【医師・管理栄養士監修】妊婦は抹茶に注意すべき?抹茶のアイスやお菓子はNG?影響やカフェイン含有量について解説
飲み物としてだけではなくスイーツの素材としても人気の抹茶ですが、妊婦は抹茶を摂取しても問題ないのか気になりますね。抹茶に含まれるカフェイン量はどのくらいなのでしょうか。抹茶アイスなどスイーツに含まれるカフェイン量や妊娠中に抹茶を食べるときの注意点など、妊娠中に知っておきたい抹茶の知識について解説します。
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目次
抹茶の栄養素は?
抹茶は緑茶の一種で、日光を避けて育てたお茶の新芽を乾燥させた「てん茶」を粉にしたものです。日本古来の「茶道」に欠かせないお茶となっています。抹茶スイーツも人気がありますね。まろやかな甘みと豊かな苦み、深い香りが特徴で、妊娠中でも抹茶を飲んだり食べたくなったりすることはあるでしょう。
抹茶は煎茶や玉露のように葉の抽出液を飲むのではなく、葉そのものが粉にされたものを飲むために、お茶の葉に含まれる成分を無駄なく口にすることができるといわれています。抹茶にはたんぱく質、炭水化物、食物繊維、ミネラル、ビタミンなど幅広い種類の栄養素が含まれています。
ビタミンの中では、とくにβ-カロテンや葉酸が豊富です。β-カロテンはママや赤ちゃんの皮膚や粘膜の健康に影響します。葉酸は妊娠前から積極的に摂りたい栄養素です。妊娠初期に葉酸の摂取が不足していると、胎児が神経管閉鎖障害になるリスクが上がるといわれています。
抹茶には他にも、カテキンというポリフェノールの一種が含まれています。カテキンは抗酸化作用や抗菌作用があるといわれています。またテアニンというアミノ酸も多く含まれています。テアニンはお茶のうまみ成分であり、交感神経の働きを抑えてリラックスさせる効果があるといわれています。
抹茶のカフェイン含有量は?
抹茶の原料であるお茶の葉には、苦みに関係するカフェインが含まれています。抹茶は葉そのものを粉にしていただくため、煎茶や烏龍茶に比べるとカフェイン含有量が多くなっています。
抹茶粉末のカフェイン量は、100g当たり3200mgです。点て方にもよりますが、抹茶1杯には茶杓2杯分(約1.5g)の粉末が使われていますから、約48mgのカフェインが含まれているといえるでしょう。(※1)
カフェインが身体に与える影響は個人差が大きく、明確な基準はありません。欧州食品安全機関(EFSA)では1日200mgまで、世界保健機関(WHO)では1日300mgまでなら、妊婦がカフェインを摂取しても問題ないと報告しています。(※2)
抹茶で考えると、1日4杯までなら飲んでもよい範囲です。妊娠中といえども、抹茶に含まれるカフェイン量に関して、それほど神経質になることはないかもしれませんね。ただしコーヒーなど、他の食材でカフェインを摂取する可能性もありますから、抹茶は1日1杯までとしておくと安心です。
妊娠中に抹茶を摂取したときの影響は?
適量であれば、妊娠中でも抹茶を飲んで問題ありません。しかし毎日大量に抹茶を摂取すると、カフェインの過剰摂取となる場合があります。カフェインを過剰摂取すると、めまいや心拍数の増加、不眠症や下痢などが起こることがあります。胎児への影響としては、成長の遅延、出生児の低体重、早産や死産のリスクが高まるといわれています。
また、抹茶にはポリフェノールの一種である「タンニン」が100g当たり10gほど含まれています。タンニンの摂取量の上限は決められていませんが、鉄分の吸収を阻害する働きがあるといわれています。
最近の研究ではタンニンの鉄吸収阻害について、それほど神経質になる必要はないとされていますが、気になる人は食事中や食後すぐに抹茶を摂取しないようにすると良いでしょう。
妊婦は抹茶アイスや抹茶スイーツを食べてもいい?
抹茶スイーツのカフェインは?
抹茶チョコ、抹茶ドーナツなど、妊娠中でも抹茶味のスイーツが食べたくなるママもいるでしょう。また、暑くなってくると抹茶アイスや宇治金時のかき氷を食べたくなることがあるかもしれません。一般的な抹茶のお菓子にもカフェインは含まれてはいますが、微量である場合がほとんどです。妊婦が抹茶を含むスイーツを普通の量で食べる分には問題ないといわれています。
抹茶スイーツのレシピを見ると、抹茶は5g程度の使用であることが多く、妊婦の1日のカフェイン上限摂取量である200mgは超えないといえるでしょう。ただし、抹茶の粉がたっぷりかかっているような苦みの強いスイーツは、念のため控えたほうが良いかもしれません。
食べ過ぎると体重増加のリスクも
抹茶に限らず、甘いものの食べ過ぎには注意が必要です。糖分が多いパフェやケーキなどはカロリーが高く、毎日のように食べていると体重増加につながることがあります。妊娠中、急激に体重が増えると「妊娠高血圧症候群」のリスクが高まるといわれています。妊娠高血圧症候群になると、赤ちゃんの発育に影響が出たり、胎盤が子宮の壁からはがれてしまったりすることがあります。
さらにアイスやかき氷など、冷たいものばかり食べていると、腹痛が起こったり身体が冷えてしまったりする可能性があります。冷え性があまりにも悪化すると、血行が悪くなり、赤ちゃんに十分な酸素や栄養を届けられなくなるケースもないとは言い切れないため注意が必要です。
栄養バランスの良い食事を心がけ、抹茶アイスや抹茶スイーツは1日ひとつ程度にしておくと良いでしょう。一度に食べきらずに、ちょこちょこと小分けにして食べても良いかもしれません。
妊娠中に抹茶関連の飲み物を飲んでも大丈夫?
抹茶と同じく、抹茶ラテや抹茶オーレなどのドリンクのカフェインも、1日1杯程度であれば気にする必要はありません。ストレス解消に、たまにはカフェでゆっくり抹茶ドリンクを楽しんでみても良いでしょう。
カフェインを少しでも減らしたいのであれば、カスタマイズするのも良いですね。たとえばコーヒーチェーン店のスターバックスの場合、抹茶フラペチーノや抹茶ティーラテにかける抹茶パウダーの量を無料で調整することができます。「パウダー少なめ」で注文すればカフェインの量が減らせますね。
また、カフェインが控えめのほうじ茶ラテを試してみるのも良いでしょう。抹茶のような苦みはありませんが、ほのかな甘みと香ばしさがくせになるかもしれませんよ。
妊娠中に口にした抹茶に関する体験談
一人目の妊娠中、つわりがひどくて何も口にできないときがありました。何を食べても飲んでも吐き気が起こるのですが、唯一おいしいと感じたのが抹茶豆乳です。パックで売られているものを買い占めて、毎日お昼ご飯がわりにしていました。
マルサンの抹茶豆乳はあっさりとして飲みやすく、紀文の抹茶豆乳は黒蜜と濃い抹茶の味がして本格的。どちらも大好きで、気分によって飲み分けていました。栄養が偏ることや、カフェインのことは気になりましたが、他のものがほとんど口にできなかったため、筆者にとっての命綱でした。
妊娠中でも抹茶を適度に楽しもう
抹茶は茶葉そのものを粉にしているので、煎茶や紅茶に比べるとカフェイン量は多くなります。しかし、1日1杯程度であれば、妊娠中でも問題ないといわれています。抹茶にはビタミンや食物繊維、ポリフェノールが含まれているので、適量であれば健康にもつながりますよ。
抹茶のスイーツやアイスも、普通の量であれば妊婦さんでも楽しむことができます。ただし、甘いものはカロリーが高いので、食べ過ぎないように注意しましょう。抹茶にはリラックス効果もあるといわれているので、妊娠生活に上手に取り入れていきたいですね。
※この記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。