化学流産後は妊娠しやすい?生理がすぐにこない場合は?排卵のタイミング、妊娠率、妊娠検査薬の反応について
化学流産とは、妊娠検査薬では陽性反応が出ているのに、超音波検査で胎嚢が確認できなかった状態を指します。化学流産後は生理のような出血が見られることが多いですが、特別な処置は必要ありません。妊活は、排卵が起こればすぐにトライすることが可能です。ここでは化学流産後の妊娠率や生理・排卵のタイミングを解説していきます。
本ページはプロモーションが含まれています
この記事の監修
目次
化学流産後の症状は?
化学流産(化学的流産)は、hCGを検出する尿検査などで妊娠反応は出たものの、病院の超音波検査で胎嚢を確認する前に流産してしまった状態をいいます。受精した卵子がいったん着床しても、妊娠が継続しなかったときに起こります。受精卵の染色体異常が原因であることがほとんどです。
生化学的には妊娠という診断となるために「生化学的妊娠」ともよばれます。妊娠検査薬の使用が一般的になるまでは、ほとんどの人が気づかなかった病態といえますね。体外受精では、受精卵を子宮内に戻した後の検査で判明することもあるようです。
出血
化学流産が起こると、妊娠に備えて厚くなっていた子宮内膜が剥がれ落ちます。子宮内膜は血液とともに体外に押し出されるため、腟からの出血が起こるのが一般的です。
自然流産は出血量が多いといわれていますが、化学流産では生理程度の出血が一般的です。しかし出血の量や色は個人差が大きく、大量の鮮血が出ることもありますし、どろっとした血の塊が出ることもあります。
腹痛
一般的な流産の兆候とは違い、化学流産では強い腹痛を伴うことは少ないといわれています。出血するときに生理痛と似た鈍痛や、下腹部のチクチクとした痛みを感じることもあります。
化学流産の際には、妊娠が継続しなくなったため剥がれた子宮内膜が、子宮の収縮によって外に押し出されます。生理のときも同様ですね。この子宮収縮を引き起こす「プロスタグランジン」というホルモンが、下腹部痛や腰痛の一因となります。
化学流産後の妊娠検査薬の反応は?
一般的に、化学流産後は妊娠検査薬の反応は陰性となります。妊娠検査薬は、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンの値を測定して、陽性・陰性の結果を出します。
hCGは受精卵が着床した後、胎盤となる部分から分泌されます。化学流産後は受精卵も胎盤となる部分も排出されるため、hCGも検知されなくなるのが一般的です。ただし、不妊治療などでhCG注射をしている場合、妊娠反応が出ることもあるので注意が必要です。
化学流産と診断された後も、ずっと陽性反応が続くようであれば、子宮外妊娠(異所性妊娠)なども考えられます。担当の医師に相談してみましょう。
化学流産後の基礎体温の変化は?
基礎体温は、低温期と高温期の二層にわかれています。排卵期を境に高温期に入り、妊娠するとそのまま高温期が継続します。化学流産後は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が減り、体温も徐々に下がってきます。次の排卵が起こればまた高温期となるのが一般的です。
しかし、流産後は基礎体温が安定しないことも多いようです。高い日と低い日を繰り返して二層にわかれなかったり、グラフががたがたになったりする場合もあります。ずっと体温が下がらない場合は、病気や子宮外妊娠などの可能性もあるので、病院で診てもらうと良いでしょう。
化学流産後は妊娠しやすい?いつから妊活できる?
化学流産後は妊娠しやすいという医学的な根拠はありません。しかし、受精や着床があったことそのものは、次の妊娠に希望を持たせてくれる事実のひとつかもしれませんね。化学流産の有無は妊娠率には影響しませんから、思いつめずに次の妊活のタイミングを待ちましょう。
化学流産後はいつから妊娠が可能なのでしょうか。化学流産後の身体への影響はないことがほとんどなので、次の排卵が起こればすぐにでも妊娠は可能といわれています。しかし、出血が続いているあいだは無理をせず、性交は避けたほうが良いでしょう。
化学流産後の排卵のタイミングはいつ?
生理周期がきっちり28日の人の場合、排卵期は生理開始から約2週間後です。ただし、化学流産後は生理周期が安定しないことも多く、排卵日の予測は難しいかもしれません。排卵の時期を知るには以下のような方法があります。
・排卵痛
・基礎体温表
・排卵検査薬
排卵の時期に下腹部が痛くなる排卵痛は、個人差が大きく、感じない人も多いようですね。基礎体温は排卵を境に高温期に入ります。排卵検査薬は、排卵前に大量分泌される「LH(黄体形成ホルモン)」を検知するため、精度が高い方法といえるでしょう。
生理が始まる前に排卵が起こる場合もありますから、避妊を考えている人は注意しましょう。また、生理があっても排卵しない「無排卵月経」の場合もあります。気になる症状があるときは病院で相談してみましょう。
化学流産後の生理はすぐにこない?
化学流産後はホルモンバランスのみだれやストレスから、生理周期がみだれることも多いといわれています。生理周期が少し早い程度であれば問題ありませんが、大幅に遅れるようであったり、2ヶ月経っても来なかったりする場合は医師に診てもらったほうが良いでしょう。
化学流産後の生理・生理痛の変化は?
化学流産の後、経血量や生理痛、生理周期に変化があることも多いようです。生化学的妊娠によってホルモンのバランスが変化したり、流産後のストレスで自律神経がみだれたりすることが、原因のひとつと考えられます。
経血の量は普段より多かったり、血の塊が出たりすることもあります。反対に流産後の生理痛が軽くなったり、経血量が少なくなったりする人もいるようです。生理不順が続くときは、妊活にも影響するので、早めに産婦人科を受診しましょう。
化学流産後に妊娠継続している可能性はある?
化学流産は明確な症状がないため、診断しにくい症例ともいえます。超音波検査で妊娠4~5週頃に胎嚢が確認できなかった場合に「化学流産かもしれない」と医師から言われることがあるかもしれません。
しかし、胎嚢が確認できる時期は個人差があるため、妊娠6~7週頃になって胎嚢が見える場合もあります。胎嚢が確認できて、その後心拍の確認ができれば、化学流産ではなく妊娠がしっかり継続していることになりますね。
医師から化学流産と診断された後でも、妊娠症状が続いたり、妊娠検査薬で陽性が続いていたりするときは、子宮外妊娠の可能性があります。子宮外妊娠の場合、出血や腹痛が起こる可能性もあります。早めに医師に処置をしてもらいましょう。
化学流産が繰り返し起こっている場合は?
流産を3回以上繰り返した場合は習慣流産(不育症)とよばれ、ママやパパに何らかの疾患がある可能性があります。不育症の場合、流産を繰り返す原因を探し、原因によっては体外受精などの不妊治療をすすめられることがあります。
化学流産は日本産科婦人科学会の定義上、流産の回数には含めません。そのため、化学流産が繰り返し起こっても、明確な治療方針は現状ありません。しかし、着床障害が化学流産の原因と見られる場合、卵巣機能や子宮奇形などの問題が考えられ、不妊治療を提案されることがあります。
流産は受精卵の染色体異常が原因であることが多いですが、染色体異常が起こる確率には年齢が影響しています。ママが高齢であればあるほど、卵子の染色体異常の割合が大きくなるため、流産の確率も高くなります。
化学流産の後も妊活は可能
化学流産は妊娠検査薬などで陽性が出たにもかかわらず、その後の超音波検査で胎嚢が確認できなかった状態です。軽い出血以外の自覚症状はほとんどなく、遅れた生理と勘違いする人も多いようです。化学流産は医学的な定義上は流産とはみなされていません。排卵が起これば次の妊娠を目指すことも可能です。ママは心を落ち着けて、次の妊活にむけて基礎体温をつけたり、排卵の時期を予測したりと、できることを始めてみましょう。