。鶏レバーは調理がしやすく、焼き鳥屋さんでも手軽に食べられるでしょう。

ただし、レバー40gあたり520µgもの葉酸が含まれています。肝臓や脂肪組織に蓄積されやすく、過剰摂取することで赤ちゃんに先天性異常をもたらす恐れのあるビタミンAも多く含まれています。鶏レバーは4gの摂取でも52µgもの葉酸が摂れるので、食べるときは少量でかまいません。

たまご

たまごの卵黄部分には葉酸が含まれていますが、卵白には含まれていません。Mサイズのたまご1個あたり22µg程度の葉酸が含まれています。生で食べると食中毒の原因となるサルモネラ菌の危険性があるので、たまごを食べるときは加熱して食べるように心がけたいですね。

豆乳

豆乳には、コップ1杯(200g)あたりおよそ62µgの葉酸が含まれています。牛乳に比べて低カロリーで、栄養バランスも良いので、積極的に飲みたい飲み物です。ただし、大豆イソフラボンの1日の上限摂取量はコップ約2杯分(400g)なので、他の食品とあわせると超えてしまうことがあります。他の大豆製品とのバランスを考えながら上手に利用したいですね。

食品名
葉酸の含有量
ゆでたほうれん草1/2わ(100g)110µg
イチゴ1個(15g)14µg
鶏のレバー1食分(40g)520µg
Mサイズたまご1個(50g)22µg
調整豆乳コップ1杯(200g)62µg
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妊活中・妊娠初期のママにおすすめの葉酸サプリ

葉酸サプリは、成分量を確認しながら手軽に栄養を摂れるメリットがあります。つわりで食事を取れないときや、料理ができないときでも、栄養を補うことができるでしょう。栄養バランスの良い食事をとることが理想ですが、サプリメントを上手に利用してみても良いですね。

ベルタ葉酸

出典:belta-ad.jp
ベルタ葉酸
¥1,980〜(2023/09/19 時点)

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妊活中~妊娠3ヶ月の女性は葉酸の積極的な摂取が望ましいとされています。厚生労働省は妊娠可能性のある女性に対し、食事からの摂取に加えて1日480μgの葉酸を摂取することを推奨しています。 ベルタ葉酸からは480μgの葉酸を手軽に摂取できるほか、鉄分やカルシウム、ビタミン、ミネラルなどが摂取でき、妊娠中の健康維持に役立ちますよ。

葉酸を効率良く摂取できるように体内にとどまりやすい「酵母葉酸」を使用している点もこだわりポイントのひとつ。香料、着色料、保存料などを使用していないところもうれしいですね。サプリメントの大きさは直径9mmと小さく比較的飲みやすいでしょう。

プレミン

出典:premin.shop
プレミン
¥3,980〜(2023/05/08 時点)

プレミンは400μgの葉酸を摂取できるほか、鉄・ミネラル・ビタミンなどの不足しがちな成分をバランス良く摂取することができます。妊活中から妊娠15週まで、妊娠16週から出産まで、産後から授乳期までの3パターンに商品が分かれているので、妊活中〜授乳期間まで飲み続けられるのも魅力のひとつです。

安全性にこだわっている「プレミン」は、製造から袋詰めまで「NSF GMP認証」をクリアした工場で行い、全成分の原産国と最終加工国を開示。食物アレルギー検査も実施しているので、アレルギーが気になる人には嬉しいですね。

はぐくみ葉酸

はぐくみ葉酸
¥1,980〜(2021/07/27 時点)

はぐくみ葉酸は、レモンから抽出された食事性葉酸が含まれるサプリで、天然由来の成分が配合されている点が大きな特徴です。オーガニックのレモンを使用している点もうれしいポイントのひとつですね。 MP認定工場で製造されているため、安全管理が行き届いているといえるでしょう。

購入後に販売元に問い合わせをすると、1,000人以上の妊活・妊娠中の食事のサポート実績がある、専任の栄養士さんから出産までの食事について継続的にアドバイスを受けることもできます。サプリを飲むだけではなく、日頃の食事から改善し、自分の身体や赤ちゃんの健康を維持したい方におすすめですよ。

AFC葉酸 mitete 女性100人の声から生まれた葉酸サプリ

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mitete葉酸サプリ(AFC葉酸サプリ)
¥1,944〜(2021/07/27 時点)
管理栄養士/食品表示検定中級
miori0714のおすすめポイント

AFCの葉酸サプリは合成の葉酸が配合されています。合成の葉酸は、天然に存在する葉酸よりも体内への吸収率が高くおすすめです。また、葉酸だけでなく女性が不足しやすい鉄やカルシウムも配合されています。原料の最終加工国まで開示しているのはとても信頼できます。お手頃価格でリピートしやすいのも魅力的です。

mitete葉酸サプリは、こだわりの品質と手頃な価格が魅力の葉酸サプリです。モノグルタミン酸型の葉酸400μgをはじめとする、妊活中・妊娠中にうれしい成分がしっかり配合されています。

粒の大きさは飲みやすいといわれている8mmで、においをおさえるコーティングがされています。販売会社は50年近くの歴史を持ち、薬剤師・管理栄養士や妊娠出産経験のあるスタッフのサポートを受けることができますよ。

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葉酸は必要な量を意識しながら摂ろう

葉酸は赤血球の合成に関わる大切な栄養素です。胎児の正常な発育に必要な栄養素でもあるので、特に妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は、積極的に摂ることが大切です。葉酸の種類や必要な摂取量を十分に把握したうえで、食事や葉酸サプリで上手に栄養を摂取したいですね。

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