産後の生理再開はいつから?母乳・混合育児で変わる?再開が早い人と遅い人の特徴や兆候について解説【産婦人科医監修】

産後の生理再開の時期は個人差が大きいものですが、母乳育児かミルク育児かでいくぶん変わってきます。母乳育児、ミルク育児、混合の場合の平均的な再開時期や、生理が再開するときの兆候などを産婦人科医監修で解説します。生理が再開したあとの体調の変化や周期のことなど、気になる情報もみていきましょう。

524366

本ページはプロモーションが含まれています

この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 産後の生理再開はいつ?母乳や混合、ミルクで違う?
  2. 産後の生理再開が早い人・遅い人の特徴とは?
  3. 産後の生理再開の兆候はある?
  4. 産後の生理再開後は体調不良になりやすい?
  5. 産後の生理再開後は痩せやすいって本当?
  6. 産後に再開した生理が止まる原因
  7. 産後の生理再開はひとつの目安
  8. あわせて読みたい

産後の生理再開はいつ?母乳や混合、ミルクで違う?

出産が終わると、その直後から母乳の産生を促す「プロラクチン」というホルモンの分泌が盛んになります。プロラクチンは赤ちゃんがおっぱいを吸うことで分泌が増えますが、排卵や生理とも深くかかわっており、授乳中は排卵が抑えられ生理が止まります。そのため、母乳育児かミルク育児かで生理の再開時期が変わってきます。

母乳育児の場合

母乳育児はミルク育児よりも生理の再開が遅いといわれていますが、プロラクチンは1日の授乳頻度や1回の授乳時間で分泌量が変わってくるため、母乳育児であっても再開時期には個人差があります。

ママたちの体験談を集めても、生理の再開時期の平均は産後6ヶ月から14ヶ月と開きがあります。なかには完母であっても産後3ヶ月で生理が再開したというケースがあれば、ミルクとの混合で1年半以上生理が再開しないというケースもありますよ。

ミルクとの混合で1年2ヶ月で生理が再開

母乳があまり十分ではなく、最初の2ヶ月ほどはミルクとの混合育児でした。その後、母乳が安定して出るようになり離乳食が始まってからも食事の合間や夜の授乳は続けていました。1歳がすぎ、そろそろ卒乳を考えようと日中の授乳回数を減らしたところ、1歳2ヶ月で生理が再開しました。しかし、卒乳は順調とはいえず、夜だけの授乳は2歳まで続けました。

母乳育児のメリットや食事との関係は?母乳育児の基礎知識

ミルク育児の場合

ミルク育児の場合、母乳育児よりも生理の再開が早いといわれています。一般的には、産後3ヶ月頃に再開することが多いようです。早い人では産後2ヶ月で生理が再開することもあります。

ただし、ミルクと母乳の混合であったり、夜間だけ授乳していたりで再開時期は変わってきます。ミルク育児だから早く再開するとは一概にはいえないため、あくまでも参考程度に考えておきましょう。

完全ミルク育児のメリット・デメリットは?赤ちゃんの寝かしつけ、授乳間隔…

産後の生理再開が早い人・遅い人の特徴とは?

子宮の回復が早いと生理回復も早い

産後の子宮は時間をかけて徐々に収縮し、産後6~8週頃に妊娠前の大きさに戻ります。安静にしすぎたり疲れがたまっていたりすると子宮の戻りは遅くなります。また、排便や排尿をがまんしているのも、子宮の回復には良くありません。

適度な運動や規則正しい食生活で体力や気力が充実していると、子宮の回復が早まり生理の回復も早くなると考えられています。

産褥期の過ごし方がママの「その後」を左右する!産後の週別の注意点&回復…

病気やストレスが原因で生理再開が遅れることも

授乳をやめて3ヶ月以上たっても生理が再開しないときは、プロラクチンの分泌が異常をきたして起こる「高プロラクチン血症」が原因として考えられます。プロラクチンは通常、視床下部から分泌される「ドーパミン」によってコントロールされています。しかし、何らかの原因でコントロールがとれなくなると、プロラクチンが過剰となり、生理不順の原因となる排卵障害による黄体機能不全を引き起こすのです。

高プロラクチン血症は「甲状腺機能低下症」や脳下垂体に腫瘍ができる「プロラクチン産生下垂体腺腫」などでも引き起こされるため、生理の再開が遅れているときは、一度産婦人科で相談してみましょう。

また、ストレスや睡眠不足でも生理が遅れることがあります。これは、排卵や生理に女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが関係しているためです。ストレスや寝不足で自律神経が乱れると、女性ホルモンの分泌に影響します。休めるときに休み、疲れやストレスをため込まないようにしたいですね。

産後に生理がこない!病気?妊娠の兆候?二人目を妊娠希望の場合はどうする?

産後の生理再開の兆候はある?

産後はホルモンの変化が大きいうえに、育児疲れで体調や気分の変動が激しいものですが、生理の再開前に起こる排卵のタイミングで、生理再開の兆候に気付くことがあるかもしれません。

たとえば、おりものは排卵の2~3日前から卵の白身のようにどろっとした状態から白く粘り気のある状態に変化します。排卵が起こると基礎体温は低温期から高温期へと移行するため、身体がのぼせ、寝つきの悪さを感じることもあります。

排卵後から生理までは約14日間あり、このあいだは女性ホルモンのプロゲステロンの影響で腹痛、身体のだるさ、イライラなどがあられやすくなります。

下腹部がだるくなった

産後の生理が止まっているあいだは、「生理がないと快適だな」「ずっと生理がこなくても良いな」と感じていました。しかし、授乳の回数が減り、赤ちゃんの食事のメインがおっぱいではなくご飯になってくるとともに、おっぱいの張りがなくなり、生理が再開しました。生理再開前は下腹部がだるい期間が10日ほど続きました。最初は生理前の変化だとは気付きませんでしたが、生理がきたことで生理前の不調だったのだとわかりました。

【産婦人科医監修】二人目が欲しい!二人目の子作りはいつから?どこでする?第2子妊活のタイミングや計算方法を紹介…
https://mamanoko.jp/articles/28621

産後の生理再開後は体調不良になりやすい?

産後に生理が再開すると、「妊娠前と様子が違う」ということがあります。「妊娠前は生理痛がひどかったのに、産後は改善された」という一方で、「妊娠前より生理前や生理中の体調が悪くなった」という声も聞かれます。

よくあがる症状は腹痛、吐き気、ニキビ、肌荒れといったものです。こうした変化はホルモンバランスの変化やストレス、疲れが影響していると考えられます。また、出産による骨盤の歪みも生理痛をひどくすると考えられています。

育児に慣れて生活が落ち着いたり、骨盤の筋肉や関節が回復したりすると、体調がもとに戻るというケースがほとんどですが、2~3周期ほど様子をみて、それでも体調不良が続くようであれば医師に相談してみましょう。不安やつらさをひとりで抱え込まないことが大切です。

生理前より生理痛が軽くなった

妊娠前は生理痛がひどく、痛み止めの点滴を打ってもらうこともよくありましたが、産後に生理が再開すると嘘のように生理痛が軽くなりました。姉から、「産後の生理はきつい」と聞いていたので覚悟していたのですが、拍子抜けでした。しかし、体調にはばらつきがあり、排卵後から2週間ほど吐き気や下腹部痛などの不調が続くときもあります。

産後の生理再開後は痩せやすいって本当?

生理の再開と痩せやすさについての科学的な根拠はありませんが、授乳を終えると生理が再開するという相関関係から、授乳中に感じていた食欲が抑えられ痩せやすくなったと感じる人は多いようです。

授乳をやめたことで、食生活に対する意識が変わることも大きいのかもしれませんね。生理がないから太る、生理があるから痩せるというわけではないので、生理の有無にかかわらず適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。

効果的な産後ダイエットの方法8選!子育て中でも痩せられる!おすすめの食…

産後に再開した生理が止まる原因

産後、女性ホルモンは急激に分泌量が低下します。分泌が回復し始めるのは産後3~6ヶ月かかり、生理が再開したとしてもホルモンの状態が安定するには時間がかかります。そのため、生理再開後も生理不順となるのは珍しいことではありません。

人によって生理周期が安定するまでの期間はばらつきがありますが、数ヶ月安定しないこともよくあります。ただし、生理不順であっても排卵があれば妊娠する可能性があります。避妊せずに性交し生理が遅れている場合は、生理予定日の1週間後を目安に妊娠検査薬で検査をしてみましょう。

気をつけたいのは、排卵は生理の2週間前に起こるため、生理の再開がないまま妊娠する可能性があるということです。妊娠をのぞまないときは性交の際に避妊するようにしましょう。

産後の生理不順の原因と改善法7選!妊娠の可能性も?

産後の生理再開はひとつの目安

産後の生理再開の時期、再開後の体調、周期の変化などは個人差があり、どれも参考程度に考えておくと良いでしょう。「こうでなければおかしい」 ということはないので、気にしすぎないようにしてくださいね。

とはいえ、生理再開は身体の回復の目安になるのも事実です。ストレスや疲れをため込んでいると、つらくなってしまいます。時期や体調で心配なことがあれば、医師に相談するようにしましょう。

※この記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

あわせて読みたい

卒乳・断乳後のおっぱいのケアは?正しいケアで乳腺炎を予防しよう
https://mamanoko.jp/articles/29364
断乳・卒乳後の寝かしつけ方法は?夜泣きへの対処方法は?
https://mamanoko.jp/articles/29454
産後の痔が痛いママ必見!いぼ痔・切れ痔の対処法【産婦人科医監修】
https://mamanoko.jp/articles/30768
産後の頭痛の原因と対処法7選!授乳中だけど薬を飲んで大丈夫?
https://mamanoko.jp/articles/30719
【産婦人科医監修】産後は妊娠しやすい?年子のメリットとデメリット、産後の妊娠兆候もご紹介!
https://mamanoko.jp/articles/19285