高温期に生理がきた?高温期の出血の原因と妊娠の可能性【産婦人科医監修】

高温期に出血があると、高温期なのに生理がきたのか、あるいは何かの病気かと不安に感じてしまうのではないでしょうか。ここでは、高温期に出血する原因を産婦人科医監修の記事でご紹介します。高温期に出血したときの妊娠の可能性にも触れていきますので、妊活中の方は参考にしてみてください。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗

目次

  1. 高温期に生理がくることはあるの?
  2. 基礎体温と生理の関係
  3. 高温期に出血する4つの原因
  4. 高温期の出血は、自己判断しないで
  5. あわせて読みたい

高温期に生理がくることはあるの?

高温期に生理が来ることは少ない

生理が来るタイミングでは、体温を上げる作用のある黄体ホルモンの分泌が減少しています。そのため、高温期に生理が来ることはほとんどありません。高温期に生理がきたときには、「生理」ではなく「不正出血」の可能性があります。場合によっては、医師の診断を受けると良いかもしれません。

ただし、基礎体温を測り間違えてしまっている場合も考えられます。高温期に生理がきたかもしれないと思ったら、翌日にもう一度基礎体温を測り直すようにしましょう。

不妊治療中は生理がくることもある

不妊治療で黄体ホルモンを人工的に増やすための薬を服用、もしくは注射している場合は高温期でも生理が来ることがあります。薬の服用をやめたタイミングで生理が来ますが、そのときに体温が下がっていないことがあるためです。不妊治療を行っている場合は、「高温期に生理は来ない」と思い込んでしまわないように注意してくださいね。

基礎体温と生理の関係

基礎体温の測り方は?高温期と低温期について

基礎体温とは、起床後に身体を動かす前の体温のことをいいます。寝返りひとつでも体温は上昇してしまうため、基礎体温は寝たままの姿勢で測るようにしましょう。

一般的に、女性の基礎体温は「高温期」と「低温期」に分けられます。排卵後、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌によって体温が上がって「高温期」に入り、生理が始まるころにホルモンの分泌が減少して「低温期」に入ります。

生理周期と排卵日について

女性の生理周期は、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4つに分けられます。生理周期は以下の通りです。

生理周期
基礎体温
特徴
月経期低温期生理1日目にあたる。 卵胞ホルモンが分泌されるため低温期になる。
卵胞期低温期生理終了後から卵胞期になる。 卵胞ホルモンの作用で髪や肌にツヤやハリが出る。
排卵期低温期 (基礎体温が一段と下がった後に上昇)最も基礎体温が下がってから数日の間に排卵する。
黄体期高温期黄体ホルモンが分泌される。 イライラするなどの不調に悩まされる人もいる。

ただし、基礎体温は体調や測る時間など、細かい条件によっても左右されます。毎月必ず基礎体温が大きく下がるわけではないため、注意しましょう。

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高温期が続くと妊娠?

一般的には、高温期は11日間から16日間ほど続きます。高温期が18日以上ほど続くようであれば、妊娠の可能性が考えられます。21日以上、つまり生理予定日の1週間後まで高温期が続く場合は、妊娠検査薬を試してみると良いかもしれません。

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高温期に出血する4つの原因

ホルモン治療中の生理

不妊治療などにより、ホルモンの分泌を高める薬を使用している場合は、高温期のまま生理を迎えてしまうことがあります。ホルモン治療が原因と考えられる場合は、担当の医師に今後の治療について相談をするようにしましょう。

婦人科系疾患

高温期の出血は、婦人科系疾患による不正出血の可能性もあります。不正出血とは、生理以外の原因によって性器から出血をすることをいいます。不正出血が起こったときに考えられる婦人科系疾患は以下の通りです。

・子宮筋腫
・子宮内膜症
・子宮頸管ポリープ
・子宮がん (子宮頸がん、子宮体がん)
・クラミジア頸管炎
・外陰部のかぶれ

婦人科系疾患による不正出血が疑われる場合は、婦人科の受診をおすすめします。問題のない不正出血もありますが、もしも重大な疾患だった場合は早期発見が大切です。自己判断をしないで、きちんと医師へ相談しましょう。

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排卵期出血

低温期と高温期の境となる排卵日前後に出血が起こることを「排卵期出血」といいます。排卵期出血は生理現象なので特に問題はありませんが、疾患が原因による出血の可能性もあります。出血が頻繁に起きるなど気になることがあれば、医師に相談することをおすすめします。

妊娠による出血

卵子と精子が受精し、卵子が子宮に着床するタイミングで絨毛(じゅうもう)が子宮壁を傷つけてしまい、出血が起こることがあります。これは「着床出血」と呼ばれており、排卵日から生理予定日ごろに起こります。そのため、高温期に生理がきたと考えていたら実は妊娠していた、ということもあるのです。

妊娠中には、高温期に分泌される黄体ホルモンが分泌され続けるため、基礎体温は高温期が続きます。妊娠の心当たりがある状態で高温期に出血があった場合は、妊娠の可能性を考えてもよいかもしれません。高温期が生理予定日から1週間を過ぎても続く場合は、妊娠検査薬を試してみましょう。

高温期の出血は、自己判断しないで

高温期の出血は、疾患による出血や妊娠による出血など原因はさまざまです。出血があった場合は、自己判断でそのままにしないようにしましょう。もしも婦人科系疾患が原因だった場合は、早期発見が大切です。

妊娠を望んでいる方も、そうでない方も「高温期に生理が来る」というのは一般的にはあまり起こらないことです。気になることがあれば、自分の身体を守るためにも早めに病院へ行くことをおすすめします。

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