高温期8日目の体温やおりものは?フライング検査や症状との関係
妊活や避妊に役立たせることができる「基礎体温」ですが、妊娠の可能性の有無を判定する際の手がかりとしても活用することができます。妊娠を希望している場合には、高温期の約半分を過ぎた8日目になると、妊娠の可能性の有無が気になって仕方ない方もいるかもしれません。高温期8日目の基礎体温やおりもの、身体の変化を解説します。
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目次
基礎体温の高温期と低温期
基礎体温は、起床時に身体をあまり動かさずに舌の下で測る、安静な状態での体温のことです。人間が最も安静な状態になるのは睡眠中ですが、寝ている状態で体温を測るのは難しいため、朝起きてすぐに測る体温を「基礎体温」とします。計測には専用の基礎体温計を用いて、0.00℃単位の細かな変化まで確認します。細かな体温の変化を逃さないように、毎日同じ時間に同じ条件下で計測を続け、基礎体温表などに記録を残すと良いでしょう。基礎体温は女性ホルモンの分泌量によって上下します。
基礎体温は生理開始日から次の生理開始前日までの「生理周期」の中で、基礎体温が高い時期(高温期)と低い時期(低温期)があります。 基礎体温の目安としては、低温期には36℃以上、高温期には低温期より0.3℃以上上昇します。平熱には個人差があるため、37℃以上になったら高温期といった判定は行いません。低温期に35℃以下になる場合、低体温である可能性があります。低体温になると、免疫力の低下し風邪を引きやすくなる、血行が悪くなり生理痛がひどくなるといった症状を引き起こす可能性があります。
高温期のおりものの変化
基礎体温と同様に、女性ホルモンの分泌量の影響を受けて変化するもののひとつに「おりもの」があります。おりものは、子宮・腟・汗腺の分泌物が混じり合ったものです。おりものは、腟の自浄作用・受精の手助けという大切な役割があります。個人差はありますが、量・色・粘り気が生理周期で変化します。生理周期は、卵胞期・排卵期・黄体期・月経期の四つの期間に分かれますが、受精の手助けをするために、おりものは排卵期に量が最も多くなります。
排卵期は、透明なよく伸びるおりものになり、分泌量が増えます。人によっては血液が混ざり茶色っぽく見えるときもあります。排卵後の黄体期には、白くて粘り気のあるおりものに変化しますが、徐々に分泌量は減ります。下着につくと黄色っぽく見えるときもあるかもしれません。排卵日の特定などで用いられる「福さん式」という個人の方の体験談をまとめた方法でも、おりものの変化や子宮口の内診によって身体の状態を確認するやり方が紹介されているようです。
基礎体温と妊娠
基礎体温は生理周期に応じて、女性ホルモンの分泌量と身体の変化とともに変動します。女性ホルモンの分泌・身体ともに変化する「妊娠」でも、基礎体温は影響を受けて変動します。妊娠していない場合、基礎体温は生理開始後から排卵まで低くなり、排卵により上昇し、次の生理開始まで高い状態が続きます。妊娠した場合には、生理がなく、基礎体温が高い状態が約2週間以上続くといわれています。
ただし、ストレスで排卵が遅れる、生理不順で生理が遅れるといったケースもあります。基礎体温の上昇は排卵のサインといわれているため、高温期に入ってからの仲良し(性交)は妊娠につながるのか不安になる方もいますが、排卵の遅れなどを考慮すると高温期に入ったら絶対に妊娠しないとは断言できないでしょう。一般的には排卵した卵子が受精すると、受精後6〜7日で着床を開始するといわれています。
高温期の体温が上がる・下がることはある?
体温は、1日の中でも朝方ごろが一番低く、夕方ごろにもっとも高くなります。体温は、運動・飲酒・入浴・外の気温が暑いといった外的要因の影響を受けて変動することもあります。基礎体温は0.00℃単位の変化を確認するため、計測前にトイレに行ったなどのいつもと違う条件下では多少上下することがあります。いつもと違う条件下での計測になった場合には、参考程度の記録とし、その旨を基礎体温表などに記しておくと良いでしょう。
一方で、「低温期と高温期の差が少なくて高温期がない」場合には無排卵である可能性が、「高温期が9日以内と短い」場合には黄体機能不全である可能性が、それぞれあります。ともに不妊につながる可能性がある症状となるため、同様の状態が続くようであれば病院を受診し、相談しましょう。
高温期の腹痛などの症状は妊娠の兆候?
高温期になると、腹痛や腰痛などの症状が現れる人がいます。生理前になると心や身体にさまざまな症状が起こることを「PMS(月経前症候群)」と呼びます。PMSは人によって症状がさまざまで、同じ人でも月によって症状が変わることもあるようです。生理痛のような下腹部痛・吐き気・眠気・胸の張り・食欲増加・風邪のような微熱や鼻水・イライラ・不安など、200通り以上の症状があるといわれています。PMSは、生理周期に伴って起こり、生理がくると症状が緩和される・なくなることが多いです。日常生活に支障をきたすほどの不調は月経困難症・月経前不快気分障害と呼ばれることがあります。
高温期の諸症状で注意しなければならないのが、PMSの症状は、「妊娠初期症状」に似ているものが多い点です。下腹部痛・吐き気(つわり)・胃痛・寝汗・めまい・不眠など、個々の症状だけではPMSと妊娠初期症状の違いを見分けるのは非常に難しいでしょう。PMSと妊娠初期症状を見分けるためには、「高温期の2週間以上の継続」「生理の遅れ」「市販の妊娠検査薬を試す」といったことを症状とあわせて確認していきましょう。
高温期8日目で妊娠検査薬を試すとどうなる?
妊娠を希望している場合には、約2週間の高温期の半分を過ぎる8日目になると、妊娠の可能性の有無が気になってうずうずしてしまう人もいるかもしれません。妊娠検査薬を正しい使用時期より前に試す「フライング検査」を行う人も中にはいるでしょう。市販の検査薬は、生理予定日の1週間後からの使用が推奨されているものが多く、正しい使用時期より前の検査結果に関しては誤った判定が出る可能性があります。フライング検査のデメリットとしては「正しい判定としては使えず、検査薬が無駄になる」「ストレスになる」といった点があげられるでしょう。
市販の妊娠検査薬は、妊娠初期に尿中から検出できるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピンホルモン)に反応して陽性になります。hCGの分泌量が少ない時期に検査を行い陰性だった場合、妊娠しているにも関わらず落胆したり、薬を服用してしまったりといったことにつながる可能性があるでしょう。hCGは生理予定日の1週間後から分泌量が増えるため、正しい使用時期になってから検査すると良いでしょう。分泌が始まる時期には個人差があるようで、後日改めて検査したら陰性から陽性に変わったというケースもあるようですよ。
排卵検査薬で妊娠検査ができる?
妊娠検査薬の代わりに排卵検査薬を用いることで妊娠の可能性を確認する人もいるようです。市販の排卵日予測検査薬は、妊娠しやすい時期(排卵日)を事前に予測することを目的として販売されているため、排卵検査薬で妊娠の可能性の有無を確認するというのは難しいのではないでしょうか。
市販の排卵検査薬は、生理開始予定日の17日前からの使用が推奨されています。排卵期に黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌されるタイミング(LHサージ)で排卵が起こるといわれているため、このタイミングを事前に把握することで妊娠の確率を高めるための検査薬になります。LHは普段から少量分泌されているものであり、分泌量には個人差があるため、妊娠の可能性を知るという目的で使用しても正しい判定はできないでしょう。
着床時に痛みや出血はある?
人によっては着床時に「着床痛」「着床出血」があるという人がいます。下腹部痛はPMSや妊娠初期症状のひとつである可能性があります。PMS・妊娠初期症状ともに下腹部痛をあげる人は多く、症状のみで原因を特定するのは難しいでしょう。妊娠初期症状のひとつである場合には、生理の遅れや妊娠検査薬の判定もあわせて確認すると良いでしょう。
着床出血は不正出血のひとつである可能性があります。生理以外の性器からの出血は「不正(性器)出血」と呼ばれ、病気やホルモンバランスの乱れ、排卵期に起こる中間期出血、妊娠初期の出血など、さまざまな原因が考えられます。中間期出血は生理周期に伴い、排卵期に起こる生理的な出血ですが、病気やホルモンバランスの乱れが原因である可能性もあるため、不正出血を確認したら早めに病院へ相談しましょう。
日ごろから、基礎体温とともに気になることは記録しよう
高温期8日目になると、妊娠を希望している人たちの中には、妊娠の可能性の有無が気になって仕方がない方もいるかもしれません。ポジティブに働くものであれば良いですが、フライング検査など定かではない手法での妊娠の可能性の確認はストレスにつながる可能性があるため、焦らず待つことが大切かもしれません。妊娠にも深い関係がある女性ホルモンはストレスの影響を受けることがあるため、妊娠の有無が確定していない以上は、余計なストレスをためこまないようにすると良いでしょう。