【産婦人科医監修】つわりの始まりはどんな感じ?時期や始まり方と体験談
妊娠が判明した後、つわりはどのように始まるのでしょうか。気持ちが悪いのか、においがつらいのかとなんとなくのイメージはあるものの、つわりが始まる時期や症状のあらわれ方は個人差があるためさまざまな観点でとらえておきたいものです。つわりの始まり方や症状、つわりの初期の過ごし方について体験談をもとに産婦人科医監修で解説します。
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この記事の監修
目次
つわりとは?いつから始まる?
つわりとは妊娠にともなって起こる生理現象で、その症状は吐き気や嘔吐、食欲不振といった消化器症状から、頭痛や倦怠感、味覚の変化、唾液量の増加など多岐にわたります。
5~6週頃から始まり、12~16週頃に自然と消失するのが一般的ですが、早いと妊娠が判明する4週頃からつわりが始まることもあるため、体調の変化で妊娠に気づくのもめずらしいことではありません。つわりがピークを迎えるのは平均して7~11週頃になりますが、そのころになって初めて遅いつわりの始まりを自覚するケースもあります。
また、つわりがあるのは全妊娠の50~80%で、20~50%はつわりがないと考えられます。22週以降もつわりが続く人がいるというデータもあります。このように個人差が大きいのもつわりの特徴です。つわりの始まりが平均的な時期とずれていても、心配しすぎないようにしてくださいね。
つわりはどんな風に始まる?症状は?
胃がムカムカしてげっぷが出る
つわりを体験した妊婦さんに多く見られるのが、胃のムカムカです。ご飯を食べすぎたわけではないのに、胃酸がこみ上げてくるような不快感があり、なんだかすっきりしません。こみ上げてくるようなげっぷが出て、嘔吐や吐き気につながることもあります。
空腹時に吐き気を感じる
朝目覚めたときや、食後しばらくたったときに吐き気を感じるようになるのもよく聞かれるつわりの初期症状のひとつです。始めは我慢できる程度の吐き気でも、一気に症状が進んで嘔吐が止まらなくなるといったケースもあります。
なんとなくだるくて眠気が続く
頭がボーっとしたり、胃が重い感じがしたりと、日中でも身体がだるく眠気が強く出るようなつわりもあります。症状が強いと「とにかく眠くて起きていられない」ということもありますが、「どうもやる気が出ないな」という程度の軽い場合では妊娠に気づかないこともあるようです。
においに敏感になる
食事の支度をしているときやお風呂に入っているときに、においに対して敏感になったと感じたら、つわりの可能性があります。つわりが始まると、これまで好ましいと感じていたにおいが苦手になってしまうことが多いのです。また、においがきっかけで嘔吐してしまうこともでてきます。
つわりの始まりに関する体験談
生理予定日前後からあらわれた兆候
筆者の月経周期は28日でほぼ定まっており、いつもは生理前になると無性にチョコレートが食べたくなります。ですが、一人目を妊娠したときは違いました。生理予定日前日に、とにかく貝類が食べたいという欲求にかられたのです。
その気持ちを抑えることができず、お昼時にスーパーの鮮魚売り場に行き、貝だけがパッケージされたパックを購入しました。さっそく開けて食べてみたところ、焦がれて買った貝なのに、ちっともおいしく感じません。むしろ気持ち悪さを感じるほど。もともとお刺身には目がないのに、どうしたことかと不思議に思いました。
翌日、生理予定日なのに生理が来ないので、妊娠の可能性を考えました。そこで、3日待って妊娠検査薬で調べてみることにしたのです。妊娠検査薬は、生理予定日後1週間が経たないと正確な結果が得られません。しかし結果は見事な陽性反応でした。大好きなお刺身がおいしく感じなかった理由は、妊娠ではないかと思っています。
4週頃につわりがスタート
妊娠検査薬で陽性反応が出た翌日から、食べ物がおいしくない印象を受けました。味がのっぺりとして、うまみを感じません。とはいえまだ吐き気を感じるほどではなく、食事はできる状態です。
妊娠したことで、身体の中だけではなく気持ちのうえでもなにかが変化したのでしょう。味覚の変化はつわりの症状のひとつではありますが、このときは気持ちの部分から発した部分が大きかったかもしれません。
5週頃は気にならない程度の吐き気
5週になってすぐに近くの産婦人科で受診しました。本当に小さな胎嚢が確認できましたが、受診したのが早すぎたようで心拍はまだ確認できません。1週間後に改めて受診することになりました。
このころから少しずつ、胃が重くなるような吐き気を覚えました。食事への意欲が減退し、徐々に体調が変化していきます。毎日少しずつ苦手なにおいが増え、つわりをはっきりと意識するようになった時期でした。
6週頃からあらゆるにおいと食べ物に反応
6週になると、ついに吐き気から嘔吐へと症状が進展しました。1度嘔吐したことをきっかけに、つわりの症状がいっきに押し寄せてきた感じです。
ご飯が炊けるにおい、肉や魚といった生もののにおい、果ては部屋のドアが開いて空気が入れ替わった温度の変化にも反応するようになりました。一人目妊娠時の、つらいつわりの日々のはじまりです。
二人目妊娠時は軽い症状が継続
つらくてつらくて、しんどかった一人目のつわりですが、二人目の妊娠時はまったく違う経過でした。一人目でつらいつわりを経験したので「二人目も同じになったらいやだな」と感じていましたが、思っていたよりも軽く済んだのです。
疲れがたまると嘔吐してしまい、「これからもっと症状が強くなるかもしれない」と疑心暗鬼になることもありましたが、おおむね症状は軽いままで維持され、結果的に二人目のつわり時期は、一人目のときの5週頃のような軽い吐き気がずっと続く程度で済みました。
つわりの体験談を探すと、二人目の方が軽かったというケースを目にします。一人目、二人目でつわり症状が変わらない人もいますが、筆者は二人目が軽いケースに該当したようです。
妊娠悪阻の始まりには注意しよう
妊娠悪阻(にんしんおそ)とはつわり症状が重症化したものです。つわりと妊娠悪阻を明確に区別するのは難しいですが、激しい嘔吐が一日中続き、脱水や代謝異常が起こると、血液が中性に保たれなくなったり体重減少が続いたりするため、治療が必要となります。
嘔吐が頻回で食べ物はもちろん、飲み物を受け付けられないときや、妊娠前と比べて体重が5%以上減少しているときは、次の妊婦健診を待たずに医師の診察を受けるようにしましょう。
つわりの始まりを乗り切るための過ごし方
手軽につまめる軽食を用意
お腹がすいたときの気持ち悪さを軽減するために、手軽につまめるおにぎりやクッキーなどの軽食を用意しておくと良いでしょう。寝る前に枕元に用意したり、外出時にバッグの中にいれておいたりすると重宝します。
苦手なにおいを遠ざける
食事のにおいがつらく感じるようなら、作り置きレシピを取り入れたり、レトルト食品を活用したりして調理回数を減らしてみましょう。マスクを使うのも効果が期待できます。石けんや洗剤を無香タイプに変えるのもおすすめです。
無理せず休憩をとる
疲れはつわり症状を悪化させる原因のひとつとなることがあります。疲れてきたなと思ったらできるだけ横になって、身体を休めましょう。つわりのことを意識しすぎないこともポイントです。趣味や仕事などの楽しみに集中することが、つわり症状を遠ざけることにつながります。
無理せず休んで症状にあわせた対策を
妊娠が判明すると、この先の妊娠生活や子育てについていろいろ考えることが増えますね。うれしい反面、どこか不安定に感じるところもあるかもしれません。そんな状態につわりの不調が加われば、しんどかったりイライラしたりすることも出てくることでしょう。
つわりの始まりは、身体の変化が大きい時期にやってきます。無理せず、手抜きをしたり家族に協力してもらったりして、できるだけ休みを取るように心がけたいですね。つわりの種類によって、症状を緩和する対策もいくつかあります。自分にあった対策や気分転換の方法をみつけて、つわりを乗り切っていけると良いですね。
※この記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。