妊娠初期のカフェインの影響は?コーヒー摂取量の目安やカフェインレス飲料を紹介
妊娠初期はお腹に赤ちゃんがいることが判明して嬉しい反面、赤ちゃんへの影響を考えて食べ物や飲み物に気をつかう方も多いでしょう。妊娠中に控えたほうが良い成分のひとつに「カフェイン」があります。カフェインを過剰摂取するとどのような影響があるのでしょうか。ここではカフェインの適度な摂取量を産婦人科医監修で解説します。
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目次
妊娠初期とは
妊娠初期とは、一般的に妊娠2ヶ月~4ヶ月頃(妊娠4週~15週)をさします。まだ妊娠が判明していない妊娠超初期(妊娠0週~3週)とはわけて考えられることが多いです。妊娠6~7週頃になると、胎児の心拍が確認できるようになり、流産の可能性が下がるといわれています。妊娠初期につわりが始まるママも多いです。
妊娠初期は、赤ちゃんの身体のさまざまな器官が形成される、とても大切な時期です。この時期の赤ちゃんは、「卵黄嚢(らんおうのう)」という栄養が蓄えられた器官から栄養を摂取しています。つわりで思うように食事がとれないママは心配かもしれませんが、胎盤が完成するまでは卵黄嚢からの栄養で赤ちゃんは成長しているので、いつものように食事がとれなくても心配しすぎないようにしましょう。
反対に、常に何か口にしていないと気持ち悪くなる、食べつわりのママもいます。妊娠前に口にしていたものの中には、赤ちゃんに影響を与えるものもあるので注意が必要です。アルコール、タバコなどはとくにリスクが高いといわれています。妊娠初期は、お腹の赤ちゃんのことを第一に考えた生活に切り替えていく時期ともいえるでしょう。
妊娠初期にカフェイン摂取を控えるべき理由
カフェインは、コーヒー豆や茶葉などに多く含まれている成分です。独特の苦味を出すために、飲料や食品に添加されることもありますね。眠気覚ましにカフェインを摂る人もいます。しかし、カフェインの摂りすぎは、人体に悪影響をおよぼすことがあります。
カフェインは中枢神経を刺激します。そのため、不眠や不安、めまいなどが起こることがあります。また、循環器にも作用するため、心拍数が増加したり、血圧が上昇したりすることもあります。消化管系に作用し、下痢や吐き気につながることもあるようです。妊娠初期のママの身体はデリケートなので、カフェインの摂取には注意しましょう。
また、妊娠中のカフェインの過剰摂取は、胎児の発育を阻害する可能性もあります。コーヒーやお茶が好きな人は毎日気づかずに過剰摂取していることもあるため、意識的に控えたほうが良いかもしれません。
妊娠初期にカフェインがおよぼす影響は?
カフェインがママや胎児におよぼす影響は、まだ完全には明らかになっていません。いつから影響するのか、どのくらい影響するのかは個人差も大きいため、日本でも国際的にもカフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されていないのが現状です。
WHO(世界保健機関)では、妊娠中はママの血液からカフェインが消えるのが遅くなるため、過剰摂取すると胎児の成長が遅れたり、出生児が低体重になったり、早産や死産のリスクが上がったりする可能性があるとしています。
イギリスでは、妊婦がカフェインを摂り過ぎると、赤ちゃんが低体重になる可能性があるとしています。また、高濃度のカフェインは、自然流産を引き起こす可能性もあると発表しているようです。
妊娠初期のカフェイン摂取量はどれくらいなら大丈夫?
WHO(世界保健機関)では、妊娠中のカフェインは1日300mgまでの摂取なら、身体に悪影響がないとしています。欧州食品安全機関(EFSA)ではより基準が厳しく、1日200mgまでが妊婦が摂取しても問題ないカフェインの量となっています。(※1)
日本ではカフェイン摂取量の取り決めはありませんが、やはり200~300mgあたりが安全なラインといえるかもしれません。一般的に、コーヒー100mLには約60mgのカフェインが含まれるといわれています。
カップの大きさやコーヒーの種類にもよりますが、コーヒーカップ1杯を150mLとして、1日3杯あたりに留めておいたほうが良いですね。どうしてもコーヒーを飲みたくなったときは半分牛乳で割ってコーヒー牛乳にするなど、工夫してみましょう。
コーヒー以外にカフェインが含まれている飲み物・食べ物
コーヒー以外でも、カフェインが多く含まれている食べ物や飲み物を知っておけば摂取量を調整できます。成分量は以下の表を参考にしてみてください。
飲み物・食べ物 | カフェイン含有量(100gあたり) |
---|---|
紅茶 | 0.03g |
緑茶 | 0.16g |
ウーロン茶 | 0.02g |
ほうじ茶 | 0.02g |
抹茶 | 3.2g (粉末製品) |
ココア | 0.2g |
エネルギー飲料(オロナミンCなど) | 0.03g~0.3g |
チョコレート | ほんの微量含まれている(0.005g未満) |
気をつけたほうが良いのは緑茶です。普通の煎茶であれば、カフェイン量は100mLあたり約20mgであるため、コーヒーよりも少ないですね。しかし、高級茶である「玉露」になると100mLあたり約160mgと、8倍になります。抹茶も100mLあたり約30mgと高めになっていますが、抹茶を大量に飲む機会はあまりない人が多いかもしれません。
抹茶を使ったお菓子などもそれほど気にしなくて良いでしょう。お茶の中では、ほうじ茶やウーロン茶は比較的カフェインが低めです。もし、お茶漬けを食べるのであれば、お湯かほうじ茶がおすすめです。麦茶はカフェインが含まれていないので、安心して飲めますね。
甘い飲み物では、ココアやコーラにも紅茶と同程度のカフェインが含まれています。チョコレートやコーヒーゼリーなどのスイーツにもカフェインは含まれていますが、常識的な量の摂取であれば気にする必要はないでしょう。
オロナミンCにもカフェインが入っていますが、1本や2本であれば影響はありません。しかし、一部のエナジードリンクには300mg以上のカフェインが含まれていることもあるため、必ず成分量を確認しましょう。お酒にはカフェインは含まれていませんが、妊娠中のアルコール摂取は、カフェイン以上に悪影響をおよぼす可能性があるので控えましょう。
妊娠初期におすすめ飲料 編集部厳選
カフェインレスコーヒー
最近ではカフェインの含有量を減らしたコーヒーが売られています。好みの味を見つければ、コーヒーを断つストレスを感じなくてすみますね。街中のカフェでも「デカフェ」と書かれている飲み物はカフェイン量が控えめなので、試してみてはいかがでしょうか。
たんぽぽコーヒー
妊娠中のママに人気なのがたんぽぽコーヒー(たんぽぽ茶)です。当時高価だったコーヒーの代わりになるものとして、たんぽぽの根をコーヒー豆の代わりに煎じて作られたのが始まりといわれています。
ノンカフェインなうえに、さまざまな健康成分が含まれています。味は商品によって違いがありますが、コーヒーに近く、少し癖があるようです。
ハーブティー
英国ハーバリストと妊産婦ケアの専門家が開発した、ノンカフェインの英国オーガニック認証のハーブを使用したマタニティブレンドです。ティーバッグタイプで持ち運びが便利なので、自宅でも職場でも楽しむことができますよ。日本国内の工場でブレンド・製造されている点も心強いですね。 ハイビスカス、ネトル、ローズヒップなどの8種類のこだわりの英国オーガニック認証のハーブを使用しています。そのまま飲んでもおいしいですが、豆乳を入れるとまろやかな味が楽しめますよ。
妊娠初期はコーヒーへの印象が変わることも
妊娠初期は、食べ物の嗜好が変わったり、においの影響を受けやすくなったりする時期でもあります。人によっては、これまで好きだったコーヒーの香りを受けつけず、吐き気を感じることもあるようです。気持ち悪いと感じたときは、マスクをつけるなどにおいを遮断してみましょう。逆に、これまで好きではなかったコーヒーや炭酸が無性に飲みたくなることもあります。
口の中の苦味がまぎれるため、つわり中に苦いコーヒーゼリーを好んで食べるママもいるようです。大量に食べなければカフェインを気にする必要はありませんが、心配なようであればカフェインレスのコーヒーゼリーがおすすめです。市販されているものもありますし、ノンカフェインのインスタントコーヒーで手作りしても良いですね。
コーヒー以外の眠気対策
強い眠気をコーヒーで覚ましているママもいるかもしれません。とくに働いているママは、仕事に支障が出ることもあるので、眠気対策は必須ですよね。コーヒーがどうしても飲みたくなるママは、以下の方法で眠気を解消してみてはいかがでしょうか。
・ガムを噛む
・冷水で顔を洗う
・軽い運動をする
ガムを噛むことで脳の神経伝達物質が活発になり、脳や身体が目覚めることがあります。眠気対策用のガムもありますが、カフェインが含まれているので、一般的なミントガムが良いでしょう。
また、冷水で顔を洗うと、気分がすっきりして眠気が覚めることがあります。冷たさで交感神経が活発になることが目が覚める一因のようです。ストレッチで身体をゆっくりほぐすことで、交感神経を活発にすることもできます。何を試してもだめなときは短いお昼寝をおすすめします。身体も脳もリセットされて、すっきりしますよ。
飲酒・タバコ・薬、カフェイン以外に気をつけるもの
お酒
カフェイン以外にも注意したほうが良いものがあります。ひとつはお酒です。妊娠中にアルコールを摂取したママから産まれた赤ちゃんには発育の遅れ、中枢神経の障害などがみられる場合があります。赤ちゃんのためにも飲酒は避けたいものですね。
タバコ
喫煙も赤ちゃんに影響をおよぼすといわれています。ニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、早産などのリスクを高めます。受動喫煙でも影響しますから、パパや家族にも禁煙してもらえると良いですね。
薬
市販の薬の中には、胎児に影響を与える成分が入っているものもあります。薬を服用するときは、必ず担当の医師に確認してからにしましょう。食べ物の中では、魚にも注意が必要です。魚は栄養も豊富で健康に不可欠ですが、体内に微量のメチル水銀が蓄積されていることもあります。本マグロやキンメダイなどは過剰に食べないようにしましょう。
ビタミンA
ビタミンAの過剰摂取にも気をつけたほうが良いといわれています。ビタミンAは不足してもいけませんが、過剰に摂ると腹痛、吐き気、めまい、頭痛などが起こることがあります。普通の食事であれば摂り過ぎる可能性は低いですが、サプリなどで摂取する場合は使用量を守りましょう。
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カフェインに気をつけて妊娠生活を楽しもう
カフェインの過剰摂取はママや赤ちゃんに影響を与えることもあります。過度に心配しすぎる必要はありませんが、コーヒーは1日3杯程度にしておきましょう。水分補給には、ハーブティーやたんぽぽコーヒーなど、カフェインレスの飲み物がおすすめです。
カフェインの正しい摂取量を覚えておけば、ストレスを感じずに妊娠生活を送ることができるかもしれませんよ。赤ちゃんを第一に考えた食生活を整えていきましょう。