産褥体操のやり方と注意点は?産後1日目から寝ながら実践!

【助産師監修|イラスト・動画付き】産褥体操は産後の身体のケアを目的とした運動です。妊娠や出産で弱っている骨盤底筋や腹筋を回復させ、むくみ、便秘、腰痛などのトラブルを予防する効果もあります。出産の翌日から寝たまま簡単にできる体操を中心に、産褥体操の効果や注意点を解説します。動画で動きを確認できる体操もありますよ。

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この記事の監修

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助産師・保育士
河井 恵美

目次

  1. 産褥体操とは?どんな目的と効果がある?
  2. 産褥体操はいつからいつまで行う?
  3. 産褥体操のやり方【産後1ヶ月のスケジュール例】
  4. 産褥体操を行うときの注意点
  5. 産褥体操に関するおすすめの本やDVD
  6. 産褥体操は無理のない範囲で続けよう
  7. あわせて読みたい

産褥体操とは?どんな目的と効果がある?

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産褥体操の目的

・身体の機能回復
・心身のリフレッシュ

産後のママの心や身体はとてもデリケートな状態です。妊娠や分娩によって心身に大きな負荷がかかり、疲労が蓄積されています。産褥体操は身体の回復を促し、気持ちを整えることを目的に行います。

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産褥体操の効果

・ゆるんだ骨盤底筋の回復
・悪露を排出し子宮復古を早める
・血流を促し、むくみや静脈瘤・血栓を予防
・母乳の分泌を促す
・内臓下垂からくる便秘の予防
・腰痛や尿漏れなどのトラブル防止

産褥体操は、傷んだ筋肉の回復や子宮復古、産後のトラブル予防が期待できます。産後すぐから1ヶ月頃までは、横になったままできる軽い運動からはじめます。4週を過ぎたころから立って行う運動を取り入れ、少しずつ運動量を増やしていきましょう。産褥体操は産院や自治体のマタニティセミナーなどで指導が受けられることも多いようです。

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産褥体操はいつからいつまで行う?

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分娩が終わり、ママの身体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を産褥期(さんじょくき)といいます。身体の回復には産後6~8週間ほどかかるといわれています。産褥体操は、産後の経過に問題がなければ出産後すぐにはじめられます。

産褥体操を行うのは身体が回復する6~8週頃までがひとつの目安です。3ヶ月を過ぎてからは、身体のシェイプアップや筋力アップを狙ったエクササイズに少しずつ移行していくと良いでしょう。

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産褥体操のやり方【産後1ヶ月のスケジュール例】

産後1日目

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胸式呼吸

胸式呼吸は首や肋骨周辺の筋肉を上下させ、胸を広げる呼吸法です。深く正しい呼吸で胸郭を動かすと、背骨が動き姿勢が正されます。交感神経が有意にはたらくため、リフレッシュ効果も期待できますよ。

1.仰向けに寝て膝を立てたら、胸に手を当て口から息を吐ききります。
2.肋骨が広がることを意識しながら、両肩を開いて鼻から息を吸います。
3.吸った息を口からゆっくり吐き出します。
4.1~3を2、3回繰り返します。

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足首の曲げ伸ばし

足首の体操は血液の循環を良くします。下半身に滞りがちな血流を促し、むくみを解消してくれますよ。

1.仰向けに寝た状態で両足を肩幅に広げ、足首を直角に起こします。
2.足の裏が下に向くように指先を倒し、足の甲を伸ばします。
3.1回10セットを1日に数回繰り返します。

産後2日目

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腹式呼吸

腹式呼吸で筋肉の緊張をゆるめ、身体をリラックスさせます。

1.仰向けに横になり、お腹に手を当て呼吸をします。
2.お腹を凹ませながら口から息を吐きます。
3.吐ききったら、鼻から空気を取り込みお腹をふくらませます。
4.吐いたり吸ったりをゆっくり数回繰り返しましょう。

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頭の上げ下げ運動

腰に負担をかけず、腹筋を使う体操です。腰を浮かせたり膝を曲げたりしないように注意しましょう。呼吸を止めずに行うことがポイントです。

1.膝を立てて仰向けに寝ます。
2.おへそを見るように頭を起こします。
3.一呼吸静止し、ゆっくりと頭を下ろしましょう。

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肩回し運動(母乳体操)

座った状態で行う運動です。上半身にたまったこりや疲れをほぐします。肩周りの血行を良くし、母乳の分泌も促していきましょう。

1.肘を曲げ、両肩に手を乗せます。
2.肘で脇を軽く8回ほど叩き、乳腺を刺激します。
3.肘で胸を下から救い上げるように3回、回します。
4.肘を曲げたまま後ろから前に腕を回し、前で肘を合わせます。

産後3・4日目

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腕回しと腹筋運動

赤ちゃんのお世話で凝り固まった筋肉をほぐし、血流を良くします。同時に腹筋も行い、緩んだ筋肉の回復を助けましょう。

1.仰向けに寝た状態で足を腰幅に開き、両膝を曲げます。
2.胸の位置で両手を組み合わせ、身体をさするイメージで胸からお腹へと腕をおろします。
3.お腹まで腕が下りたら、お腹をへこませながら頭を少し持ち上げます。
4.円を描くようにして腕を回し上げると同時に、頭をゆっくり戻します。
5.1~4の動作を繰り返します。両腕を頭の上まで伸ばしてから腹筋につなげる方法もあります。

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足の引き締め運動

足を引き上げ交差させる動作で、腹筋下部を鍛えます。恥骨の痛みに注意し、無理をせずに取り組んでください。

1.膝を伸ばした状態で仰向けに寝ます。
2.片足を上げ、足を交差させたら足首を伸ばします。
3.足を戻し、もう片方の足で同じ動作を繰り返します。

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足の屈伸運動

足の曲げ伸ばしで血流を促すとともに、少しずつ筋肉にかける負荷を増やします。勢いをつけず、ゆっくり行うようにしましょう。

1.仰向けに横になり、片膝を立てます。
2.膝の位置を変えないようにして、立てたほうの足をまっすぐ伸ばします。
3.足を戻し、もう片方の足と交互に屈伸運動を2~3回繰り返します。

産後5~10日目

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肛門引き締め運動

骨盤底筋にはたらきかける運動です。出産の際のいきみでゆるんだ筋肉が元に戻るのを助けてくれますよ。

1.仰向けに横になって膝を立てます。
2.肛門をおへそに引き寄せるイメージで、お尻の筋肉も一緒に引き締めます。

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ヒップアップ運動

ヒップアップ運動は滑り台のようなポーズをキープすることで、大殿筋や骨盤底筋を引き締め、産後の身体の回復を促します。産後のトラブルに多い腰痛対策にもなりますよ。

1.仰向けに寝た状態で足を腰幅に開き、膝を立てます。
2.手のひらを下にして床に着きます。
3.自然な呼吸を意識しながら、背骨をひとつずつ浮かせるイメージで腰を持ち上げます。
4.肩・腰・膝が一直線になったらその姿勢をキープしたまま息を吸います。
5.ゆっくりと息を吐きながら腰をおろします。

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足上げ運動

下半身の血行を良くし、お腹を引き締める運動です。はじめは無理のない角度で行い、身体を慣らしていきましょう。

1.両膝を立て、仰向けに寝ます。
2.片足の膝を伸ばしたら、お腹と直角になるように引き上げます。
3.片足を上げた状態のまま、足首を曲げたり伸ばしたりします。
4.膝を曲げ、ゆっくりと足をおろします。
5.もう片方の足も同様の動作を行います。

産後10日~2週間目

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腹筋運動

腹筋を使い、自分で起き上がる練習をします。家具などにつま先をかけ、足におさえがある状態で行うとスムーズに力が伝わりますよ。

1.足を閉じた状態で仰向けに寝て、膝を立てます。
2.手を胸の前、もしくは頭の下で組みます。
3.腹筋を使い上体を起こします。10回3セットを目安に行いましょう。

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ツイスト運動

腰をねじる運動でお腹を引き締めます。腰をねじるときは、顔を反対側に向けるようにしましょう。腰回りの筋肉もほぐすので、腰痛対策にもなりますよ。

1.足を閉じた状態で仰向けに寝て、膝を立てます。
2.膝をつけたまま、両足をゆっくり右に倒します。
3.足を戻し、今度は反対側に倒します。

産後3~4週間目

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前かがみ運動

産後3週を過ぎたころから、立って行う運動を取り入れていきます。

1.足を肩幅程度に開き、まっすぐに立ちます。
2.膝を伸ばしたまま、床に手をのばして前かがみになります。
3.元の姿勢に戻り、腰に手を当てかかとを上げてつま先立ちをします。

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うつぶせ運動

お尻、太もも、お腹の筋肉を効率よく動かす運動です。うつぶせ寝で行うため、帝王切開の傷が痛むときは、無理のない範囲で行いましょう。

1.うつぶせで横になり、両肘を肩まで上げ前で軽く組みます。
2.両足は腰幅に軽く開き、肘と膝で身体を支えるようにして腰を引き上げます。
3.腹式呼吸を意識し、その姿勢を10~20秒キープしましょう。

産後1ヶ月以降

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全身の曲げ伸ばし

産後から1ヶ月がたち、身体は回復してくるものの、疲れがたまってくるころです。全身運動で心身ともにリフレッシュを図りましょう。

1.足を少し開き、まっすぐに立ちます。
2.肩と水平になるように、両手を前に伸ばします。
3.かかとを上げてつま先立ちになります。
4.かかとを上げたまま両手を下ろし、同時に腰を下ろし、お尻をかかとにつけます。
5.ゆっくり立ち上がり、同じ動作を繰り返します。

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添い寝運動

赤ちゃんに添い寝しながらできる運動です。育児の合間に時間をみつけて取り組んでみましょう。

1.身体の片方を下にして、へそが真横を向くように横向きに寝ます。
2.手で首を支え、床側の足の膝を曲げてバランスを取ります。
3.上のほうの足をのばし、天井と床方向にゆっくり上下させます。このとき、かかとは天井に向けるようにすると良いでしょう。

産褥体操を行うときの注意点

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産褥体操のやり方はいくつかあります。「必ずこうやらなければいけない」というものではありません。産後の経過や体質などに応じて、医師や助産師と相談しながら進めていきましょう。

基本的に産後1ヶ月までは横になってゆっくりと行い、1ヶ月健診で経過が順調と判断されたら全身の運動を取り入れるようにしましょう。ひとつの運動は10回を1セットとし、1日2回程度行うのが目安です。

産褥体操中に帝王切開や会陰切開のあとが痛むときは、無理をしないことが大切です。悪露は産後4週ほどで治まりますが、まれに40日ほど続くこともあります。産後1週間以上たっても鮮血だったり、異臭がしたりと異変を感じたときは、早めに医療機関を受診してください。

産褥体操に関するおすすめの本やDVD

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産褥体操 エクササイズ集 (DVD)
¥1,620〜(2019/09/02 時点)

東京衛生病院が監修した産褥体操のDVDです。体力が落ちている産褥期でも簡単にできる体操が20種類収録されています。やさしく流れるバックミュージックにあわせ、ゆったりとした気分で体操が行えると好評ですよ。

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産後ママの心と体をケアする本
¥1,404〜(2019/09/02 時点)

やさしいイラスト付きで、簡単にできる産後のセルフケアを紹介しています。自律神経を整える方法や、ぽっこりお腹の解消法など、産後のママに寄り添うエクササイズが豊富です。「マタニティセミナーで教わらない内容も載っていて勉強になった」というレビューも寄せられていますよ。

産褥体操は無理のない範囲で続けよう

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産後は身体の疲れや生活リズムの変化で「なかなか体操をやろう」という気持ちにならないかもしれません。しかし、妊娠前の身体に少しでも早く回復するために、産褥体操はとても大切な運動です。骨盤の歪み、便秘、腰痛、尿漏れなどの産後のトラブルを予防するためにも、毎日継続していきたいですね。

とはいえ、「今日は疲れたな」と感じるときの無理は禁物です。軽いストレッチだけにするなど、自分の身体と相談しながら、前向きな気持ちで取り組んでくださいね。

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