軽いランドセルは本当に正解？注意点とおすすめ商品18選【2020年度版】

展示会などでいろいろなランドセルを背負ってみると、どれも我が子の身体には大きすぎるよう見えて、心配になるママやパパは多いかもしれません。子どもが小柄だったり、通学距離が長かったりする場合にはより心配になり、軽さを重視してランドセルを選ぶことが少なくありません。

では、軽いランドセルはどのように選んだら良いのでしょうか。失敗しない上手な選び方を解説します。

ランドセルの軽さは素材で大きく変わります。軽さの順番は以下のとおりです。

…軽い…
人工皮革
　↓
本革（牛革）
　↓
コードバン
…重い…

人工皮革は軽さが魅力の素材でクラリーノが有名です。コードバンは希少な馬の革で牛革よりも丈夫です。一般的に、丈夫な素材ほど重い傾向があります。

軽さを決めるのはランドセルそのものの重さだけではありません。「体感重量」といって、背負ったときに身体が感じる重さを軽くすることも大切な要素です。

たとえば、肩ベルトがカーブを描いて立ち上がっているランドセルは背中とのあいだに隙間を作らないので、体感重量が軽くなるといわれています。これにはふたつの理由があります。

ひとつは、ランドセルが背中から離れると歩くときに身体が自然と前かがみになり、バランスを取ろうと腹筋や背筋を使って疲れてしまうためです。

もうひとつは、ランドセルが背中にフィットすると面で支えて重さが分散されるためです。肩から下げたバッグが歩くたびに揺れて歩きづらく感じ、手で押さえたくなった経験はありませんか。ランドセルも同じで、肩や背中にフィットすると楽に歩けて重さも感じにくくなるのです。

軽いランドセルが良いといっても、やはり丈夫でないと困ってしまいますよね。軽いランドセルの中には補強材が少なかったり、金具の代わりにプラスチックが使われていたりと、耐久性が低いものがあります。サイズが小さくA4フラットファイルに対応していない場合もあるので、注意が必要です。

軽くて背負いやすいと人気の大手メーカーランドセルを紹介します。素材による軽さだけではなく、軽く感じる機能にも注目してくださいね。

セイバンの代名詞になっている「天使のはね」が名前に付いたランドセルです。天使のはねとは肩ベルトの付け根に入った羽のような形をした樹脂素材のことで、肩ベルトを立ち上げる役割を持っています。

立ち上がった肩ベルトは背中とランドセルのあいだに隙間を作らないため、体感重量が軽くなります。肩にかかる負荷はおよそ20％も軽減されるそうです。

こちらの「天使のはね クラシック」は素材に軽いクラリーノが使用されており、セイバンのオリジナル機能がたっぷり詰まったハイスペックモデルとして人気があります。

ララちゃんランドセルの肩ベルトは立ち上がっていませんが、人間工学に基づいて快適な背負い心地になるように設計されています。衝撃吸収パットも入っているため、肩が痛くなりにくいのがうれしいですね。肩ベルトの付け根が左右に動くので、動いたり走ったりしても重心が安定して快適に背負えます。

こちらの「あい」は人気のカラーをコンビにしたシンプルなベーシックモデルです。素材には、牛革のような光沢があり、傷に強いベルバイオ5という人工皮革を使っています。

刺繍がかわいい「あい・愛ティアラ」はフィットちゃんランドセルで一番人気のランドセルです。「フィットちゃん背カン」で肩ベルトを25度立ち上げているため、ランドセルと背中がフィットし、肩への負担が約半分に軽減されます。小柄な女の子でも楽に背負えそうですね。素材には軽くて光沢が控えめなクラリーノエフ2を使用しています。

キッズアミのランドセルは「ウィング背カン」で肩ベルトを立ち上がらせています。さらに、ベルト内部に入った形状安定樹脂（エコボーン）で身体との密着度が高まるため、背負い心地が快適です。衝撃吸収材も入っているので、背中や肩への負担が軽減されるでしょう。

素材には軽さが魅力のクラリーノを使用しています。サイドには反射材を利用したモチーフがあり、かっこよさと実用性を兼ねたデザインになっています。

ふわりぃランドセルで最軽量モデルの「ぴったりふわりぃ」です。重さは約920gと1,000gを下回っています。

素材にクラリーノエフを使用し、フチをなくしたデザインで軽さを実現しています。「ふわりぃ背カン」で肩ベルトを立ち上げているため、体感重量も軽くなるでしょう。

リュックのように肩ベルトを胸元でつなぐチェストベルトがあるため、より身体にフィットして背負いやすさが増しています。身体にやさしい機能がたくさん詰まったランドセルですね。

イオンのランドセル「かるすぽ」の特長は「軽々背負えてすっぽり入る」ことです。ウィング背カンによって立ち上がる肩ベルトは形状安定樹脂の新エコボーンを内蔵していて、身体へのフィット感を高めています。背あては人間工学に基づいた3点構造になっていて、圧力を分散させて体感重量を軽くしています。

こちらのモデルは素材にクラリーノの中でも特に傷に強いクラリーノタフロックが使用されているので、元気な男の子のランドセルにぴったりです。

イトーヨーカドーのオリジナルランドセル「ラクラクランド」は約1,000gと軽いのが特長です。軽いランドセルとして有名なふわりぃの背カンと肩ベルトが採用され、楽に背負えるようにと開発されました。

素材には軽くて牛革のような風合いを持つクラリーノエフを使用しています。約3万円という安さにも注目したいですね。

職人が手作りする工房系ランドセルの中から、背負いやすくて軽い人気のランドセルを紹介します。人工皮革のランドセルを作っていない工房もありますが、牛革でも軽く感じる工夫に注目してみてくださいね。

黒川鞄工房は昔ながらの伝統製法でランドセルを作っており、人工皮革のランドセルは作っていません。しかし、黒川鞄工房の「はばたくランドセル」は、肩ベルトが立ち上がって背中にフィットするため、体感重量が軽くなり姿勢も良くなる効果が期待できます。

こちらの「スムース牛革ワイド」は約1,480gの重さがありますが、実際に背負ってみると「予想に反して軽い」という購入者からの声が集まっています。

池田屋で人気が高い人工皮革モデルの「ベルバイオスムース カラーステッチ」です。池田屋のランドセルは肩ベルトが立ち上がっていませんが、上下左右に動いてフィットする「池田屋背カン」や、脇腹が痛くならない「ギボシベルト」などで背負いやすさを高めています。

子どもによっては立ち上がった肩ベルトが身体に合わず痛がることもあるので、使ううちに身体の形になじんでいく立ち上がりなしのベルトが良い場合もあります。実際に背負ってみると合う合わないがわかりますよ。

萬勇鞄ではランドセルを軽く感じさせるために肩ベルトを立ち上げ、さらにS字にカーブさせてフィット感を高めています。背カンは左右別々に動くので、背負うときに楽に腕を通せます。

こちらのクローネティアラはパール系の人工皮革を使った輝きが魅力のモデルです。ラインストーン付きのティアラの刺繍が女の子から好評ですよ。

生田のランドセルに人工皮革モデルはなく、肩ベルトも立ち上がっていませんが、「Sフィット」というオリジナル肩ベルトを開発して軽く感じる工夫をしています。肩ベルトは大きなカーブを描いて身体に広く接するので、面で支えて体感重量を軽くしてくれます。

こちらのモデル「ペンタス」は牛革でも約1,380gと軽めな点がうれしいですね。カジュアルで品もあるデザインが人気です。

鞄工房山本のランドセルは肩ベルトの取り付け位置が上のほうにあるため、背中とのあいだに隙間ができず、身体にしっかり密着します。ランドセルの重さを面で支えるので、軽く感じられるのがうれしいですね。

こちらのドゥ・ラフィーネは上品な刺繍と花のモチーフが人気の人工皮革モデルです。同じデザインの牛革モデルは約1,370gあり、こちらの商品との差は約130gあります。

中村鞄製作所のランドセルは肩ベルトが立ち上がっていませんが、緩やかなカーブを描いた形が肩にしっかりフィットします。肩に余計な負担がかからないので、疲れにくいのがうれしいですね。

背中に厚みが豊かなシャトルクッションが使用されており、背カンが背中に当たらないため、痛くありません。シャトルクッションは肩ベルトにも内蔵され、背負い心地をアップさせています。素材は傷や雨に強い人工皮革のベルエースで、中村鞄の特注品です。

雪国生まれのフジタのランドセルは、毎日楽に通学できるようにクラリーノモデルは約1,150g、牛革でも約1,350gと軽いのが魅力です。こちらのディライトは軽いクラリーノモデルです。

フジタでは軽さを実現するためにすべてのランドセルをふちのないキューブ型にしています。コンパクトですが、A4フラットファイルは楽に入るので安心ですね。Xのような形をした肩ベルトは、肩・胸・腰に隙間なくフィットして体感重量を軽くしてくれます。

羽倉のランドセルは背カンに立ち上がる「ウィング背カン」を使用しています。そのため、肩ベルトが立ち上がり、体感重量が軽くなります。

身体に隙間なく沿うS字型の肩ベルトと厚みのある背中のクッションが面でランドセルをしっかり支えるので、重さが分散されて楽に背負えます。こちらの「はねかる」は羽倉唯一の人工皮革モデルで、クラリーノより傷が付きにくく撥水力も高いコードレを使用しています。

軽さにこだわるなら、ナイロン製のランドセルもおすすめです。革や人工皮革のランドセルと比べると耐久性が落ちてしまいますが、価格が低めなので買い直しがしやすいという長所もあります。

京都生まれの通学かばん「ランリック」です。関西地方を中心に人気があり、地方によっては「ランリュック」とも呼ばれています。

発売当初は交通安全の願いを込めて道路標識をモチーフにした黄色のみでしたが、現在は赤と青も仲間に加わり、好みで選べるようになっています。重さは約670gとかなり軽く、ランドセルと比べて安価な点がママからも好評です。

北海道は小樽で生まれたナップランドは、ナップサックとランドセルの良いとこ取りをした通学かばんです。小樽ではランドセルを背負う子どもは少数派で、ナップランドが当たり前に使用されているそうです。

重さは約660g、サイズはA4クリアファイルに対応しています。反射材や防犯ブザー用の金具も付いて安全面も配慮されています。カラフルなデザインが12種類も揃っているのはうれしいですね。約7,000円という安さにも満足できそうです。

帝人や信州大学と連携して通学かばんを製作しているダイワホーサンのリュック型ランドセルです。生地には撥水力が高くて丈夫なオリジナル生地テグランを使用しています。反射テープやナスカン、Dカンなど、ランドセルと同じ機能が付いているのは安心ですね。たっぷり入るのに重さは990gです。

軽いランドセル選びのポイントは「軽い素材を選ぶこと」と「軽く感じられるランドセルを選ぶこと」の2点です。各メーカーや工房はそれぞれにランドセルを軽く感じさせる工夫を凝らしています。

肩ベルトが立ち上がったランドセルはいくつもありますが、立ち上げ方は天使のはねだったり、背カンの構造だったり、取り付け位置だったりとそれぞれに異なるので、どれが身体に合うのかを実際に背負って確かめられると良いですね。

一方で、立ち上がった肩ベルトを痛いと感じる子どももいるので、立ち上がりのないランドセルも試したほうが良いかもしれません。子どもが笑顔で背負える軽くて身体にぴったり合ったランドセルが見つかると良いですね。