【産婦人科医監修】妊婦が飲める栄養ドリンク一覧!妊娠中の風邪などにおすすめの10選
風邪や疲労時に気軽に飲んでいた栄養ドリンクも、妊婦になってからは飲んでもよいのか悩むママが多いかもしれません。多くの栄養ドリンクに含まれるカフェインやタウリンは、赤ちゃんに影響はないのでしょうか。妊婦さんが注意すべきポイントや妊娠中でも飲める栄養ドリンク、また栄養ドリンクの種類について産婦人科医監修で解説していきます。
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目次
栄養ドリンクとは?一般用医薬品に含まれるものとそうでないものがある
※妊娠中の栄養ドリンクは積極的にすすめるものではないため、1日の用量を必ず守るようにしましょう。さまざまな食品から栄養素を摂取するように心がけられると良いですね。
栄養ドリンクとは、タウリンやビタミンなどさまざまな栄養素が含有された飲み物をさします。ひとえに栄養ドリンクといっても、成分や効能によって法律により細かく分類されています。
栄養ドリンクの種類としては、薬剤師や登録販売者からの説明を努力義務とする「第2類医薬品」、薬剤師などからの情報提供の規定がない「第3類医薬品」、薬剤師がいなくてもコンビニなどで購入可能な「指定医薬部外品」があります。
栄養ドリンクの種類 | 該当する主な商品 |
---|---|
第2類医薬品 | ユンケル黄帝液・リポビタンゴールドエース |
第3類医薬品 | チョコラBBドリンクII・リポビタンDロイヤル |
指定医薬部外品 | リゲイン・チオビタドリンク・アリナミンV |
一般用医薬品に含まれる第2類医薬品と第3類医薬品に分類される栄養ドリンクは「滋養強壮」や「肉体疲労時の栄養補給」などの効果が見込めます。風邪をひいたときや仕事で疲れたときなどに飲む人も多いのではないでしょうか。
エナジードリンクと呼ばれる「モンスターエナジー」や「レッドブル」は医薬品や医薬部外品ではなく、分類上は「清涼飲料水」となっています。
妊婦は栄養ドリンクを飲める?
栄養ドリンクには一般的にビタミン類やタウリン、生薬などが配合されています。「産前、産後、授乳時の栄養補給に」とラベルに書かれているものもあり、妊娠中に飲めるものもあります。だからといって栄養摂取をドリンク剤に頼りすぎるのはおすすめできません。妊娠中はバランスの良い食事を心がけたいものです。
つわりがひどくてどうしても固形物が食べられないときや栄養不足が気になるとき、風邪のひき初めで体力が落ちているときなどに、栄養補給のサポートとして妊婦が栄養ドリンクを飲む分には問題ないでしょう。
妊娠中に栄養ドリンクを飲むとビタミンAの過剰摂取につながるのではないかと考える妊婦がいるかもしれません。しかし、ビタミンAが含まれている栄養ドリンクは少ないので気にしすぎることはないでしょう。栄養ドリンクを利用する場合は、ビタミンAよりも添加されているカフェインやアルコールの量に注意が必要です。
妊婦はどんな栄養ドリンクに注意すべき?
カフェインに注意
多くの栄養ドリンクに含まれる成分として、ビタミンB群やタウリン、無水カフェインなどがあります。疲労回復や身体の形成につながるビタミンB群やタウリンは、過剰摂取しなければ問題ありませんが、カフェインには注意が必要です。
妊婦がカフェインを摂りすぎると、赤ちゃんが低出生体重児となるリスクが上がるといわれています。明確な基準はありませんが、カフェインの摂取量は1日に200~300mgまでなら赤ちゃんに影響はないといわれています(※1)。
エナジードリンクとして人気のレッドブルには、1缶あたり80mgのカフェインが含まれています。リアルゴールドにはカフェインが含まれないため、カフェインの過剰摂取が気になるママにはおすすめです。妊婦が栄養ドリンクを選ぶときは、ノンカフェインのものか1日あたりのカフェインの上限量を超えないものにしておきましょう。
糖分に注意
糖分は活動のエネルギーとして重要ですが、過剰に摂ると肥満の原因になることがあります。妊娠中に肥満したり急激に体重が増えたりすると「妊娠高血圧症候群」のリスクが高まるため、注意が必要です。
栄養ドリンクの中には糖分が多いものもあります。また、添加物として果糖ブドウ糖液糖や香料が含まれるものがほとんどです。体重管理が必要な妊婦は、栄養ドリンクの飲む量やカロリー、糖分には気をつけましょう。
アレルギー成分に注意
健康食品や栄養ドリンクは医師を通さずに自己判断で購入するためアレルギー反応が出ないかどうかも自分で判断する必要があります。栄養ドリンクにはビタミンやミネラルなどの栄養素以外にも自然由来の成分が配合されていることがあり、一般的に身体に良いといわれる自然由来の成分もアレルギーの原因になりえます。
これまでにアレルギーが報告されているものは、三七人参、ローヤルゼリー、コリアンダー、ウコン、エキナセア、コロハ、ザクロ、スピルリナ、ゼラチン、プロポリスなどです。また、カフェインにアレルギー反応が起こることもあります。アレルギーはすべての人に起こるものではありませんが、妊婦の場合は十分に注意することが大切です。
漢方成分に注意
健康的で安全なイメージがある漢方の成分ですが、漢方の生薬は天然の植物や動物、鉱物などを医薬品として利用したものであり、天然由来成分は合成品と比べて安全性があるとは言い切れません。アレルギーの原因となることもありますし、効能が強すぎて身体に影響をおよぼすこともあります。
たとえば、有名な生薬である「朝鮮人参」には疲労回復効果などがあるといわれています。しかし、妊娠中の安全性に関してはまだ明らかになっていないので使用を避けたほうが良いとされています。気になる漢方の成分があるときは、使用前に医師や薬剤師などに相談しましょう。
飲みすぎに注意
栄養ドリンクを飲みすぎると糖分やカロリーの過剰摂取となったり、栄養バランスが偏ったりするおそれがあります。栄養ドリンクを通常の飲み物代わりに一日に何本も飲むことは避けましょう。
飲みすぎは特定の栄養素の過剰摂取につながり、身体に影響することもあります。栄養ドリンクはたくさん飲めば疲労回復効果が高まるというものではありません。ラベルなどを確認し、必ず用法・用量を守って飲むようにしましょう。
妊娠中でも飲めるおすすめの栄養ドリンク10選
※妊娠中の栄養ドリンクは積極的にすすめるものではないため、1日の用量を必ず守るようにしましょう。さまざまな食品から栄養素を摂取するように心がけられると良いですね。
リポビタン ノンカフェ(大正製薬)【指定医薬部外品】
指定医薬部外品
リポビタン ノンカフェは、タウリン1,000mgが配合されたドリンク剤です。1日1本まで、産前産後の栄養補給に利用できます。カフェインが含まれていないので、就寝前にも飲むことができますね。疲労の回復や集中力の維持、食欲不振のときの栄養補給にのために飲む人が多いようです。
アルフェ ネオ(大正製薬)【指定医薬部外品】
指定医薬部外品
アルフェ ネオは、ローヤルゼリーと鉄分の配合が特徴的な栄養ドリンクです。1本に鉄分が4.5mg含まれているので、鉄分不足のママにおすすめですよ。さらに低カロリー、ノンカフェインな点も嬉しいですね。味はさわやかな青りんご風味です。
ビタシーローヤル3000ZERO(常盤薬品工業)【第3類医薬品】
第3類医薬品
ビタシーロイヤル3000ZEROは、「糖類ゼロ」と「カフェインゼロ」が嬉しい栄養ドリンクです。滋養強壮に有効とされるタウリンは、3,000mg配合されています。カロリーは1本あたり16kcaLで、飲みやすいミックスフルーツ味ですよ。
エスカップ(久光製薬)【指定医薬部外品】
指定医薬部外品
エスカップは、肉体疲労時に不足しがちなビタミンB群やタウリンを配合したドリンク剤です。無水カフェインは1本あたり50mg含まれていますが、妊娠中や授乳中に飲んでも問題ないとされています。しかし、1日1本以上は飲まないように注意が必要です。
チオビタ・ドリンク(大鵬薬品)【指定医薬部外品】
指定医薬部外品
大鵬薬品のチオビタ・ドリンクも一日一本までならば、妊娠中に飲んでも問題ないとされています。一本あたり50mgの無水カフェインが含まれるため、不安なときは医師や薬剤師に相談するのが望ましいでしょう。
第二類医薬品である「チオビタゴールド」や「チオビタゴールド2000」には、微量ながらアルコールが含まれています。気になるようでしたらアルコールが含まれていないものを選ぶようにしましょう。
チオビタドリンク アイビタス(大鵬薬品)【第3類医薬品】
チオビタドリンクアイビタスゼロは、飲みやすいブルベリー味の栄養ドリンクです。カロリーは1本あたり7kcaLと低めになっています。「効能」には産前産後の栄養補給と書かれていて、1日1本までという用量を守れば妊婦も飲める栄養ドリンクです。
アリナミンV(アリナミン製薬)【指定医薬部外品】
指定医薬部外品
アリナミンVは、ビタミンB1誘導体のフルスルチアミンをはじめ、ビタミンB2・B6などが配合されたほどよい苦みのあるドリンク剤です。妊娠中や授乳期でも栄養補給のために飲んで問題ありません。1本あたり50mgの無水カフェインが含まれるため、1日1本という基準は守りましょう。
アリナミンV ZERO、アリナミンV&Vロイヤル、アリナミンゼロ7も妊娠中に飲んでも問題ありませんが、アリナミンVと同量のカフェインが含まれているので1日1本までにしてくださいね。
アリナミンRオフ(アリナミン製薬)【指定医薬部外品】
指定医薬部外品
アリナミンRオフはノンカフェインの栄養ドリンクで、時間を気にせず服用できます。妊娠授乳期または産前産後等の栄養補給に効能があるとされています。めずらしいラベンダーとグレープフルーツのさわやかな香りが特徴で、1本あたり2kcaLと低めなので体重が気になる妊婦も飲みやすい栄養ドリンクです。
デカビタC(サントリー)【清涼飲料水】
デカビタCはサントリーが販売しているビタミン配合のドリンクです。医薬成分は含まず、分類的にはオロナミンCと同じく「清涼飲料水」となります。妊娠中に必要なビタミンC、B1、B2、B6、ナイアシンなどが配合されています。
気になるカフェインは100mLあたり5mg入っています。一般的なデカビタCは210mLボトルでカフェインは15mgとなります。妊娠中でも問題ない範囲ですが糖分も入っているため、1日1本程度にとどめておくと良いでしょう。
リアルゴールド(コカ・コーラ)【清涼飲料水】
リアルゴールドは「清涼飲料水」に分類されます。ローヤルゼリーや高麗人参エキス、ビタミンB2・B6、Cが配合された、すっきりとした甘さの炭酸飲料です。カフェインは含まれていませんが高麗人参エキスが含まれるため、身体に合わない人は注意しましょう。糖分も含まれるので飲み過ぎは控えましょうね。
妊娠中の栄養ドリンクはあくまで「補助」 ととらえて
厚生労働省は、日々の栄養はバランスの良い食事から摂ることをすすめています。サプリメントや栄養ドリンクに頼ることはせず、あくまでも栄養が足りないときのサポート役としてとらえましょう。
また、栄養ドリンクは医師が処方する薬ではありません。病気の治療には、医師の診断と処方された薬などが必要です。薬と一緒に栄養ドリンクを飲むことにも注意が必要です。場合によっては薬の効果が弱くなったり、副作用が強まったりすることがありますよ。
薬を処方されたときは、栄養ドリンクと一緒に摂取してもよいかどうかを医師や薬剤師に事前に相談すると安心ですね。風邪薬と栄養ドリンクを併用しているというママも、一度医師に確認したほうが良いでしょう。
妊娠中は栄養ドリンクの用量を守ろう
栄養ドリンクは、一度にさまざまな栄養素を摂取できるため便利です。しかし、栄養ドリンクに頼りすぎると逆に栄養バランスが崩れてしまうことがあります。妊娠中は1日1本までと決めて、栄養補助として上手に利用していけると良いですね。妊婦が栄養ドリンクを選ぶときはカフェインや糖分の量にも気をつけましょう。
この記事は2024年6月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。