【産婦人科医監修】妊娠後期に甘いものが食べたい!お菓子やケーキがやめられないときの注意点とおすすめスイーツ
体重管理が気になる妊娠後期に甘いものを食べたくなる妊婦さんは多いものです。どうして甘いものを食べたくなるのでしょうか。妊娠中に甘いものを食べると胎児に影響するのでしょうか。科学的な解明がされつつある現象について、甘いものが食べたくなる理由や食べたときの影響、妊娠中でも比較的安心して食べられる甘い食品について解説します。
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目次
妊娠後期に甘いものがやめられない妊婦さんは多い?
妊娠後期の赤ちゃんは、皮下脂肪がついて身体がふっくらしてきます。身体の器官も完成形に近づき、生まれてくる準備が一気に進みます。妊婦さんのお腹も一段と大きくなり、これまで以上に赤ちゃんの成長を感じることが増えるかもしれません。
赤ちゃんの成長にあわせるように、妊娠後期に甘いものが食べたくなる妊婦さんは多く、SNSなどでは「妊娠後期になってから無性に甘いものが食べたい」「甘いもの食べたい欲求が止まらない」といった声がさまざまに投稿されています。
妊娠時期は限定されていませんが、妊婦さんが3時のおやつとして食べる間食は42%が甘い食べ物だったというデータもあります(※1)。ダメだと思うとよけいに甘いものに手が伸びてしまう…、そんな誘惑にかられる理由を探ってみましょう。
なぜ妊娠後期に甘いものが食べたくなる?

ホルモンバランスの変化
妊娠中は妊娠前と比べてホルモンのバランスが変化しています。なかでも妊娠初期から後期にかけて分泌が増えるエストロゲンやプロゲステロンは、味覚の変化に大きくかかわっていることがいくつかの研究で示されています。
特にエストロゲンはエネルギー摂取を抑制したり、糖代謝に影響したりすることが知られていましたが、近年のラットを使った研究で、女性ホルモンであるエストロゲンが、エストロゲンが甘味への嗜好を強めることが示唆されました(※1)。人間に対する検証はこれからですが、妊娠後期になるにつれてに甘いものが欲しくなるのは、こうしたホルモンの作用が関係しているのかもしれません。
代謝の変化
赤ちゃんは経胎盤性(けいたいばんせい)グルコース、いわゆるぶどう糖をエネルギー源にしています。ぶどう糖は穀類や果物などの食品に含まれていますが、砂糖が分解されることで作られる成分でもあります。
砂糖は穀類よりも消化が早く、体内ですばやく分解・吸収される食品です。米やパンといった食事からとるよりも、砂糖のほうが効率よくエネルギー補給できるといえるのです。
妊娠後期になると、お腹の中の赤ちゃんは一段と大きくなり、たくさんの栄養を必要とします。赤ちゃんが栄養を要求するのにあわせ、胎盤を通じてママから供給される栄養量も増加します。妊娠後期に砂糖が含まれる甘いものが食べたくなるのは、こうした代謝が影響していると考えられています。
妊娠後期に甘いものを食べ過ぎるとどんな影響がある?

体重増加
日常的に摂取する糖には、砂糖(ショ糖)の成分であるスクロースや、炭水化物からつくられるグルコース(ぶどう糖)などがあります。このうち、甘いものに多く含まれるスクロースは、肥満や糖尿病を発生させるリスクのひとつと考えられています。
ただし、体重の増加は砂糖を多くとることだけで引き起こされるわけではなく、一日の摂取エネルギーと消費エネルギーが影響します。また、妊娠中の適切な体重増加は、赤ちゃんの成長に必要なことです。体重増加の目安は妊娠前のBMIによって異なりるため、体重や食事について気になることがあれば医師や栄養士に相談し、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に高血圧がある状態を指します。以前は妊娠中毒症とも呼ばれていました。妊娠高血圧症候群が重度になると、胎児発育不全や常位胎盤剥離などのリスクがあるため注意が必要です。
妊娠高血圧症候群が発症する原因はまだ解明されていませんが、最近の研究では妊娠初期の胎盤形成異常が関係していると考えられています。また妊娠34週以降の発症では、インスリン抵抗性および糖代謝との関連が示されています。
妊娠高血圧症候群は妊娠前から高血圧や糖尿病の症状がある人、肥満体質の人、高齢出産の人、家族に高血圧の人がいる家系では発症リスクがあがります。極端な食事制限の必要はありませんが、妊娠中に甘いものを食べるときは慎重に管理していきましょう。
低血糖
食事をすると血液中にぶどう糖が溶け込み、血糖値が上昇します。通常は血糖値が上がると血糖値を下げるはたらきを持つインスリンが分泌され、血糖値を一定の値に保ちます。しかし、甘いものを多く食べ続け砂糖が過剰摂取状態になると、インスリンの異常分泌が引き起こされることがあります。
インスリンの異常分泌は、必要以上に血糖値を下げてしまうことがあります。これが低血糖です。低血糖はめまいやたちくらみが起こったり、重症化すると嘔吐や昏睡状態に陥ったりすることもある怖い病気です。
一方で低血糖は食事量が不足していたり、空腹だったりするときにあらわれることもあります。低血糖になることを意識するあまり、栄養不足に陥らないよう注意することも大切です。
妊娠糖尿病
妊娠中は胎盤から分泌される物質によって、インスリンの作用が弱められます。インスリンへの抵抗が増しており、血糖が上がりやすい状態なのです。このような糖代謝異常で血糖が高い状態が続くと、妊娠糖尿病と診断されます。妊娠糖尿病を発症すると、食事療法で血糖をしっかりコントロールしなければなりません。
妊娠糖尿病はお腹の中の赤ちゃんにも影響があり、早産となったり妊娠高血圧症候群にかかりやすくなったりします。巨大児や新生児低血糖症の合併症が見られることもあります。妊娠初期に妊娠糖尿病を発症すると、死産や流産のリスクが出てきます。
妊娠中に甘いものを食べたからといって必ずしも妊娠糖尿病になるわけではありませんが、妊娠中に甘いものを食べるときは胎児への影響を考えて食べすぎには注意が必要です。病気になってから血糖をコントロールするのではなく、病気になる前から食べる量を意識しておきたいですね。
妊娠後期に甘いものを食べたいときは?

自然の甘みを摂る
自然の甘みとは、果物や穀物に含まれる甘みのことです。さつまいもやコーンは、適度な甘みとボリューム感で満腹感が得られる食品です。よく噛むことで甘みが増し、胃への負担を減らすこともできます。
果物はビタミンを豊富に含んでいるため、妊婦さんに必要な鉄分やカルシウムの吸収を助けています。ぶどうやブルーベリーのような小粒の果実は、少量ずつつまむのに適していますよ。
飲み物で満足感を得る
妊娠中に甘いものをたくさん食べたくなったら、ミルクや豆乳を温め、和三盆糖やきび砂糖を入れて飲んでみるのも良いでしょう。ほのかな甘味でリラックスした気分になり、食べたいという欲求を抑えられるかもしれません。香りも満足感を得るエッセンスです。ミルクにバニラエッセンスを1滴たらすと、ただよう甘い香りに安らいだ気分になりますよ。
洋菓子ではなく和菓子にする
洋菓子は含まれる脂肪分が多く、高カロリーになりがちです。そのため、体重増加を抑えるのならば洋菓子よりも和菓子を選んだほうが良いでしょう。しかし、和菓子であっても洋菓子より砂糖が多く使われていたり、炭水化物の量が多かったりすることもあります。心配なときは医師や管理栄養士の指導を受けると良いですね。
食べる量を決めておく
甘いものが目の前にあると、どうしても食べたくなってしまいますよね。妊娠中に甘いものを食べたいときは、小分けされたパッケージのものを買ったり、容量が少ないものを選んだりして食べる量を調整してみましょう。ひとつのものを夫や子どもと分けて食べるのもおすすめです。
我慢しすぎない
病気による制限がある場合を除き、ほかの食事や間食とのバランスを考えながら、適量を食べる分には大きな問題はありません。我慢をしすぎることで、余計なストレスがたまったり、欲求がふくらんだりして過食につながることも考えられます。食べ方の工夫をしながら、おいしく楽しく甘いものを取り入れてくださいね。
妊娠後期におすすめの甘いもの

寒天スイーツ
寒天はそのほとんどが食物繊維で、エネルギー量が少ない食品です。整腸作用や血圧を下げる効果があるというデータもあり、寒天を使ったスイーツは妊娠中におすすめなのです。
寒天は一度冷水にひたしてから沸騰させ、そこに果物を混ぜたり、牛乳や豆乳を入れたりしてゼリーやプリンをつくります。最近は乾燥した棒状の寒天ではなく、より溶けやすい粉末の寒天が販売されています。好きな材料をそろえて、砂糖の甘さが調整できるスイーツ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
おからスイーツ
豆腐や豆乳といった大豆製品も、自然な甘みを感じられる食品のひとつです。なかでもおからは、クッキーやケーキの原料として使うと、糖質を抑えられる妊婦さんにとって頼もしい食材なのです。さっくりとした食感がクセになりますし、やさしい甘みが楽しめますよ。
冷凍フルーツ
冷凍フルーツもおすすめです。なぜ生のフルーツではなく、冷凍フルーツなのでしょうか。それは、凍らせたフルーツは冷たく、必然的にゆっくり食べることとなり満足感が得やすいためです。冷凍したフルーツは、生のまま保存するよりも栄養価が減少しにくいことも理由のひとつです。
ラズベリーやブルーベリーは冷凍に適したフルーツです。身体の冷やし過ぎに注意しながら、少量ずつつまんで口寂しさを紛らわせると良いかもしれませんね。
野菜とフルーツのスムージー
野菜やフルーツを使ったスムージーや、フルーツの果汁をギュッと絞ったフレッシュジュースなら、甘みと一緒にビタミンもしっかりと補給できますよ。バナナやオレンジ、ほうれん草を使ったレシピが定番です。
スムージーは水と野菜、フルーツを材料とした飲み物ですが、その定義は次第に広がってきています。市販されている野菜ジュースとヨーグルトを混ぜたものも、手軽に作れるスムージーとして紹介されています。自分にあったスムージーを見つけてみるのも楽しいですね。
グラノーラ
グラノーラは麦や玄米、とうもろこしなどの穀物とアーモンドやココナッツなどのナッツ類を香ばしく焼き上げたものです。鉄分、カルシウム、ビタミンの栄養バランスが考慮されており、牛乳をかけたりヨーグルトと一緒に食べたりすれば朝食にも適しています。
昨今のグラノーラ人気も手伝って、売り場にはいろいろな種類のグラノーラがズラリと並んでいます。ドライフルーツが含まれているものや、その季節の野菜のチップが入っているもの、粉末になったものなど自分好みのテイストを探してみてはいかがでしょうか。
ヨーグルト
カルシウムが豊富なヨーグルトは、ヘルシースイーツとして定番ともいえる食品です。ヨーグルトに含まれる乳糖は、朝のぜん動運動を刺激して便秘の解消に役立ちます。腸内の細菌バランスを整えたり、たんぱく質の吸収を高めたりという効果もあります。フルーツと一緒に食べたり、牛乳と混ぜて飲用にしたりと、食べ方をいろいろ試してみましょう。
妊娠中に甘いものが食べたくなると女の子が生まれる?

妊娠や出産にまつわるジンクスや言い伝えを聞いたことはありませんか。たとえば、お腹がとんがっていれば男の子、丸ければ女の子というのも、そういった伝承のうちのひとつです。
性別に関するジンクスには、生まれてくる性別が味の好みにあらわれるという話もあります。そのジンクスによると、塩辛いものや酸っぱいものが食べたくなるとお腹の子は男の子で、甘いものなら女の子が生まれるのだそうです。
赤ちゃんの姿勢や身体の向きによっては、いつまでたっても性別が判明しづらいことがありますね。そんなときは自分が好む味の変化をチェックしながら、お腹の子が男の子か女の子か、想像をめぐらせてみるのも夢が広がりますよ。
妊娠中に甘いものを食べたくなったら工夫して
妊娠中の甘いものの食べすぎは体重管理のさまたげになりますが、必ずしも食べてはいけないかというとそれはまた別の問題です。適度な糖分や糖質は、母体や赤ちゃんの健康を維持するために必要なものです。
甘いものを食べるときは、摂取量や摂取方法、糖分の種類を工夫してみましょう。心配なときは医師や管理栄養士、助産師さんに相談し、適切な食べ方をアドバイスしてもらうと安心ですよ。
ただし、医師や管理栄養士による指導が行われている場合は、自己判断せずに必ず指示に従うようにしましょう。
※この記事は2026年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。




