つわりを軽減させる呼吸法とは?呼吸法とその他の軽減方法
妊娠中のつわりは一時期だけの症状とはいえとてもつらいものですが、呼吸法やその他の方法でつらい症状を軽減させることができます。少しでも楽になる方法を見つけて、つらいつわりの時期を乗り切りましょう。ここでは、つわりを軽減させる方法や呼吸方法について解説します。
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目次
つわりの原因は?
ホルモンの分泌
妊娠すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナトトロピン)というホルモンが急激に分泌され、血中に著しく増加します。妊娠検査キットは、尿中に排泄されたhCGを検知できるか否かで、妊娠しているかどうかを判断するのです。
ホルモンというのは、基本的にはバランスよく分泌されています。ホルモンバランスが保たれている状態だと、全身的に「体調が良い」と感じる状態です。しかし、妊娠などでひとつのホルモンだけが急激に増加すると、ホルモン全体のバランスが崩れます。その結果、「つわり」という状態が起こるのではないか、といわれています。
1種のアレルギー反応
妊娠初期はホルモンの急激な変化があったり、全身状態が通常の状態とはかなり変化したりします。女性の身体は妊娠・出産にあわせた作りになっていますが、自己免疫疾患といって、自分の体内のものを異物としてみなし、アレルギー反応を起こすことがあるようです。
つわりは、妊娠初期の受精卵を身体が自然に受けつけず異物と判断してしまうために、アレルギー反応として起こるのではないか、という仮説もあります。
自律神経の乱れ
妊娠することにより女性の身体は妊婦へ、そして母親としての役割を重視した機能に変化していきます。女性であれば母親となることが自然のように思えるかもしれませんが、身体的に大きな変化が起こり、精神的にも受け入れるのに覚悟が必要です。このような心身のバランスの変化によって自律神経が乱れ、つわりの症状を引き起こすのではないかといわれています。
妊娠を維持させるため
普段から家事や仕事で忙しい女性が妊娠したら、あまり身体を動かさずに、できるだけ身体を休めることができるように、つわりの症状が起こるという説もあります。つわりの時期を安静に過ごすことは、流産の予防のためでもあるようです。デトックスのように、体内の有害な成分を排除するために嘔吐が起こる、という説もあります。
ここであげたものは一説であり、つわりの原因はまだよくわかっていないのが現状です。
つわりの軽減に呼吸法が効果的?
つわり対策のひとつに「呼吸法」があります。つわりと聞いて思い浮かぶ症状というと、吐き気や嘔吐、食欲不振、気分不快、強い倦怠感などではないでしょうか。吐き気や嘔吐は、においで助長されることが多いようです。たとえば、ご飯の炊けるにおいや油のにおい、洗濯洗剤のにおいなど、普段ならおいしそう、良い香りと感じるものが妊娠すると突然不快になります。
しかし、においがつらくても食事を作らないわけにはいかず、洗濯もしなくてはいけません。そんなときに手軽にできるつわりを軽減させる方法として、呼吸法があります。呼吸法ならいつでも、とっさの吐き気にもすぐに対応できます。また、つわりだけでなく、乗り物酔いなどにも効果があるようです。
つわりを軽減させる呼吸法(1)
鼻から息を吸いこむ
鼻から大きく息を吸いこみます。深呼吸の要領で、胸を張ってお腹がふくらむように意識して吸いこみましょう。
息を止める
少しのあいだ息を止めます。このときあまりいきんでしまうと、子宮の収縮を誘ってしまうかもしれません。息を止めるのは1秒程度にし、軽く止めましょう。
口からゆっくりと息を吐きだす
吸いこんだ空気を今度はゆっくりと吐きだします。息を吸いこんでふくらんでいるお腹を少しずつしぼませるように、腹筋が動いていることを意識しながら、できるだけ時間をかけてゆっくりと吐きだしましょう。
つわりを軽減させる呼吸法(2)
鼻から5秒かけて吸う
5秒数えながら、鼻から息を吸います。慣れてきたら、吐き気が遠のくような感じをイメージしながら、5秒数えましょう。
口から10秒かけて息を吐きだす
10秒かけて口から息を吐きだします。時間を数えることで、子宮などに過大な負担をかけず、適度な呼吸法のタイミングがとれます。
腹式呼吸でつわりを軽減
横隔膜の上下運動
腹式呼吸とは、横隔膜を上下させ、吸うよりも吐くことに意識を集中して呼吸を行う方法で、リラックス効果が期待できる呼吸法です。つわりは腹筋や背筋、また精神的にも緊張するので全身がこわばります。腹式呼吸を行うことにより、つわりによって起こる緊張を緩和する効果を狙います。
いつでもどこでもできる呼吸法なので、つわりでつらく全身が緊張してしまうようなときには、腹式呼吸でリラックスしましょう。
腹式呼吸の方法
腹式呼吸では、呼吸とともにお腹が動くことを意識します。お腹が動いているということは、十分に横隔膜が下がっている状態になっており、肺の中に空気がしっかりと入っていることになります。腹式呼吸で大切なことは、時間をかけて吸った空気をゆっくりと吐くことです。誰でも吸うことは意識するのですが、吐くことはおざなりになりがちです。吐くこともよく意識して時間をかけて吐きだすことにより、精神的なデトックス効果が期待できます。
腹式呼吸の具体的な方法は、まず椅子に深く腰を掛け、背筋を伸ばして身体の力を抜きます。時間をかけて吸った空気を口を軽くすぼめてゆっくりと、なるべく長い時間をかけて吐いていきます。下腹部に力を入れお腹をへこませながら、全部の息を吐ききることを感じたら少し息を止めましょう。身体の力を抜き、鼻から自然に肺に空気が流れ込むのを感じます。これを何度か繰り返しましょう。
大切なことはお腹がふくらんでいることです。腹式呼吸のつもりでも、胸の上がふくらんでしまうのは胸式呼吸です。胸式呼吸はかえって緊張してしまうことになるので注意しましょう。
腹式呼吸でリラックス
腹式呼吸を自然にしてしまうときとは、どのようなときでしょうか。今いる場所の空気がきれいで、お腹いっぱい吸いこみたいようなときではないでしょうか。雨上がりのきれいな朝の空気、森林の中の澄んだひんやりとした空気、思い浮かべるだけで気分が良くなる感じがしますね。
気持ちの良いイメージをしながら腹式呼吸をすると、さらにリラックス効果は高まります。吐きだすときは、イライラや不安を一緒に吐きだすことをイメージしましょう。ゆっくりと深呼吸をすることで、緊張が解けていくのを感じることができますよ。
その他のつわりの軽減方法
食事対策
つわりの時期の食事は、「食べられるもの」を「食べたいとき(食べられるとき)」に「食べられる量」だけ食べる、というのが基本です。妊娠すると、赤ちゃんに必要な栄養素をしっかりと摂り、ママ自身も栄養をつけなくてはいけないと思うかもしれません。しかし、栄養のことを考えるのは、安定期に入ってつわりが軽減してからで十分です。
つわりの時期にあまり栄養を意識した食事にこだわると、さらに食事が不快になりかねません。ご飯のにおいが嫌ならパンやトウモロコシ、イモ類などで炭水化物を摂れば良く、酸っぱいものしか食べられないならそれだけでも大丈夫です。
ただし、脱水には気をつけなくてはならないので、水分はしっかりと意識して摂りましょう。水分はお茶や水など、甘くないものがベストです。もし水分もとれないようなら、産婦人科で対処してもらいましょう。妊娠中でもつわりの時期は、食事をがんばりすぎないことが大切です。つわりの時期が終わったら、少しずつ食事の内容や栄養を考え、コントロールしていきましょう。
つわりに効くツボ
つわりに効くツボはいくつかありますが、ツボ押しの効果に関しては個人差があります。人によっては気分が悪くなることもあるので、その場合はすぐに中断してください。また、薬を飲んでいる人は(特に血液をサラサラにする薬など)、事前にツボ押しをしてもよいかどうか医師に確認しましょう。
ツボ押しは、道具も使わず手軽に不調を解消できます。ツボを押すときは、気持ちの良い痛さぐらいの強度で押しましょう。つわりに効くツボは以下になります。
■内関(ないかん)=ストレス解消やお腹が張るとき
手首の付け根の中心から指で2~3本置いたところにあります。人によって場所が微妙に違うので、指を少しずつずらしながら、痛いけど気持ち良いと思う場所を探しましょう。
■裏内庭(うらないてい)=お腹の冷えや元気が出ないとき
足の人差し指を下に曲げた際に指の先端がつくところにあります。お腹が大きく、自分の足の裏を押すのが難しい場合は、パパに押してもらうと良いかもしれません。
■足三里穴(あしさんりけつ)=足がつったり、むくんだりするとき
足の三里のツボは、つわりの他にもこむら返りやむくみに効果があります。膝から指4本分ほど下がった部分の外側がツボです。ツボを押すときは、しっかりと強めに押しましょう。
全身の緊張をほぐす呼吸法でつわりの症状を和らげましょう
待望の赤ちゃんがお腹に宿る気持ちは、喜びに満ちあふれているものです。しかしつわりなどの不快症状があると、妊娠を喜び、楽しく感じられないときがあります。身体に不調があるときは、たいていは全身が緊張しているものです。緊張をほぐすためにも呼吸法を取り入れ、つらいつわりの時期もできるだけリラックスできるように心がけましょう。
呼吸法は、妊娠中以外でもイライラや不調を緩和するのに役立ちます。全身が緊張してきたなと思ったらぜひ試してみてくださいね。