つわりの気持ち悪さを軽減!アンモニア含有量が関係している?おすすめの食べ物・NGな食べ物
つわりの代表的な症状に、嗅覚が敏感になるにおいづわりと嘔吐が続く吐きづわりがあります。この原因のひとつとして、食品に含まれるアンモニアとの関連が示されました。食品のアンモニア含有量を意識すると、つわりが軽減される可能性があると期待されています。つわりとアンモニアの関係について現在の見解を産婦人科医監修で解説します。
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目次
つわりとアンモニアの含有量は関係する?
アンモニアは窒素と水素からなる無機化合物です。刺激が強く、人には有害なイメージがあるのではないでしょうか。しかし実際はパンケーキなどの膨張剤や中華麺のかんすいなど、さまざまな食品にアンモニアが使用されています。
畑で栽培されている野菜類にも微量のアンモニアが含まれます。その理由は、植物が育つ土壌にはアンモニアを含む肥料が使われているからです。土壌中の虫や動物を分解し、アンモニアを産生する微生物も存在します。こうして土壌にアンモニアが溶け込み、その一部が植物の根から吸収されるのです。
食品に含有されているアンモニアは微量であり加熱調理で揮発(蒸発)するため、食べても健康に害はないと考えられています。ところがにおいに敏感なつわりの時期は、今まで気にならなかった揮発したアンモニアのにおいも不快に感じるのだそうです。
つわりの症状と原因は?
つわりの症状
つわりの症状は人によってさまざまで、あらわれ方や程度も異なるものです。そうとはいえ、吐きづわり、食べづわり、よだれづわりなど代表的な症状がいくつかあり、特ににおいづわりの人はアンモニアに強い反応を示します。
これらの症状は、単独であらわれる場合もあればいくつかの症状を合併することもあります。全身症状として眠気やだるさを感じる人も多いようです。
つわりの原因
つわりのメカニズムははっきりとは解明されておらず、女性ホルモンの増加によるもの、アレルギー反応とするもの、体内のカルシウムやマグネシウムといった電解質異常によるものなどさまざまな説が取り上げられています。
この中で、女性ホルモンの増加によって嗅覚の感受性が変化することがわかっています(※1)。嗅覚が過敏になるとにおいに対する嫌悪感が増し、妊娠前は気にならなかったにおいを受け付けなくなるのです。アンモニア含有量が多い食品でつわりが強くなる傾向があるのも、こうした理由からだと考えられます。
つわりにおすすめの食べ物、NGな食べ物
おすすめの食べ物
つわりの時期は無理せず食べられるものを食べられるときに食べるというのが基本ですが、食品に含まれるアンモニアの含有量を知ることで、つわりとうまく付き合っていけるかもしれません。
アンモニアの含有量が少ない食品はトマトやぶどう、バナナといったフルーツです(※1)。これらの食品は加熱しなくても食べられ、水分も補給できるので食欲がないときでも食べやすいでしょう。
じゃがいももアンモニアの含有量が少ないため、スープやフライドポテトなどの加熱調理に向いています。アンモニアはアルカリ性の性質を持つため酸によって中和されます。この特性をいかし、梅干しや酢であえたり、レモンで酸味を足したレシピもおすすめです。
熱中症対策として市販されている塩飴は、ナトリウムやカルシウムなどの電解質が含まれています。ビタミンやクエン酸を配合しているものもあり、つわりのときでも効率良く必要な成分が摂取できますよ。
避けたほうが良いNGな食べ物
アンモニアの含有量が多いといわれているのは食パンや白米です。大豆や、のり・かつお節といった海産物、肉・魚類も比較的多くのアンモニアを含んでいます。
調理時の加熱によりアンモニアが揮発するときは、独特の香りがたちます。つわりのときに炊いたお米のにおいを不快に感じるのは、こうした理由があるのですね。たとえば食パンは加熱せずにサンドイッチにしたり、ご飯は冷ましてから食べたりと工夫をするとつわりが軽減されるでしょう。
水の飲用にも注意が必要です。妊娠中は妊娠前と比べて血液量が増加しますが、血液の成分は薄まった状態になります。この状態を医学的に血漿浸透圧(けっしょうしんとうあつ)もしくは血清浸透圧が低いといいます。血漿浸透圧が低いと浮腫が起こり、嘔吐や下痢などの症状が出ることがあります。
水を飲むと血中のナトリウムがさらに不足し、症状が悪化します。そのためつわりがひどいときは水をそのまま飲むのではなく、電解質を効率的に摂れる経口補水液やスポーツドリンクを少量ずつ飲むようにすると良いようです。
つわりが強い場合は我慢せずに医師へ相談
つわりは安定期に入るころまでには収まるのが一般的で、少量ずつでも飲食ができ体重が増えていれば心配しすぎる必要はありません。
しかし、症状が強く飲食がまったくできずに脱水が起こたり、体重が減少したりするときは妊娠悪阻(にんしんおそ)の可能性があります。妊娠悪阻では医療的なケアが必要になります。
つらさの尺度は人それぞれですが、赤ちゃんとママの身体を守るためにも、つわりがつらいときは無理をせずに医師に相談しましょう。
自分にあった対策でつわりとうまく付き合おう
食品に含まれるアンモニアがつわりの症状に関係している可能性が示されたことは、つわりを抑えるために何をしたら良いかイメージしやすくなり、具体的な対策を知りたいママたちにとって嬉しい情報ですね。
そうとはいえ、つわりの症状はひとそれぞれなので「絶対にこれで改善する」というわけではありません。また、症状がおさまっているときはどれかの食品にかたよらず、バランスよく摂取することが望ましいものです。
食品に含まれるアンモニアを意識しすぎず、つわり対策のひとつとして自分にあった方法をみつける参考にしてくださいね。
この記事は2022年7月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。