妊娠検査薬で陽性反応後に出血!生理がきた?着床出血?見分け方や原因について

妊娠検査薬での陽性反応後に出血の経験をする人が、以外と多い事実をご存知でしょうか。妊娠したかもしれない状況で出血があると、流産したのかととても不安になりますよね。ここでは、陽性反応からの出血にはどのような原因があるのか、またその対応方法について解説します。

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この記事の監修

寺師 恵子
産婦人科医
寺師 恵子

目次

  1. 妊娠検査薬での陽性反応後に起こる出血の原因
  2. 出血した場合の対応方法
  3. 出血したら受診が基本。大丈夫な出血はありません。
  4. あわせて読みたい

妊娠検査薬での陽性反応後に起こる出血の原因

妊娠検査薬で陽性反応が出たら、妊娠したかもしれないと誰しもが考え、そのときは赤ちゃんができた喜びや驚きでいっぱいになります。そのため、陽性反応後に出血があれば、誰でも驚いたり不安になったりしますよね。出血があったら、どのようなことが原因の出血なのかを見分けるために、出血のタイミングや量などをチェックしてみましょう。

生理の場合の見分け方

月経予定日当日から検査できる「早期妊娠検査薬」で検査をして陽性が出たのに、翌日に生理がきたという方がいます。しかし、現在の妊娠検査薬は精度が高いので、陽性反応が出たら99%の確率で妊娠しているようです。妊娠をしたら生理は来ません。いつもの生理のような出血がある場合は、化学流産と呼ばれるものかもしれません。

妊娠検査薬で検査する前に出血していれば確認しようがないので、生理となるでしょう。また生理と化学流産は、基礎体温が低音期に入ってから約1~2日後に出血が起こるという点で同じ経過をたどるようです。そのため、生理と化学流産を見分けるのは難しいといわれています。

化学流産の場合の見分け方

化学流産の場合、妊娠6週までに起こります。自覚症状はほとんどなく、出血量や期間はいつもの生理と変わりありません。昔は「今月の生理は少し遅れたな」と思う程度で、流産したと気づかないことが多かったようです。現在では妊娠検査薬の発達によって、受精した段階で妊娠がわかることもあり、化学流産に気づくことが多くなりました。

化学流産はいつもの生理と本当に変わりがないので、扱いは生理となります。医学的にも流産とはカウントしません。しかし、すでに妊娠初期症状があった方にとっては「急につわりがなくなった」「胸の張りがなくなった」「基礎体温が下がった」など、症状がなくなったと感じる方も多いようです。すでに妊婦健診を受けている方は、生理のような出血があったら早めに産婦人科を受診しましょう。

着床出血の場合の見分け方

着床出血は、生理開始予定日の1週間前〜数日前のあいだに起こります。早期妊娠検査薬でフライング検査を行い、陽性反応が出た後に出血した場合は、着床出血が疑われます。通常の妊娠検査薬でフライング検査をしても、生理開始予定日1週間前だと、たとえ妊娠していたとしても正常な反応が得られないからです。

受精卵が子宮に着床するときに絨毛が子宮壁を傷つけることがあり、このときに軽い出血を伴うことがあります。着床出血は50人にひとりの確率といわれていますので、誰しもが経験することではありません。

着床出血は、おりものに色が混ざっている程度だったり、生理と同じような出血が見られたりと出血量は人それぞれなので、見極めが難しいかもしれません。しかし、生理か着床出血なのかは、基礎体温から知ることができます。生理であれば、基礎体温が下がっています。妊娠が成立すると高温期が2週以上続くので、出血があったら基礎体温を測ってみましょう。

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妊娠初期の不正出血の場合の見分け方

妊娠初期には、ピンク色のおりものが出る、鮮血が少量出る、茶色や色の混じったおりものが長く出続ける、といった出血が見られることがあります。妊娠初期の出血すべてに共通しているのは「少量」であるということです。

妊娠後、胎盤には十分な栄養を送るために血液量が増えますが、子宮の状態が未完成であるため、わずかな刺激や傷でも出血しやすくなります。妊娠初期に出血したからといって、すぐに流産するというわけではありません。出血したら安静にし、出血が止まれば心配ないでしょう。

ただし、強い腹部の痛みがある場合やつわりの症状が重くなった、出血量が急に多くなった、などの場合には他の原因が考えられるので、すぐに病院を受診しましょう。

絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)の見分け方

絨毛膜下血腫は、妊娠5週〜20週頃に見らる出血です。切迫流産の症状のひとつで、子宮を包む絨毛膜という膜の外側に血液がたまっている状態です。妊娠初期に、茶色の少量の出血が見られるのが特徴です。

出血量が多いほど症状は重くなり、腹痛やお腹の張りが現れることもあります。すぐに流産につながることはありませんが、血腫が大きくなってしまうと流産につながってしまう場合があるので、出血が続く場合は気をつけましょう。

出血した場合の対応方法

出血した場合は、あわてないことが大切です。安静にして様子をみながら、産院に連絡を入れましょう。しかし、夜間で産院に連絡がつかない場合はどうすれば良いのか、出血量や腹部痛などから判断できる病院を受診する目安を解説します。

まずは生理2日目の出血量と腹痛とを比べてみる

出血量が多いか少ないか、腹部痛が強いか弱いかは、生理2日目の出血量と腹痛で判断します。普段、生理痛がなく生理が軽い人もいれば、逆に生理痛がひどかったり出血量が多かったりする人もいます。しかし、あくまでも基準は自分です。他人と比べたり、一般的に考えたりせず、普段の自分の生理時の様子と比べてみることが大切です。

妊娠12 週までの早期流産は、診療時間内での受診

普段の生理のような出血が見られ、お腹もぎゅーっと生理痛のような痛みがあり、産院と連絡がとりにくい夜中の場合、気持ちが焦ってパニックになってしまうかもしれません。しかし、12週までの流産には、薬も安静も効果がないと言う医者もおり、ただ推移を見守ることしかできません。

とりあえず気持ちを落ち着かせて安静にし、次の日の診療時間内に病院で診てもらうようにしましょう。

強い腹痛に襲われたらすぐに受診を

立てないほどの腹部の痛みを感じた場合は、子宮外妊娠による大量出血の可能性が考えられます。キリキリと差し込むような痛みであったり、下腹部から肛門にかけて鋭い痛みを感じたりする人も多いようです。このような場合は、すぐに救急車を要請して受診するようにしてください。躊躇する必要はありません。

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出血したら受診が基本。大丈夫な出血はありません。

出血はすぐに流産につながる危険なものから、妊娠中の生理的なものまで、さまざまな原因で起こります。「この出血は大丈夫」と、自己判断することだけはやめましょう。出血に「大丈夫」はありません。出血をしているという状況は、何かが起こっているという証拠です。出血をしたら、病院へ連絡したり、受診したりすることが基本になります。

胎嚢の成長や赤ちゃんの心拍が確認できて、初めて医師が「大丈夫」という診断を下します。無事に元気な赤ちゃんを産むためにも、「こんな少しの出血で受診して良いのだろうか」とためらわず、主治医に何でも相談してみましょう。

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