【医療監修】妊婦はうなぎや穴子を食べてもいい?いつから摂取量に気をつけるべき?注意点や影響

活力やスタミナをつける食材としておなじみの、うなぎや穴子。しかし、うなぎや穴子は妊娠中の過剰摂取に気をつけなくてはいけない食材のひとつです。妊婦はいつから摂取量を気を付けるべきか、食べ過ぎるとどのような影響があるのか、適切な摂取量はどのくらいなのかについて解説します。うなぎを食べたい妊婦さんは参考にしてくださいね。

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この記事の監修

産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊婦はうなぎや穴子を食べてもいい?
  2. 妊娠中はうなぎや穴子を一日にどのくらい食べてOK?
  3. 妊婦はいつからうなぎや穴子の摂取量に注意すべき?
  4. 妊娠中に食べてOK?NG?うなぎ由来の食べ物
  5. 授乳中はうなぎや穴子を食べてもいい?
  6. 妊娠中のうなぎ・穴子の食事に関する体験談
  7. うなぎや穴子は適量を守って食べよう
  8. あわせて読みたい

妊婦はうなぎや穴子を食べてもいい?

ビタミンAの過剰摂取に注意が必要

栄養豊富なイメージがあるうなぎや穴子。うなぎには肌や粘膜を保持するビタミン類、カルシウムや亜鉛といったミネラル類が多く含まれています。また、脳の成長や発達に必要なDHAも青魚並みに含まれています。とても栄養価が高い食材ですが、脂質も多いため、他の魚介類に比べるとカロリーは高めです。

穴子もうなぎほどではありませんが、ビタミン類を多く含んでいます。血栓を防ぐEPAや脳の発達に関わるDHAも豊富であり、カロリーはうなぎより控えめです。うなぎや穴子は、非妊娠時に食べるのであれば栄養価が高く、健康に良い食材といえるでしょう。

しかし、妊娠時はうなぎや穴子に多く含まれるビタミンAに注意が必要です。視覚や聴覚、皮膚や粘膜の保持に関わる大切な栄養素ですが、妊娠初期に過剰摂取するとお腹の赤ちゃんに影響することがあります。

野菜からビタミンAを摂取するのは問題ありませんが、ビタミンAを含有するサプリメントや動物性食品を多量に食べると、腹痛、めまい、骨粗しょう症などの症状が起こったり、赤ちゃんが奇形になったりする可能性があります。妊娠初期では、うなぎや穴子を過剰に食べるのは避けたほうが良いでしょう。

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水銀やカロリーは?

うなぎや穴子を含む魚介類の多くは、良質なたんぱく質や、DHA、EPA、鉄分などを多く含んでいます。しかし、クジラ類やキンメダイ、メカジキなどの一部の魚には、濃度の高い水銀が含まれていることがあります。妊娠中に水銀を多く摂取して、水銀の一部が胎盤を通って胎児の体内に入ると、発育に影響をおよぼす可能性があるといわれています。

うなぎや穴子は、水銀濃度は高いほうではありません。水銀含有量は、うなぎは0.051μg/g、穴子は0.010μg/gとなっています。一週間に摂取しても大丈夫な水銀の量は、妊婦の体重1kgあたり2.0μgとされています。水銀だけで考えるならば、50kgのママであれば一週間にうなぎ2kgまでなら問題ないことになりますね。(※1)

次に脂質とカロリーを見てみましょう。うなぎの白焼きの脂質は100gあたり25.8g、カロリーは331kcaLです。蒸し穴子は100gあたり脂質が12.7g、カロリーが194kcaLなので、穴子のほうがヘルシーといえます。(※2)体重管理が必要なママは、うなぎの食べ過ぎには気をつけたほうが良さそうですね。

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知らずにうなぎを食べてしまった…赤ちゃんへの影響は?

うなぎだけを連日食べ続けたり、一度に大量に食べたりしなければ、赤ちゃんへの影響は問題ないといわれています。ママの体調が良いのであれば心配しなくても良いでしょう。体調不良の大きな要因となるのは「ストレス」です。心配し過ぎるとママにも赤ちゃんにも良い影響をあたえないので、気にしないようにしましょう。

妊娠中はうなぎや穴子を一日にどのくらい食べてOK?

うなぎ

うなぎには、100gあたり1,500μgRAEのビタミンAが含まれています。これは、白焼きでも蒲焼でも同様です。個人差はありますが、一人前のうなぎは100~140g程度なので、うな丼やうな重を食べると、ビタミンAの量は1,500~2,100μgRAE程度となりますね。

厚生労働省が定めている耐容上限量(健康被害が出ないライン)は2,700μgRAE/日ですから、一人前を食べても赤ちゃんに影響はないといえるでしょう。ただし、これはあくまで上限であり、推奨される量はもっと低くなります。(※3)

ビタミンAの推奨摂取量は、妊娠初期~中期では650~700μgRAE/日、妊娠後期では730~780μgRAE/日となっています。うなぎを食べると、すぐに超えてしまいますね。そのため、うなぎを食べるときは一人前までとして、連日食べるのは避けましょう。

穴子

蒸した穴子には、100gあたり890μgRAEのビタミンAが含まれています。一人前の量を100~140gと仮定すると、ビタミンAの量は890~1,200μgRAE程度になります。ビタミンAの耐容上限量は2,700μgRAE/日なので、穴子丼でいうと二杯までなら大丈夫といえます。

ただし、他の食材でビタミンAを摂取している場合もありますし、妊婦のビタミンA摂取推奨量は650~780μgRAE/日であるため、やはり一日一杯にして、うなぎと同様に毎日食べるのは避けたほうが良いでしょう。

うなぎは血液に毒性があるため、一般的に生食はしませんが、穴子は毒性が薄いため、処理をした後お刺身にすることがあります。しかし、妊娠中は食中毒を発症するリスクが高いため、生ものはできるだけ避けたほうが良いでしょう。

生魚が使われたお寿司も控えたほうが良いですが、煮穴子なら問題ないですね。ストレス解消に、回転寿司で煮穴子や卵、納豆巻きなどを楽しんでみても良いでしょう。

妊婦はいつからうなぎや穴子の摂取量に注意すべき?

赤ちゃんのさまざまな器官は、妊娠初期から作られます。妊娠が判明したときから、うなぎや穴子の摂取量の上限を守るようにしたほうが良いでしょう。可能であれば、妊娠前からビタミンAの過剰摂取に注意するのが理想的ですね。

安定期に入ってつわりがひと段落すると、急に食欲がわくことがあります。食べすぎには十分注意しましょう。カロリーを摂り過ぎると肥満につながったり、高血圧になったりすることがあります。

妊娠中期から後期には、非妊娠時よりもビタミンAを付加摂取することが推奨されていますが、推奨される付加量は80μgRAE/日とそれほど多くはありません。無理に食べる量を増やそうとはせず、臨月まで気を抜かずに体重管理に努め、ビタミンAの摂取量に注意をしましょう。

妊娠中に食べてOK?NG?うなぎ由来の食べ物

うなぎの肝

うなぎの肝には、身以上のビタミンAが含まれています。100gあたり、4,400μgRAEのビタミンAが含まれているので、妊娠中は少量でも注意が必要です。肝を単体で食べることはあまりないため、うな重やうな丼についてくる肝吸い(うなぎの肝を使用したお吸い物)が問題となります。

うなぎだけでもビタミンAは豊富なため、妊娠中は同時に肝吸いを食べるのは避けたほうが良いでしょう。また、うなぎの肝の煮物なども避けたほうが良いですね。うなぎの肝と同様に、豚や鳥のレバーにもビタミンAは多く含まれます。レバー類を食べる時は大量に食べないように注意しましょう。

ひつまぶし

「ひつまぶし」は、うなぎのかば焼きを散りばめたご飯を薬味や出汁と一緒に食べる料理で、名古屋名物のひとつです。うなぎの量はお店や商品によって違いますが、一般的にはうな重やうな丼一杯分よりも少ないぐらいでしょう。

一人前をたまに食べる程度であれば、妊娠中でも大きな問題はありません。味が濃く、ご飯がついつい進んでしまうので、食べ過ぎには注意しましょうね。

うなぎパイ

浜松を代表するお土産が「うなぎパイ」です。うなぎのエキスを加えられたパイで、栄養豊富なイメージがありますね。実際に、うなぎパイ6本分に含まれるビタミンAは、うなぎの蒲焼100g相当といわれています。(※4)

うなぎ100gのビタミンAが1,500μgRAEとすると、うなぎパイ1本は約250μgRAEとなりますね。ビタミンAの推奨摂取量から考えると、一日2本程度にとどめておいたほうが無難です。カロリーは1本79kcaLとなっているので、食べ過ぎによる体重増加にも注意が必要ですよ。

うなぎの骨

静岡県の名産のひとつが「うなぎボーン」です。うなぎの骨を油で揚げたお菓子で、骨そのものの見た目と、香ばしい味が特徴です。味によっても違いますが、うなぎボーン100gあたりビタミンAが660〜990μgRAE含まれています。

うなぎボーンは一袋26g入りなので、ビタミンAで考えると一日一袋程度であれば問題ないでしょう。ただし、揚げ菓子でカロリーも高めなので、食べ過ぎないように気をつけたほうが良いですね。

うなぎのタレ(エキス)

「かば焼きのタレ」や「うなぎのタレ」として売られているものは、一般的にはしょうゆやみりん、砂糖で作られていて、うなぎそのものは含まれていません。塩分や糖分に気をつけて、味付けに使う程度であれば問題ありませんよ。

うなぎパイやうなぎに似せた練り製品「うな次郎」などには、うなぎエキスが入っています。うなぎエキスに含まれるビタミンAは微量のため、気にし過ぎる必要はありません。ただし、うなぎエキスが入ったサプリなどは、他にもいろいろな成分が含まれるため、注意したほうが良いでしょう。

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授乳中はうなぎや穴子を食べてもいい?

授乳中は、ビタミンAの必要摂取量が一日あたり300μgRAE増加します。推奨量になると、450μgRAE/日増やすことが理想とされています。ちなみに、妊娠初期〜中期のビタミンA推奨量は妊娠前と変わらず、妊娠後期だけ80μgRAE増加します。つまり授乳中は妊娠中よりも、少しだけ意識してビタミンAを摂取する必要がありますね。

そのため、常識的な量であればうなぎや穴子を食べても問題ありません。しかし、授乳中でも非妊娠時の状態でも、推奨量を超えるビタミンAを連日摂取するのは望ましくはありません。どんな食べ物でも、食べ過ぎには十分に注意し、栄養バランスを考えた食事をとりましょう。

妊娠中のうなぎ・穴子の食事に関する体験談

筆者はうなぎや穴子があまり得意ではありませんが、妊娠後期に無性にうな重を食べたくなったときがありました。しかし、うなぎのお店は遠くて妊娠中に行けるところにはありませんでしたし、スーパーのうなぎは高価で買う気がしませんでした。

そんなとき、余っていたうなぎのたれをご飯にかけて食べたのですが、たれの香りと味ですっかりうなぎを食べた気分になりました。もしうなぎを食べたくても過剰摂取をしたくないという人は、うなぎのたれをご飯にかけたり、たれを使って食材を調理したりしてみても良いかもしれません。ご飯が進むので、食べ過ぎには気をつけていました。

うなぎや穴子は適量を守って食べよう

うなぎや穴子はビタミンAが豊富なため、妊娠中に過剰摂取をすると赤ちゃんに影響をあたえることがあります。とくに妊娠初期はうなぎや穴子を食べる量に注意が必要です。

うなぎや穴子そのものは、適量を食べるのであれば栄養価の高い食品です。うなぎを食べたからといってすぐに何か悪影響があるわけではないので、たまに食べるくらいなら問題ないでしょう。

あまり食べたいものを我慢しすぎるとストレスになるので、妊娠中は過剰摂取に気を付けながら、うなぎや穴子を楽しめると良いですね。

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