【産婦人科医監修】高温期5日目の体温の変化!下腹部痛などの症状は着床の影響?
高温期に下腹部痛や吐き気・微熱・イライラなどを訴える方は少なくありません。諸症状の原因は生理なのか、妊娠や病気など他の原因があるのか気になる方も多いかもしれませんね。高温期5日目の基礎体温の変化や諸症状の原因について産婦人科医監修で解説します。
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目次
基礎体温を測ると何ができる?
基礎体温とは安静な状態で測った体温のことです。一般的な脇で測る計測方法とは異なり、寝起きの状態であまり身体を動かさずに舌の下で専用の基礎体温計(婦人体温計)を用いて計測します。0.01℃単位の細かな体温の変化を確認し、基礎体温表やスマートフォンアプリなどを用いて計測値を記録していきます。計測値を折れ線グラフ化したものは基礎体温グラフと呼ばれ、継続的に計測を続けていけば一定周期の中でグラフが似たような変化を繰り返していることがわかるはずです。
基礎体温は妊活や避妊に用いられるものといったイメージが強い方もいるかもしれません。基礎体温を上下させる女性ホルモンは、生理・排卵・妊娠といった女性特有の身体の変化とも深い関係があるため、基礎体温の変化を生理日や排卵日の予測に用いることができます。他にも、女性ホルモンは女性らしさを作り出す働きがあるため、基礎体温の変化からダイエットに適した時期・むくみやすくなる時期などを事前に知ることもできます。
体温は運動や入浴など外的要因の影響を受けることがある
体温は一日の中でも変動しており、朝方ごろに最も低くなり、夕方ごろに最も高くなります。年齢によっても体温は変わり、子どもは高い傾向があり年配の方は低い傾向があります。前日の食事や睡眠時間、気温やストレスなどの影響を受けて体温が変化することもあります。体温には個人差があるため、自分の平熱を把握することは重要です。
0.01℃単位の細かな体温の変化を観察する基礎体温では、舌の下で測ることで外的な要因の影響を受けづらくなってはいますが、さまざまな要因で影響を受けて誤差が生じることもあります。風邪気味であったり、体温を測る前に動いてしまったり、いつもと違う点があれば基礎体温とともにメモしておくと良いでしょう。基礎体温は本やインターネットで見かけるようなきれいな曲線にならない場合も多いため、ストレスにならないように、気長に続けていくと良いかもしれません。
基礎体温の高温期とは?
健康的な女性の場合、基礎体温は生理が始まってから次の生理がくるまでの「生理周期」の中で、体温が低い時期(低温期)と高い時期(高温期)があります。基礎体温は女性の身体と深い関係がある女性ホルモンによって体温が上下するため、高温期と低温期が確認できることは非常に大切です。目安としては、低温期は36℃以上で、高温期は低温期より0.3℃以上の差がある状態を指します。37℃以上であれば高温期といった判定ではないため、注意が必要です。高温期はほぼ一定で、2週間ほどの期間となります。
高温期5日目に妊娠などの影響で体温は変わる?
高温期には、低温期に比べて0.3℃以上体温が上昇した状態が2週間程度続きます。高温期には、基礎体温を上昇させる女性ホルモンのひとつ「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が多く分泌されるためです。期間に個人差はありますが、高温期の期間はほぼ一定となるため、「高温期に入ったらあと何日で生理が始まる」といった生理日予測に用いられることもあります。
一般的に高温期が2週間以上続く場合には妊娠の可能性があるといわれていますが、5日目の時点で基礎体温が上下し、誤差以外であれば病気の可能性があります。「高温期がない」「低温期と高温期の差が少ない」といった場合には無排卵の可能性があります。「高温期が9日以内で終了する」といった場合には黄体機能不全とよばれるホルモン異常の可能性があります。無排卵や黄体機能不全は不妊につながるケースもあるため、いつもとはあまりにも違う・いつもと違う状態が続くといった場合には病院での検査をおすすめします。
高温期の腹痛・吐き気などの症状はなぜ起こる?
高温期に、チクチクとした下腹部痛や腰痛、下痢といった症状を訴える人がいます。人により症状は異なりますが、腹痛や吐き気といった症状が生理前になると現れるようであれば、「PMS(月経前症候群)」である可能性があります。200通り以上あるともいわれているほど症状は人それぞれで、眠気・胃痛・寒気・吐き気・胸の張り・イライラ・不安になるといったものがあるようです。PMSは生理が始まると症状がなくなる・緩和されるケースが多いですが、PMSの可能性があれば、高温期には「無理をしない」「甘いものを控える」「マッサージをする」など自分に合った対策を取ると良いでしょう。
一方で気をつけなければいけないのが、「PMSの症状と妊娠初期の兆候は似ている」という点です。妊娠初期には、吐き気(つわり)・腰痛・風邪のような微熱・足の付け根辺りの痛み・胸の張りといった症状が出る人もいます。さまざまな症状だけでPMSと妊娠初期兆候の違いを見分けるのは難しいでしょう。妊娠の可能性を判断するには、生理がどのくらい遅れているのか、市販の妊娠検査薬を試すとどうなるかといったこともあわせて確認しましょう。ただしPMSも妊娠初期兆候も、人によっては症状がないこともあります。
高温期5日目に妊娠検査薬を使用するとどうなる?
市販の妊娠検査薬は、生理予定日〜生理予定日の1週間後からの使用を推奨しているものが多いです。妊娠を希望している方の中にはフライング検査という、推奨使用期間前に妊娠検査薬を試す方法をとる人もいるようです。推奨使用期間前に検査した場合、結果が陽性・陰性どちらであったとしても、やはり正しい検査結果になるとは限らないようです。
妊娠検査薬は、妊娠すると分泌が始まるといわれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を尿から検出することで陽性・陰性の判定をしているものが主流です。妊娠している場合でも、妊娠初期はhCGの分泌が少ないために陰性になる・判定がはっきりしないといったケースがあります。この場合には、一定期間を置いて再検査したり、病院で詳細検査をしてもらったりすると良いでしょう。
高温期5日目に出血!排卵・着床の可能性は?
高温期5日目に出血があった場合、排卵や着床による出血を疑う方もいるかもしれませんね。排卵は低温期の最終日から高温期の初日に起こることが多いといわれていますが、基礎体温のみで排卵日を特定するのは困難だともいわれています。排卵日の特定には、基礎体温とあわせて、市販の排卵日予測検査薬や病院での検査を併用すると良いでしょう。着床は受精後6〜7日目から始まるといわれています。排卵は生理周期の乱れなどでずれる場合もあるため、高温期5日目の仲良し(性交)は妊娠につながることもあるかもしれません。
生理以外での性器からの出血は「不正出血」と呼ばれます。病気が原因の出血・ホルモンの乱れが原因の出血の場合には、不妊や重大な病気につながるケースもあるため、病院の受診をおすすめします。病気などではない出血では、排卵期に起こる「中間期出血」や妊娠初期に出血が起こるケースなどがあげられます。人によっては中間期出血を排卵出血、妊娠初期の出血を着床出血と呼ぶ人もいるようです。高温期に着床痛・排卵痛があるという人もいるようですが、これはPMSや妊娠初期兆候のひとつである可能性があります。
高温期のおりものの変化
子宮頸管から出た粘液や腟の分泌物が混じり合ったものを「おりもの」と呼びます。おりものは女性の身体を守るという大切な役目があります。おりものも基礎体温と同様に、女性ホルモンと密接な関係があり、生理周期で量・色・粘度が変化します。最も分泌量が多くなる排卵期には、中間期出血が混ざって茶色のおりものに見えることもあります。排卵期には透明で粘度が高く、高温期に入ると粘り気がある白いおりものが確認できるようになります。下着につくと黄色く見えることもあります。
妊娠かなと思ったら
高温期5日目で妊娠の可能性を判断するのは難しいかもしれませんが、思い当たる点があれば妊娠していた場合を想定し、さまざまな対処を考えてみるのも良いでしょう。少量であっても、薬・飲酒・喫煙などは控えましょう。風邪などで高熱が出て薬を飲む必要がある場合には、医師に妊娠を希望している旨を伝えて相談してくださいね。
さまざまなポイントから「いつもと違う点があるか」を確認しよう
高温期5日目は、約2週間の高温期の中ではまだ序盤になります。PMSの可能性がある場合にはもう少しさまざまな症状が続くため、無理せずリラックスできるように半身浴などを試してみても良いでしょう。PMSは妊娠初期症状と似ている点が多いため、ドキドキしてしまう人もいるかもしれません。高温期の後に生理がくるかどうかがひとつのポイントになるため、焦らずさまざまなポイントから兆候などを確認するようにしてくださいね。
※この記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。