流産後の生理再開はいつ?こない・生理不順になるのはなぜ?排卵や生理周期、月経量・生理痛の変化について
産婦人科医監修|流産後に生理がなかなかこないと、身体の変化や次の妊娠について心配になるかもしれません。流産後の排卵・生理の再開時期や、妊娠が可能になるタイミングはいつなのでしょうか。生理再開後の経血量や生理痛の変化、生理不順の原因について解説していきます。
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目次
流産後に気になる、排卵・生理・基礎体温のこと
流産後はどのように過ごせば良いのか、普段通りの生活をしても大丈夫なのか、いろいろと悩んでしまうママは多いのではないでしょうか。妊活中であれば、排卵のタイミングや次の妊娠が可能なのかも気になるところですね。
排卵や生理再開の時期には個人差がありますが、ホルモンの分泌バランスが妊娠前の状態に戻ると排卵が起こり、その後に生理が始まります。早期流産は偶発的なものであることが多く、習慣性流産でないかぎり、次の妊娠は可能とされています。
流産後は、安静にして心と身体を休めつつ、妊娠を希望している場合は基礎体温を測っておくと良いですね。自身の排卵のリズムがわかってきます。排卵と生理を何回か繰り返すうちに、次の妊娠の計画を立てることもできるでしょう。
流産後の排卵のタイミングと特徴は?
排卵のタイミング
流産後、排卵がいつから起こるのかは気になるところです。排卵のタイミングがわからないと、次の妊娠も計画しにくいですよね。生理と違って、排卵は目に見える変化がほとんどないので、流産後の排卵日がいつなのかは、わかりにくいかもしれません。
一般的に生理周期が一定であれば、排卵日を予測することができます。たとえば生理周期がきっちり28日の人の場合、生理開始日から約2週間後に排卵日が来ます。しかし、流産後は生理周期が乱れる場合があり、排卵が遅れることや早まることが考えられます。
排卵が起こっているのかどうかを知るためには、基礎体温を毎日つけるようにしましょう。排卵日を境に低温期と高温期の二層に分かれるのが一般的です。もし、体温が上がらないようであればまだ排卵が始まっていない可能性があります。
さらに詳しく知りたいのであれば、排卵検査薬を使うのも良いでしょう。妊娠検査薬では妊娠中に作り出されるhCG値を検出しますが、排卵検査薬では尿中のLH(黄体形成ホルモン)値を調べます。次の生理予定日の17日前から毎日測定して、陽性になるのを待ちます。
排卵痛の変化
排卵痛とは、排卵期に下腹部や腰あたりが痛むことをいいます。排卵すると卵巣が、卵巣内に残った黄体の影響で腫れたような状態になることがあり、排卵痛の原因のひとつとなります。一般的に黄体は、排卵後の卵胞が変化したもので、受精が起きたときのために子宮の準備を整える役割があります。しかし排卵後、卵巣に黄体が残っていることで、お腹の張りや痛みが出やすくなるともいわれています。
排卵痛の感じ方は人によってさまざまですが、以下のような症状が見られます。
・ちくちくした下腹部の痛み
・下痢のような腹痛
・お腹の張り
・腰痛
流産後、排卵痛が強くなる人もいれば、これまで排卵痛があったのにまったく感じなくなったという人もいます。しかし排卵痛と思っていた症状が、感染症や子宮の病気の可能性もあるので、注意が必要です。
排卵痛は排卵出血を伴うことがあります。排卵されるときに卵巣の膜が一部破れるために出血が起こることが一因です。排卵出血であれば問題ありませんが、他の病気が出血の原因である可能性もあります。出血量が多いときや、ひどい痛みを伴うときは、医師に相談してみましょう。
無排卵月経の可能性も
生理のような出血があっても「無排卵月経」という排卵をしない状態になっていることがあります。女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌が減り、排卵を引き起こすLH(黄体形成ホルモン)の放出が生じないことで、無排卵の状態になるのです。
排卵障害の原因はさまざまですが、多嚢胞性卵巣症候群や過度のストレスでも起こるといわれています。基礎体温表や排卵検査薬で排卵を確認できないときは、一度医師に相談してみると良いでしょう。
流産後の生理はいつから再開する?こないことも?
一般的に、流産後の生理は1ヶ月程度で再開する人が多いようです。しかし個人差が大きく、生理だと思ったものが不正出血だったという場合もあります。もともと生理が不順気味だった人は、流産後はなかなか生理がこないことも多いようです。
流産後、2ヶ月以上経っても生理がこないときは、産婦人科を受診してみましょう。子宮の回復が進んでいなかったり、子宮の病気になっていたりすることもあります。また、妊娠の可能性もゼロではありません。生理が始まらなくても、排卵が起こっていることがあるからです。妊娠を計画していない人は注意してくださいね。
流産後の生理の量や長さ、周期はどうなる?
経血量
流産後の初回の生理では、子宮内の流産残存物が経血と一緒に出てくることがあります。そのため、大量に鮮血が出たり、血の塊が出たりすることもあるようです。反対に、茶色のおりものが少し出る程度という人もいます。
ホルモンバランスや子宮の状態によって、経血量が安定しないことがあります。通常よりも経血が少ない、多いというケースはよくあるため、心配しすぎる必要はありませんが、気になる症状が続くときは産婦人科に相談してみましょう。
生理期間
流産後は、生理期間が変化することも多いようです。通常よりも長くなったり、短くなったりと生理期間の変化には個人差があります。少ない出血が3日間ほど続いたという人もいますし、だらだらと10日間ほど出血があったという人もいます。
月経持続期間は3日~7日が正常な範囲といわれています。1週間を大幅に過ぎても経血が止まらない場合は、産婦人科を受診してみましょう。
生理周期
正常な生理周期は25日~38日とされていますが、流産後に生理再開してからは不順になることも多いようです。ホルモンバランスの変化や、ストレスなどが生理不順の一因とされています。
2回目の生理が早い周期で来ても、その次の生理が長い期間こないこともあります。生理周期が乱れていると排卵期が予測しにくく、不妊につながることもあるので、数ヶ月経っても生理不順のままなら医師に診てもらいましょう。
流産後は生理痛がひどくなる?
流産後、生理痛がひどくなったという人も多いようです。ホルモンの分泌バランスが乱れたり、経血と一緒に子宮の残存物が出ていったりすることが、生理痛がひどくなる原因であるといわれています。反対に、生理痛が軽くなって経血量が少なくなった人もいるようですね。
ひどい腹痛や大量の出血が続く場合、生理痛ではなく他の病気が原因かもしれません。流産手術後は子宮内感染や腹膜炎などのリスクもあります。発熱を伴っているときや、いつもと違うと感じたときはすぐに病院に行きましょう。
流産後の生理不順や生理痛を改善するには?
流産後の生活で大切なのは、睡眠をしっかり確保し、身体を温め、栄養バランスの良い食事をすることといわれています。生活習慣の乱れやストレスはホルモンバランスを崩し、生理不順や生理痛の原因となることもあるからです。
眠りにくいときは、ゆっくりと深い呼吸を意識してみましょう。お気に入りの音楽を聴いたり、アロマを楽しんだりしても良いですね。カイロや湯たんぽを利用して、腰やおへその下を温めると、生理痛が緩和されることがあります。腹巻きなども利用してみましょう。
しょうがや鶏肉など、身体を温める食べ物も取り入れてみると良いですよ。さまざまな食材を使って、栄養が偏らないようにしましょう。大切なのは、ストレスをためないことです。夫や友達とおしゃべりしたり、近場に旅行したり、ちょっとした楽しみを見つけてみると良いでしょう。
流産後の基礎体温はいつ下がる?
流産後、次の妊娠を計画するためにも基礎体温を測る習慣はとても大切です。一般的に、妊娠中は基礎体温が高くなりますが、流産した後は基礎体温がいったん低くなります。月経周期が正常であれば、排卵期を境にまた高温期に入ります。
流産後、基礎体温がいつ戻るかは個人差がありますが、完全流産であれば徐々に元の状態に戻っていくことがほとんどです。しかし、基礎体温が高いままだったり、グラフがガタガタになったりと、体温が不安定なケースもあります。
流産後に基礎体温が二層に分かれない場合、無排卵であったり、排卵が遅れていたりすることもあります。不妊につながるケースもあるので、気になるときは早めに病院で相談しましょう。
流産後の性行為はいつから?
流産後、いつから性行為を行ってよいかについては、医師によっても見解が変わります。妊娠だけでいうなら、理論的には流産後の次の周期から可能といわれています。流産の後でも、子宮の状態の良し悪しにはあまり関係ないようです。
ただし、流産手術の直後は、感染や頸管裂傷、子宮収縮不全などのリスクが高くなります。次に術後の経過を診てもらうまでは、性行為は避けたほうが良いでしょう。流産による出血が完全に止まり、生理が再開するころであれば、性行為をしても問題ないといわれています。
流産後の生理に関する体験談
流産後の生理は、1ヶ月後に来ました。茶褐色のべっとりしたチョコレートのような出血から始まり、3日目後くらいからは、真っ赤な鮮血に切り替わっていきました。通常の生理時は、2日目と3日目の出血が一番多いのですが、流産後の初めての生理は3日目からがピーク。出血の量も多く昼間でも夜用ナプキンを使用しました。出血が減り始めたのは6日目からでしょうか。いつまで出血が続くのかと不安になるくらいでしたが、ちょうど生理が始まって7日目から継続して出ることがなくなりました。
8日目~10日目あたりまで、軽い日用のナプキンを敷いて過ごせるほどで、たまに少し出血があるといった感じでした。生理前後は、頭痛と腰痛に悩まされていたのですが、流産後も同じように生理痛と思われる頭痛と腰痛が起こりました。腰痛はいつもより痛みがありました。何となく子宮内部が痛いような気もしたので、性交もそのあいだは避け、生理が安定するまでは妊娠も避けようと思いました。
仕事をしていたこともあり、しばらくは子どもよりも仕事に専念してみようかと気持ちが切り替わったことを覚えています。その気持ちの切り替えが良かったのかもしれませんが、うつになることもブルーになることもありませんでした。次の妊娠までは2年ほど空きましたが、元気な赤ちゃんを授かりました。
流産後の生理はいつもと違う場合も
流産後の生理は1ヶ月程度で再開することが多いようですが、生理痛がひどくなったり、生理周期が不順になったりすることもあります。排卵が起こっていれば妊娠も可能ですが、いつもと違う状態が続くようであれば産婦人科を受診してみましょう。