よだれつわりはいつまで?原因と対策を解説!ツボや漢方は有効?
つわりの症状は人によってさまざまです。吐き気が続く人、頭痛や腹痛に悩まされる人、げっぷが止まらない人もいます。なかでも、口内に唾液があふれ吐き出さないと気持ちが悪くなるというケースを「よだれつわり」とよびます。ここではよだれつわりの時期や原因、今日からできる改善策を解説します。
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目次
よだれつわりとは
つわりとは、吐き気や嘔吐、食欲不振、食べ物の好みの変化などが妊娠中に一時的に現れる症状を言います。医学的なメカニズムはまだ明らかになっていませんが、急激なホルモン変化や環境がかわることによるストレスなどが関係しているといわれています。
つわりの症状のひとつに、妊娠前より唾液の分泌が多くなるというものもあります。「よだれつわり」ともよばれ、すぐに飲み込めるほどの微量の増加から、よだれがあふれて口からこぼれそうになるまで、程度もさまざまです。
ただよだれが出るというだけではなく、飲み込むことで吐き気や不快感を伴うケースもあります。常に痰が絡んだような状態なり、何度も吐き出さずにはいられないといった症状もみられます。よだれつわりが続くと、夜に眠れないママも多いようです。よだれつわりは認知度もまだ低く、周囲の理解が得られない場合もあり、ママのストレスの原因になってしまうこともあるかもしれません。
よだれつわりはいつまで続く?
一般的に、つわりの症状は妊娠が判明する妊娠5~6週から始まり、胎盤が完成する妊娠12~16週頃には治まってくることが多いようです。しかし人によっては妊娠後期からつわりの症状が始まることもありますし、初期から出産直前まで続くこともあります。いつ終わるのかは個人差があるので、ママはなかなか気が抜けない状態ですね。
意識しないうちによだれの量や飲み込むことへの不快感が徐々に減り、自然に終わったというママもいます。「終わりはいつくるのか」と毎日考えるよりは「いつかは終わるだろう」と穏やかな気持ちで過ごせると良いですね。
よだれつわりの原因は?
唾液の分泌は、自律神経によってコントロールされています。よだれつわりは、この自律神経がみだれていることがひとつの原因といわれています。交感神経が優位になるとネバネバした唾液、副交感神経が優位になるとサラサラ唾液が多くなりますが、どちらの神経が過剰になってもちょうど良い分泌量は維持されません。
自律神経には、ホルモンバランスやストレスが影響するといわれています。妊娠初期はホルモンバランスが変わったり、環境の変化によってストレスがたまったりする時期でもあり、自律神経のみだれを引き起こす可能性もあります。
唾液量が増えたときだけでなく、唾液量が減ったことが原因で「よだれつわり」と感じる可能性もあります。唾液が減るドライマウスの状態では、ネバネバした粘度の高い唾液になり、唾を飲みこみにくくなることがあります。うまく飲み込めない状態が続くと、口の中に唾液がたまるため、よだれが多くなったと感じる場合もあるようです。
よだれつわり対策は?
つわりの症状としてあらわれる口のなかの不快感やあふれてくる唾液。吐き出したほうが気分がよくなるパターン、飲み込んでも大丈夫なパターンがあるようです。どのような対策が考えられるでしょうか。
ケース付きの空のペットボトルを用意
空のペットボトルを用意しておけば、唾がたまって苦しいときにすぐに吐き出せます。中身が見えてしまわないように、ペットボトル用のケースもつけておくと良いでしょう。手ぬぐいやタオルを巻いて即席ケースにしても良いですし、コンビニやスーパーのペットボトルのおまけなどでもみられます。
とくに仕事中など、席を気軽に立ちにくい場合は空のペットボトルが役に立ちます。あまり音を立てず、そっとよだれを流し落とすようにすると良いでしょう。ふたは毎回しっかり閉めておきましょうね。自分が飲んでいるドリンクと間違わないよう、ふたの上に大きく×印をつけておくと安心です。
トイレや洗面所に行く機会があれば、口をゆすぐついでにペットボトルもゆすいでおくと、よだれが多い場合でも一日中使えますよ。
タオルやティッシュ、エチケット袋を用意
寝るときや外出時には、いつでも唾液を吐き出せるように、タオルやティッシュ、エチケット袋を用意しておきましょう。濡れてしまったタオルや使ったティッシュを入れるための、小さなゴミ袋も用意しておくと安心です。
とくに睡眠時は、立ってトイレや洗面所まで行き、唾を出すという行為の積み重ねがストレスになってしまうこともあります。一度身体を起こすと眠気が去ってしまう可能性もありますから、できるだけ横のまま、そっと唾液を吐き出せる環境を整えておきましょう。
飴やガムでごまかす
唾の味が不快で飲み込めない場合には、飴やガムなどが役に立つこともあります。ミントの爽快感は、つわり時の吐き気を軽減する可能性も。飴やガムは持ち運びも容易なので、外出時にカバンに入れておけば安心ですね。
また口のなかが粘ついているときは、ガムをかんでサラッとした唾液の分泌を促がせば、飲み込むことができるかもしれません。また苦味やすっぱさ、泥のような不快な味覚をミントや甘みがごまかしてくれる場合もあります。
口内がすっきりする食べ物・飲み物を口に入れる
口のなかのネバネバや不快感が原因で、唾液過多や吐き気が悪化することもあります。口内をこまめにすすいだり、スッキリするものを口に入れたりすることで、気分がまぎれ、よだれつわりが改善するかもしれません。
どの食材や飲み物があっているかは、ママによって違ってきます。氷を口に入れているとよだれが楽になるという人もいますし、温かい飲み物でつわりが軽減したという人もいます。レモンなどの酸っぱいもの、炭酸ジュースなどですっきりしたという意見も。自分のつわりの症状に合った食べ物・飲み物を探してみましょう。
ツボ
よだれやつわりに効果があるとされるツボを押してみるのもひとつの手です。よだれつわりに効くといわれているツボは以下のようなものがあります。
■中泉(ちゅうせん)
手の中指と人差し指の骨のあいだをまっすぐ降下し、手首のしわと交わる場所にあるツボです。手の甲にあるので押しやすく、ちょっとした空き時間にも刺激できますね。反対の手の親指で30回ほどマッサージすると、自律神経の働きを整え、よだれを抑えてくれる可能性があります。
■内関(ないかん)
手のひらを上に向けた状態で、手首のしわの中央から指3本分ひじ側へ進んだところにあるツボです。内関は、吐き気、嘔吐、唾液過多などつわりに伴うさまざまな不快症状を軽減する可能性があります。ひじ側から、筋のあいだに指先をぐっと押し込むように押すと効果的です。
ツボ押しは手軽にできて気持ち良いものですが、素人では力加減や微妙な位置がわからないこともあります。鍼灸師や整体師の指導のもとで行ったほうが良いでしょう。また、妊娠中は身体が平素とは違う特別な状態です。事前に担当の医師に相談したほうがより安心といえるでしょう。
漢方
妊娠中のよだれつわりが問題となる場合、医師から漢方が処方されることもあります。「六君子湯(りっくんしとう)」は人参・半夏(はんげ)・白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう)・甘草(かんぞう)などが配合された漢方です。胃を暖め、弱った胃腸の働きを高め、水分代謝を促し、よだれつわりを緩和する可能性があります。
「小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)」はつわり時に処方される代表的な漢方のひとつです。半夏・生姜などが配合されています。吐き気を押さえる効果や、体内の水分代謝を調整する可能性があるとされます。吐き気を伴ったよだれつわりを改善してくれるかもしれません。
漢方は、身体に穏やかに効くといわれていますが、なかには妊娠中は避けたほうが良い生薬なども存在します。必ず担当の医師や専門家に相談してから服用しましょう。
よだれつわりで性別がわかる?
吐き気が伴う「吐きつわり」は女の子が生まれ、食欲がとまらない「食べつわり」は男の子が生まれるといったジンクスがあります。よだれつわりが続くと、お腹の赤ちゃんは男の子であるというジンクスも存在しているようです。
他にも、お腹の出っ張り方であったり、ママの顔つきであったり、赤ちゃんの性別を占うジンクスは昔から伝わっているようですね。しかしそのどれもが、医学的根拠はないといわれています。ジンクスを信じたけれど、男女逆だったというママも多くいるようです。
信じる信じないは個人の自由ですが、じぶんのつわりと照らしあわせて、赤ちゃんの性別を想像して楽しんでみても良いですね。大変なつわりの時期ならではの、ちょっとした「お楽しみ」だと思えば、少し心に余裕が生まれてくるかもしれません。
よだれつわりの体験談
筆者はよだれの量が過剰に多かったわけではありませんが、妊娠初期では自分のよだれを苦く感じ飲み込むことが苦痛でした。こまめに飲み込めないため、あふれそうになるよだれをガムを噛むことで味をごまかしたり、トイレでそっと唾をはいたりして対処していましたよ。
人前で唾を出すのはためらわれるので、なるべくひとりの環境で吐き出すようにしていました。夫にだけはよだれが多いこと、唾をはかないとスッキリしないことを説明し、トイレ休憩ならぬ「唾だし休憩」をおでかけの際は取ってもらいました。吐き気などと比べると人に伝わりにくい苦しみなので、夫とよだれつわりのことを共有するだけでも気持ちが楽になったものです。
つわりといっても人によってさまざまな症状があることをピンとこない男性も多いようです。つわりに伴う自覚症状を夫に細かく説明することで、より妊娠への理解と思いやりが得られ、過ごしやすい環境になるかもしれませんよ。
よだれつわりは対策グッズで上手に対処
よだれつわりは唾液が過剰に分泌されるだけではなく、吐き気などの症状も伴うことが多いようです。ストレスやホルモンバランス変化による、自律神経のみだれが原因ともいわれています。すぐに終わるママもいれば、妊娠後期まで続くことも。
唾液を吐き出したり、口内の環境を整えたりすることで、よだれつわりが改善することもあります。家の中でも外でも持ち運べる対策グッズを用意して、ストレスをためずに上手に対処していけると良いですね。