化学流産とは?原因や症状、生理との違いは?腹痛や出血、基礎体温の変化はあるの?

化学流産(生化学的妊娠)とは、妊娠検査薬で陽性が出たのに、その後の超音波検査で胎嚢が確認できず、妊娠が成立しなかったことをいいます。生理のような出血がある以外は、自覚症状がないのが特徴です。ここでは化学流産の原因や症状、化学流産後は妊娠しやすいかについても解説していきます。

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この記事の監修

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産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 化学流産とは?原因は?
  2. 化学流産と生理の違いは?
  3. 化学流産の症状
  4. 化学流産時につわりや吐き気はあるの?
  5. 化学流産後の変化は?
  6. 化学流産後は妊娠しやすい?
  7. 化学流産は気づかないことも
  8. あわせて読みたい

化学流産とは?原因は?

化学流産(化学的流産)は、妊娠検査薬でhCGが検出され、陽性の診断があったにもかかわらず、超音波検査で胎嚢などが確認できない状態です。つまり、受精はしたけれども着床が継続せず、妊娠成立しなかったものをさします。

生化学的には妊娠していたため「生化学的妊娠」と呼ばれることもあります。化学流産は日本産科婦人科学会の定義上は流産ではなく、流産回数にも含まれません。化学流産の原因は明確になってはいませんが、ほとんどのケースが受精卵の染色体異常によるものだといわれています。

もともと、受精卵の半数近くに染色体異常がありますが、そのうち約半数が着床するといわれています。受精卵全体でみると25%が着床することになります。着床した染色体異常がある25%の受精卵のうち、10%が化学流産となり、15%は妊娠継続後に流産や子宮内胎児死亡という結果を迎えます。(※1)

受精卵の染色体異常は、誰にでも一定の割合で起こるので、化学流産を防ぐことは難しいといえるでしょう。化学流産は定義上「流産」とはなりませんが、一般的な流産における染色体検査では、約60%に染色体異常が認められ、年齢が上がるとともに頻度も上がると報告されています。(※2)

化学流産と生理の違いは?

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化学流産の場合、妊娠が成立しなかった受精卵は経血と一緒に排出されるため、生理が来たと勘違いしたまま気づかない人も多いようです。妊娠が成立する前なので、妊娠の兆候もほとんどないのが一般的です。

生理との違いは、尿中にhCGの反応があったかどうかです。hCGは妊娠している女性だけが分泌するホルモンです。妊娠検査薬に陽性が出たときや、病院の尿検査でhCGが50Ul以上検出されたときに、着床したことが判明します。

その後、胎嚢が確認できず、妊娠継続とならなかった場合に化学流産となります。出血の時期も違いのひとつです。個人差はありますが、化学流産では生理予定日よりも1~2週間ほど遅れて不正出血することが多いようです。生理不順の人は生理が遅れることも多いので、出血の時期だけでは化学流産と断定できないかもしれません。

化学流産の症状

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腹痛

一般的な流産とは違い、化学流産の場合は痛みをほとんど感じないといわれています。不正出血が起こる際、生理痛のような腹痛が続くこともあるようです。いつまで腹痛が続くのかについては個人差がありますが、多くの場合は生理時のように3~7日程度で落ち着くようです。

出血

化学流産では、生理のような出血が起こるのが一般的です。妊娠が成立せず、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて、受精卵や経血と一緒に排出されます。出血量や血の色は生理と同じく個人差があります。

鮮血が出ることもありますし、血の塊のようなものが出ることもあるようです。人によっては、おりもの程度で終わることもあります。基本的には特別な処置などは必要なく、そのまま経過を見ます。

不正出血は、化学流産以外に着床や子宮外妊娠(異所性妊娠)などによっても起こります。血がナプキンからあふれるほど大量に出たり、10日以上止まらなかったりする場合は何らかの病気の可能性もあるので、病院で診てもらいましょう。

出血なしの場合も

化学流産では、出血がほとんどない場合や、血の量が非常に少ない場合もあります。フライングの妊娠検査で陽性が出て、とくに身体の変化や出血がないまま胎嚢が確認できなかったというケースもあるようです。化学流産は兆候があるわけではなく、人によって症状もさまざまですから、自覚することは難しいといえるでしょう。

化学流産時につわりや吐き気はあるの?

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化学流産は、胎嚢を確認する前の妊娠3~5週の「妊娠超初期」とよばれる時期に起こります。妊娠3週頃に受精卵が着床すると、早い人ではつわりや吐き気などの症状が起こることもあります。

身体がだるくなったり、眠くなったりするのも、妊娠超初期に見られる症状です。生理前の症状ともよく似ているので、判別するのが難しいかもしれません。つわりや吐き気などの症状は個人差があり、まったく普段と変わらないままの人もいるようです。

化学流産後の変化は?

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妊娠検査薬

化学流産後、妊娠検査薬の反応がいつまで陽性なのか気になる人もいるかもしれません。陽性になる期間には、個人差があります。出血が止まってすぐに陰性となることもありますし、しばらく陽性反応を示す薄い線が出ることもあるようです。あまりにも長いあいだ陽性反応が続く場合は、化学流産ではなく子宮外妊娠の可能性があります。医師に相談してみると良いでしょう。

基礎体温

基礎体温は排卵期を境に高温期に入り、妊娠後はそのまま高温期が持続します。化学流産後は、基礎体温が下がるのが一般的です。基礎体温がずっと下がらない場合は、子宮外妊娠などの可能性があるので病院で診てもらったほうが良いでしょう。体調の変化や排卵の有無を予測するためにも、基礎体温のグラフは習慣的に付けておいたほうが安心ですよ。

生理

化学流産では、生理のような出血が起こります。妊娠のために厚くなった子宮内膜がはがれ、受精卵と一緒に排出されるので、生理が普段より重く、長い場合があります。

その後、普段の月経周期に戻っていきますが、ホルモンバランスの変化などで、周期が乱れることがあります。いつ次の生理が来るのかは個人差がありますが、大幅に遅れることもあるようです。生理の前に排卵が起こることもありますから、避妊を考えているときは注意しましょう。

化学流産後は妊娠しやすい?

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化学流産は定義上は流産ではありません。3回以上連続で流産を繰り返す「習慣流産」にはカウントされず、不育症にも含まれません。化学流産後は経過観察のみで、手術や不妊治療を受ける必要がないことがほとんどです。

化学流産後は妊娠しやすいという噂に医学的な根拠はありませんが、受精卵が着床したということは妊娠できる可能性がある証拠であり、大きな一歩ともいえます。次の妊娠に期間を空ける必要もないので、基礎体温表や排卵検査薬などで排卵日を予測しておくのも良いでしょう。

化学流産は気づかないことも

化学流産は、妊娠検査薬などで陽性が出たにもかかわらず、妊娠5週を過ぎても胎嚢が確認できないことをいいます。妊娠が成立しなかった状態ですが、ママにとっては大きな喪失感があるかもしれません。

症状としては生理のような出血があるだけなので、化学流産に気づかない人も多くいます。化学流産は特別な処置などは必要なく、すぐに妊活を始めることも可能です。訪れてくれた命に感謝しながら、気持ちを少しずつでも切り替えていけると良いですね。

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