妊婦はひじきに注意すべき?摂取量や栄養素、過剰摂取による影響、おすすめのレシピについて

ひじきは海藻の一種で、日本人にとってなじみ深い食材のひとつです。しかし一部の国では、ひじきの摂取について注意喚起をしています。妊娠中にひじきを食べても問題ないのでしょうか。ここではひじきに含まれている栄養や適切な摂取量、過剰摂取した場合の影響について解説していきます。おすすめのレシピも紹介するので試してみてくださいね。

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この記事の監修

片村 優美
管理栄養士
片村 優美

目次

  1. ひじきとは?含まれている栄養素は?
  2. 妊婦はひじきを食べてはいけない?摂取量の目安は?
  3. 妊婦がひじきを食べ過ぎたときの影響は?
  4. 妊婦におすすめのひじきを使った料理やレシピは?
  5. 妊娠中のひじきに関する体験談
  6. 適量のひじきを食べて栄養バランスを整えよう
  7. あわせて読みたい

ひじきとは?含まれている栄養素は?

ひじきは波の荒い岩場に生育する海藻の一種です。干された乾ひじきを水で戻してから、食材として使うのが一般的です。スーパーなどで「生ひじき」として売られているものも、乾ひじきを水で戻したものがほとんどのようです。

ヘルシーでおいしいと日本では昔から食べられているひじきですが、どのような栄養が含まれているのでしょうか。まず、ひじきは食物繊維を豊富に含んでいます。妊婦のマイナートラブルのひとつである便秘の予防に効果があるといわれています。

また、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルもバランス良く含まれています。とくに鉄分が際立って豊富といわれ、貧血予防として食されていましたが、最近の研究では製法によって鉄分の含有量が変化することがわかってきました。

ステンレス釜で煮た後、乾燥させたひじきには100g中6.2mg、鉄釜で煮た後に乾燥させたひじきには100g中58.2mgの鉄分が含まれており、50mg以上の差があるようです。(※1)しかし、最近はステンレス釜で煮たひじきが主流です。鉄分の補給はひじきだけに頼らずに、他の食材もバランス良く食べたほうが良いでしょう。

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妊婦はひじきを食べてはいけない?摂取量の目安は?

英国食品規格庁は、ひじきに発がんリスクの可能性がある「無機ヒ素」が多く含まれていると発表し、食べないように国民に注意しています。しかし、日本の食品安全委員会の調査では、ひじきを食べることで健康に悪影響が生じるというデータは報告されていません。ひじき以外の、海藻に含まれるヒ素のほとんどは、毒性の低い有機ヒ素であり、摂取しても体外に排出されることが多いようです。日本では無機ヒ素が含まれる食品として主にひじきに対しての取り組みを進めています。

厚生労働省によると、日本人は他の国よりも多く海藻類などを食べる習慣がありますが、海藻に含まれたヒ素によって健康被害が起きたとの報告はないようです。無機ヒ素を含むひじきに関しても、有害であるとの報告は現時点ではされておらず、極端に多く摂取しない、水戻しをしっかり行うという点に気を付ければ健康上のリスクは高まらないとしています。

国民栄養調査から考えて、日本人の平均的な一日あたりのひじき摂取量は0.9g程度となっています。(※2)WHOが定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂取量)を基準にすると、体重50kgの人の場合、1週間に33gのひじきを継続的に摂取することで、健康に影響が現れる可能性があるとしています。小鉢1個分のひじきの量は、大体10g程度ですから、1週間に小鉢3個分程度のひじきの量であれば健康に影響するリスクは低いといえるでしょう。

妊婦がひじきを食べ過ぎたときの影響は?

ひじきを食べ過ぎたとき、健康に影響する可能性がある成分は、無機ヒ素とヨウ素(ヨード)です。無機ヒ素を毎日のように過剰摂取した場合、慢性中毒を発症することがあります。ヒ素の慢性中毒になると嘔吐や食欲減退、皮膚の炎症などが起こります。

ヨウ素は必須ミネラルのひとつで、昆布やひじきなどの海藻類に多く含まれています。甲状腺ホルモンの生成に関わっていて、妊娠中や授乳中は普段よりも多く摂取する必要があります。しかし、過剰摂取にも注意が必要です。妊娠初期にヨウ素を過剰摂取すると、赤ちゃんの甲状腺機能低下の恐れがあるといわれています。

健康被害が起こらないヨウ素の耐用上限量は18歳以上の男女とも3000μg/日ですが、茹でたひじき100gに含まれるヨウ素は約0.96mgのため、ひじきに関しては通常量であれば上限には達しないといえるでしょう。(※3)しかし、食べ物はどれかひとつに偏らず、さまざまな種類をバランス良く取り入れるようにしてくださいね。

妊婦におすすめのひじきを使った料理やレシピは?

ひじきと枝豆の炊き込みご飯

■材料
・ひじき
・枝豆
・ちりめんじゃこ
・調味料
(米2号の場合:醤油 大さじ1、酒 大さじ1、塩 少々、和風だしの素 小さじ1)

■作り方
1.お米を研いでおき、ひじきは水につけておく。
2.炊飯器にお米を入れて、調味料を入れ、いつもお米を炊いている水加減まで水を入れる
3.水を切ったひじきを入れて炊く
3.炊きあがったご飯に枝豆をまぜ、塩で味を調える

■コツ・ポイント
枝豆で葉酸、ちりめんじゃこでカルシウムを摂取できます。がっつりと食べたいときは、ちりめんじゃこを鶏肉に変えても良いですよ。枝豆は冷凍のものを使ってもOKです。

ひじきと切干大根のさっぱり煮物

■材料
・切干大根
・ひじき
・油揚げ
・調味料
(醤油・酒 大さじ2、みりん・砂糖 大さじ1、和風だしの素 小さじ1)
・酢

■作り方
1.切干大根とひじきは水で戻しておく(戻した後の水は捨てる)
2.油揚げは短冊切りにして、熱湯をかけて油抜きする
3.調味料を火にかけて、具材を入れて汁気がなくなるまで煮る
3.仕上げに酢を少し入れる

■コツ・ポイント
いつも通りの煮物でも、最後に酢を入れると口当たりがさっぱりします。たくさん作っておけば、常備菜としても役立ちます。ヒ素を抜くために、戻し汁は捨てたほうが良いでしょう。仕上げの酢は、小さじ1からお好みで増やしてください。

ひじきのふりかけ

■材料
・ひじき
・梅干し
・白いりごま
・調味料(醤油、酒、砂糖、それぞれ大さじ1ずつ)
・ごま油

■作り方
1.ひじきは水で戻して水気をしっかり切る
2.ごま油をひいて、ひじきと梅干しを中火で炒める
3.調味料を加えて、汁気がなくなるまで炒め、最後にごまを混ぜる

■コツ・ポイント
ご飯のお供として常備しておくと便利です。ご飯だけではなく、野菜のディップソースとして活用したり、パスタやパンに乗せて食べたりすることも可能です。どんな食材にも合わせやすいですよ。

妊娠中のひじきに関する体験談

鉄玉子でひじきの煮物

筆者はひじきが好きなので、妊娠中もよく食べていました。煮物はもちろん、ご飯に混ぜてひじきおにぎりにしたり、サラダに混ぜたりしていました。ひじきに含まれている鉄分が思ったより少ないことを情報誌などで知ってからは、お湯で煮るときに「鉄玉子」というものを一緒に使うようにしました。

卵型の鉄器で、鍋にごろんと入れてお湯を沸かせば、それだけで鉄分が補給できるというものです。味や色は変化がないため、ひじきの煮物にも役立ちました。おいしくて食物繊維もたっぷりのひじきの煮物は、1週間に1回は作っていました。これのおかげかどうかはわかりませんが、妊娠中は貧血になることはありませんでした。

適量のひじきを食べて栄養バランスを整えよう

ひじきは必須ミネラルをバランス良く含んだ食材です。海藻類はカロリーが低いため、体重管理が必要なママにもおすすめです。ひじきに含まれている無機ヒ素は、継続して大量摂取すると身体に悪影響を与えることがあるので、ひじきの煮物は多くても週3回までにしておくと良いでしょう。妊娠中はいろいろな食材をバランス良く取り入れて、栄養が偏らないように注意しましょう。

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