妊娠初期に気づかず喫煙!タバコ・電子タバコの影響は?やめられないときの対策も解説
妊娠していることに気づかずに、タバコを吸ってしまったというママは少なくありません。妊娠初期の喫煙は、ママや赤ちゃんにどのような影響を与えるのでしょうか。流行の電子タバコの影響も気になりますね。ここでは、妊娠初期の喫煙の影響と禁煙対策について解説していきます。
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目次
妊娠初期とは?
妊娠初期とは、お腹に赤ちゃんがいることが確定してから、妊娠4ヶ月までのあいだをさします。正式な医学用語ではありませんが、まだ妊娠が判明していない妊娠0~3週ごろを「妊娠超初期」と呼び、妊娠初期と区別することもあります。
妊娠初期は、赤ちゃんの器官ができていく大切な時期です。ママは自分ひとりの身体ではないことを自覚し、食べるものや飲むものにも気を遣う必要がありますね。とくに注意が必要なのはタバコです。
妊娠初期にタバコはNG?
タバコに含まれるニコチンは、血液の循環を悪化させる可能性があります。成長に必要な酸素や栄養が行き届かなくなることもあり、ママだけではなく赤ちゃんの身体にも影響します。妊娠中は禁煙を心がけましょう。
妊娠初期に気づかず喫煙してしまったというママは、気づいた時点で早めに禁煙するように努めましょう。いつまでなら吸ってよいということを示す医学的な根拠はないとされています。1日1本までならまったく影響しないというわけでもないので、量や回数を減らすというよりは、吸わないことが大切です。
妊娠初期にタバコを吸うとまずく感じる?腹痛がおこる?
妊娠初期は、多くのママがつわりを感じ始める時期です。つわりの症状は人それぞれで、吐き気を感じるだけではなく、味覚が変わることもあります。これまで好物だったものが苦手に感じたり、それほど好きではなかったものが食べたくなったりするママもいます。
喫煙者のママが、妊娠するとタバコを急にまずいと感じることがあるようです。タバコの味やにおいに、吐き気を感じることもあるでしょう。自分が吸っていなくても、喫煙者がそばにいるだけで不快に感じる場合もあります。
また、非喫煙者といったニコチンに対する耐性がない人は、少量の喫煙でも、腹痛やめまい、吐き気などの症状が現れるといわれています。妊娠中は身体が特別な状態になっているため、喫煙者でも腹痛が起こる可能性もあります。
味覚の変化や腹痛は、すべてのママに起こるわけではありません。しかし妊娠の可能性があり、喫煙時にいつもと違う変化があるようなら、タバコを吸うことは避けたほうが良いでしょう。
妊娠初期に吸ったタバコは赤ちゃんに影響する?
妊娠初期にタバコを吸ってしまった場合、胎児への影響はあるのでしょうか。タバコにはさまざまな有害物質が含まれています。ニコチンは血管を収縮させる作用があるため、子宮を循環する血液量を減少させる可能性があります。
また、一酸化炭素は血液中の酸素を運ぶ機能を低下させるため、胎児が低酸素状態に陥る可能性があります。タールは発がん性リスクがあるだけではなく、ママの肺機能を低下させることも考えられます。この影響で胎児への酸素供給量がさらに低下してしまう恐れがあるため、妊娠初期であっても喫煙は避けるようにしましょう。
妊娠中に喫煙をしていたママの赤ちゃんは、低出生体重児となるリスクが高くなるというデータもあります(※1)。また、喫煙者の自然流産の発生率は非喫煙者のママの2倍、早産率は1.5倍近くになるといわれています。
また妊娠中の喫煙によって、口蓋裂(こうしんれつ)などの先天異常や、その他の障害リスクもあるといわれています。喫煙が必ずしも赤ちゃんに影響するわけではありませんが、万が一の可能性もあります。妊娠に気づいたら、できるだけ早く禁煙したいものですね。
妊娠初期に吸ったタバコはママに影響する?
女性の喫煙は、不妊や異所性妊娠(子宮外妊娠)などの一因になるといわれています。子宮外妊娠は、子宮内膜以外に受精卵が着床した状態です。妊娠検査薬で陽性反応が出ますが、妊娠の継続はほぼ不可能といわれています。
妊娠中の喫煙は、胎盤が正常より低い位置に付着する「前置胎盤」、赤ちゃんがお腹の中にいるのに胎盤が剥がれてしまう「常位胎盤早期剥離」、子宮口が全開大になる前に破水する「早期破水」、妊娠37週未満で生まれる「早産」などの可能性が高くなるといわれています。
また、喫煙は赤ちゃんが生まれた後の成長や授乳にも影響するといわれています。健康的に妊娠を維持するためにも、妊活中から禁煙することが望ましいですね。
他人の喫煙はママや赤ちゃんに影響する?
ママ本人だけではなく、周囲の人の喫煙も赤ちゃんに影響する可能性があります。他人のタバコの先から出る「副流煙」は、実際に喫煙者が吸い込む「主流煙」と比較して、ニコチンは2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素は4.7倍にもなるといわれています。(※2)パパや家族の喫煙は、ママや赤ちゃんの健康を害する可能性があることを伝えておきましょう。
日本の受動喫煙対策は遅れがちでしたが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、法律上も整備が進められています。職場や事務所などは「屋内禁煙」「喫煙専用室設置」「過熱式タバコ専用喫煙室設置」のどれかに移行するよう義務づけられています。タバコが気になるママにとっては嬉しい動きですね。
法律上では、規模の小さい飲食店は喫煙可能となっています。妊娠中はできるだけ喫煙席を避けるようにしましょう。喫煙スペースが一緒になっている居酒屋などの飲み会は、欠席を検討しても良いかもしれません。
妊娠初期の電子タバコは赤ちゃんに影響する?
最近、喫煙者のあいだで人気なのが電子タバコです。紙巻タバコに比べて煙やにおいが少なく、有害成分が少ないというメリットがあります。タバコ葉を燃やさずに加熱する「加熱式電子タバコ」にはIQOS(アイコス)、Ploom TECH(プルーム・テック)、glo(グロー)などがあります。
加熱式タバコのほとんどは、ニコチンが含まれています。そのため、とくに妊娠初期では吸わないほうが良いでしょう。その他にも、液体を加熱させ水蒸気を吸う「リキッド式電子タバコ=VAPE(べイプ)」というものもあります。emili(エミリ)もそのひとつです。
リキッド式は法律上、ニコチンやタールは含まれていません。しかし、リキッドの成分によってはママや赤ちゃんに影響をあたえる可能性もあるため、なるべく避けたほうが良いといわれています。
タバコがやめられないときの禁煙方法は?
まずは本数を減らすことから始めてみましょう。可能であれば、妊娠前から1日1本程度に減らすのが理想です。どうしても吸いたくなるときは、禁煙仲間をつくって支え合ってみましょう。メールやSNSで禁煙情報を送り合うことで、お互いのモチベーションが上がるかもしれません。
禁煙カレンダーをつけるなど、記録を残すことで禁煙の成功率が高まることもあります。禁煙アプリなども利用してみましょう。また、禁煙環境を整備することも大切です。タバコやライターを処分したり、周囲に禁煙を伝えたりしておきましょう。
どうしても禁煙のストレスがたまってしまう人は、タバコに変わる代替行動を探してみるのも良いでしょう。ガムをかむ、温かい飲み物を飲む、趣味に没頭する、友人とおしゃべりするなど自分に合った対策を見つけることが大切です。
それでも喫煙をやめられないママは、病院の「禁煙外来」を受診してみましょう。ニコチンパッチなどは原則として使えませんが、有益なアドバイスをもらえますし、代替治療法や認知行動療法などを提案してくれるかもしれません。
妊娠初期は禁煙とともに禁酒も
タバコだけではなく、アルコールもママや赤ちゃんに悪影響をあたえるといわれています。ママが飲んだお酒は、胎盤を通してお腹の赤ちゃんに移行してしまうのです。赤ちゃんの各器官が形成される妊娠初期にお酒を大量に摂取すると、器官に異常が生じる可能性もあります。
妊娠初期以降も、赤ちゃんの発達や知能に影響する場合があります。妊娠時の飲酒で、安全とされる量は医学的に明らかになっていません。妊娠がわかったら禁酒しましょう。
飲み会は、ソフトドリンクにしておくと安心です。多量のカフェイン摂取を避けるため、コーヒーやお茶にも注意が必要です。また、薬の成分の中には赤ちゃんに影響をあたえるものもあります。妊娠中に不調を感じたときは、自己判断で薬を使用せず、担当の医師に相談しましょう。
妊娠初期のタバコに関する体験談
筆者や夫はタバコを吸いませんでしたが、里帰り先の実両親が1日10本近く吸うヘビースモーカーでした。どうしても禁煙は難しいようでしたが、喫煙するときは必ず外に出て、受動喫煙にならないように努力してくれました。寒い中、何度も外に出るため、申し訳なく感じましたが、本人たちは良い気分転換になると笑っていました。
しかし両親は、タバコを吸うために何度も外に出るのが面倒になり、喫煙本数が自然と減ったようです。両親の健康面を心配していたので、少しホッとしました。自分のために家族の楽しみを奪うのは気が引けたので、無理に禁煙をすすめようとは思っていませんでした。
吸わない人は、吸う人のストレスをためないように、吸う人は吸わない人の迷惑にならないように、お互いに気を遣うのも大切だなと感じました。
赤ちゃんのためにも禁煙を始めよう
妊娠初期の喫煙は、赤ちゃんやママの健康に重大な影響を与える可能性があります。妊娠が判明したら、早めに禁煙しましょう。異所性妊娠(子宮外妊娠)などのリスクも高まるため、可能であれば妊娠前から禁煙するのが理想です。受動喫煙にも大きなリスクがあります。パートナーや家族が喫煙者の場合は、なるべく禁煙してもらうか屋外で吸ってもらうなど、受動喫煙対策に協力してもらいましょう。禁煙が難しいときは、病院の禁煙外来を利用するのも良いですよ。
※この記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。