心拍確認後の流産の確率と兆候は?原因はあるの?【産婦人科医監修】

心拍確認後は、流産の確率が下がるといわれています。しかし、流産の確率が下がるといっても、絶対に流産をしないというわけではありません。心拍確認後に起こってしまう流産にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、心拍確認後の流産の確率と原因、流産の兆候について、産婦人科医監修の記事でご紹介します。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 心拍確認後の流産とは?
  2. 心拍確認後の流産の確率は?
  3. 心拍確認後の流産の兆候
  4. 心拍確認後の流産の原因
  5. 流産の経験後に妊娠・出産した人も多い
  6. 流産に関するおすすめ書籍
  7. あわせて読みたい

心拍確認後の流産とは?

胎児の心拍は、早くて妊娠5週目、一般的には妊娠6~7週目に確認できることが多いようです。ただし、心拍確認の時期は個人差が大きいものです。なかなか心拍が確認できないから流産になってしまう、というわけではありません。あまり心配しすぎないようにしてくださいね。

心拍確認後の流産とは、一般的に「これで安心」というイメージのある心拍確認後に起こってしまう流産で、その分ママのショックも大きいものです。心拍確認後に起こってしまう流産には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

稽留(けいりゅう)流産

子宮内で胎児は死亡してしまっているものの、そのまま子宮内にとどまっている状態で、ママに自覚症状がない流産のことをいいます。この稽留流産の場合は、何の兆候も見られずに起こることもあり、超音波検査で流産と診断されることが多いようです。

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切迫流産

切迫流産は、胎児が死亡するいわゆる「流産」ではなく、「流産になりかけている」という状態です。 不正出血や下腹部痛の自覚症状がありますが、妊娠の早期では自覚症状がないことも多いようです。赤ちゃんがお腹の中から産まれてきて生きることができるのは、妊娠22週以降とされています。切迫流産を経て、妊娠22週までに胎児が母胎から出てしまうと、流産になります。

進行流産

子宮口が開いてしまい、赤ちゃんや胎盤のもとになる組織などが、まさに流れ出ている状態のことをいいます。この段階になってしまうと、もう流産を食い止めることはできません。

不全流産

進行流産が進行し、赤ちゃんや胎盤のもととなる組織などの一部が流れ出ているものの、まだ子宮内に残っている組織がある状態の流産のことをいいます。

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完全流産

不全流産がさらに進行し、赤ちゃんも胎盤のもととなる組織などもすべて外に出てしまっている状態の流産のことをいいます。出血はまだ続いていることもありますが、時間と共に自然と止まります。

心拍確認後の流産の確率は?

すべての妊娠のうち、10~15%の確率で流産(切迫流産以外の進行を止められないもの)は起こるといわれています。このうち、もっとも多いのが心拍確認前の流産です。心拍確認後は流産の可能性はぐっと下がり、およそ3~5%ほどになるとされています。

心拍確認後は流産の確率が低くなるとはいえ、まったく起こらなくなるというわけではありません。心拍確認がとれたからと油断せず、流産の兆候を気にかけることも大切です。

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心拍確認後の流産の兆候

つわりがなくなる

もしもつわりの症状が急になくなったという場合は流産の兆候である可能性があります。ただ流産をしても胎盤などの組織が残っているため、身体が妊娠を継続していると判断して、つわりが続くこともあります。

そのため、つわりの症状が出ていれば流産の心配はないとは限らないので、気になる兆候が現れたらすぐに医師に相談するようにしましょう。

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出血(茶褐色や鮮血)

出血があった場合も、流産を疑うようにしましょう。流産に関係なく、妊娠の継続に問題のない不正出血も妊娠初期には起こりやすいものです。ただ流産や異常妊娠の兆候であるかもしませんので、かならず自分で「大丈夫」と判断せずに、病院へ行くようにしてくださいね。

心拍確認がとれていると安心してしまうかもしれませんが、少量の出血でも流産の兆候かもしれないと疑うようにしましょう。

胸の張りがなくなる

妊娠初期症状のひとつとして、胸の張りを感じる妊婦さんも少なくありません。そんな胸の張りが、急になくなったときも流産の兆候かもしれません。胸の張りが気にならなくなる時期は、一般的にはつわりが終わるころといわれています。そのため、心拍確認が取れた後も胸の張りは続くことが多いといえます。急に胸の張りがなくなったら、注意が必要です。

腰痛

妊娠初期のホルモンバランスの変化によって、腰痛を感じる妊婦さんは多いです。ただ、生理のときに感じるような腰痛だったり、激痛を伴ったりするときには、流産の恐れがあります。我慢できないほどの痛みを感じるときは、「こんなものなのかな」と我慢せずに、病院へ向かうようにしましょう。

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腹痛(生理痛や陣痛)

妊娠初期の流産の兆候として、多くの妊婦さんが経験しているのが腹痛です。流産のときには、出産時の陣痛と同じように断続的な腹痛が起こることもあります。生理痛や陣痛と同じような痛みを感じたときには、すぐに病院へ向かい、適切な処置を受けるようにしましょう。

そのまま我慢して耐えてしまうことによって、結果的に流産となってしまう可能性もあります。心拍確認後でも、腹痛を感じたらすぐに病院へ相談するようにしましょう。

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心拍確認後の流産の原因

心拍確認後の流産の原因は自分にあるのではないかと、自らを責めてしまうママも少なくありません。妊娠に気がつく前の飲酒や薬の服用、運動や仕事などが原因だったのではと、思い詰めてしまうことも。

ただ、妊娠初期の流産は「染色体異常」などの胎児がわの原因であることがほとんどです。心拍確認後だからといって、母体がわに原因がある可能性が格段に高くなるということもありません。心拍確認後の流産は精神的なショックが大きいものですが、あまり自分を責めないようにしてください。

流産の経験後に妊娠・出産した人も多い

一度流産を経験してしまうと、また妊娠しても流産をしてしまうのではないかと思い、妊娠自体に不安を感じてしまうことも少なくありません。しかし、流産を経験したからといって、その後子どもを望めなくなるというわけではありません。厚生労働省の調査によると、妊娠したことのある女性の約15%は流産を経験したことがあるのだそうです。

また、流産を繰り返してしまうと、精神的に追い詰められて妊娠を諦めてしまう人も少なくないようです。2回、3回と流産が続くようであれば、習慣性流産の可能性を考えて医師の診察を受けるようにしましょう。 習慣性流産であっても、きちんと治療を続けていけば、元気な赤ちゃんを出産できる可能性はあります。

流産した直後はなかなか治療のことは考えられないかもしれませんが、まだ次の可能性があることを心にとどめておいてくださいね。

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