【管理栄養士監修】妊婦さんは玄米茶を飲んでも大丈夫?カフェイン量はどのくらい?

妊娠中は口にするものに気を使いますよね。比較的安価で入手しやすい玄米茶は、妊婦さんでも飲めるのでしょうか。玄米茶のカフェイン量や飲むときの注意点、他のお茶との違いを解説します。また、カフェインゼロやデカフェの玄米茶を管理栄養士監修で紹介します。

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この記事の監修

片村 優美
管理栄養士
片村 優美

目次

  1. 玄米茶、緑茶、紅茶、コーヒー、妊娠中は何を飲む?
  2. 玄米茶を妊婦さんの目覚めの一杯、寝る前の一杯に
  3. 玄米茶と煎茶、妊娠中に知っておきたい違いとは
  4. 妊婦さんはカフェインを摂取してはいけないの?
  5. なぜ妊婦さんはカフェインに注意が必要?
  6. 妊婦さんはカフェイン以外のお茶成分にも注意しよう
  7. 妊婦さんが一日に飲んでよいお茶の量は?
  8. なぜ妊婦さんに玄米茶はおすすめ?
  9. 妊娠中に好みのノンカフェインティーを見つけよう
  10. 妊婦さんにおすすめのノンカフェインティー
  11. 香ばしい玄米茶で寝る前にリラックスしよう
  12. あわせて読みたい

玄米茶、緑茶、紅茶、コーヒー、妊娠中は何を飲む?

妊娠中も水分補給は大切です。水分不足は脱水症状だけでなく、便秘などを引き起こす原因になることもあります。ミネラルウォーター、お茶、ジュースといったさまざまな飲み物がありますが、妊娠中は体重管理の観点からできるだけ健康的な飲み物を選びたいですよね。一番身近な水道水やミネラルウォーターは、好みが分かれることが多いかもしれません。妊娠初期のつわりに悩んでいる妊婦さんの中には、水が飲めないという人もいるようです。

お茶には、さまざまな種類があります。茶葉から抽出する緑茶、大麦を原料とする麦茶、発酵させてから乾燥する紅茶、さまざまな成分が混じった抹茶入りのジュースもあるでしょう。原料や作り方の違いから、それぞれのお茶に含まれるカフェインなどの成分量も異なります。

妊婦さんが飲み物を選ぶ際には、カフェイン量と成分に注意が必要です。カフェインが多く含まれているコーヒーを控えるだけでなく、さまざまな食べ物・飲み物について注意しなければいけないのは、難しいですよね。「マタニティ用」や「妊婦さんにも安心して飲める」といった表示があるものを選ぶのも良いでしょう。妊娠をきっかけに好みの飲み物・食べ物の成分やカフェイン量を確認してみるのはいかがでしょうか。

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玄米茶を妊婦さんの目覚めの一杯、寝る前の一杯に

妊娠中にお茶を飲むなら、どのお茶を選べば良いのでしょうか。お茶も種類によってはカフェイン含有量が高いため、できればカフェインが少ないものが良いですよね。お手ごろな値段で売られていることが多い「玄米茶」も、カフェイン量が少ないお茶のひとつです。

農林水産省の広報誌aff(あふ)の緑茶特集では、以下のように玄米茶を説明しています。

煎茶や番茶に炒った玄米を混ぜているため、独特の香ばしい香りや味が特徴。渋みが少ないので、高温で淹れて、香りを引き出す飲み方がおすすめ。

引用元:www.maff.go.jp

さっぱりとした味わいで食事にも合う玄米茶は、妊婦さんにもおすすめです。比較的安い値段で売られていることも多いので、家に常備しておいても良いかもしれませんね。クセのない味のため、夜寝る前や朝起きたときの水分補給に玄米茶を活用するのも良いでしょう。暑い季節には、煮出した玄米茶を冷やしてアイスで楽しむのも良いですね。

玄米茶と煎茶、妊娠中に知っておきたい違いとは

お茶は、素材の栽培方法や製造方法によって味や香りが変わります。一般的に緑茶に分類されるお茶の中でも抹茶、煎茶、玄米茶、ほうじ茶といった数多くの種類が存在しています。他にも紅茶やハーブティー、抹茶入り玄米茶といった複数のお茶を組み合わせたブレンド茶もあります。お茶の種類によっては、淹れ方も違います。

また、お茶の種類によって、含まれている成分が異なります。妊婦さんであれば、特にカフェインとタンニンがどのくらい含まれているのかに注意すると良いでしょう。代表的なお茶の100mL中に含まれるカフェインやタンニンの量は、以下のとおりです。(※1)

カフェインタンニン
玉露(浸出液)160mg230mg
煎茶(浸出液)20mg70mg
ほうじ茶(浸出液)20mg40mg
番茶(浸出液)10mg30mg
玄米茶(浸出液)10mg10mg
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妊婦さんはカフェインを摂取してはいけないの?

妊婦さんは一切カフェインをとってはいけないのではなく、一日に摂取するカフェイン量に注意する必要があります。

妊婦さんの一日のカフェイン摂取目安量は、専門機関によって現状は見解が異なるようです。世界保健機関(WHO)は、コーヒーであればマグカップ3~4杯までを推奨しています(※2)。英国食品基準庁(FSA)やカナダ保健省 (HC)は、コーヒーであればマグカップ約2杯までとしています(※3)。

ただし、カフェインによるさまざまな影響には個人差があります。摂取目安量より少ない場合でも、頭痛や吐き気、めまい、下痢といった症状が出る場合もあります。

なぜ妊婦さんはカフェインに注意が必要?

「妊娠中のカフェインは身体に良くない」というイメージは、多くの妊婦さんが持っているかもしれません。一方で、具体的にどのような影響が考えられるのかを理解している妊婦さんは、多くないかもしれませんね。

妊婦さんが摂取したカフェインは、胎盤を通じて赤ちゃんにも届きます。消化器官が未発達の赤ちゃんは、自分で上手に消化できないため、身体に負担がかかってしまいます。このため、お腹の赤ちゃんの発育を阻害する可能性があるといわれています。また英国食品基準庁(FSA)は、高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があるとも指摘しているようです。

妊婦さんだけでなく、授乳中のママや子どもに対しても、カフェイン摂取量についての注意喚起がされています。カフェインによる身体への影響は、明確になっていない部分もありますが、過剰摂取は赤ちゃんの成長に影響が出る、早産や死産と関連性がある可能性が示唆されています。はっきりとわからない分、自己判断での過剰摂取は控えましょう。

妊婦さんはカフェイン以外のお茶成分にも注意しよう

タンニン

妊婦さんは、お茶の成分のひとつである「タンニン」にも注意が必要です。タンニンは、妊婦さんにとって大切な非ヘム鉄(鉄)の吸収を阻害してしまいます。また、緑茶などに多く含まれるカテキンは、タンニンの一種です。

大腸刺激性下剤の成分

妊娠中は便秘に悩む人が多いといわれています。妊婦さんは気軽に便秘薬を使用することはできないので、「便秘に効果が期待できるお茶」と聞くと気になる人もいるかもしれませんね。しかし、便秘に効果が期待できる「センナ茶」やハーブティーのひとつである「キャンドルブッシュ」といったお茶には、刺激性や依存性が指摘される、大腸刺激性下剤の成分が入っています。

刺激が強いことから、下痢や痔の原因になるケースや特定のお茶を飲まないと便が出なくなってしまうケースもあるようです。妊娠中は薬の使用を避けたい人もいるでしょうが、お茶の種類によっては身体に負担のかかるものがあるということを知っておきたいですね。

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妊婦さんが一日に飲んでよいお茶の量は?

妊娠中の飲み物では、カフェイン量や成分に注意が必要ですが、正確なことはわからない場合も多いですよね。可能であれば、一日の摂取量や成分に注意する必要がないものを選ぶのが楽かもしれません。ノンカフェインの麦茶や比較的カフェインが少ない玄米茶であれば、過度に飲みすぎない限りは、妊娠前と同じように飲んでも問題ないでしょう。

ただしどうしてもカフェインが含まれているものを飲みたい場合には、カフェイン量が多いものだけでも覚えておくと良いでしょう。コーヒーのようにカフェイン量が多いものであれば、一日1杯から2杯程度にしておくのが安心です。チョコレートや栄養ドリンクにもカフェインは含まれているので、一日の合計で摂取しすぎないように注意してくださいね。

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なぜ妊婦さんに玄米茶はおすすめ?

玄米茶のカフェイン量は100mL中10mgと、コーヒー60mg、玉露160mg、煎茶20mgと比較して低めです。安価で手に入りやすい玄米茶は、カフェイン量からみても妊娠中も比較的安心して飲むことができます。また最近では、カフェインゼロの玄米茶やデカフェ玄米茶といった商品も販売されています。インターネット通販を利用すれば、自宅まで届けてもらえるので、まとめ買いもしやすいですね。

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伊藤園 おーいお茶 抹茶入り玄米茶 525ml×24本

伊藤園 おーいお茶 抹茶入り玄米茶600ml×24本
¥2,451〜(2024/02/13 時点)

妊娠中に好みのノンカフェインティーを見つけよう

カフェインや成分の確認が面倒な場合には、妊娠中も気兼ねなく飲むことができるお茶を常備しておくのがおすすめです。特にノンカフェインの飲み物は、産後の授乳中にも利用できるので、妊娠中にお気に入りを見つけておくと良いかもしれませんね。

ただしノンカフェインの飲み物でも、他の成分により、大量に飲むのは控えたほうが良い場合もある点には注意が必要です。たまに1杯飲む程度であれば問題ないでしょうが、気になる場合には、かかりつけの医師に相談してから飲んでくださいね。

ローズヒップティー

ビタミンCを多く含むローズヒップを原料とした「ローズヒップティー」は、さっぱりとした後味と爽やかな赤い色が特徴的なハーブティーです。食事にも合わせやすく、ホットでもアイスでも飲めるのが魅力的です。もちろんノンカフェインなので、寝る前に飲むのもおすすめです。しかし、妊娠中の安全性に関するデータはまだ少ないので、過剰に飲むのは控えた方が良いでしょう。

黒豆茶

自然な甘味を感じられる「黒豆茶」は、ノンカフェインの健康茶として注目を集めています。黒豆をコトコト煮出して作る黒豆茶は、老化防止に期待ができる抗酸化物質、ポリフェノールを含んでいます。一方で、女性ホルモンに似た作用があるイソフラボンを多く含んでいることから、妊娠中の大量摂取は控えたほうが良いでしょう。たまに気分転換として楽しむのが良いかもしれませんね。

杜仲茶

鉄分、マグネシウム、カルシウム、カリウム、亜鉛といったさまざまな成分を含む「杜仲茶(とちゅうちゃ)」は、健康茶として古くから支持されているお茶です。杜仲茶に含まれるゲニポシド酸と呼ばれる成分は、特定保健用食品にも採用されている成分で、血圧を正常に保つ効果に期待ができるようです。また、筋骨を丈夫にする作用によって流産予防としても用いられることもあるそうです。

妊婦さんにおすすめのノンカフェインティー

ローズヒップティー

オーガニック・ハーブ ローズヒップ ファインカット
¥1,000〜(2024/02/13 時点)

黒豆茶

遊月亭 発芽焙煎 黒豆茶ティーパック (12g×10包)×10袋
¥3,780〜(2024/02/13 時点)

香ばしい玄米茶で寝る前にリラックスしよう

妊娠中は、お腹の赤ちゃんのことを考えて、食べ物や飲み物には気を配りたいですよね。一方で、我慢ばかりしているとストレスになってしまうかもしれません。普段はノンカフェインやカフェインレスの飲み物を中心にしながらも、無理せず問題ない範囲で、たまには好きなお茶を楽しんでくださいね。

妊娠中は味の好みが変わる妊婦さんもいるため、飲んだ直後に気分が悪くなるなど気になる症状があれば、飲むのを控えてかかりつけの医師に相談してみましょう。無理せずストレスにならない程度に、妊娠中は健康的な食生活を心がけたいですね。

※この記事は2024年2月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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