産後の生理不順の原因と改善法7選!妊娠の可能性も?

産後は生理不順になりやすい時期ですが、生理周期がバラバラな状態が長く続くと不安になってしまいますよね。ここでは、産後の生理不順の原因や改善方法、受診の目安などを解説します。生理不順と妊娠の関係ついてもご説明しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

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この記事の監修

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産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 産後の生理不順の原因
  2. 産後の生理不順を改善する7つの方法
  3. 産後の生理不順はいつまで?病院に行く目安は?
  4. 産後の生理不順と妊娠の関係
  5. 心配しすぎないことも治療のひとつ
  6. あわせて読みたい

産後の生理不順の原因

生理不順とは、生理周期が25~38日よりも短かったり長かったりする状態をいい、ホルモンバランスの乱れなどによって起こります。産後はホルモンバランスに大きな変化が起こるため、生理不順の症状が非常に出やすい時期といえます。

産後初めての生理がきた後、2回目や3回目の生理がなかなかこないというケースもよくみられます。ほとんどの場合、ホルモンバランスが整ってくると生理周期も自然と安定するので、あまり心配しすぎないでくださいね。産後の生理不順の具体的な原因をご説明します。

原因1.子宮が完全に回復していない

ママの子宮は出産を終えた直後から急速に収縮し、元の大きさに戻ろうとしたり分娩時についた傷の修復をしたりして産前の状態へ戻る準備を始めます。子宮がほぼ産前の状態に回復するまでの期間は「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれ、個人差はありますがだいたい6~8週間ほどといわれています。

産褥期は赤ちゃんのお世話をする以外は安静にしているのが望ましいとされており、この時期に無理をすると子宮の回復が遅れてしまうことがあります。子宮の回復が完全でないときは生理不順の症状も出やすくなるので、産褥期は身体の回復に努め、安静に過ごすことが大切です。

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原因2.授乳によるプロラクチン分泌

母乳育児よりミルク育児のほうが生理の再開が早いというのはよく知られていますよね。これは、母乳をつくるために分泌される「プロラクチン」というホルモンに排卵を抑制する働きがあるためです。

授乳中に生理不順や無排卵月経の症状があるときはプロラクチンの影響である可能性が高く、授乳をやめることで解消する例が多くあります。プロラクチンは夜間に分泌量が増えるという特徴があるので、断乳や卒乳が難しい場合は夜間のみ断乳するのもおすすめですよ。

原因3.ストレスやダイエットによるホルモンバランスの乱れ

生理を起こす女性ホルモンの分泌と自律神経のリズムはどちらも脳の「視床下部」という場所でコントロールされています。そのため、ストレスや過度なダイエットによって自律神経が乱れるとホルモンバランスも崩れ、生理不順や無月経などの症状が出てしまいます。

また、自律神経やホルモンバランスが乱れると血行不良も起こしやすく、骨盤内の血流が不足することで卵巣や子宮の機能が低下し生理不順につながることがあります。生理不順に悩んでいるママは強いストレスや過度なダイエットを避け、自律神経とホルモンバランスを整えることを意識して生活してみましょう。

産後の生理不順を改善する7つの方法

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産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、ママ自身のケアは後回しになってしまいがちですが、体調が万全でないと育児や家事もはかどらないでしょう。産後の生理不順はママの意識や行動を少し変えるだけで改善されることが多くありますよ。産後に無理なく生理不順を改善する方法をご紹介します。

産褥期は子宮の回復を優先して

「産褥期」と呼ばれる産後6~8週間は、妊娠・出産によって大きく変化したママの身体が元の状態に戻るまでの大切な期間です。家事や上の子のお世話でつい動きすぎてしまうかもしれませんが、産褥期に無理をすると子宮の回復の遅れや骨盤の歪みによる子宮や卵巣の機能低下を招きます。

産褥期はママの身体の回復を優先し、できるだけパパやおばあちゃんなど周りの人の助けを借りましょう。パパが仕事で忙しい場合は、宅配やネットスーパーを利用したりロボット掃除機や洗濯乾燥機などの便利家電を導入したりするとママの負担をだいぶ減らすことができすよ。

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ホルモンバランスを整える栄養素をとろう

大豆イソフラボンやビタミンB6はホルモンバランスを保つ働きがあり、摂取することで生理不順の緩和・解消が期待できるといわれています。生理不順に効果があるとされている栄養素の作用やその栄養素が含まれる食材を表にしたので参考にしてくださいね。

自律神経やホルモンバランスを整えるには栄養バランスの良い食事を規則正しくとることが大切です。栄養価が高くても特定の食材ばかりを食べることはせず、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラル、炭水化物などをバランス良くとることを意識しましょう。

栄養素
作用
代表的な食品
大豆イソフラボン体内で「エクオール」という成分に変化し、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」と似た働きをする納豆、豆腐、豆乳、味噌、きな粉など
ビタミンB6女性ホルモンの代謝に働きかけ、バランスを整えるさつまいも、バナナ、サケ、マグロ、サンマなど
ビタミンEホルモンの分泌機関である脳下垂体や卵巣などの細胞膜が酸化するのを防ぐ緑茶、アーモンドなどのナッツ類、植物油、とうがらし、アボカド、カボチャなど
パントテン酸ストレスを和らげ、自律神経やホルモンバランスを整える納豆、レバー、干し椎茸、アボカドなど
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規則正しい生活を心がけて

産後すぐは十分な睡眠がとれなかったり落ち着いて食事ができなかったりする日々が続くかもしれませんが、不規則な生活は自律神経を乱してしまい生理不順を引き起こします。なるべく毎日同じ時間に食事や睡眠をとり、体内時計を整えましょう。

夜にまとめて睡眠がとれないときは、午前中に昼寝をして睡眠時間を補うことをおすすめします。あまり長い時間眠ってしまったり夕方に寝てしまったりすると、夜に眠れなくなり昼夜が逆転してしまうので注意してくださいね。

心のケアもしっかり行おう

生理不順や無月経を引き起こす一番の原因はストレスであるといわれています。10人に1人が「産後うつ」を経験するという報告もあることから、産後の生理不順はストレスも大きな要因となっていることがうかがえます。産後は身体だけでなく心のケアもしっかり行いたいですね。

産後3~10日に一過性の抑うつ状態を発症する「マタニティブルーズ」をはじめ、産後のママには情緒不安定になってしまう要因がいくつもあります。そんなときにパパやおばあちゃんなど家族の理解や協力が得られないと、ママはさらにストレスを感じてしまい悪循環に陥ってしまうでしょう。

産後のママの心のケアは自分だけでできるものではありません。家族がママのストレスに気づき、穏やかに子育てができる環境をつくってあげることが大切です。産後の心のケアについては産前から家族でよく話し合っておくのが理想的ですね。

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1ヶ月健診が過ぎたら適度な運動を

日中の適度な運動は自律神経やホルモンバランスを整え、生理不順の緩和や解消につながります。1ヶ月健診で医師から問題なく身体が回復していることを認められたら、徐々に身体を動かすことを始めてみましょう。

最初は赤ちゃんを連れてお散歩をしたり家の中でできる有酸素運動をしたりすることから始めるのがおすすめです。体調が良ければ地域で催される産後エクササイズなどに参加してみるのも良いですね。

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ダイエットは健康的に長期スパンで

1ヶ月に5kg以上体重が落ちるような過度なダイエットをすると、生理不順や無月経の症状が出る可能性が高くなります。これは女性の脳や身体が生命の危機を感じ、「今は妊娠できる状態ではない」と判断して排卵を止めてしまうためであるといわれています。

妊娠中に体重が増えすぎてしまったママは1日も早く産前の体重に戻そうと焦ってしまうかもしれませんが、無理なダイエットは禁物です。バランスの良い食事や適度な運動によって時間をかけて少しずつ体重を戻す計画を立てましょう。

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基礎体温の記録を付けよう

妊娠を希望していなくても、自分の身体が正しいリズムで動いているか確認することは重要です。生理不順がある場合は特に、産後も基礎体温を測り排卵がきちんと行われているかチェックしましょう。

低温期と高温期がわかれていない場合は生理がきていても無排卵月経である可能性があるので、婦人科の受診をおすすめします。

産後の生理不順はいつまで?病院に行く目安は?

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授乳期間中の生理不順は母乳をつくるホルモンの影響である可能性が高いため「授乳をやめたら治った」というケースが多く、しばらく様子をみても問題ないことがほとんどです。

ミルクのみで育てている「完ミ」のママは産後1年以上、母乳のみの「完母」のママやミルクと母乳をどちらも与えている「混合」のママは産後2年以上生理不順が続いたら受診をしましょう。

また、長引く生理不順や無月経にくわえて腹痛や吐き気といった症状がある場合は、「子宮内膜炎」や「高プロラクチン血症」などの病気も考えられるので早めの受診をおすすめします。

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一人目と二人目で生理再開の時期が違った

一人目は完母だったからか、産後1年経っても生理が始まりませんでした。病院で相談しても問題ないとのことだったので、そのままのんびり生理再開を待ちました。生理がないあいだは、温泉やプールなどの予定をキャンセルすることがなかったので楽でした。

二人目も完母だったので、生理はしばらく始まらないと思っていたら、4ヶ月目には始まったのでおどろきました。母乳を飲ませながら生理痛に耐えるのは少しつらかったです。一人目と二人目で生理が始まるタイミングが大きく違うことも知っておくと良いと思います。

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断乳後もしばらく周期が安定しませんでした

長男と次男を完母で育てましたが、どちらのときも断乳後6ヶ月ほど生理不順が続きました。次男のときは職場復帰のタイミングと重なったのでその影響もあるかもしれません。

産後の生理不順と妊娠の関係

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生理不順と思いきや、妊娠の可能性もある?

周期が長くあいてしまうような生理不順の場合は排卵日も特定しづらく、妊娠に気づくのが遅れてしまうことがあります。前回の生理から3ヶ月以上あいていて、吐き気や胸の張りなど妊娠初期によくみられる症状があるときは妊娠の可能性を考えてみましょう。

生理不順のときは妊娠検査薬をいつ使う?

もし妊娠が成立していたら、性交渉をした日=排卵日付近である可能性が高くなります。生理不順で生理予定日や排卵日の予測ができないときは、性交渉のあった日を排卵日と仮定して妊娠検査薬を使う日を決めましょう。

生理予定日の1週間後から使用可能な妊娠検査薬の場合は、性交渉をした日から3週間後に使用すると正しい結果が得やすくなります。

生理不順だけれど妊娠したい!妊活のコツは?

生理不順であっても排卵がされていれば妊娠はできますが、周期が整っている人よりも妊娠のチャンスが少なくなってしまっている場合があります。

たとえば、50日に1回しか生理がこなければ排卵も1年間に7回しか行われていないことになりますが、28日ごとに生理がくるようになれば1年間に13回排卵が行われるようになりますね。妊娠のチャンスを増やすためにも、妊活と並行して生理不順を治療することをおすすめします。

生活改善を行っても生理不順が続くときは、病院で不妊治療を受けることも検討してみましょう。初診の際に4~8週分の基礎体温の記録を持参すると診察がスムーズですよ。

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心配しすぎないことも治療のひとつ

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産後の生理不順は決して珍しいものではなく、心配のいらないケースがほとんどです。生理周期が安定しないことを気にしすぎると、それがストレスになって悪循環を生んでしまう可能性もありますよ。

心と身体にゆとりを持って過ごしていれば、自然に生理周期が整ってくるかもしれません。生理不順の症状があるときは生活習慣やストレスの有無など、ママ自身の健康状態を見直してみましょう。

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