産婦人科医監修|葉酸はいつからいつまで飲む?妊娠前から葉酸が必要な理由は?
妊娠中は葉酸が大事なことは、ご存じの方も多いでしょう。妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月のあいだ、普段の食事に加えてサプリメントから400µgの葉酸を摂取することが推奨されています。妊娠1ヶ月前というと、妊娠判明前から摂取すべき、ということになりますね。ここでは、妊娠前や妊娠期間中、産後の葉酸の必要性についてご説明します。
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この記事の監修
目次
葉酸はいつからいつまで必要?
お腹の赤ちゃんのため、妊娠期間を健康に過ごすために、バランスの良い食生活をすることは大事なことです。特に、妊娠中に気をつけて摂りたい栄養素のひとつが葉酸です。
葉酸は、細胞の増殖や発育に必要なDNAの合成をサポートする働きがあります。そのため、厚生労働省は、妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月まで、食事からだけでなくサプリメントを利用して葉酸が不足しないようにとすすめています。
葉酸は妊娠初期だけ摂れば良いものではありません。妊娠中期以降も、赤ちゃんの身体は日々発育しています。妊娠中は葉酸をいつまで摂るかを気にするのではなく、妊娠中は全期に渡って葉酸が不足しないように気をつけましょう。
妊娠前、妊活時に葉酸を摂る理由
妊娠前に摂取するときの効果
厚生労働省の通知で、葉酸の摂取が妊娠1ヶ月前からすすめられているのはなぜでしょうか。赤ちゃんの先天性異常のひとつである「神経管閉鎖障害」は、脳や脊髄などの中枢神経系のもととなる神経管が作られる妊娠の4~5週ごろに発生します。妊娠初期に葉酸を不足なく摂取することにより、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らせることがわかっています。
一方で、生理が遅れてなんとなく体調に変化を感じ、妊娠が判明するのは妊娠5週目以降のことが多いでしょう。つまり、特に意識して葉酸を摂取すべきとされる妊娠4~5週を過ぎてから、妊娠が判明する可能性があります。そのため、妊娠を希望したときから必要量の葉酸を摂取することを心がけましょう。
また、葉酸の摂取は妊娠しやすい身体作りにも大切と考えられます。葉酸には細胞の増殖を促す働きがあるため、子宮内膜の強化など、着床しやすい子宮環境を整える大事な栄養素といえるでしょう。
妊活時の葉酸の摂取量
成人女性の1日の葉酸の摂取目安量は240µgです。また、妊娠初期には、普段の食事からの葉酸摂取に加え、400µgの葉酸をサプリメントから摂取することが推奨されています。
特に妊娠1ヶ月前~妊娠3ヶ月は、十分な量の葉酸を摂取することで、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを低下させる大事な時期です。妊活をはじめたら妊娠1ヶ月前と考え、葉酸を必要量摂取すると良いでしょう。
葉酸はその名前の通り、葉もの野菜や、緑色の濃い野菜に多く含まれています。枝豆、ほうれん草、ブロッコリーなどです。なお、ブロッコリー1/4株(50g)あたりに含まれる葉酸は105μg、枝豆50gあたりで160μg程度です。なるべく食事から葉酸の摂取を心がけたいですが、サプリメントを利用して無理なく葉酸を摂取しましょう。
妊娠初期に葉酸は必要不可欠
妊娠超初期の葉酸の重要性
妊娠初期に葉酸が多く必要な理由は、妊婦の貧血予防と胎児の正常な発育のためです。妊娠すると、赤ちゃんを育てるために妊婦の血液の量が増えます。しかし、液体成分である血漿(けっしょう)は増えても赤血球などの固体成分の増加が追い付かないため、赤血球の生成を促す葉酸がより多く必要となります。
また、赤ちゃんの身体の各器官が形成されるときに、タンパク質の合成に関わる葉酸は必要不可欠です。妊娠初期にしっかりと葉酸を摂取することは、赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクを低下させることが知られています。
妊娠初期に摂取すべき葉酸の量
成人の1日の葉酸の必要量が240μgなのに対し、妊娠中の葉酸の必要量は480μgとされていています。つまり、妊娠中は妊娠前の2倍量の葉酸が必要です。食事から摂れる葉酸だけでなく、サプリメントから400µgの葉酸を摂取することが推奨されています。
妊娠初期はつわりなどもあり、食事から必要量の葉酸を摂取することは難しいかもしれません。毎日のこととなるとなおさら大変なので、サプリメントを上手に利用してくださいね。
妊娠中期・後期にも葉酸を摂取しましょう
妊娠中期以降も葉酸は大切な栄養素です。妊娠中期は、赤ちゃんの成長にともなってお腹がぐんぐん大きくなり、同時にママの血液量も急激に増えます。葉酸は造血に関わる大事なビタミンなので、不足すると貧血などの症状が出てしまいます。また、葉酸が極端に足りなくなると、妊娠高血圧症候群や子宮内胎児発育遅延を起こすこともあるそうです。
産後に飲む葉酸の効果
授乳婦にも葉酸が必要な理由
授乳しているママにとって、葉酸の摂取はとても大事です。赤ちゃんに与える母乳は、ママの身体で作られます。母乳は何からできているのでしょうか。実はママの血液が原料となっています。
葉酸は血液を作るときにかかわる大事なビタミンなので、必要な量の葉酸を摂取し、良質な母乳が作られるように心がけましょう。なお、葉酸は、産後のママの身体の回復を促したり、ホルモンバランスを整えるたりすることで、「産後うつ」の予防につながる効果も期待できます。
産後の葉酸の必要量
授乳中のママが1日に必要な葉酸は、成人女性240µgのところ、さらに100µg多く摂取することが推奨されています。妊娠中と同様、普段の食事から、葉酸を多く含む葉もの野菜や果物をより多く摂取したいですね。ママと赤ちゃんのために、バランスの良い食生活を心がけましょう。
葉酸は食べ物とサプリから
食べ物から摂取する
葉酸は葉もの野菜や果物に多く含まれています。しかし、野菜などに含まれる葉酸は「ポリグルタミン酸型葉酸」と呼ばれ、熱や光に弱いという特徴があります。ポリグルタミン酸型葉酸は加熱調理などの工程によって減少し、体内で吸収されるには消化酵素の働きが必要のため、吸収率は50%程度といわれています。
厚生労働省はサプリでの摂取をおすすめ
普段の食事で必要な量の葉酸を毎日摂取するのは、なかなか難しいところです。そのため、食事で摂取する葉酸で足りない分は、葉酸サプリでカバーすると良いでしょう。サプリメントに含まれる葉酸は「モノグルタミン酸型葉酸」のため、体内での吸収率は85%程度と高いことがメリットです。また、サプリメントは手軽なので、毎日無理なく続けられるのではないでしょうか。
葉酸が不足・過剰摂取した場合
葉酸が不足した場合
妊娠中に葉酸が不足したときによく見られるのは、貧血症状です。葉酸は造血に関わるビタミンなので、不足すると立ちくらみなどの貧血症状を招くことになります。
また、葉酸はタンパク質合成に関わる働きがあるため、皮膚の再生が著しい場所である粘膜や口でのトラブルとして、口内炎などの症状が出ます。なお、妊娠初期に葉酸が不足すると赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症リスクが高まるので、特に気を付けたいですね。
葉酸を過剰摂取した場合
葉酸を取りすぎると、食欲不振や吐き気などの副作用が出ることがあります。また、発熱やじんましんなどの葉酸過敏症を引き起こすことも考えられます。体調に異変を感じ、葉酸の過剰摂取の心あたりがある方は、必ず医師に相談してくださいね。
なお、オーストラリアでは妊娠後期にサプリメントを1日1000µg以上摂取した場合に小児喘息リスクが上昇したとの報告もあります。厚生労働省も、「葉酸の摂取は1日あたり1mg(1000µg)を超えるべきではない」と通知しています。
食物から摂る分には、過剰摂取の心配はほとんどありません。しかし、サプリメントの葉酸は吸収率が高いうえに手軽なので、きちんと用量を守って服用する必要があります。
葉酸の飲み忘れ
葉酸サプリメントを1日飲まなかったからといって、翌日に2倍量飲むことはしないでください。葉酸サプリメントは葉酸以外の栄養素を含んでいることが多く、場合によっては過剰摂取につながるおそれもあります。サプリメントは、1日ごとの栄養素の不足分を補うためのものといえます。
また、サプリメント自体は時々飲み忘れてもあまり影響がないと考えて良いでしょう。大切なのは、継続して服用することです。
おすすめの人気葉酸サプリメント
メルミーの魅力は、産婦人科医と管理栄養士によるダブル監修を受けていることです。葉酸のほか鉄やカルシウムなど、妊娠中に特に重要な17種類の栄養素を配合し、内14種類の栄養素については厚生労働省の定める栄養機能食品の基準値をクリア。「無添加」なのも嬉しいポイントですね。
厚生労働省が定める管理基準を満たしたGMP認定工場で生産されているほか、放射能検査や残留農薬検査もクリアして品質にこだわって作られています。また、配合されているすべての成分について、原産国と最終加工国の両方が公開されています。
妊活をはじめたら葉酸サプリを摂取しよう
赤ちゃんがほしいと思ったら、健やかな妊娠・出産を目指し、食生活や生活習慣を見直したいところです。バランスの良い食事をとること、規則正しい生活リズムを作ることで、ホルモンバランスも良好になることでしょう。
妊娠初期から必要な栄養素である葉酸は、造血作用やタンパク質合成に関わる大事なビタミンです。さらに、精神状態にも良い影響が確認されています。妊娠を希望したときから産後まで、ときにはサプリに頼りながら、葉酸が不足しないよう気を付けてくださいね。