【産婦人科医監修】高温期18日目に陰性になる・体温が下がると妊娠可能性は?生理がこない・出血といった症状も
妊娠していれば妊娠4週ごろになる「高温期18日目」は、妊娠の可能性の有無にそわそわしている人も多いかもしれません。生理周期の乱れやストレスなどによる生理の遅れの可能性も考えられるでしょう。妊娠・生理どちらの可能性も考えられる腹痛などの症状、妊娠検査薬の使用可否、基礎体温との関係、茶色のおりものなどについて解説します。
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目次
高温期18日目に体温が下がった
タイミング法でもっとも妊娠しやすい時期を予測する際に用いられるイメージが強い「基礎体温」ですが、基礎体温は女性の体調管理に役立てることもできます。次の生理日の予測や妊娠の可能性を知る際にも活用できる基礎体温だからこそ、体温が上がる・下がるといった変化に敏感になってしまう人もいるかもしれません。
一般的に基礎体温の「高温期」と呼ばれる生理直前の期間では基礎体温が下がるタイミングで生理(月経)が始まるといわれています。一方で、高温期の基礎体温が下がることなく体温が高い状態が続くようであれば妊娠の可能性が考えられるといわれています。
基礎体温はストレスなどの心理的な影響を受ける「女性ホルモンの分泌の変化」によって変動します。このため基礎体温の変化にあまりにも敏感になっている状態が続くと、無意識のうちに心理的負担になり、基礎体温の変化に影響を与えている可能性も考えられるかもしれません。焦らずにさまざまな可能性を考え、症状や特徴などを一つひとつ確認していくことが大切でしょう。
基礎体温と妊娠の関係
寝起きに身体を動かさない状態で計測する「基礎体温」は、一般的な体温とは計測条件・使用する体温計・計測する部位などが異なります。妊娠・生理といった女性特有の身体の変化と深く関わる基礎体温は、生理が始まるころに「低温期」を迎え、排卵が起こるころに低温期から高温期に移行します。
生理が再び始まるようであれば基礎体温が下がる、生理が始まらないようであれば体温が下がらないという特徴から、日々の基礎体温を記録し参考にしている女性は多くいます。妊娠を希望している人たちのあいだでは生理が始まることを「リセット」と呼び、ふたたび次の妊娠のチャンスのために準備を始める人たちもいます。
基礎体温の場合では、37℃であれば高温期、36℃であれば低温期といった基準での判断はしません。36℃以上の低温期をベースに考え、低温期から0.3℃以上の上昇が確認できれば高温期となります。一般的な体温と同様に基礎体温の平熱にも個人差があるため、まずは自分の平熱を把握することが大切です。自分の低温期・高温期を把握している上で約14日間といわれている高温期が続き、生理が来ないのであれば、妊娠の可能性を考えると良いかもしれません。
高温期18日目に妊娠検査薬は使用できる?
生理予定日と検査薬の種類による
生理が始まってから次の生理が始まるまでを生理周期と呼びます。生理周期には個人差があり、25日から38日間隔で生理が起こっている人が多いようです。自分の生理周期で考えた場合に、「高温期18日目が生理予定日である」もしくは「高温期18日目には生理予定日を過ぎている」場合には、高温期18日目に妊娠検査薬が使用することができるかもしれません。
また、一般的な妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から使用可能ですが、「早期妊娠検査薬」と呼ばれるものであれば生理予定日から検査可能な場合もあります。このふたつの条件を満たしている場合であれば高温期18日目に妊娠検査薬の使用が可能でしょう。
フライング検査はできる?
市販の妊娠検査薬では生理予定日もしくは生理予定日の1週間後から使用可能としているものが多いかもしれません。妊娠検査薬の本来の使用条件よりも前倒しで検査を行うことは、俗に「フライング検査」と呼ばれることがあります。高温期18日目であれば、早期妊娠検査薬の使用を検討するのが良いかもしれませんね。
市販の妊娠検査薬は、妊娠とともに分泌が始まるhCGが検出できるか否かで陽性・陰性を判定していますが、使用条件よりも前に使用してもhCGの分泌が少なければ妊娠していても陰性になります。フライング検査は陰性・陽性判定の正確性が信頼できないだけでなく、検査薬が無駄になる、検査薬は陽性になるが超音波検査などでは妊娠が確認できない生化学的姙娠(化学流産)を知ってしまうといったデメリットが指摘されています。
妊娠の可能性を早く知りたいと考える人は少なくないでしょう。しかし早期妊娠検査薬と呼ばれる生理予定日から使用できるものもあるため、フライング検査を行うことで信頼できない判定を得る必要はないかもしれませんね。
高温期18日目に妊娠検査薬が薄い陽性・陰性になったら
生理の可能性も妊娠の可能性も考えられる「高温期18日目」に生理が来ないのであれば、妊娠検査薬の使用を検討する人は多いでしょう。高温期18日目が生理予定日である・高温期18日目には生理予定日が過ぎている状態で、早期妊娠検査薬と呼ばれる生理予定日から使用できる検査薬を用いるのであれば、一部の人は市販の検査薬を試して正しい結果が出ることもあるかもしれませんね。
実際に妊娠検査薬を試すと、検査結果が「陽性だった」「薄い陽性だった」「陰性だった」というパターンが考えられます。陽性の場合は、正常な妊娠を確認するため病院を受診しましょう。一方で、その他の場合にはどうしたら良いのでしょうか。
妊娠検査薬の仕組み
市販の検査薬は妊娠すると分泌が始まるhCGと呼ばれるホルモンが尿から検出できるかどうかで陽性・陰性の判定を行います。hCGは人によって分泌が始まる時期、分泌が多くなる時期が異なるため、妊娠検査薬の使用条件を守っていても正しい判定が得られないケースもあります。他にも、hCGの量が多い・生理周期を数え間違えていた・生理不順である・異常妊娠であるなどの可能性が考えられます。
妊娠検査薬が薄い陽性だった
うっすらと陽性反応が出た場合、「この結果は信頼できるのか」「使い方を間違えたのか」といった疑問を抱く人もいるかもしれません。妊娠検査薬の仕組みによって、妊娠後に確認できるhCGの分泌量がまだ少ない可能性が考えられます。妊娠初期症状にあてはまるものがないかを確認し、数日後に改めて検査してみましょう。陰性が続いても生理が来ないようであれば病院を受診してくださいね。
妊娠検査薬が陰性だった
妊娠検査薬が陰性だった場合「今回はもう妊娠していないのだろうか」と考えてしまう人が多いかもしれませんが、実は注意が必要です。妊娠検査薬の仕組みにより、妊娠していてもすぐに陽性になる人と陽性にならない人がいるためです。妊娠すると分泌されるhCGが尿から検出できると陽性判定になりますが、分泌時期や量は個人差があるため検査時期によっては妊娠していても陰性になることがあります。また双子を妊娠している場合はhCG値が高いことで検査薬が反応しない人もいるようです。
高温期18日目の腹痛は妊娠初期症状?生理痛?
高温期18日目に、生理が来ない状態が続いている中で、下腹部痛や吐き気、腰痛などがあると不安になる人もいるかもしれません。腹痛であれば生理痛なのか、吐き気であればつわりなのかと迷う人も多いでしょう。一つひとつの症状だけでは原因を突き止めるのは難しいかもしれません。
生理前に起こるPMS(月経前症候群)、妊娠初期症状、その他にも風邪などの病気の可能性も考えられるでしょう。PMSも妊娠初期症状も個人差があり、症状なしの人もいれば複数の症状が現れる人もいます。
PMSであればいつも生理前の同じ時期に同じような症状が現れるか、生理が始まると症状が緩和することがあるかを思い出してみましょう。妊娠初期症状であれば生理が何日程度遅れているのか、妊娠検査薬を使用するとどうなるのかをあわせて確認しましょう。
高温期18日目の出血は妊娠・生理の影響?
生理も妊娠も可能性として考えられる高温期18日目に出血があると、「生理の兆候」「妊娠の兆候」どちらに当てはまるものなのかが気になるかもしれません。
生理以外の性器からの出血を不正出血(不正性器出血)と呼びます。不正出血は医師でも原因の判断が難しいといわれており、原因も多岐に渡ります。排卵出血(中間期出血)と呼ばれる生理的なもので心配は不要である出血もあれば、病気が原因である出血、外傷が原因である出血などさまざまな可能性があるでしょう。
生理前に少量の出血がある、妊娠初期に少量の出血があるという人はいるようです。どちらもおりものに血が混じることで茶色やピンク色のおりものが確認できる人もいるようです。妊娠初期の出血はお腹の赤ちゃんへの影響が気になる人は多いでしょう。
妊娠初期の少量の出血がすぐに危険な状態を引き起こすということはありませんが、お腹の赤ちゃんの無事を確かめるためにも念のため病院を受診しておくと安心でしょう。また鮮血である、ひどい痛みを伴う場合にはすぐに病院に相談しましょう。
高温期18日目に茶色のおりものが出た
子宮・腟などの分泌が混じりあってできている「おりもの」は、腟から細菌が入るのを防いだり受精を手伝う働きがあったりと重要な役割を果たしています。基礎体温と同じようにおりものも女性ホルモンの変化とともに生理周期の中で変動しています。生理直前の期間にあたる高温期では、排卵期にもっとも多くなったおりものが徐々に少なくなる時期です。白濁した色で粘り気がある人が多いでしょう。おりものの色やにおい・粘り気などには個人差もあります。
おりものに少量の血液が混じると、茶色・ピンク色に見えることがあります。少量の出血は生理的な問題ないものであることも少なくありませんが、見慣れていない場合には驚いてしまうかもしれませんね。血液が少量であるほど茶色の場合が多く、比較的多い場合にはピンク色になることが多いといわれています。
妊娠初期の出血は不安になってしまう人もいるかもしれませんが、お腹の赤ちゃんが無事に育っていれば問題ないこともあるようです。出血の量・出血期間などを確認し、痛みを伴う場合などには病院を受診しましょう。
ルトラール・クロミッドなどの薬を服用している
不妊治療などで産婦人科から薬を処方してもらっている場合、排卵やホルモンに影響を与える薬を服用している・使用している場合もあるかもしれません。妊娠や生理と密接な関係にある排卵・ホルモンなどに作用する薬の一部は、基礎体温を変化させることがあるとともに、妊娠検査薬の判定結果に影響することもあります。
代表例として、黄体ホルモン剤のルトラールは、体温上昇作用があるといわれています。避妊ピルやクロミッドなどの薬の使用を中止した直後には生理周期が乱れることがあります。妊娠すると分泌されるhCGを含んだ薬は妊娠検査薬の判定に影響を与えることがあるようです。自分の体調を知っておくためにも自分が使用している薬がどのような影響を与える可能性があるのかを把握しておくと良いでしょう。
デリケートな高温期18日目、焦らないことも大切
生理の可能性も妊娠の可能性も考えられる「高温期18日目」は、妊娠を希望する人・希望しない人どちらにとっても少し不安がある時期かもしれません。多少の生理開始日のずれは珍しいことではないため、まずは落ち着くことが大切でしょう。
生理は予定日から何日遅れているのか、腹痛や吐き気などの症状はあるのか、基礎体温は変化したのか、妊娠検査薬を試せる場合であれば試すとどうなるのかといった点を確認していくと良いでしょう。クロミッドなどの薬の影響やストレスの可能性もあるため、他にも気になる点がないか思い出してみましょう。早く妊娠の有無が知りたい人にとってはそわそわしてしまう期間かもしれませんが、焦らず一つひとつ確認していきましょう。
※この記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。