妊婦は緑茶を飲んでいい?ペットボトルなら一日何mLまで?カフェイン量や影響について解説

妊娠後に、普段飲んでいる緑茶のカフェイン量が気になる妊婦さんは多いかもしれません。ここでは、日本人になじみの深い緑茶のカフェイン量や成分、影響、ペットボトルの緑茶について解説していきます。ノンカフェインやカフェインレスの緑茶も紹介するので、飲み物を選ぶときの参考にしてくださいね。

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この記事の監修

杉山 太朗
産婦人科医
杉山 太朗
片村 優美
管理栄養士
片村 優美

目次

  1. 緑茶とは?含まれているカフェイン量は?
  2. 妊婦は緑茶を飲める?
  3. 妊婦は緑茶を一日何杯まで飲んでいい?
  4. 妊娠中におすすめのノンカフェイン緑茶
  5. 妊娠中に鉄剤を飲むときは緑茶に注意したほうがいい?
  6. 妊娠中に飲めるお茶は?
  7. 妊娠中に飲んだ緑茶に関する体験談
  8. ノンカフェイン緑茶を楽天・Amazonでチェック!
  9. 緑茶は適量飲むのであれば大丈夫
  10. あわせて読みたい

緑茶とは?含まれているカフェイン量は?

お茶の種類とカフェイン

お茶の葉が原料となっている飲み物は、量の違いはありますが基本的にはカフェインを含んでいます。緑茶やほうじ茶、玄米茶、烏龍茶、紅茶、抹茶などは、すべてカメリアシネンシスというお茶の葉が原料となっています。カフェインは、お茶の若い芽に多く含まれるため、若い芽を摘んで作るお茶ほどカフェイン量が多くなります。

下記の表は、文部科学省の「日本食品標準成分表」(※1)をもとに、代表的なお茶の100gあたりのカフェイン含有量を示したものです。

お茶の種類
100gあたりのカフェイン含有量(mg)
緑茶(煎茶)20
抹茶3200
ほうじ茶20
烏龍茶20

「緑茶」と呼ばれているお茶は、細かく見ていくと何種類かにわかれます。一般的によく飲まれているのは「煎茶」です。ペットボトルの緑茶も煎茶が多いですね。煎茶は生の茶葉を新鮮な状態で蒸して炒ったものです。煎茶のカフェイン量は100gあたり20mg程度であり、他のお茶やコーヒーと比べてもそれほど高くはありません。

緑茶には、他にも「玉露」と呼ばれるものがあります。玉露は光を制限して育てられた新芽が使われており、カフェイン含有量は100gあたり160mgと高くなります。「抹茶」は揉まずに乾燥させた茶葉を粉にしたものです。茶葉そのものが含まれるため、カフェイン量が最も多くなります。

ほうじ茶は強火で茶葉を炒ったもので、カフェイン含有量は100gあたり20mgと多くありません。烏龍茶は茶葉を半分発酵させたものであり、さらに発酵が進むと、紅茶となります。烏龍茶のカフェイン含有量も100gあたり20mgとなっています。

緑茶に含まれているカフェイン以外の成分は?

緑茶の苦みは、カフェインからくるといわれていますが、カフェイン以外にも、緑茶にはさまざまな成分が含まれます。そのひとつがカテキンです。カテキンはポリフェノールの一種で、渋みの主成分になっています。

カテキンには、体脂肪を減らす作用や抗菌作用があるといわれています。口臭対策や風邪予防として、緑茶でうがいをするという人もいるようです。他にも、アミノ酸の一種であるテアニンは、リラックス効果をもたらすといわれています。また緑茶には、紅茶や烏龍茶には含まれていないビタミンCが含まれています。

妊婦は緑茶を飲める?

緑茶にはビタミンやカテキンなど健康につながる成分も入っているので、適量であれば妊娠中に飲んでも大丈夫です。麦茶が苦手で緑茶ばかり飲んでしまうというママも安心してくださいね。

しかし、適量を超えてしまうとカフェインの過剰摂取につながることもあります。WHO(世界保健機関)では、カフェインを過剰に摂取すると胎児の成長遅延や、出生時の低体重のリスクを高めるとしています。赤ちゃんに影響しない範囲で緑茶を楽しみたいものですね。それでは、妊娠中に飲める緑茶の量に関して、具体的に確認していきましょう。

妊婦は緑茶を一日何杯まで飲んでいい?

カフェインの影響は個人差が大きいため、法律で摂取量の基準などは定められていません。海外の保健機関では、妊婦が一日に摂取しても問題ないカフェイン量を一日200~300mgとしているところが多いようです(※2)。緑茶に換算すると何杯までになるのでしょうか。

一般的な緑茶に含まれるカフェインは、100gあたり20mgとなっているので、湯のみ10杯までは問題ないといえるでしょう。ペットボトルのお茶の場合、たとえばキリンの「生茶」には100mLあたり13mg、サントリーの「伊右衛門」には100mLあたり約10mgのカフェインが含まれています。この結果を踏まえると、ペットボトルの緑茶を一日あたり2L以上飲むことは避けたほうが良いでしょう。

緑茶だけでなくコーヒーや紅茶を飲む場合は、コーヒーや紅茶に含まれるカフェイン量についても考慮した上で緑茶を飲む量を調整しましょう。玉露や抹茶はカフェイン含有量が多いので、妊娠中は飲みすぎないようにしましょう。緑茶を飲むときは、なるべく煎茶を選ぶと良いですよ。

妊娠中におすすめのノンカフェイン緑茶

麦茶やハーブティーの味が苦手で緑茶しか飲めないという妊婦さんや、つわり中に味の好みが変わり、緑茶以外の飲み物を受け付けなくなってしまった妊婦さんもいるでしょう。そんなときにおすすめなのが、大量に飲んでも影響がないノンカフェインやカフェインレスの緑茶です。

キリン 生茶デカフェ

キリン 生茶デカフェ
¥2,480〜(2022/02/04 時点)

人気の「生茶」から、カフェインゼロタイプが発売されました。ペットボトルの緑茶で「カフェインゼロ」となっているのは、今のところ生茶デカフェだけのようです。おでかけのときなど、さっと鞄に入れておけるので便利ですね。

三井銘茶 カフェインレス緑茶

カフェインレス緑茶 煎茶 40g
¥576〜(2022/02/04 時点)

水でもお湯でも溶ける粉末タイプの緑茶なら、いつでも手軽に飲めますね。カフェイン含有量は0.001gなので、妊娠中でも安心して飲めます。身体を冷やさないように、常温の水か温かいお湯で溶かして飲むのがおすすめです。

妊娠中に鉄剤を飲むときは緑茶に注意したほうがいい?

緑茶には「タンニン」というポリフェノールの一種が含まれています。抹茶や玉露にもタンニンは多く含まれますが、煎茶にも100mLあたり70mgのタンニンが含まれています。(※1)

このタンニンは、鉄分の吸収をさまたげる作用があるといわれています。貧血などで医師から鉄剤を処方されている場合、以前は「鉄剤をお茶で飲むのはNG」とされていました。しかし最近の研究では、緑茶に含まれているタンニンの量なら鉄剤の効果にそれほど影響せず、緑茶で服用しても問題ないといわれています。(※3)

それでも基本的には、薬を飲むときは水か白湯のほうが望ましいです。タンニンの鉄分への影響が気になるときは、鉄剤服用の前後30分は緑茶を避けると良いでしょう。

妊娠中に飲めるお茶は?

麦茶

麦茶はカフェインが含まれていないので、妊娠中でも安心して飲むことができます。マンガン、マグネシウム、カリウム、リンなどのミネラル成分が多く含まれています。しかし、原料である大麦は漢方の考え方では身体を冷やす効果があるとされているので、冷たい麦茶を大量に飲むのは控えましょう。

ハーブティー

ハーブティーにはさまざまな種類があり、ノンカフェインのものや、身体を温めてくれるものもあります。たんぽぽコーヒーも、妊娠中に飲めるハーブティーの一種です。ただし、ハーブの中には子宮収縮に影響するものもあるので注意が必要です。

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そば茶

そば茶はそばの実を原料としているお茶です。蕎麦屋さんなどで出ることもありますね。独特の風味がありますが、ノンカフェインのため、妊娠中でも安心して飲めるお茶です。ポリフェノールの一種である「ルチン」が含まれています。そばアレルギーの人は避けたほうが良いでしょう。

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妊娠中に飲んだ緑茶に関する体験談

一人目の妊娠中はカフェインが気になるあまり、麦茶ばかり飲んでいましたが、二人目の妊娠中はコーヒーも緑茶も適度に飲んでいました。つわりのときは、食後に緑茶を飲むことで吐き気がおさえられ、口の中がさっぱりしたので重宝しましたよ。麦茶や烏龍茶は、どうしても冷えたものを飲みがちですが、緑茶は温かいものを飲みたくなるので、身体を冷やさないためにも良かったと思います。

ノンカフェイン緑茶を楽天・Amazonでチェック!

楽天・Amazonで他のノンカフェイン緑茶を探したい方は、以下のリンクを参考にしてください。

緑茶は適量飲むのであれば大丈夫

緑茶のカフェイン量は、コーヒーなどに比べるとそれほど多くはありません。しかし、抹茶や玉露はカフェイン量が多くなるため注意が必要です。ペットボトルの緑茶であれば一日あたり2L以上摂取しなければ問題ないので、神経質になり過ぎないようにしましょう。冷たいお茶は身体を冷やすこともありますから、適量をゆっくり飲むようにしましょう。

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