妊婦はほうじ茶を何杯飲める?カフェイン量や影響、効果について解説
ほうじ茶は日本茶のひとつで、渋みや苦みの少ない味わいと香ばしさが特徴です。妊娠中のママは、ほうじ茶にカフェインがどのくらい含まれているのか気になるかもしれません。ここでは、ほうじ茶を一日何杯まで飲めるのか、成分やカフェイン量、飲み過ぎた場合の影響について解説していきます。
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目次
妊娠中に飲めるお茶と注意が必要なお茶
妊娠中は、身体がほてって汗をかきやすかったり、つわりで嘔吐したりすることがあり、水分補給が大切になってきます。妊娠中の水分補給に適しているのは、糖分やカフェインが含まれていない飲み物です。ノンシュガー、ノンカフェインの麦茶などは妊娠中でも安心して飲めますが、緑茶や抹茶はカフェインが含まれているため過剰摂取には注意が必要です。
お茶の葉にはカフェインが含まれているので、大量に飲みすぎるとカフェインを摂取しすぎてしまう可能性があります。とくに玉露や抹茶は、カフェインが多く含まれる傾向があるので注意が必要です。
お茶の葉を使っている飲み物は、玉露や抹茶のほかにも煎茶、番茶、烏龍茶、紅茶などがあります。これらの飲み物には、含有量に違いはありますがカフェインが含まれています。お茶の葉を使っていない麦茶やそば茶には、カフェインは含まれていません。
ほうじ茶とは?飲んだときの効果は?
ほうじ茶も、お茶の葉から作られる飲み物です。緑茶は新鮮な状態の生葉を熱処理して作りますが、ほうじ茶は茶葉を強火で焙煎することで、香ばしさを引き出しています。高温の焙煎過程でカフェインが飛ばされ、渋みや苦みが少ないすっきりした味わいになるといわれています。
ほうじ茶には葉酸、カリウム、タンニン(カテキン)などの栄養素が含まれています。葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害の予防に役立つとされ、妊活時から積極的に摂取するように推奨されている栄養素です。またカリウムは、体内の水分や血圧を調整する働きがあるといわれていますから、妊娠中のむくみ対策にもなりますね。
タンニンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、適度に摂取すれば生活習慣病の予防につながることがあります。摂取しすぎると便秘につながる可能性がありますが、ほうじ茶のタンニンの量は100g当たり0.04gと控えめなので、あまり心配する必要はないでしょう。
ほうじ茶は番茶・玄米茶とどう違う?
玄米茶とは、蒸して炒った玄米を番茶や煎茶などに混ぜたものです。玄米と茶葉の割合は半々のものが多いようですね。玄米が入っているため香ばしさが強く、茶葉の量が少ないためカフェインやタンニンの量は少なめです。就寝前にも摂取できて、妊婦さんや幼児におすすめのお茶です。
番茶は、つみ取る時期や品質などが日本茶の主流から外れたお茶全体をさします。「番外のお茶」という意味もあるようです。かたい葉などで作られた下級茶を総称して呼ぶこともあります。地域によっては、ほうじ茶のことを番茶と呼ぶことがあるようで、正式な決まりはないようです。
ほうじ茶に含まれるカフェイン量は?
文部科学省の「日本食品標準成分表」によると、ほうじ茶100gに含まれているカフェイン量は約20mgです(※1)。日本には明確な基準はありませんが、英国食品基準庁(FSA)では、赤ちゃんに影響を与えないカフェイン摂取量は一日200mgまでとされています(※2)。
この基準で考えると、妊婦は一日にほうじ茶を1L程度は飲んでも良いことになりますね。ちなみに市販のペットボトルのほうじ茶だと、どのくらいの量を飲んでも問題ないのでしょうか。
店頭で販売されている商品の例をあげると、ポッカサッポロ「加賀棒ほうじ茶(525mL)」には100mL当たり約13mg、サントリー「ホット伊右衛門 焙じ茶(280mL)」には100mL当たり約20mgのカフェインが含まれています。これらの数値から考えると、毎日500mLのペットボトル2本程度であれば問題ないといえるでしょう。なお、伊藤園「お~いお茶 ほうじ茶」にはカフェイン量の記載はありませんでした。
妊婦がほうじ茶を飲みすぎると赤ちゃんに影響する?
ほうじ茶には、タンニンが含まれています。タンニンには腸のけいれんを抑える作用があり、下痢の改善につながることがありますが、反対に便を硬くして便秘の原因となることもあります。便秘自体が赤ちゃんに悪影響をおよぼすことはありませんが、便秘に悩まされている妊婦さんは、ほうじ茶の過剰摂取に気を付けたほうが良いでしょう。
また、タンニンは体内で鉄と結びつき、鉄分の吸収を阻害する働きもあるようです。妊娠中に鉄欠乏性貧血が起こると、自然流産や低体重児などのリスクが上がるといわれています。
貧血気味のママは、食事中や食事直後に濃いほうじ茶を飲むのは避けたほうが良いかもしれません。ただし最近の研究では、お茶に含まれているタンニンの量では鉄剤の効果に影響しないという報告もあるようです。
妊娠中にほうじ茶関連の飲み物や食べ物を口にしても大丈夫?
最近は、ほうじ茶のリラックスできる香りやほのかな甘みに人気が集まり、ほうじ茶風味のスイーツやドリンクが多く販売されています。ほうじ茶のスイーツに含まれているカフェインは、よほどの量を食べない限り問題ありません。しかし、なかにはカロリーが高いスイーツやドリンクがあります。妊娠中に体重が急増すると、妊娠高血圧症候群などのリスクも上がるため、甘いものの食べ過ぎには注意が必要です。
ほうじ茶風味のスイーツやドリンクの一例をあげると、スターバックスコーヒーでは、加賀棒ほうじ茶を使った「ほうじ茶フラペチーノ」を飲むことができます。一杯分のカロリーは372kcaLで、少し高めですね。カロリーや脂肪分が気になるときは、低脂肪乳や豆乳にカスタマイズすると良いかもしれません。
期間限定で何度か復活しているハーゲンダッツの「ほうじ茶ラテアイス」はひとつ240kaLです。さっぱりした甘さでついついたくさん食べたくなるかもしれませんが、一日一個までにしておいたほうが良いでしょう。伊藤園からは、お~いお茶以外にも「TEAs' TEAほうじ茶ラテ」が販売されています。こちらは一本当たり165kcaLとなっています。
間食は一日200kcaLまでが理想とされています。あくまで目安ではありますが、できるだけ超えない範囲でほうじ茶スイーツを楽しめると良いですね。
ほうじ茶以外で妊婦さんにおすすめのお茶は?
麦茶
麦茶はノンカフェインのお茶の代表格です。アレルギーを気にする人もいますが、麦茶の原料は大麦なので、基本的に小麦アレルギーとは関係しないといわれています。麦茶はカリウムをはじめとするミネラル類を含み、身体を冷やす作用があるといわれています。お家で作り置きしやすいのも嬉しいですよね。夏はアイス、冬はホットで飲むと良いでしょう。
たんぽぽ茶
たんぽぽ茶はたんぽぽコーヒーともよばれ、コーヒーに似た香ばしさと苦みが特徴です。たんぽぽの根っこの部分を煎じたものなので、カフェインは含まれていません。ビタミンやミネラルが豊富に含まれ、便秘やむくみの改善につながるといわれています。
妊娠中に口にしたほうじ茶に関する体験談
筆者の故郷はほうじ茶を日常的に飲む地域であったため、里帰りをしているときは毎日のようにほうじ茶を飲んでいました。ほうじ茶は苦みや渋みが少ないので、つわりのときでも吐き気がひどくならなかったように思います。
身体を温かくしてほうじ茶を飲むと、余計な力が抜けて、リラックスできたような気がします。集中したいときは緑茶、ほっとしたいときはほうじ茶と飲み分けることもありました。
ほうじ茶を適量飲んでほっとリラックス
ほうじ茶は、玉露や抹茶と比べるとカフェイン量が少ないため、妊娠中でも適量であれば飲むことができます。渋みや苦みが少ないので、緑茶や麦茶が苦手なママにもおすすめです。ほうじ茶を使ったスイーツやドリンクも人気ですが、糖分が多いものは過剰に食べないように注意しましょう。ほうじ茶タイムを楽しみつつ、リラックスしてお産を迎えられると良いですね。