妊娠初期のげっぷ!苦しい・止まらないときの対策は?おならや吐き気もつらい?

妊娠初期にげっぷに苦しむ妊婦さんがいます。なぜ妊娠初期にげっぷが出てくるのでしょうか。それにはホルモン分泌やストレスが関わっているようです。止まらないげっぷの対処法や、げっぷを症状とする病気を解説します。げっぷに苦しんだ妊婦さんの体験談もあるので参考にしてみてください。

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この記事の監修

藤東 淳也
産婦人科医
藤東 淳也

目次

  1. 妊娠初期はげっぷが出やすい?いつから?
  2. 妊娠初期のげっぷはどうして出るの?
  3. 妊娠初期のげっぷ対策は?
  4. 妊娠初期のげっぷは放っておくと危険?
  5. 妊娠初期のげっぷの体験談
  6. げっぷを改善してストレスのない妊娠生活を
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妊娠初期はげっぷが出やすい?いつから?

妊娠初期とは、妊娠4〜15週を言います。お腹に赤ちゃんがいると判明してから妊娠4ヶ月までの時期であり、妊娠時特有のさまざな症状が現れるころでもあります。

一般的な妊娠初期の症状としては、腹痛や頭痛、腰痛などの各部の痛み、眠気やだるさがあげられます。吐き気や嘔吐といった、つわりの症状も妊娠初期の特徴のひとつです。イライラ感や不安感など精神的な症状も出やすいようです。慢性的なげっぷに悩まされる人もいます。

げっぷだけではなく、おならが出やすくなったり、げっぷと同時に吐き気や胸焼けがしたり、息苦しさを感じたりすることもあるようです。げっぷが出始める時期は人それぞれで、妊娠がまだ判明していない「妊娠超初期」とよばれるころから始まる人や、妊娠後期までずっとげっぷが続くケースもあるようです。

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妊娠初期のげっぷはどうして出るの?

女性ホルモンの作用

げっぷは消化不良の症状のひとつといわれています。妊娠初期は、ホルモン分泌の影響で胃腸の働きが弱まってしまうことが多い時期です。胃の働きが低下すると、胃にたまった空気が上手く体内で吸収されず、げっぷとなって出てきてしまうことがあるのです。

妊娠すると、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増えます。このプロゲステロンは平滑筋を緩ませ、消化器官の働きを鈍くすることがあります。また、もうひとつの女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)との分泌バランスが崩れると、自律神経に影響を与えます。自律神経のみだれも胃腸の働きを弱めることがあるため、げっぷが増える原因となりえます。

さらに自律神経がみだれて「交感神経」が優位になると、身体も心も緊張状態が続きます。緊張状態では唾を飲み込む回数が増え、同時に空気も多く飲み込み、げっぷにつながることがあるようです。

食べつわり

妊娠初期のつわりのなかには「食べつわり」とよばれる症状があります。お腹が空くと、吐き気や胸焼けを感じるので、間隔を空けずに何かを食べてしまうという状態です。食べつわりが続くと、食べ物とともに空気を飲み込む機会も増えるため、げっぷへとつながります。

また、食べ過ぎが続くと消化不良になる可能性も高まり、さらにげっぷが出やすくなってしまうという悪循環です。食べつわりの人は、胸焼けを解消するために無意識に唾を飲み込む機会も多くなり、それによってげっぷが増えることもあるようです。

唾の飲み込みすぎ

妊娠初期の症状のひとつに、唾液が過剰に出てくるというものがあります。「よだれつわり」とも呼ばれ、原因は明らかではありませんが、これもホルモンバランスの崩れや自律神経のみだれが関係しているといわれています。よだれつわりの人は唾を飲み込む機会が増えるため、空気が胃にたまり、げっぷにつながることがあります。

また、無意識に空気をたくさん飲み込んでしまう「呑気症(空気嚥下症)」の可能性もあります。胃に空気がたまることで膨満感や不快感を覚え、げっぷやおならの数が増えます。呑気症も不安やストレス、自律神経のみだれなどが原因といわれています。

疲れやストレス

疲れやストレスがげっぷの原因となることもあるようです。妊娠中は、普段とは違う身体の変化に疲れを感じたり、イライラを感じたりすることも多くなります。疲れやストレスはさまざまなトラブルを引き起こします。

ホルモンの分泌は脳から指令がいくので、ストレスがたまると負荷がかかり、ホルモンバランスが崩れるといわれています。またストレスは自律神経のみだれにもつながります。ホルモンと自律神経のみだれは消化不良につながるため、げっぷが起こりやすくなります。

妊娠初期のげっぷ対策は?

暴飲暴食をしない

妊娠初期のげっぷは、消化不良からきているものもあります。胃に負担をかけないようにするのが、改善方法のひとつといえます。そのためには、必要以上の暴飲暴食を避けましょう。胃が消化しきれず、体内で吸収されない空気がげっぷやおならになってしまいます。

食べ過ぎた後は胃に過剰な力がかかり、げっぷだけではなく胃酸も逆流しやすくなります。また、よく噛まずに食事をすると空気を飲み込みやすくなります。できるだけゆっくり、よく噛みながら適度な量を食べるのがポイントといえるでしょう。

胃にやさしいものを食べる

消化しやすいもの、胃に負担をかけないものを食事に摂りいれることも、げっぷの改善につながるかでしょう。消化しやすいものがイメージしにくいときは、赤ちゃんの離乳食によく使われるものを想像すると良いかもしれません。

たとえば、お米や豆腐、じゃがいもなどは消化しやすい食材です。野菜類はかぶや大根など、柔らかく食物繊維が少ないものが良いといわれています。しかし食物繊維はバランスよく摂りいれないと便秘の原因になってしまうので適度な摂取量を維持しましょう。

果物類は身体に良いイメージがありますが、柑橘類やキウイ、パイナップルなどは比較的消化しにくいといわれています。食べるならりんごやバナナがおすすめです。飲み物はなるべく温かく、カフェイン控えめのものを選ぶと胃の負担が少なくなるでしょう。

炭酸飲料を控える

炭酸飲料を飲むと、げっぷが出やすくなりますよね。炭酸ガスで胃がふくらむので、それを戻すためにげっぷで空気を口に逃がしているのです。そのため、炭酸飲料を控えればげっぷの回数が減ることもあります。とくに甘い炭酸飲料は砂糖が多く含まれているため、妊娠中はおすすめできません。

ただし、げっぷが出そうで出ない状態が続く人の場合は、炭酸飲料を飲むことでげっぷが出て、気分がすっきりすることもあります。また、つわりが苦しい人は炭酸を飲むと口がさっぱりするといった意見もあるようです。どうしても飲みたいときは糖分控えめのものを選ぶと良いでしょう。

ストレスをためすぎない

げっぷにはストレスが関わっていることもあります。とくに「呑気症」はストレスが大きな要因となっています。休養と睡眠をしっかりと取り、疲れを残さないように心がけましょう。また、げっぷで周囲の人やパートナーの視線が気になるときは、病状について説明してみるのもひとつの手です。理解が得られれば、精神的にも楽になるかもしれません。

自宅でもできるようなストレス解消方法を考えてみましょう。アロマなども不安や緊張をほぐしてくれるのでおすすめです。ただし、妊娠中は止めたほうが良いといわれているアロマもあるので専門家に相談してみましょう。

くよくよと考えすぎると、げっぷが悪化するだけではなく、赤ちゃんや母体にも悪い影響が出るかもしれません。趣味に没頭したり、音楽を聞いたり、好きなことに集中して一時的でもげっぷのことを忘れてみましょう。

妊娠初期のげっぷは放っておくと危険?

つわりが悪化すると「妊娠悪阻」に

つわりが重症化した状態を「妊娠悪阻(おそ)」と言います。吐き気や嘔吐だけではなく、つわりによって食事も摂ることができず、栄養が取れない状態です。体重減少や脱水症状が起こり、治療が必要となります。治療としては、食事指導、精神療法、点滴などがあります。

妊娠悪阻は全妊婦の0.1%程度の割合といわれ、げっぷを放置したからといって必ずしも妊娠悪阻になるわけではありません。ただし、過度のげっぷや胸焼けによって食事がほとんど摂れないようであれば、病院で相談してみたほうが良いでしょう。

食道炎や胃炎になることもある

げっぷが慢性的な場合や、1日中頻繁に出る場合は病気の兆候である可能性もあります。胸焼けがあったり、げっぷが出たりする「食道裂孔ヘルニア」は、横隔膜にある食道裂孔を通って、胃の一部が出てしまっている状態です。食道裂孔ヘルニアが悪化すると、逆流性食道炎になることがあります。

逆流性食道炎は、食べたものが消化されないまま胃酸とともに食道の入り口まで逆流し、食道に炎症を起こす病気です。げっぷが出るまでは喉奥が詰まったような不快感があります。胃酸を抑える薬を飲むなどの治療法がとられます。

げっぷの増加とともに胃も痛い場合は、胃炎の可能性も生じます。胃の粘膜に炎症が起きた状態です。食べすぎやストレス、ピロリ菌が関係しているといわれています。急性胃炎と慢性胃炎があり、どちらも胸のむかつきや嘔吐、げっぷなどの症状があります。放置すると悪化することもあるので、病院で診察を受けましょう。

あまりにも苦しいときは病院へ

妊娠中のげっぷは、ホルモンバランスや唾の飲みすぎなどが原因のことがほとんどですが、重篤な病気につながる可能性もあります。ずっとげっぷが続いて苦しかったり、胸がむかついて食事ができなかったりするようであれば、病院で相談してみましょう。たかがげっぷで病院に行くのは恥ずかしいとは思わず、妊娠中の身体を第一に考えましょう。

妊娠初期のげっぷの体験談

ままのて調査隊調べ

妊娠初期にげっぷが出たという妊婦さんは約4割でした。つわりの初期症状としてのげっぷや、つわり中にげっぷが出るという方が多いようです。

まだ妊娠に気付いていないほどの初期から、頻繁に出そうでスッキリ出ないげっぷが続きました。げっぷが出始めて約2週間はげっぷそのものでした。ホントに小さなげっぷでした。最初は気にも止めていませんでしたがそれがだんだんと胸焼けのような状態になり、げっぷから、吐き気に代わり本格的なつわりになっていきました。
(匿名さん/出産当時30代)

一人目の妊娠、二人目の妊娠と、つわりがひどく何も食べられませんでした。頑張って何かを口にしても吐いてしまうので、胃の中は常に空っぽ状態。空っぽ状態がよくないのか、酸っぱいようなげっぷがよく出ていました。酸っぱいげっぷのせいで余計気持ちが悪くなるという悪循環に陥り、本当につらかったです。あとは、吐き気に伴いげっぷがよく出ました。
(ちゃちゃさん/出産当時30代)

つわりがひどく、お腹の中に空気がたまっている感じがあり、げっぷが出そうで出なくつらかったです。吐き気がこみあげてくると、胃の中のものと一緒にげっぷも出てきました。吐き出すとだいぶすっきりしますが、食事をとると、またげっぷがたまってきます。げっぷを出すために吐いているという感じでした。毎日2、3回は吐き、2ヶ月くらい続いたので、辛かったです。
(MTさん/出産当時30代)

食べつわりによるげっぷで気分が悪くなる方が多いのではないかなと思うので、あまりお腹いっぱいにならないように食べる量を抑えて回数を増やすとマシになります。また、炭酸飲料を好んで飲むとよくなりましたが飲み過ぎには注意していました。また、氷を口に含ませて舐めるくせをつけるとげっぷをかなり減らすことができました。夕食に揚げ物を避けて、食べたいときは昼間に量を考えながら食べることをおすすめします。
(micelllさん/出産当時30代)

出てしまうものは仕方がないので、前もって周りの人には伝えておいたほうが楽かもしれません。私も仲の良い人には伝えました。あとは、トイレに行ったときに胃の中が空っぽになるくらい空気を吐いていました。飲み物を一気に飲んだら空気をいっぱい吸い込むから少しずつ飲んだほうが良いとネットでありましたが、私には全然効かなかったので、誰もいないのを見計らってげっぷをするのが一番だと私は思います。スッキリするし、しばらくは出なくなります。
(aikoroさん/出産当時30代)

げっぷを改善してストレスのない妊娠生活を

妊娠初期には、さまざまな身体の変化が訪れます。出産への期待と不安でいっぱいのときに、つわりや苦しいげっぷが続くと、身も心も疲れてしまいますよね。しかし、身体の不調は安定期に入れば少しずつ良くなることも多いです。

少しでも苦しいげっぷを改善できるよう、気楽に試せることから始めてみましょう。無理をせず、苦しいときは病院に相談してみてください。ストレスの少ないマタニティーライフを目指していきましょう。

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