びまん性脱毛症は女性に多い?原因と治療法は?完治する?

「分け目が目立ってきた」「全体的に髪のボリュームが減ってきた」という髪のお悩みはありませんか。女性に多い薄毛・抜け毛はびまん性脱毛症と呼ばれています。こちらの記事では、びまん性脱毛症のさまざまな原因や治療方法、おすすめの育毛剤やシャンプーを詳しく解説します。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. びまん性脱毛症とは
  2. びまん性脱毛症が起きる原因
  3. びまん性脱毛症は完治する?
  4. びまん性脱毛症の治療法は?
  5. 女性が男性用育毛剤を使用するのはNG
  6. どうしても治らない場合は病院へ
  7. あわせて読みたい

びまん性脱毛症とは

びまん性脱毛症の症状

びまん性とは「広範囲に広がっている」という意味で、びまん性脱毛症とは髪の毛が全体的に薄くなるものです。女性の薄毛で最も多く見られる症状で、髪のボリュームが減り、特に分け目などの地肌が目立つようになります。

びまん性脱毛症は、老化やストレス、睡眠不足、ダイエットや偏食などのさまざまな原因によって発症します。髪の毛の量が徐々に減少していくため、自分でも症状がわかりづらく、気づいたときにはかなり脱毛が進行していたというケースもあります。

びまん性脱毛症は女性に多い

AGAと呼ばれる男性型脱毛症は、頭頂部やおでこなど、部分的な脱毛がみられるのに対し、びまん性脱毛症は広い範囲にわたって均等な脱毛がみられます。

びまん性脱毛症は女性ホルモンが減少する40~50代の更年期の女性に多く、脱毛以外にも髪の毛が細くなる、ハリやコシがなくなる、うねりやすくなるといった、髪質の低下も起こります。睡眠不足や無理なダイエット、ストレスにより、20~30代の女性も発症することがあります。

びまん性脱毛症が起きる原因

年齢

毛髪は、生え始めてから抜け落ちるまで、成長期、退行期、休止期というサイクルを繰り返しますが、加齢とともに毛の寿命が短くなり、抜け落ちやすいといわれています。

また、髪の毛の保持に関わるエストロゲンという女性ホルモンの減少も脱毛に影響しています。エストロゲンの分泌は20代をピークとして30代から徐々に減少し、特に閉経後は著しく減少します。そのため、40代~50代ごろからびまん性脱毛症に悩む女性が多くなります。

出産

妊娠中に分泌されているホルモンは、毛の成長期を長引かせる働きを持っています。出産後はホルモンバランスが元に戻るため、本来抜けるはずであった寿命が来ている髪の毛が一斉に抜けます。そのため、抜け毛が増えたように感じてしまうのです。この症状は分娩後脱毛症と呼ばれます。

抜け毛は産後1年~1年半ほどで落ち着くといわれていますが、高齢出産など体力の回復が遅い場合は、症状が長引く可能性があります。また、育児のストレスや睡眠不足がさらなる抜け毛を招く可能性があるため、注意が必要です。

乱れた食生活やダイエット

髪の毛は頭皮の中にある毛根部分で作られています。健康な髪の毛を生み出すには、バランスの取れた食生活を送り、内側から毛根部分にしっかりと栄養を届ける必要があります。そのため、極端なダイエットや偏食などの乱れた食生活は、髪質の低下や抜け毛を助長する可能性があります。

外食中心の方や苦手な食べ物が多いという方は、マルチビタミン、鉄分、銅、亜鉛などの成分が入ったサプリメントなどで栄養を補うことも検討しましょう。

ヘアケアのしすぎ

シャンプーは頭皮の汚れを落とすために行うものですが、なかには頭皮を守るための必要最低限の皮脂まで洗い流してしまうことがあります。そのため、頭皮が乾燥してしまいかゆみやフケ、炎症を起こしてしまいます。

また、かえって皮脂を増やすことにもつながり、薄毛を加速させてしまいます。洗いすぎに注意し、シャンプーをしっかり泡立ててから指の腹で優しく洗うようにしましょう。

ヘアカラーやパーマを頻繁に行うことも頭皮に大きな負担をかけてしまいます。特に、髪の毛を脱色するブリーチや薬剤と熱で処理する縮毛矯正は、強いダメージを与えてしまうので、注意が必要です。

びまん性脱毛症は完治する?

人間の毛穴の数は始めから決まっているため、髪の毛が永遠に増え続けるということはありません。これ以上続けても髪の毛は増えない、という治療の限界があることを念頭に置いておきましょう。

そのうえで、びまん性脱毛症は必ずしも全員が完治するとはいいきれませんが、原因にあった治療を適切に行うことで、治ったというケースは多くあります。効果を感じられるまで少なくとも半年の期間を要するため、焦らず気長に取り組むことが大切です。

びまん性脱毛症の治療法は?

生活習慣を整える

健康的で規則正しい生活を送ることは、びまん性脱毛症の改善につながります。特に、睡眠の質を向上させることが大事です。髪の毛の成長は、午後10時~午前2時に最も活発に成長するといわれているので、日付が変わるまでにベッドに入っていることが望ましく、睡眠の質を上げるためにも、直前の飲酒や食事は控えましょう。

びまん性脱毛症の改善には、バランスの取れた食生活や適度な運動も効果が期待できます。喫煙習慣は毛細血管の収縮を招き、頭皮を含む全身の血流を悪化させるため、禁煙または本数を減らす努力をしましょう。また、受動喫煙の可能性がある方も注意が必要です。

過度なヘアケア・スタイリングはやめる

ワックスやスプレーを多く使用するヘアスタイルは、整髪料の成分によって頭皮を傷める可能性があります、また、髪をきつく縛ることで毛が引っ張られ、牽引性脱毛症という別の症状を引き起こしかねません。スタイリング剤の使用は必要最低限にし、髪を束ねる場合はゆるく結ぶなど、負担をかけない工夫をしましょう。

カラーやパーマは頭皮へのダメージが強いため、あまりおすすめできませんが、どうしても希望する場合は頻度を減らすように心がけてください。髪の色を変えるには、ヘアブリーチではなく、より負担の少ないヘアマニキュアが良いでしょう。

女性用育毛剤やシャンプーを使用する

シャンプーは汚れを落とすことを目的としたもので、育毛剤は発毛・育毛を促進することを目的としているので、両方を使用することで抜け毛・薄毛対策の相乗効果が期待できます。そのため薄毛に悩む女性のために開発された、専用の育毛剤やシャンプーの使用をおすすめします。

育毛剤選びは、どのような有効成分が含まれているか、成分が毛根までしっかり浸透できるかどうかを見極めることがポイントです。シャンプーは自分の頭皮にあったものを選ぶことがポイントです。

市販のシャンプーは石油成分を使用しているものが多く、肌が弱い方には刺激が強すぎて頭皮トラブルを起こす可能性があります。アミノ酸系シャンプーなど、刺激が少ないものを使用しましょう。

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女性が男性用育毛剤を使用するのはNG

男性用育毛剤は、男性の肌質や薄毛の原因に特化して開発されており、女性の育毛剤よりも清涼成分が多かったり、有効成分の濃度が高かったりすることがあります。女性が使用すると肌のトラブルを招く可能性があるので、使用を控えましょう。

育毛剤にはさまざまな有効成分が含まれていますが、現時点で医薬品として発毛効果が確認されているのはミノキシジルという成分のみです。ミノキシジルは毛母細胞に働きかけ、発毛を促してくれます。妊娠中や授乳中の女性は使用できないため、注意しましょう。

どうしても治らない場合は病院へ

専用のシャンプーや育毛剤の使用や、生活スタイルの見直しを行っても、症状が改善されないという場合は、薄毛を扱う皮膚科や女性専用の頭髪外来の受診をおすすめします。診察や検査により客観的な評価が得られ、塗り薬や内服薬の処方など患者さんに応じた治療が受けられます。

なかには、婦人科系の病気や甲状腺の異常など、別の病気がわかるケースもあります。ひとりで悩みを抱えていると余計にストレスを感じ、症状が悪化しかねません。医師に相談することで心の負担を軽くできるので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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