妊娠超初期の吐き気はいつから・どんな感じ?下痢・腹痛・げっぷを伴ったり急におさまったりすることはある?
産婦人科医監修|妊娠超初期の吐き気はいつからどのように感じることが多いのでしょうか。吐き気とともに下痢や腹痛、頭痛やめまい、寒気といった症状に悩まされる妊婦さんも少なくありません。起床時やお風呂に入っているとき、食後などに吐き気を感じる人が多いようです。体験談を交えながら、妊娠超初期の吐き気の原因や対処法を解説します。
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目次
妊娠超初期とは?吐き気・下腹部痛などの症状が表れる?
妊娠4週までを「妊娠超初期」と呼ぶ
妊娠超初期とは医学的な言葉ではありませんが、一般的に妊娠0週~4週をさします。最終月経が始まる週を妊娠0週とし、生理が規則的であれば妊娠2週頃に排卵が起こります。受精卵が子宮に着床すると妊娠成立となり、このときには妊娠3週をむかえているでしょう。妊娠4~5週になると、生理予定日に生理がこないことから妊娠に気づく人が多いかもしれません。
「妊娠超初期」の症状には個人差がある
一般的には妊娠5週あたりから吐き気や胃のむかつきといった、つわりの症状が出始めるといわれています。一方で早い人だと受精卵が着床する妊娠3週頃(生理予定日の1週間前)から吐き気や下痢、頭痛をはじめとした妊娠超初期症状が現れる人もいます。ただし妊娠超初期症状の有無や症状の感じ方には個人差があります。
妊娠超初期に胃から逆流してくるような吐き気がたびたびありました。生理が遅れていましたが、生理が遅れることがたまにあったので、今回もそれだろうと思い込んでいました。
吐くほどではありませんでしたが、二日酔いのときのような胃痛とムカムカが続いていました。吐き気に加えて生理が遅れたため、妊娠検査薬を試しました。
妊娠超初期の吐き気はどんなときに起こりやすい?
妊娠超初期の吐き気の有無や感じ方に個人差があるように、吐き気を感じやすいタイミングにも個人差があるようです。原因にもよりますが、吐き気を感じやすいのは食前・食後(空腹時・満腹時)やお風呂に入っているとき、起床時などがあげられます。
また妊娠の影響で特定の食べ物を受け付けなくなったり、タバコなど特定のにおいで吐き気をもよおしたりする人もいます。
妊娠超初期の吐き気の原因
つわり
つわりとは妊娠5~6週から現れやすい吐き気や嘔吐などの症状で、妊婦さんの50%~80%が経験するといわれています。つわりがなぜ起こるのかはっきりと判明していませんが、妊娠が成立することによってホルモンバランスが大きく変わることが要因のひとつと考えられています。
つわりの症状には個人差があります。受精卵が着床する妊娠3週頃から吐き気や胸やけを感じる人もいれば、まったくつわりを感じることがないまま妊娠週数を重ねる人もいます。空腹のときに吐き気を感じるという人もいれば、就寝時・起床時に吐き気を感じる人もいます。
つわりの多くは妊娠12~16週前後に自然におさまりますが、まれに症状が悪化し、治療が必要な妊娠悪阻(にんしんおそ)になる場合があるので注意が必要です。強い吐き気や嘔吐の影響で水分が取れていないときは、早めに病院を受診しましょう。
お酒
妊娠に気づかずお酒を飲んでしまったというケースは、妊娠超初期には十分起こりえます。妊娠判明後に、妊娠超初期の飲酒の影響が気になる人も多いでしょう。人によっては、妊娠超初期の吐き気だったのか飲酒後の気分の悪さだったのか、見分けがつかない人もいるようです。
赤ちゃんの器官や胎盤が完成していない妊娠超初期であれば、比較的赤ちゃんへのアルコールの影響は少ないといった説もあるようですが、妊娠が判明した際は必ずやめるようすすめられています。お酒好きな人にとってはつらいかもしれませんが、妊娠を希望したタイミングでお酒は控えるようにしましょう。
食べ過ぎ・飲み過ぎ
食後に吐き気を感じることが多い場合、食べ過ぎまたは飲み過ぎである可能性も考えられるでしょう。ただし妊娠の可能性がある場合、特定の食べ物やにおいで吐き気を感じる場合もあります。牛乳など特定のものを口にしたときのみ、吐き気が起こっていないかを確認してみましょう。
ストレスなど他の要因
ストレスが原因で吐き気を感じることもあります。また、病気が原因で吐き気を感じることもありますよね。吐き気のみで、妊娠の有無を判断するのは難しいです。他の妊娠初期症状を確認し、妊娠検査薬も試しましょう。
妊娠超初期に吐き気を感じたときの注意点
妊娠超初期には、まだ妊娠検査薬が使える時期ではない人や病院で妊娠の確定をしてもらっていない人も多いでしょう。妊娠を希望している場合、または妊娠の可能性がある場合には妊娠中の注意点をあらかじめ知っておくと安心できますよ。
薬の服用は控える
妊娠超初期の吐き気を風邪だと考え、症状をやわらげるために風邪薬を飲みたくなる人もいるかもしれません。赤ちゃんの身体の器官形成は、妊娠超初期にあたる妊娠4週頃からはじまります。この時期に薬を飲むと赤ちゃんの発育に悪影響が出る可能性があるので、自己判断で薬を飲むのは避けましょう。
無理をしない
妊娠超初期の吐き気には、個人差があります。一日中ずっと気持ちが悪い人もいれば、吐き気があったりなかったりする人もいます。吐き気以外だけでなく、腹痛・頭痛・寒気・めまいなどの症状がある人もいるでしょう。妊娠の有無がはっきりしていない段階では無理してしまう人も少なくありませんが、妊娠の可能性を考えて無理せず過ごすようにしましょう。
葉酸をとる
葉酸は妊娠初期の赤ちゃんのDNA合成を助ける、発育に必要な栄養素です。厚生労働省も妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まではバランスのとれた食事からの葉酸の摂取に加え、サプリメントなどから付加的に1日0.4mgの葉酸を摂取するようすすめています。
葉酸が不足すると、赤ちゃんの先天性異常のひとつである神経管閉鎖障害を発症するリスクが高まります。葉酸の摂取が十分でないと、赤ちゃんだけでなくママについても免疫機能の低下や貧血といった症状が出やすくなります。妊娠を希望している時点または妊娠の可能性がある時点から、葉酸の積極的な摂取を心がけても良いかもしれませんね。
妊娠超初期の吐き気とともに感じる症状
腹痛
下腹部全体が痛む人もいれば下腹部の一部がチクチク痛む人もおり、腹痛といっても感じ方には個人差があります。妊娠超初期はホルモンバランスが変化し、赤ちゃんを育てるために子宮が大きくなる準備をする時期です。その影響で腹痛を感じることがあると心得つつも、痛みが強くて心配なときは病院に相談してみましょう。
胃痛
吐き気とともに胃痛を感じる人も少なくありません。胃がむかむかしたり、吐けない状態が続くのが気持ち悪かったりする人もいるようです。
下痢・便秘
妊娠中に分泌されるホルモンのひとつのプロゲステロンは、妊娠を維持させるために、子宮の収縮を抑える働きがあります。人によっては、プロゲステロンの影響で消化器系の器官の働きも抑えられ、便秘や下痢が起こるケースがあります。
吐き気とともに下痢の症状が続くと脱水症状に陥りやすいため、水分はこまめに取るようにしましょう。長期間、下痢が続いている場合は食中毒や感染性胃腸炎が原因となっている可能性があります。一度、病院を受診してみましょう。
げっぷ
げっぷもホルモンバランスの変化で起こりやすい妊娠超初期症状のひとつです。食事直後やストレスのあるときに、げっぷはよく起こります。妊娠超初期の吐き気がストレスになってげっぷが起こるケースや、その吐き気を抑えようと無意識のうちに多く空気を飲みこんでいるためにげっぷが出るケースがあるようです。
炭酸飲料を控えたり、ストレスをためこまないようリラックスすることを心がけたりして、げっぷの発生を抑えるようにしましょう。げっぷを我慢することでさらに気分が悪くなることもあるため、気になるようであれば病院に相談してみてくださいね。
頭痛・めまい
妊娠によるホルモンバランスの乱れや、吐き気によって十分な食事がとれず栄養が偏っていることが原因で、頭痛やめまいが起こることもあります。また、妊娠すると赤ちゃんの成長のために多くの鉄分が使われ、ママの身体は鉄分不足になりがちです。特にめまいは鉄分不足による貧血から起こることがあるため、積極的に鉄分を摂取するようにしましょう。
寒気
妊娠したことによるホルモンバランスの変化から自律神経が乱れ、体温調節がうまくいかず寒気を感じることがあります。また、基礎体温をつけている人にはわかりやすいのですが、妊娠超初期には高温期が続きます。いつもよりほんの0.3~0.5℃の体温の上昇が、寒気を感じやすくしている可能性があるのです。
吐き気を感じなければ温かい食事をとるようにしたり、衣服を重ねたりするなど冷え対策をしてみましょう。
妊娠超初期の吐き気の対処法
食べられるものを食べる
吐き気で食欲不振になっているときに、いつも通りの食事をとろうとするとさらに吐き気が生じることがあります。のどごしが良いゼリーやサッパリとしたフルーツなど、食べられるものを食べるようにしましょう。妊娠中は食べ物の好みが変わることも多く、妊娠前に口にしなかったものを食べたくなることもあります。
夜中や朝にすぐつまめるものを用意する
空腹を感じると吐き気の症状が出る、食べつわりに悩まされる人もいます。夜中や朝といった空腹を感じやすい時間に気持ちが悪くなってしまうのも、食べつわりの特徴のひとつです。こうした時間帯に食べつわりが出る場合は、おにぎりやクッキーなど、すぐにつまめるものを枕元に置いておくなどの工夫をしてみましょう。
香りが少ないものを食べる
特定のにおいをかぐと、吐き気を感じるという妊婦さんも多いでしょう。苦手になるにおいには個人差がありますが、よくみられるのが作りたての料理のにおいがNGになるケースです。この場合、冷ましてから食べたりにおいが少ない食材を選んだりするなどしてみましょう。
締め付けない衣服を着る
吐き気を感じたときに、ゆったりとした衣服に着替えるだけでつわりが軽減されることがあります。ブラジャーをノンワイヤーのもの、もしくはカップ付きのインナーに変えるだけで楽になったという人もいます。マタニティウェアやインナーの使用もおすすめですよ。
歯磨き粉を変える
においつわりの一種で歯磨き中に吐き気を感じることがあります。歯ブラシや歯磨き粉のにおいが受け付けなくなり、歯磨きをするだけでえずくことがあるのです。毎日しなければならないことだけに、歯ブラシを持つことが苦痛になる人も少なくありません。においや味がある歯磨き粉を使用している場合は、無香料のものに変えてみましょう。
どうしても歯磨きをするのがつらい場合には取り急ぎ水で口をすすぎ、吐き気が落ち着いてから歯磨きをしましょう。
趣味や仕事に集中する
趣味や仕事に集中することで、吐き気を感じにくくなることがあります。仕事中は吐き気を感じず、仕事が終わったとたんに気持ち悪さを感じる人もいるようです。読書にゲームに映画鑑賞など、安静に過ごせるものを選んで気分転換も兼ねて集中してみましょう。
必要であれば休む
妊娠前と同じように生活しようとすることで、身体に負担がかかってしまっている場合があります。家事も仕事も、妊娠前と同じようにテキパキとこなせないことにストレスを感じているママもいるかもしれません。吐き気の症状が出ているときは、赤ちゃんからの「ママ、ゆっくり休んで」というメッセージだととらえて、なるべくゆったり過ごすことを心がけましょう。
妊娠超初期の吐き気が急になくなる・おさまることも
妊娠超初期の吐き気が急になくなると身体は楽になる反面、赤ちゃんのことが気にかかるママも多いでしょう。妊娠超初期の吐き気がおさまる原因のひとつとして、妊娠が継続できずに流産が起こっている可能性があるといわれているからです。しかし、吐き気が急になくなったからといって必ずしも流産になるとはかぎりません。つわりが早めにおさまっただけという場合や日によって吐き気の感じ方が違うこともあります。
吐き気の有無が気になり、それがストレスになってしまうことのほうが赤ちゃんにとってもママにとっても負担になってしまうかもしれません。妊娠の確証が得られずソワソワしてしまう時期ですが、なるべくゆったりとした気持ちで過ごしたいものですね。
妊娠超初期の吐き気と上手につきあおう
吐き気や嘔吐といったつわりの症状を抑える特効薬は、残念ながら今はありません。自分が吐き気をどういったときに一番感じるのか、早めに特定して軽減させる方法を探してみましょう。吐き気が続くととてもつらいですが、いつかは解放されるときがきます。赤ちゃんも頑張って成長していると思いながら、前向きに乗り切りたいものですね。
※この記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。