【産婦人科医監修】あなただけじゃない!つらいつわりを乗り越えた体験談

個人差が大きいつわり症状をほかの人はどのように乗り越えているのか、体験談が気になるところです。そこで、一人目と二人目で症状が異なった筆者のつわり体験談をまとめました。悶々とした日々の中、気持ちを切り替えるきっかけとなったポイントをまとめ、つわりの乗り越え方を産婦人科医監修でお伝えしていきます。

261686

本ページはプロモーションが含まれています

この記事の監修

寺師 恵子
産婦人科医
寺師 恵子

目次

  1. つらかった2度のつわり体験
  2. つわりの乗り越え方
  3. つわりで動けないときの安眠対策
  4. 二人目妊娠時のつわりの乗り越え方
  5. つわりの時期は自分にあった方法でリラックス
  6. あわせて読みたい

つらかった2度のつわり体験

一人目

一人目のつわりは、妊娠判明とともに始まりました。4週頃から味覚の変化を感じたつわりは次第に症状が強くなり、6週頃には常に吐き気におそわれ、あらゆるにおいと食べ物を受け付けなくなったのです。

食べられるものは限られ、なにをしていても気持ちが悪い状況に対する精神的な不安もあったのでしょう。一般的なつわりが治まる時期となっても症状が治まる気配はなく、どうにかして症状を和らげる方法はないか探すものの、つわり以外のことを考える気持ちの余裕はありませんでした。

二人目

一人目のつわりは22週まで続いたため、二人目の妊娠が判明したときは同じようなつわりに悩まされたらどうしようかと不安でした。「上の子の面倒を見ながらつわりが乗り切れるのか」、「今は調子が良いけれど、明日は吐き続けるかもしれない」などと、弱気なことばかりを考えていたのです。

しかし、多少の吐き気や嘔吐はあるものの、ずっと吐き続けたり食べ物がまったく受け付けられなくなったりするほどではありません。はじめのうちは調理をするのも食事をするのも恐る恐るでしたが、乗り越えられた時間が増えていくうちに、一人目のようなピークを迎えないままつわりの症状が消失していました。

【産婦人科医監修】つわりはいつからいつまで続く?二人目の場合は?平均期…

つわりの乗り越え方

ピーク時はとにかく休息

5週頃から始まって16週頃まで続くつわりは、7週から11週までがピークを迎える平均的な期間のようです。筆者のピークはやや長めで、1日に何度も嘔吐する時期は14週頃まで続きました。なにをしても気持ち悪さにつながるので、そのときは無理せずに休むことにしました。

掃除や洗濯は手抜きです。夫の食事は、できるだけ自分で用意してもらいました。手を抜かなかったのは、夫へ感謝と申しわけないという気持ちを言葉にして伝えることです。

「掃除も洗濯も手伝ってくれれば良いじゃない」という思いは押し殺しつつ、作ってくれた手料理はたとえ食べられなくても「ありがとう」を言い、畳まれない洗濯物の山に目を向けたときには「ごめんね」と声をかけるようにしたら、「寝ていて良いよ」という言葉が増えた気がします。

【産婦人科医監修】つわりのピークはいつ・何週?いつまで続く?仕事の悩み…

調子が良いときに動く

つわりは1日のなかでも、調子が良い時間と悪い時間があります。2日間まったく動けなかったのに、今日は比較的気分良く過ごせるなというときもあります。この波をとらえられると、たまった作業や調子が悪いとき用の準備がはかどります。

筆者は朝一番の調子が悪い時間が過ぎると、少しのあいだ気持ち悪さは落ち着きました。その時間を使って洗濯物を干したり、仕事のメールを送ったりします。夜も比較的落ち着く時間が多かったので、眠りにつく前にご飯を炊いたり、根菜を煮込んだりして作りおきの具材を準備しました。

根菜はえのき茸やごぼうのほかに、クセが少ない人参やレンコンを煮込みます。すべての具材をひたすらみじん切りにする作業は根気が入りましたが、その作業に集中しているときは気持ち悪くならず、朝一番に食べる小玉おにぎりもこの作業の流れで用意していました。

趣味や仕事に集中する時間を

つわりがピークのときはなかなか気付くことができなかったのですが、今思うと、「これを食べると気持ち悪くなるかもしれない」、「朝になると吐いてしまう」と考えることが、自己暗示になっていた部分もあるような気がします。

根菜をひたすら刻んでいた時間は気持ちが悪くならなかったように、なにかに集中することはつわりを忘れさせてくれる恰好の機会です。筆者が一人目のつわりから脱出する契機になったのも、仕事での打ちあわせで外に出ることがあったからでした。

つわりを意識しすぎると、余計に症状が強くなってしまうのかもしれません。気持ちが沈んでしまったときや、つわりで前向きになれないときは、趣味や仕事に没頭しつわりから意識を遠ざけてみてはいかがでしょうか。

ときには外に出て気分転換

一人目妊娠時は周囲に知り合いがおらず、家にこもっていることが多かったのですが、お仕事の打ちあわせが入ったときに、「なにを着ていこうかな」と外の世界を意識することは、気持ちを少しだけ前向きにさせてくれました。

そして、上の子が2歳のときに判明した二人目の妊娠では、習い事や公園遊びと外に出る機会も増え、その時間は気を引き締めることができた気がします。身体の調子が許す範囲で、可能であれば外に出てみるのも気分転換につながりますよ。

マスク常備でにおい対策

においに敏感になっていた時期は、外出するときはつねにマスクを身に着けていました。家でご飯の準備をするときも、マスクは必需品です。長く着けているとマスク自体のにおいが気になるので、頻繁に代えることも忘れません。
(2022年現在では、新型コロナウイルス感染症予防のためマスクをして過ごされる方がほとんどでしょう)

吐き気が強くマスクがじゃまになるときは、すぐにかげる癒やしのにおいを手元においておきました。筆者の場合、癒やしとなったのはトイレットペーパーのにおいです。吐き気でトイレに駆け込んだあるとき、口元をおさえた拍子にトイレットペーパーになんとも言えない安らぎを覚えたのです。

調べてみると、今まで好きだったにおいが苦手になる反面、まったく関心のなかったにおいを好ましくなることがあるそうです。なかには、壁紙のにおいが好きになった人、観葉植物の土のにおいが好きになった人もいるようですよ。

石けん・洗剤類は無香性がおすすめ

普段は気持ちを癒やしたりリフレッシュしたりしてくれる石けん・洗剤類のにおいですが、においつわりではこれらすべてのにおいが受け付けられなくなりました。においは鼻に残るため、吐き気がすぐに治まらないがもつらいのです。

そこで、シャンプーやリンス、ボディソープはすべて無香性のものに切り替えました。このとき筆者は肌が象の皮膚のようにカサカサに固くなってしまう状況にも悩んでいたため、敏感肌用に開発されたスキンケアブランドの商品を使うことで乗り越えることができました。

困ったのは洗濯用洗剤です。当時は無香のものがみつけられず、ハーブ系の天然成分を使った商品に切り替えました。干すとにおいはほとんど消えたので、なんとか対策できたのです。

しかし、同じ商品を受け付けられないと言ったのは、最近出産した筆者の妹です。妹は無香性をうたう商品でも成分のにおいが気になったものがあったようで、いくつかの商品を渡り歩いてお気に入りをみつけていました。

助けてほしいときは誰かに頼る

筆者が妊娠していたときは、一人目のときも二人目のときも実家から離れた地方に暮らしていました。そのため、つわりの時期に頼れる相手は夫でした。正直なところ、お互いがもう少しこうしてほしいという不満を抱えていた部分があったと思います。

しかし、筆者の妹は結婚後も比較的実家に近い場所に居住し、勤務先が自宅と実家の中間にあるため、つわりの時期は実家に帰り食事や洗濯などをフォローを受けました。妹の夫はつかの間の独身生活を謳歌していたようです。

このように、パートナーの理解や実家の受け入れ体制、通勤の条件などがそろうなら、つわりの時期だけでもサポートを受けるのはひとつの方法です。パートナーとも話し合いながら、息を抜ける場所が近くにあるなら手を借りてみましょう。

夫の理解が得られたらラッキー

筆者の夫は、酒の席が多い職場にいます。酔っ払って帰ってくると、お酒のにおいのする息と、タバコと食事のにおいが染み付いたスーツで機嫌良くまとわりつくのをやめてくれません。気持ち悪さを訴えても、酔っ払っている人にはなにを言っても伝わらず、翌朝は記憶があやふやで伝わらず。

元来、男性に共感を求めるのは難しいといわれますが、どうやら夫はその筆頭のようです。「基本的に夫はつらさをわからないもの」というスタンスの方が、気が楽だということに気づきました。そこで、「つわりがつらいからやめて」という言い方ではなく、「飲んで帰ってきた日は私の寝ている部屋に入らない」と具体的な行動を示しました。

少し邪険かなとも思いましたが、じゃれてくる回数は減りました。今夫に冗談めかして言われるのは、「俺の顔をみると吐くんだもん、俺、かわいそう」ということです。こんなにもとらえ方が違うとは驚きです。

もしも旦那さんの理解が得られずモヤモヤしていたら、一度「どうしてわかってくれないの、わかってほしいのに」という感情論にはフタをしてみると良いのかもしれません。やってほしいことをタスクとして伝えると、良い方向に向かうこともありそうです。

つわりで動けないときの安眠対策

できればひとりで寝る

つわりの時期は眠りが浅く、就寝中でも吐き気におそわれることがしばしばありました。夫を起こさないか気がかりで、精神的な負担になります。加えて夫のにおいがつらくなり、寝室を替えて別の部屋でひとり寝をすることにしたのです。

夜間に立てる物音を気にすることもなく、いびきやにおいに悩まされることもなくなり、気持ちはだいぶ落ち着きました。状況が許すようであれば、布団を一組揃えて別々の部屋で寝るのがおすすめです。

枕元には軽食を用意

寝起きの気持ち悪さを軽減するためのアイテムも必須です。おにぎりとお水、たまに気分を変えてロールパンを用意しておきました。

水分補給用に準備したのは、ペットボトルの口に取り付けるストローです。寝ながら水分補給ができるため、起き上がるのがつらいときに重宝しましたよ。ペットボトルに取り付けられるストローは100均でも手に入ります。お産のときにも使えるため、用意しておいて損はないと思う商品です。

温かくなりすぎない工夫

筆者のつわりピーク時は冬の寒さが厳しい時期でした。外気はマイナスとなるような地域のため、通常ならばエアコンのヒーターと石油ストーブをフル稼働させたいところです。しかし、部屋の温度が高くなりすぎると気持ち悪さが増す気がしました。布団も暖かくしすぎると、こみあげてくるものがあります。

快適だったのは、ちょっと肌寒さを感じるような温度です。暖房の設定温度を低めにし、手足や肩が冷えないように羽織もので温度調整をしていました。筆者は急激な温度変化も吐き気を誘う原因となったため、部屋を低めの温度設定にすることは、廊下との温度差を解消するのにも役立ちました。

夏場のつわりを体験したことはないのですが、冷房がきいた場所と暑い場所があると吐き気を誘う原因となりそうです。自身の快適な温度設定をみつけて、部屋と部屋の温度差にも注意してみると良いかもしれません。

嘔吐用のエチケット袋をセット

買い物などで外出するときは、トイレが近くにないこともあります。そんなときでも困らないように、エチケット袋を携帯するようにしました。ジップの付いた袋の中にキッチンペーパーを敷き、その上から紙袋をセットすると、中身が漏れることなく外からの視線もあまり気になりません。

エチケット袋は家の中でも必需品です。寝る場所の枕元や、仕事の作業をするパソコンの近くに置いておけばいざというときにも安心です。

二人目妊娠時のつわりの乗り越え方

上の子と一緒に昼寝

二人目の妊娠時のつわりが軽かったとはいえ、やはり調子が悪いときがあるのも事実です。今日はつらいなというときは外出を控え、家で静かに過ごしながら上の子と一緒に昼寝をしていました。

どうしても外出しなければいけない用事があるときは、軽食やミント系のガムを携帯し、マスクをして出かけました。子どもと一緒に歌を歌ったり、しりとりや名前あてゲームをしたりしながら歩くと気分転換になりますよ。

ひとり遊びのアイテムをそろえる

二人目妊娠でつわりが始まったのは、上の子が2歳半になるころでした。音の出るおもちゃや、動くおもちゃに興味津々のときです。幼児向けのビデオにも食いつく年頃だったため、ひとり遊び用に電車の走行音が鳴ったり、マイクで話したりできる音の絵本と、いくつかのDVD、乗り物系のおもちゃを用意し小出しにしていきました。

遊び相手をせがまれたときは、一緒にソファで横になりながら、DVDのスイッチをオン。気付くとふたりで寝ているというパターンが多かった気がします。

ご飯は作り置きで乗り切る

二人目妊娠時に気になるのは、上の子の食事の準備です。筆者は気分が良いときに使いまわしができる食材のストックをいくつか用意しておきました。じゃがいもやかぼちゃは茹で置きしておくと、マッシュにしたりマヨネーズと醤油で和えたりするだけでおかずの一品になります。においが少ない鶏のささみ肉も、茹でて冷凍すれば、あとでサラダに使えます。

一人目のときに作っていた根菜スープは二人目でも活躍したレシピです。具材を多めに茹でて冷凍しておけばカレーやシチューに応用できます。そこに茹でたじゃがいもを加えてつぶし、春巻きの具材としても使いました。

作り置きレシピは、昨今「つくおき」などとも呼ばれ注目を集めているものです。気になるレシピをチェックして、毎日の食事作りに役立ててくださいね。

しんどい日は一時保育を利用

どうしても子どもと一緒にいることが、しんどいと感じるときもあるのではないでしょうか。近くに頼れる人がいれば一時的に預かってもらうことができますが、事情が許さないことだってありますよね。自治体では、ママの急病時や用事を済ませるあいだ、一時的に子どもを預かってくれる一時保育のサービスを提供しています。

預かり場所や利用方法は場所によって異なるので、一度お住いの地域で一時保育について調べてみてはいかがでしょうか。

つわりの時期は自分にあった方法でリラックス

つわりの時期や症状は、個人差がとても大きいものです。環境や周りのサポート、自身の受け止め方でも波が出てくることでしょう。

つわりの対策が難しいのは、ひとえに個人差が大きいところによります。もしもご紹介した対策があわなかったとしても、焦らないでくださいね。自分にあった乗り越え方が、別にあるかもしれません。いずれにしても疲れや無理はつわりの大敵です。心穏やかに、リラックスして過ごしましょう。

筆者の体験談が勇気づけになったり、なにかのヒントとなったりしたら幸いです。

(※)この体験談は2018年のものです

あわせて読みたい

【一人目と二人目】育児の違いはある?お風呂や授乳先輩ママの体験談をご紹介!
https://mamanoko.jp/articles/7106
【産婦人科医監修】つわりの種類とは?5種類のつわりの症状・原因・対策
https://mamanoko.jp/articles/16228
【妊娠12週】そろそろ「つわり」が落ち着く?つわりの終わりかたは?|産婦人科医監修
https://mamanoko.jp/articles/6264
仕事中のつわりで休める?休む期間や診断書の有無について
https://mamanoko.jp/articles/19152
【産婦人科医監修】つわりを軽減したい!つらいつわりを和らげる方法とは?
https://mamanoko.jp/articles/18983