【産婦人科医監修】母乳育児が順調にスタートできる乳頭ケア!いつから始める?ケアのやり方は?

出産後に母乳育児をスムーズにはじめられるのか、出産前から心配な妊婦さんも少なくありません。乳頭のタイプは人それぞれですが、授乳準備として正しい乳頭ケアで赤ちゃんが吸いやすいおっぱいに近づけておくと産後の育児もいくらか安心です。乳頭ケアを始める時期や正しいケアの方法、乳頭のお手入れにおすすめのオイルをご紹介します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 乳頭ケアとは?
  2. 乳頭ケアはなぜ必要?
  3. 乳頭ケアはいつから?
  4. 乳頭ケアのやり方は?
  5. 乳頭ケアにおすすめのクリーム・オイル
  6. 乳頭ケアで授乳のストレスをやわらげよう
  7. あわせて読みたい

乳頭ケアとは?

乳頭ケアとは、生まれたばかりの赤ちゃんがママのおっぱいに吸いつきやすくするために、妊娠中から乳首と乳輪をマッサージすることをいいます。乳頭というと本来は乳首を指しますが、授乳のための乳頭ケアは乳輪までを含めるのが一般的です。

なぜかというと、赤ちゃんはおっぱいを吸うときに乳輪まで深くくわえ乳頭と乳輪を舌でしごくように動かすため、乳首と乳輪の状態を良くしておくことが大切だからです。産後スムーズに授乳を始められるように、準備を進めておきたいですね。

乳頭ケアはなぜ必要?

赤ちゃんが吸いつきやすいのは、乳首の高さが乳輪から5mm以上あることとされています。理想の硬さは耳たぶから唇くらいのやわらかさです(※1)。ところが乳頭の形や硬さはひとそれぞれで、乳首が平らだったり埋もれていたり、小鼻くらいの硬さだったりすることも珍しくありません。

このようなさまざまなタイプの乳頭も、ケアをすることで吸いつきやすい乳頭に近づきます。赤ちゃんが吸いつきやすい乳頭だと授乳がスムーズに進み、乳首の傷やトラブルも起こりにくくなります。授乳によるトラブルを避けるためにも、乳頭ケアが勧められているのですね。

乳頭ケアはいつから?

乳頭ケアは妊娠後期となる妊娠36週頃からはじめるのが一般的です。産院によっては妊娠の経過が順調な妊婦さんに対し、妊娠中期となる妊娠16週~20週頃から指導を開始することもあります。

乳頭を刺激するとオキシトシンというホルモンが分泌されます。このホルモンは子宮収縮を促す作用があるため、乳頭ケアを始める前に医師や助産師に相談すると安心ですね。特に切迫早産の傾向がある人は注意が必要です。

妊娠初期は切迫流産につながる可能性があるので避け、妊娠後期であっても心配なときは無理をせず出産後にはじめると良いでしょう。

乳頭ケアのやり方は?

乳頭をマッサージする

乳頭ケアを行う前に爪を切り手指を清潔にします。準備ができたら親指・人差し指・中指の3本を使って乳首をつまみます。もう片方の空いた手は乳房に添えておっぱいを保護します。これが乳頭ケアの構えです。

次につまんだ乳首を3本の指でぎゅっと圧迫します。力の加減はつまんだ指が白くなるくらいが目安です。もともとが耳たぶくらいの硬さのときは3秒、小鼻くらいの硬さのときは5~10秒を1回とし、位置や角度を変えながら1~2分繰り返します。

十分に圧迫できたら、乳頭を伸ばしていきます。こよりを作るように指でもみながら少しずつずらしていくのがポイントです。縦方向、横方向それぞれでもみずらしていきましょう。痛みを感じるときは無理せず、圧迫する刺激に徐々に慣らしていくことが大切です(※2)。

乳頭を清潔に保つ

乳首の先端は凸凹しており、そこに白いカスがたまることがあります。このカスの正体は母乳で、乳垢と呼ばれています。乳垢を無理やり取ろうとすると乳首に傷がついてしまうので、乳垢がたまったときはコットンにオリーブオイルやベビーオイルをしみこませ、10分ほどパックしてから洗い流しましょう。

入浴前にオイルパックを行えば、カスがきれいに落とせます。スポンジでごしごしこすったり、爪で引っかいたりせず、ていねいなケアを心がけたいですね。

乳頭ケアにおすすめのクリーム・オイル

ママ&キッズ「ニプルベール」

【ママ&キッズ】ニプルベール 8g
¥1,320〜(2021/09/28 時点)

デリケートな乳頭のケアにおすすめの保湿剤です。肌になじみやすいオイルタイプで乳頭にしっかり密着し、荒れや乾燥から保護します。赤ちゃんの口に入っても安心な低刺激処方なので、ママのリップクリームとしても使えますよ。

メデラ 「ピュアレーン100 乳頭用クリーム」

【Medela】乳頭ケアクリーム ピュアレーン
¥2,419〜(2021/09/28 時点)

すぐれた保湿成分をもつ天然ラノリン100%の乳頭用クリームです。37gの大容量サイズでたっぷり使えますよ。乳頭ケアだけではなくハンドクリームやリップクリームとしても活躍します。

AMOMA「カレンデュラオイル」

出典:www.amoma.jp
【AMOMA】カレンデュラオイル
¥2,499〜(2024/09/18 時点)

国内の600を超える産院・助産院で採用されているママと赤ちゃんのための専門ブランドAMOMAが開発したカレンデュラオイルです。AMOMAの「カレンデュラオイル」は、繊細な赤ちゃんの肌におすすめのベビーマッサージオイルです。原材料のライスオイルは、日本人に馴染みの深い米ぬかをもとに作られています。

無香料・無着色、100%植物性で、低刺激。さらっとした使い心地は赤ちゃんのリラックスにもつながると評判ですよ。赤ちゃんの保湿はもちろん、出産前の乳頭マッサージ・会陰マッサージや、家族みんなのスキンケアにもおすすめです。

ピジョン「リペアニプル」

【ピジョン】リペアニプル 10g
¥1,100〜(2021/09/28 時点)

天然由来成分100%のスキンオイルです。油特有のにおいがせずべたつきにくいので、赤ちゃんのスキンケアにも使えます。やわらかめのテクスチャで伸びが良いとママたちにも好評です。

乳頭ケアで授乳のストレスをやわらげよう

妊娠中や産後すぐの授乳期は、母乳育児が順調に進むか心配になりますよね。赤ちゃんがおっぱいを吸う力は思いのほか強く、慣れない授乳に痛みを感じることがあるかもしれません。

母乳ケアはこうした心配やトラブルを少しでも軽くするためのものです。乳頭ケアで皮膚をやわらかくして、産後は一日に何度もある授乳時間を気持ちよく過ごせるよう準備しておきたいですね。とはいえ、妊娠中の無理は禁物です。心配なことはひとりで悩まず、医師や助産師に相談しましょう。

※この記事は2021年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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