妊婦が明太子やたらこを食べるには?生で食べてはいけない理由や気になる塩分、栄養について解説
プチプチとした食感と塩気で、ついつい食べたくなるのが明太子やたらこです。食卓にたらこや明太子があると、ご飯が進みますね。パスタやおにぎりの具として使用する人もいるかもしれません。しかし、妊娠中は食べ方に気をつけなくてはいけません。妊婦がたらこや明太子を食べるときに注意すべきことについて、理由とともに解説していきます。
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目次
明太子・たらことは?どんな栄養が豊富?
たらことは、スケトウダラという魚の卵巣を塩漬けしたものをさします。辛子明太子は、たらこを唐辛子などに漬け込んだものであり、福岡の会社が韓国の「たらこのキムチ漬け」をヒントに商品化したのが始まりといわれています。どちらもプチプチした食感と、どんな食材にも合う塩気が特徴です。
たらこはビタミンA、ビタミンB群、亜鉛などを多く含んでいます。ビタミンAやビタミンB群は、皮膚や粘膜の健康を保持してくれます。亜鉛は味覚を正常に保ち、細胞の生まれ変わりに関係する栄養素です。
明太子はたらこと同じ成分に加えて、唐辛子が使われているので、カプサイシン類、ビタミンE、鉄なども含まれています。明太子もたらこも、パスタやおにぎりなどによく使われる食材ですが、妊娠中に食べる場合は何か問題があるのでしょうか。
妊婦が明太子・たらこに注意すべき理由
食中毒
妊娠中は、生ものを食べることをなるべく避けたほうが良いといわれています。加熱処理をされていない食材は、食中毒の原因となる菌が付着している可能性があるからです。食中毒になると、ひどい下痢や嘔吐が続き、ママや赤ちゃんに何かしらの影響をおよぼすことがあります。
明太子やたらこは、食中毒の原因となる菌の汚染率が高い食材といわれています。塩漬けにしたり、冷蔵・冷凍保存したりするだけでは殺菌できない菌もあるため、必ず加熱してから食べたほうが安心です。
妊娠中、とくに気をつけたいのがリステリア菌です。妊娠中は免疫力が下がり、非妊娠時よりもリステリア菌に感染しやすいといわれています。妊娠中にリステリア菌に感染すると、胎児に影響することもあり、流産や早産などを引き起こす可能性があります。
欧米では、ナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモンなどを食べた人たちが、リステリア菌に感染する集団食中毒が発生しています。現状、日本では妊婦のリステリア菌感染の報告はありませんが、非加熱の食品からリステリア菌が検出されているため注意が必要です。
塩分
明太子やたらこは、塩分が多く含まれている食べ物です。製品にもよりますが、一般的なたらこの食塩相当量は100gあたり4.6g、明太子は100gあたり5.6gほどです。(※1)小さじ1さじ分に近い塩分が入っているわけですね。毎日大量に摂り続けると、塩分過剰となる可能性が高くなります。
明太子やたらこが使われた食品は、商品によって塩分量が変わります。便利でおいしいレトルトのパスタソースはどうなのでしょうか。一例として、キューピーの「あえるパスタソースたらこ」の食塩相当量は一食分2.0gとなっていました。また、エスビー食品の「まぜるだけのスパゲッティソース 生風味たらこ」の食品相当量は一食分2.2gと記載がありました。他の食品と合わせると、すぐに推奨される塩分摂取量を超えてしまうため、たらこを使った料理は注意が必要ですね。
妊娠中は明太子・たらこを1日にどのくらい食べても大丈夫?
厚生労働省の調査によると、20歳以上の女性の食塩摂取量の平均は一日9.2gとなっています。食塩摂取の目標量は一日7g未満なので、2g以上の減塩が求められているのです。ちなみに、WHO(世界保健機関)の基準になると一日5g以下の塩分摂取が推奨されているため、これに合わせようとすると半分近く塩分を減らさなくてはいけません。(※2)
たらこ(明太子)一本の重さは、ものによりますが約20~50g程度です。食塩相当量でいうと、1~2g前後となるわけですね。すぐに食塩の目標量を超えるわけではありませんが、他の料理の塩分も考えると一日一本までにしておいたほうが無難でしょう。
おにぎりの具の場合は10g程度の量なので、食塩相当量は多くて0.6g程度です。しかし、おにぎりのご飯自体にも塩が使われていることがあるため、一日1~2個程度にしておくと安心です。
明太子パンや明太フランスにも、同様に塩分が含まれています。どうしても食べたいときは、一個だけにしておきましょう。明太子やたらこを食べるときは、メインのおかずにせず副菜にしたり、他のおかずの塩分量を減らしたりする工夫をしましょう。また、食べるときは火をよく通してから食べることが大切です。
妊婦はいつからいつまで明太子・たらこに注意すべき?
塩分を過剰に摂取すると、高血圧につながることがあります。「妊娠高血圧症候群」を発症すると、常位胎盤早期剥離やHELLP症候群などのリスクも高くなってしまいます。塩分と妊娠高血圧症候群の関連性は明らかになっていませんが、過剰な塩分摂取には注意が必要です。
妊娠初期から塩分には注意しましょう。ただし、過剰な塩分制限は、ママと赤ちゃんの健康のためにはおすすめできません。明太子やたらこも、適度な量を食べる分には問題ないといえるでしょう。
生ものに関しては、妊娠がわかってからは避けたほうが良いですね。出産まではたらこや明太子はしっかり火を通してから食べましょう。授乳中は、生ものに関して摂取を控える必要はありませんが、どのような食材でも過剰に食べるのは止めたほうが良いですね。
妊娠中に明太子・たらこを調理するときの注意点
しっかり火を通す
明太子やたらこを食べるときは、しっかりと火を通しましょう。目安は、内側のピンクの部分がなくなるまでです。魚焼きグリルでも焼けますし、トースターにアルミホイルを引いて焼いても良いでしょう。
フライパンで焼くときは、片面の皮を切って開いておくと中まで火が通りやすくなります。明太子やたらこは、火を通すと少し小さくなります。その分、塩分も凝縮されるので食べ過ぎには気をつけましょう。
包丁・まな板や触った手をしっかり洗う
たらこや明太子を調理するときに使った器具は、そのまま使用しないように気をつけましょう。リステリア菌が付着したまま他の野菜などを切ってしまうと、汚染される可能性があります。調理器具を使うたびに、しっかり洗って熱湯をかけておきましょう。
調理した手や指も、他の食材や器具を触る前にしっかり洗っておきましょう。ハンドソープや石鹸で、爪の中や手首までしっかり洗うと安心です。たらこや明太子だけではなく、肉、魚などを触ったときは必ず手を洗いましょう。
塩分が気になるときは塩抜きしよう
実はたらこは塩抜きをすることが可能です。十分に冷えた氷水に、たらこを15~30分ほどつけます。ペーパータオルなどでしっかり水気を取った後、いつものように調理しましょう。ツブツブ感がなくならないように、食べる直前に行うのがベストです。切れ子や穴が開いているたらこは、粒が分散することもあるので塩抜きしないほうが良いでしょう。
調理したらすぐ食べる
明太子やたらこを購入したら、すぐに冷蔵庫に移しましょう。一度で食べきれない量なら、冷凍した後で小分けにし、少しずつ使うと便利ですよ。調理済みのたらこや明太子はすぐに食べきりましょう。どうしても食べきれず、時間を置いて食卓に出す場合は、必ず冷蔵庫で保存し再加熱しましょう。
妊娠中に明太子やたらこが食べたいときにおすすめの品目・レシピ
小さめのおにぎりで空腹対策
おにぎりはエネルギー補給に適しています。食べやすく、持ち運びしやすいので、外出時の間食にもなります。空腹時につわりがひどくなるママは、小さめのおにぎりをいくつか作っておくと便利ですよ。たらこや明太子を具に使ったときは、お米の塩分は減らしたほうが良いでしょう。
乳製品をプラスしてカルシウムも
たらこや明太子に乳製品をプラスすると、味わいがまろやかになり、カルシウムも補給できます。チーズは塩分が多いので、牛乳や無塩バターが良いかもしれませんね。牛乳とたらこ(明太子)、少量のしょうゆを混ぜれば、それだけでおいしいパスタソースとなります。牛乳と一緒にしっかり熱してからパスタにかけましょう。
ディップソースにして野菜をおいしく
たらこや明太子を使ったディップソースは、どんな野菜にも合います。野菜が苦手な人でも、ディップソースをつけたスティックサラダなら食べられることもありますよ。きゅうりやブロッコリー、にんじんやパプリカをディップソースにつけて食べるのがおすすめです。
たらこ(明太子)は薄皮をとり、ほぐしてから電子レンジで温めましょう。マヨネーズを混ぜるだけでも立派なディップソースになりますが、好みでレモン汁を入れてもおいしいです。カロリーが気になる人は、水切りヨーグルトを混ぜるとヘルシーですよ。生野菜を食べるときは、流水でよく洗ってからにしましょう。
妊娠中の明太子・たらこを使った食事に関する体験談
筆者がつわりのとき、小さなおにぎりしか食べられないことがありました。朝、ご飯を炊いて小さなおにぎりを10個ぐらい作り、一日かけて少しずつ食べました。外出のときも持って行きましたよ。
おかかや鮭、ツナマヨなどいろいろ試しましたが、明太子はピリッとした刺激で食欲が刺激され、つわり中でもおいしく食べられました。冷凍したものを1cm幅に刻んでおけば、ちょっと食べたいときに便利でしたよ。
妊娠前から明太子やたらこが大好きだったため、妊娠中も口にすることがありました。しかし食中毒が怖かったため、加熱されたものを食べるようにしていました。塩分が気になりましたが、明太子パンをたまに食べると、とても満足したのを今でも覚えています。
明太子・たらこは火を通して食べよう
明太子やたらこは、さまざまな栄養素を含んでいます。ただし、塩分が多いため過剰に食べるのは避けたほうが良いでしょう。一日一本までにして、栄養の偏りを防ぐためにも毎日食べるのは止めたほうが良いかもしれません。また、生のたらこや明太子には食中毒の原因菌が付着していることもあります。しっかりと火を通して、おいしく安全に食べましょう。