妊娠中絶後の生理はいつから?中絶後の過ごし方と後遺症、妊娠への影響
さまざまな事情から、やむをえず妊娠中絶を選択した人も少なくありません。妊娠中絶後の生理は、いつ頃から再開するのでしょうか。また、中絶後の過ごし方や後遺症、次の妊娠への影響はあるのでしょうか。人にはなかなか聞けない妊娠中絶の影響に関して、医師監修の記事で解説します。
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この記事の監修
目次
妊娠中絶手術のできる期間
妊娠21週6日まで
中絶手術を行うことができる期間は、妊娠22週未満である妊娠21週6日までとなります。
それ以降の中絶は、母体へのリスクや法的な問題から行うことはできません。
中絶手術を行うことができる病院は限られていて、母体保護法指定医師の資格を持っている医師がいる病院で受けることができます。
妊娠週数が進むほど母体への負担が大きい
妊娠週数が進むほど、母体への負担は大きくなります。腕の良い医師が担当しても、中絶後に子宮に傷がついてしまったり、子宮内容物が体内に残ってしまうなど、さまざまなリスクを伴うことは覚悟しなければいけません。身体的な負担だけではなく、中絶後の精神的なダメージも受けやすいため、注意が必要です。
妊娠中絶手術の方法
掻把(そうは)法
掻把法は、スプーンのような器具で赤ちゃんや子宮内容物を掻き出す方法です。麻酔を使用するので痛みはほとんどなく、手術時間も5分~10分程度で終了します。
吸引法
吸引法は、掃除機のような器具を子宮内に入れ、赤ちゃんや子宮内容物を吸い出す方法です。
掻把法と同じく麻酔を使用し、手術も早く終わり日帰りで行われます。
中期中絶手術
妊娠12週を過ぎると妊娠中期になり、赤ちゃんが成長していることから、掻把法や吸引法で中絶することができなくなります。中期の中絶手術は、人工的に陣痛を誘発し流産を起こす方法をとり、出産と同じ形で中絶を行い、2~3日の入院が必要になります。病院によっては、麻酔を使用する無痛手術が行われることもあります。
妊娠中絶後の症状
継続的な痛み
中絶後は継続的な痛みが続きます。中絶後の痛みには個人差があり、重い生理痛に似た痛みや、ほとんど痛みを感じなかったという人もいます。あまりに強い痛みや、いつまで経っても痛みが治まらないときは合併症などの疑いもあります。痛みがつらいときは我慢しすぎず、病院を受診するようにしましょう。
出血
中絶後の7日~10日間ほどは子宮から出血があります。日が経つにつれて出血の量も減少していきますが、痛みと同じく出血の量が多かったり、だらだらと出血が続く場合は病院を受診しましょう。
妊娠中絶後の過ごし方
当日は安静に
中絶手術の当日は安静にして、激しい運動などは控えるようにしましょう。翌日からは通常通り生活できますが、立ち仕事などは傷口が開く可能性もあるため、術後の経過が良くなるまでは様子を見ましょう。
出血があるうちはお風呂はシャワーで済ませる
中絶後の出血が続く間は感染症を防ぐため、入浴は避けましょう。お風呂はシャワーで済ませて、体を清潔に保つことが大切です。出血が止まれば通常通り入浴しても問題ありませんが、術後の1~2週間程度は浴槽に浸かるのを控えましょう。
妊娠中絶後の生理とセックスはいつから?
生理は1ヶ月~1ヶ月半後から
中絶後の生理は1ヶ月~1ヶ月半後に始まることが多いようです。自然に生理が起こるまでは体を安静にし、セックスは控えるようにしましょう。2ヶ月経っても生理がこない場合は、病院を受診しましょう。
セックスは生理がきてから
中絶後に出血が完全に止まればセックスすることも可能ですが、生理がくるまではセックスを控えましょう。術後に避妊をせず、再び妊娠してしまうケースも少なくないので、望まないのであれば避妊はきっちりすることが重要です。
妊娠中絶後の後遺症
中絶後遺症候群
中絶後遺症候群とは、中絶手術によって精神的なダメージからさまざまな症状を発症することの総称です。症状は人によってさまざまですが、中絶したショックから攻撃的になったり、悪夢を見たり、自我を保てずに精神が不安定になってしまいます。不眠などの症状に繋がりやすいので注意が必要です。
うつ病
妊娠中絶手術を行った女性で、うつ病を発症するケースは珍しくありません。何をしても気分が沈む、食欲がない、自殺願望などが挙げられ、重症化すると命にかかわる危険性があります。赤ちゃんを産んであげられなかったという後悔の念が、うつ病に繋がることが多いようです。心療内科やカウンセラーに相談するなど、適切な対応をすることが重要です。
パニック障害
パニック障害は、精神的なダメージによって体に起こる症状のことを指します。突然のめまいや激しい動悸、ふるえや息苦しさなど、中絶がトラウマ化しパニック障害を発症することがあるようです。
合併症
精神が不安定になることから、中絶後はさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。精神的ストレスが強ければ強いほど合併症はつらいものとなるため、中絶後の心のケアはとても大切になります。
中絶後、妊娠への影響は?
妊娠中絶後も妊娠することは十分可能です。ただし、妊娠中絶によって子宮内が傷ついている場合は、通常の女性に比べて妊娠できる確率が低くなる傾向があります。子宮内に傷があると、場合によっては不妊症になる可能性もゼロではないため、術後のアフターケアがとても重要になります。
まとめ
妊娠中絶後は肉体的にも精神的にもダメージが大きく、さまざまな症状を発症する可能性があります。できるだけ安静に過ごしながら気持ちを整理して、中絶後のアフターケアをしっかり行うようにしましょう。また、中絶にはさまざまなリスクもあるので、その可能性も理解して受けるようにしましょう。