妊娠超初期の出血は大丈夫?茶色や鮮血、色に違いはあるの?|産婦人科医監修
産婦人科医監修|妊娠を希望している人にとって、妊娠超初期の出血はとても不安になりますよね。出血が原因で妊娠が判明した人もいることでしょう。茶色い出血は気にしなくて良いものが多いと言われますが、鮮血の場合はどうなのでしょうか。ここでは、妊娠超初期の出血について、医師監修の記事で解説します。
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この記事の監修
目次
茶色い出血の場合
着床出血の可能性
妊娠していた場合、生理予定日より1週間前くらいは微量の出血がみられる場合があります。おりものにまじった茶色やピンクの微量の出血の場合は、着床出血の可能性が多いようです。
着床出血とは、子宮に受精卵が着床する際に子宮内膜をわずかに傷つけてしまうことで出血が起こることを言います。おりものに血が混じる程度の少量で、短期間で終わる出血なら着床出血と考え、通常の場合は気にしなくても大丈夫です。着床出血は誰にでも起こることではありませんので、出血しなかった場合でも心配はいりません。お腹の痛みを感じる人もいるようです。
着床出血かなと思ったら、体温の変化やそれ以外の妊娠兆候があるか、様子を見てみましょう。
絨毛膜下血腫の可能性
受精卵は、着床後に子宮内膜に根を生やして胎盤を作り始めますが、この過程において子宮に傷がつき出血することがあります。これを絨毛膜下血腫と言います。出血量は少量でおりものに茶色や薄いピンク色がついたくらいの出血です。絨毛膜下血腫の場合、胎盤が完成するころにはなくなっていきます。
子宮頸管ポリープの可能性
子宮頸管ポリープとは、子宮頸管にできる数mmから2~3cmの良性の腫瘍です。非妊娠時にはなかった人も、妊娠したことによりホルモンの影響で発生することがあります。子宮頸管ポリープの場合は、赤ちゃんが原因の出血ではありませんが、出血が原因の感染症には注意しましょう。
妊娠超初期から初期にかけてのポリープの切除は細菌感染の可能性もあるので、出血があった場合は安静にして様子を見ることが多くなります。切除する場合は、妊娠中期以降に医師の判断で行われるようです。また、徐々にポリープが枯れていったり、出産時に取れたりすることもあります。中には、妊娠中にポロっと取れて生理のような出血があったという人もいるようです。
いずれにしても医師の診断に従いましょう。
妊娠検査薬は陽性なのに生理が来た!?化学流産かも
妊娠超初期に受精卵の異常によって起きる化学流産というものがあります。妊娠検査薬には反応したのに、その後普通に生理が来た場合、妊娠超初期の化学流産だった可能性があるようです。実は化学流産は珍しいことではなく、妊娠検査薬を使っていなければ、妊娠に気がつかずに普通の生理と思っている人も少なくありません。
出血の状態は茶色や茶褐色で、通常の生理と同じような、または少しドロッとした出血があるようです。通常の流産とは違い、母体への影響はないので安心してください。
大量の鮮血は流産や切迫流産の危険も
鮮血で生理のような大量の出血がある場合は、流産や切迫流産の可能性があります。症状により、入院や自宅安静などを指示されますが、とにかく安静にして動かないような生活をすることが必要になってきます。
子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性も
子宮外妊娠とは文字通り子宮の外、多くは卵管の中に受精卵が着床してしまうことで起きるものです。妊娠超初期症状は、通常妊娠でも子宮外妊娠でも変わりがなく、妊娠検査薬の反応も陽性が出ますが、その後のエコー検査で子宮内に胎嚢が見つからない、もしくは子宮外に胎嚢が見つかることで判明します。
子宮外妊娠では、妊娠超初期は茶色いおりものまじりの出血が続くことが多いようです。着床出血との違いは、だらだらと長く出血が続くことで判断できます。さらに、お腹の張りや痛みも感じます。妊娠超初期に、子宮外妊娠に気がつかないまま卵管の中で受精卵が成長してしまうと、卵管破裂を起こしてしまいます。
卵管破裂を起こした場合、少量の出血が続き、腹痛がだんだんひどくなっていくケースと、大量の鮮血が出て、ひどい腹痛に襲われるケースがあるようです。ひどい場合は緊急搬送され、命の危険にさらされることもあります。妊娠超初期のこともあり、中には妊娠に気がつく前に子宮外妊娠で倒れてしまう人もいます。
このような事態にならないためにも、もしも妊娠超初期症状に心当たりがあり不正出血が気になるようなら、先延ばしにせず、まずは産婦人科を受診することが大切です。
妊娠超初期は安静を心がけ無理のない生活を
妊娠超初期は、女性ホルモンの変化や、子宮が大きくなり胎盤ができ始めることによって、出血も多い時期です。出血の状態が茶色で少量の場合は特に心配はありませんが、鮮血だったり大量だったり、明らかにおかしいと感じたらすぐに病院に連絡してください。母子ともに安静が大切な時期なので、あまり無理をしないような生活を心がけましょう。