【2020】「イクメン&イクボス」受賞企業&受賞者発表! 育児を積極的に行う男性を応援!

男性も子育てしながら仕事をすることがステイタスとなる社会の実現に向け、厚生労働省は「イクメンプロジェクト」を推進しています。その事業の一環として「イクメン企業アワード」と「イクボスアワード」の表彰が行われました。2020年受賞企業・受賞者の顔ぶれとパパもママも安心して子育てできる先進的な取り組みを紹介します。

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目次

  1. 「イクメン企業アワード」「イクボスアワード」とは?
  2. 「イクメン企業アワード2020」受賞企業 (五十音順)
  3. 「イクボスアワード2020」受賞者
  4. イクメン企業アワード受賞企業の取組事例
  5. イクメン企業アワード・イクボスアワードに関するQ&A
  6. 男性も女性も子育てにかかわれる社会を育てよう
  7. あわせて読みたい

「イクメン企業アワード」「イクボスアワード」とは?

男性も育児休業を取得しやすい環境を作ろうと、2009年に育児・介護休業法が改正され、その翌年には社会全体の意識を変えるべく「イクメンプロジェクト」がスタートしました。

この事業の一環として、制度の拡充や体制整備に取り組む企業・管理者を表彰するのが「イクメン企業アワード」と「イクボスアワード」です。10月に今年の受賞企業・受賞者が発表となり、11月20日(金)に開催された「イクメン推進シンポジウム」にて表彰式が行われています。

「イクメン企業アワード2020」受賞企業 (五十音順)

今年で8回目となるイクメン企業アワードでは、応募総数36社の中からグランプリ2社、奨励賞1社、理解促進賞1社、特別賞2社が選ばれました。時代のリーディングカンパニーとして、社会をけん引する各社の取り組みに期待が寄せられています。

グランプリ「株式会社技研製作所」

引用元:www.giken.com

『男性育休取得率0%が30%に向上』

株式会社技研製作所は、女性社員による「男性育休取得推進チーム」を結成し、社内プロジェクトを推進。全社員対象の意識調査や育休取得後の給付金シミュレーションツール開発、育休取得手続きマニュアル作成などに取り組みました。

さらに、役員が「男性育休取得推進宣言」を行い、職場の環境づくりや意識改革を進めています。その結果、わずか1年で社員の男性の育児休業取得率を0%から30%に向上させることに成功しました。平均取得日数も110.2日と、全国平均を上回る高い水準を記録しています。

グランプリ「積水ハウス株式会社」

『社会全体に向けて情報発信』

積水ハウス株式会社は、子どもが生まれてから3年以内に1ヶ月以上の育休取得を目指す「イクメン休業」制度を2018年に創設し、2019年、2020年と、1ヶ月以上の男性育休取得率100%を達成しました。

全国の子育て世代を対象にした育休の実態調査を「イクメン白書2020」としてまとめたり、産官学連携で「イクメンフォーラム」を開催したりと、社会全体に発信する取り組みも注目されています。

奨励賞「双日株式会社」

©双日株式会社

『社長からの発信で機運を高める』

総合商社の双日株式会社では、社内の機運を高めるために社長自らメッセージを発信。さらに、部長職を対象にした「イクボス研修」や「双日のイクボス宣言」への署名など、社内の環境づくりを進めています。

性別を問わず育児と仕事を両立できるようにと、保育料補助やベビーシッター費用助成、ファミリーサポート休暇などさまざまな支援制度も充実させ、2019年度は男性の育休取得率が56%に向上しました。

理解促進賞「江崎グリコ株式会社」

引用元:www.glico.com

『社内外で独自プロジェクトを展開 』

江崎グリコ株式会社は、社会に向けて「Co育てPROJECT(こそだてプロジェクト)」を展開し、子育てに役立つツールやプログラムを提供しています。コロナ禍では栄養士のミルク調乳指導をオンラインにて実施しました。

社内向けには、取得必須の有給休暇制度「Co育てMonth(こそだてマンス)」や妊娠・育児に関して多目的に使える休暇「Co育て休暇」を整備。男性の育児参加を会社として強力に後押ししている点が今回の受賞につながっています。

特別(コロナ対応)賞「日本航空株式会社」

引用元:press.jal.co.jp

『柔軟な働き方を提案』

日本航空株式会社の特別賞は、新型コロナ感染症対策を踏まえた仕事と育児の両立支援の取り組みに対して贈られました。テレワークやスーパーフレックス制といった従来からの多様な働き方に加え、業務の効率化やガイドラインの策定を行い「withコロナ、afterコロナ」時代の新しいワークスタイルを提案する姿勢が評価されました。

ほかにも、男性社員に向けた座談会「パパカフェ」の実施や男性向け育児関連制度の情報発信などを行い、環境整備を進めています。

特別(地方特別)賞「株式会社プロトソリューション」

『環境面の整備に力を入れる』

株式会社プロトソリューションは沖縄のデータ・AIを活用したソリューション企業です。こうした業種の強みをいかしてペーパーレス化やAIの活用を進め、業務効率化を図って育休が取得しやすい環境づくりを進めています。

月10日内(週2~3日)/月80時間以内の「半育休」の制度も創設されました。育休取得者の経験談は社内報で紹介され、イメージアップに貢献しています。

「イクボスアワード2020」受賞者

イクボスアワードは部下の仕事と育児の両立を支援する管理職を「イクボス」として表彰するもので、今年はグランプリにふたり、奨励賞受賞はひとりが選ばれました。社内の雰囲気づくりや社員への働きかけを行うリーダーシップは、社会の良い手本となり社会全体の意識づけにも貢献しています。

グランプリはこのおふたり!

一人ひとりの意見に耳を傾ける ~大久保 友紀子 氏~
グランプリを受賞したのは、社会福祉法人スプリング所長の大久保友紀子さんです。管理者へのイクボス研修や、子育てをする職員の変則勤務や時間外労働制限などの体制を整備し、仕事と生活の両立を促した点が評価されました。部下の意見を聞くために、職員一人ひとりとの定期的な面談を大切にしていることも高い評価を得ています。


家族が笑顔になる離乳食生みの親 ~西谷 達彦氏~
株式会社スープストックトーキョーの物販事業部マネージャー西谷達彦さんは、自身の育児経験を踏まえた取り組みが評価されグランプリとなりました。西谷さんは同社が手掛けた「家族が笑顔になる離乳食」の開発で指揮を執り、こだわりの離乳食を生み出しています。男性が子育て経験を仕事につなげる素敵な事例が生まれていますね。

奨励賞

業務の見える化で効率化をサポート ~松浦 修治 氏~
奨励賞受賞を受賞したのは、人材紹介サービスを手掛ける株式会社ビースタイルホールディングスのエンジニアチーム部長である松浦修治さんです。労働時間に制約がある子育て中のメンバーと仕事するうえで欠かせないのは、業務効率化です。そこで、チームの仕事を可視化して業務の調整を随時行いました。

その結果、平均残業時間10時間未満、業績120%アップを達成。マネジメント力が評価され今回の受賞となりました。松浦さんは社内で自主的な勉強会を主催し、人材を育てることにも力を入れています。

イクメン企業アワード受賞企業の取組事例

過去のイクメン企業アワードを受賞した企業は、制度の充実と社内風土の醸成の両輪で環境づくりを進めています。各社が実践する取り組みをさらってみましょう。

アフラック生命保険株式会社(2019年度 グランプリ受賞)

主な取り組み
・適切な労働時間管理のための数値目標設定、ルールの徹底
・10通りの勤務時間と企業内保育所の設置
・社内の推進部門による男性社員、直属の上司への働きかけ

年次有給休暇、配偶者出産休暇・男性社員の育児休職取得を目標に設定し、達成状況を役員・管理職の評価指標に組み込むことで、男性の育児休業取得を促進しています。多様な勤務形態や保育所の設置、推進部門による情報発信などにより、男性の育休取得率は70.2%を達成したほか、女性の離職率低下という効果も生まれています。

株式会社コーソル(2019年度 グランプリ受賞)

主な取り組み
・配偶者出産休暇や育児支援手当の導入
・イクメン座談会、セミナー、面談等の実施
・部署ごとの有給取得率をウォッチ、情報共有

出産に立ち会えるよう、配偶者の出産当日に休暇を取得できる「配偶者出産休暇」や子どもが小学校を卒業するまで受け取れる育児支援手当などの制度が充実しています。育休取得者による座談会や、社長と人事それぞれが年1回、1対1で行う全社員面談など中小企業ならではの体制づくりが功を奏し、生産性の向上、離職率の低下などにつながっています。

株式会社サカタ製作所(2018年度 両立支援部門 グランプリ受賞)

主な取り組み
・育児関連制度の対象児童の学齢引き上げ
・イクメン表彰・イクボス表彰
・ITツールの積極活用で業務を効率化

社員への個別ヒアリングで要望が多かった時短勤務や看護休暇制度の見直し図り、対象児童年齢を引き上げました。独自のイクメン・イクボス表彰も実施。男性社員が家事・育児に参画することを評価し、その姿勢を社員に示すことで育休取得率が向上しています。結果的に社員の働く意欲が高まり、人材募集への応募増加につながっています。

日本ユニシス株式会社(2018年度 両立支援部門 グランプリ受賞)

主な取り組み
・管理職の意識改革の推進
・3者面談、ワークショップで社員の不安を払拭
・柔軟な働き方の推進、残業時間モニタリング

管理職向けのダイバーシティー・マネジメント研修を実施し、男性の育児休業取得について意識改革を推進。本人、上司、ダイバーシティー推進担当者による3者面談や育休取得者・復職者向けワークショップ、座談会を行ったり、社内SNSなどを活用した情報交換で社員の不安を払しょくしたりと、働き方改革を進めています。

大和ハウス工業株式会社(2018年度 理解促進部門 グランプリ)

主な取り組み
・家事を家族でシェアする戸建て住宅をプロデュース
・男性社員がデモンストレーションを実施し情報発信

夫や子どもが家事に参加しやすい設備や動線に配慮した戸建て住宅「家事シェアハウス」を企画し、商品化。さらに、家事シェアのデモンストレーションを実施したり、家事をシェアするためのノウハウをサイトで発信したりと、男性が育児や家事の当事者意識をもつための活動を行っています。

イクメン企業アワード・イクボスアワードに関するQ&A

応募の条件や審査基準は毎年同じですか?

男性の育児休業取得率は雇用均等基本調査の全国平均値を基準にしているため、調査結果により応募基準が変わることがあります。また、今年度の審査項目には新型コロナ感染症への対応を踏まえた特色ある取り組みが追加されています。

イクボスは男女どちらでも応募できますか?

評価に性別の制限はありません。過去のイクボスでは、男性・女性ともにグランプリを受賞しています。イクボスとしての活動年数の制限もないので、活動歴が短くても問題ありません。

表彰式の形態をとるのはなぜ?

イクメン企業・イクボスのモデルケースとして、内外に広く発信するために表彰式を行っています。受賞企業がプレスリリースや会社案内に載せることで注目が集まり、取材の申し込みや人材確保につながっています。

男性も女性も子育てにかかわれる社会を育てよう

「イクメン企業アワード」「イクボスアワード」の受賞企業・受賞者の取り組みは、いずれも興味深いものばかりですね。社会全体でみると2019年度の男性の育児休業取得率は7.48%(※1)とまだまだ低い水準ではありますが、このような取り組みが進めば、子育ての面でもキャリアを積むうえでも安心です。

性別に関係なく、仕事と家庭を両立しやすい社会になることで、パパとママの未来の可能性もより広がるでしょう。一人ひとりが親として社会の一員としての意識を持って、活動していきたいですね。

※この記事は2020年12月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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