【管理栄養士監修】妊婦におすすめの麦茶は?効果と注意点、麦茶が苦手な場合は代わりにどんな飲み物が良い?
妊娠中の飲み物というと「麦茶」をあげる妊婦さんが多いかもしれませんね。麦茶は緑茶や烏龍茶などとは違い、お茶の葉を使っていないのが特徴です。ここでは妊婦さんにやさしい麦茶の成分や飲み方について解説していきます。麦茶が苦手なママには、代替品になる飲み物も紹介するので参考にしてくださいね。
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目次
麦茶の栄養と効果、カフェイン量は?
麦茶は、焙煎した大麦の種子を煎じて作られた飲み物です。お茶の葉を使用していないため、厳密には「お茶」ではありませんが、日本人にとっては馴染み深い飲み物のひとつですね。麦茶は大麦が原料のため、カフェインが含まれていません。ノンカフェイン、ノンカロリー、ノンシュガーの麦茶は、妊婦さんや幼児が飲むのに適しているといえるでしょう。
麦茶には、カリウムをはじめとするミネラルが含まれています。カリウムは体内の塩分と水分を調整する働きを持ち、適量を摂取することで、妊婦のマイナートラブルのひとつである「むくみ」の改善に期待できるといわれています。麦茶は緑茶やほうじ茶と比較すると、含まれているカリウムの量が多いわけではありません。しかし、すっきりとした味わいで飲みやすいため、水分とミネラルが補給しやすい飲み物です。
また、麦茶のフレーバー成分である「ピラジン類」には、血流を改善させる効果があるといわれています。日々の食事からさまざまな栄養をバランス良く摂取し、麦茶で水分とミネラル補給を行うことで、健康的な妊娠生活を目指したいものですね。
さらに麦茶には抗酸化作用があるといわれています。妊娠中はホルモン産生の変動や体型の変化、その他精神的なストレスなどにより、妊婦の体内には酸化ストレス反応を引き起こしやすいといわれています。そのため体内の活性酸素を除去させる働きがある抗酸化作用のある麦茶はおすすめですよ。(※1)
妊婦におすすめの麦茶は?
伊藤園 健康ミネラルむぎ茶
市販の麦茶というと、伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」のパッケージが浮かぶ人がいるかもしれません。二条大麦と六条大麦がブレンドされており、すっきりした味わいでごくごくと飲めますね。ペットボトルだけではなく、粉タイプやティーバッグタイプもあるので、いろいろな飲み方ができそうです。
サントリーGREEN DAKARA やさしい麦茶
サントリーのやさしい麦茶は、名前の通りすっきりやさしい味わいで、雑味が少ないのが特徴です。大麦、玄米、はと麦、海藻エキスが入っており、アレルギー特定原材料等(※)は不使用となっています。650mLの大容量のペットボトルを常備しておけば、おでかけの際の水分補給に困らないですみますね。
(※)アレルギー特定原材料等:食品衛生法に基づき、食物アレルギーを引き起こす食品のうち表示が義務付けられている7品目(特定原材料:えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)と、特定原材料に準ずる食品として表示を推奨されている20品目を合わせた27品目のことをいう。
はくばく 水出しでおいしい麦茶
妊娠中は、お湯を沸かしたり、冷めるのを待ったりするのが面倒に感じることもあります。そんなときには、水出し専用の麦茶を試してみても良いですね。「水出しでおいしい麦茶」は低温焙煎されていて、穀物本来の甘みを楽しむことができます。きれいな淡い色調なので、目で見ても楽しめますよ。
妊娠中の麦茶は水出し・煮出しどちらが良い?
麦茶というと、夏の冷たい飲み物というイメージがあるかもしれませんが、ホットでもおいしく飲めます。麦茶のミネラルは加熱しても失われないので、水出しでも煮出しでも、好みで飲み分けると良いでしょう。
水出しの場合は、水道水のほうがカルキ(水道水の消毒のために利用される薬品)が入っているので、保存性が良いかもしれません。味を気にする場合はミネラルウォーターを使用しても構いませんが、日本人の体質に合った軟水を選び、作った分はすぐに飲んでしまうようにしましょう。
衛生面から見ると、水出しも煮出しも細菌の増殖に大きな変化はないといわれています。入れる容器やグラスを清潔にして、必ず冷蔵庫で保管するようにしましょう。作ってから1~2日までは大丈夫といわれていますが、妊娠中は免疫力が落ちている状態なので、作った当日に飲むのが安全です。作り置き前提ではなく、面倒でも一日分ずつ作るようにしましょう。
妊婦が麦茶を飲むときの注意点
身体を冷やさないように
麦茶はさっぱりした味のため、つい多くの量を飲んでしまいがちです。しかし、麦茶の原料である大麦は身体を冷やす効果があるといわれています。穀物の中ではもち米が身体を温め、蕎麦や小麦、大麦は身体を冷やすとされています。
暑さでほてった身体を冷ますのには役に立ちますが、冷えている麦茶を飲みすぎると身体が冷えすぎてしまう可能性があります。身体が冷えて血行が悪くなると、妊婦さんの体調やお腹の赤ちゃんになんらかの影響を与える可能性もゼロではありません。
冷えが気になるときは、麦茶は常温か温かいものを飲むと良いでしょう。温かい麦茶にミルクを入れる「麦茶オレ」もおすすめです。どうしても冷たい麦茶を飲みたいときは、身体をしっかり温めて、ゆっくりと少しずつ飲むようにしましょう。
はと麦が含まれているもの
麦茶の中には、はと麦や米などの穀物や、緑茶などの茶葉を混ぜた「混合茶」として販売されているものもあります。カフェインの量に気を付ければ基本的にはどのお茶を飲んでも構いませんが、はと麦には少し注意が必要です。
脱穀前のはと麦は「はと麦茶」の原料で、渋皮を取り除いた中身は「ヨクイニン」として漢方の生薬などに使われています。このヨクイニンは、肌荒れやいぼの改善に効果があるといわれています。
ヨクイニンの漢方薬の使用は、妊婦さんは禁忌とはなっていません。しかし、使用の際は医師と相談するよう注意喚起がされています。どのくらいの摂取量であれば安全であるかといったことも、現状わかっていないため、リスクを最小限にするためにも、妊娠中ははと麦茶の摂取を控えたほうが無難でしょう。
まれにアレルギーが起こることも
食物アレルギーを引き起こす食品のうち、発症数が多いえび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生の7品目は「特定原材料」と呼ばれており、表示義務があります。麦茶の原料は小麦ではなく大麦なので、アレルゲンとはされていません。
ただし、小麦アレルギーを発症している人の一部は、麦類全般を除去するように指導されることがあります。その場合は、麦茶も控えたほうが良いでしょう。
麦茶が苦手な人・飽きた人におすすめの飲み物
妊娠中、麦茶ばかり飲み過ぎて飽きた人や、もともと麦茶の味が苦手という人もいるでしょう。つわり中で味の好みが変わり、麦茶の香りに吐き気がしたり、気持ち悪いと感じたりするママもいるかもしれません。麦茶以外に、妊娠中に安心して飲めるものはないのでしょうか。
白湯
白湯は、水を沸騰させてから飲める温度まで冷ましたものです。手軽ですし、カロリーもカフェインも含まないので安心ですね。水道水を一度沸騰させているので、カルキ特有の味やにおいも消すことができます。
冷たい水と比較すると、白湯は内臓を温め、血液循環を良くする作用があります。冷たいものをごくごくと飲んで水分補給するよりも、白湯をゆっくり飲んだほうが冷えの改善につながるかもしれません。
たんぽぽ茶
たんぽぽ茶はたんぽぽコーヒーとも呼ばれ、焙煎したたんぽぽの根から作られた飲み物です。昔、コーヒーは高価な飲み物だったので、安価な代替品として欧米で飲まれていたようです。苦みのある味はコーヒーと似ていますが、原料はたんぽぽの根なのでカフェインは含まれていません。利尿作用や、便秘改善の効果があるといわれています。
ほうじ茶
ほうじ茶は、焙煎したお茶の葉を使った緑茶の一種です。独特の香ばしさがあり、煎茶と違って苦みや渋みはほとんどないものが一般的です。お茶の葉が使われているためカフェインは含まれていますが、ほうじ茶100g当たり20mgと含有量は多くはありません。
一日のカフェイン摂取量は200mg以内であれば赤ちゃんに影響がないといわれているので、ほうじ茶のみであれば1kgまで飲める計算になりますね。最近では、ほうじ茶と牛乳をブレンドしたほうじ茶ラテも人気があるようです。
ゆず茶
ゆず茶とは、はちみつと砂糖に漬けた柚子をお湯で溶いて飲むものです。甘酸っぱさと、ほんのりとした苦みがあり、つわりのときでも飲みやすいと感じるママもいます。ゆず茶には、皮膚の健康を保持するリモネンやビタミンC、ストレスを軽減するシトラールなどが含まれています。
ノンカフェインのため妊娠中でも飲めますが、砂糖が含まれているので飲みすぎには注意が必要です。糖分を過剰に摂取すると、体重が急激に増えるリスクがあります。過度な体重増加は妊娠高血圧症候群などにつながる場合もあるため、ゆず茶は一日2、3杯までにしておくと良いかもしれません。
妊娠中の麦茶に関する体験談
一人目の妊娠中は、カフェインゼロの生活を目指して徹底的に麦茶を飲んでいました。家でも麦茶、外でも水筒に入れた麦茶。それ以外の飲み物はほとんど飲みませんでした。
妊娠中は使命感が強かったのか、麦茶に飽きることはありませんでしたが、出産後はしばらく飲みたくなかったですね。やはり心のどこかで飽きていたのかもしれません。今ではほどよく楽しんでいます。赤ちゃんも一緒に飲めるのがうれしいですよね。
ノンカフェインの麦茶で妊娠生活を乗り切ろう
麦茶はノンカフェインなので、妊娠中でも安心して飲むことができます。カリウムなどのミネラルも含まれているので、夏場の水分補給とミネラル補給にぴったりですね。麦茶を飲むときは、冷たいものを一気に飲んで、身体を冷やさないように注意しましょう。メーカーや作り方によって、味や香りが微妙に変わってくるので、自分に合った麦茶を探してみましょう。